ペルソナ6   作:似街楠理

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大変お待たせいたしました。待っていてくれた方には感謝しかありません。ペースはめちゃくちゃになりますが、筆はまだ置いていないので良ければまた、読んでください。


第五話 4月8日 放課後(1)

4月8日 放課後 図書室 《三輪消滅まであと7日》

 

翔とともに昨日購入したアイテムを持って図書室にやってきた。正直に言うと翔はペルソナを持っていないので不安なのだが、おそらく付いてくるなと言っても無駄だろう。そこで引き下がるような性格ではないというのは短い付き合いだが分かる。

 

「相変わらず図書室は誰もいねーのな」

「もしかしたら、三輪がいなくなったような辻褄合わせがここにも起きているのかもな」

「………どういうこと?」

「………人がいないってラッキーだな」

 

なんとなく口から出てきた憶測を追求されても困るので話を切り上げる。

 

「よし、行くか」

「絶対助けようぜ!」

 

言われずともだ。三輪にはまだ学校を案内してもらってないしな。

カバンから『リソウの三輪 凛那』を取り出し、ページを開く。今回は気を失うようなことはなく、図書室が少しづつ真緑に侵食されていく形で例の『モクジ』にまで辿りついた。

 

三輪のモノガタリ モクジ

 

「お、おい」

「章が進んでる……」

 

壁にあった目次の文字、その隣には『第一章』『第二章』とあり、前来たよりも少し増えている。

 

「そういえば、あの妙なペンギンは?」

「ペンタゴンだよな。アイツはアイツで動いてるみたいだったからもしかしたらどこかで会うかもな」

「戦力は多いに越したことはないんだが……」

「ここでうだうだ言ってもしょうがないだろ?とりあえず行こうぜ」

 

確かに翔の言うとおりだ。早速防具をつけて……。???

 

「防具、どこいった?」

「え?あ、あれ!?ね、ねーぞ!?なんでだよ!?竹刀はあるのに!?」

「………ルールが分からない」

 

竹刀は翔の言うとおりある。どうなっているんだ?

しかし分からないことに頭をひねってもしょうがない。今この世界で分かっていることは三輪シャドウが三輪と接触する前に三輪シャドウを倒すということだけ。

前と同じ手順で今度は『第二章』に触れる。するとやはり前と同じように壁が崩れ去り、今度は完全に見たことのない場所が現れた。相変わらず緑色なのは変わりないのだが。

 

「………ここは、どこだ?」

「翔も分からないか?」

「あぁ、明らかに人の家だし、正直言って分かんねーな」

 

それもそうか。辺りを見渡し耳を澄ませてみるとどこかから話し声が聞こえてくる。こんな場所で話し声ということはシャドウがそこにいる可能性が高いということだろう。

翔と目配せをして、声の聞こえる方へ進んでいく。しかし、やはり何が起こるか分からない異世界、トントン拍子には進まない。

 

《■■■■!!》

「シャドウだ!」

 

仮面を被った獣がこちらを見て襲い掛かってくる。迎え撃つ!

 

「ペルソナ!!」

 

青い炎とともに自分のペルソナ、『ピーター・パン』が姿を現す。

 

「『ガル』!」

 

暴風がシャドウを攻撃するが、空中でありえない身のよじり方をした敵は風を躱す。そしてそのままその豪腕を振るってきた。

 

「させるかっての!」

 

攻撃が当たる前に横から翔が竹刀でシャドウを殴ってくれた。一瞬怯んだ隙を見て横に転がり身をかわす。不思議と自分がどんな技を持っているのかはわかるのだが、

ただスキルを使うだけでは勝てないのか。工夫が必要そうだ。

 

「『ピーター・パン』!」

《■■■■!!!》

 

再び腕を振るおうとするシャドウをペルソナで間合いを詰めて止める。動きを止めたら翔が竹刀を振るい、今度は頭にクリティカルヒットした。シャドウは地面に倒れ伏し、身動きが取れていない。

今なら攻撃が当たる!

 

「『ガル』!」

 

暴風は今度はシャドウを捉え、その身を切り刻んだ。そのままシャドウは塵となって虚空に溶けていく。

 

「勝てたな……」

「あぁ。俺の攻撃は決定打にはならねーみてーだけどうまく当たれば相手を怯ませれそうだな!」

「頼りにしてる」

 

少し体が気だるい。どうもスキルを使うと気力のようなものを消耗するようだ。出来るだけ配分には気を使わないと……。

 

「て、シャドウがいたところになんか落ちてるぞ」

「これは、小銭と包帯?」

「なんでシャドウがこんなもん持ってるんだ?」

 

そんなことこちらに聞かれても……。まぁ、貰えるものは貰っておこうか。

 

《■■■■!!》

 

また出た!

 

「き、キリがねぇ……。行けるか!?涼!」

「ペルソナ!!」

 

シャドウが再び襲い掛かってくる。先程と同じようにまずは殴って怯ませる!

 

「な……!?竹刀が弾かれる……!」

「そんなのありか?」

 

自分も竹刀で攻撃するが、ダメージが入っていない。むしろ弾かれた痛みがこちらを襲う。

 

「やれやれ……素人の戦いだな」

「その声は……」

「やれ、『キャプテン・フック』!!」

 

どこからともなく放たれた砲撃がシャドウを吹き飛ばす。そしてその攻撃の主は、

 

「ペンギン……!」

「ペンタゴン……!」

「せめて呼び名は統一してくれないか?」

 

出自、目的不明のペルソナを使う謎のゆるキャラ、タキシードペンギンのペンタゴンとそのペルソナ『キャプテン・フック』が自分達の背後から現れた。

 

「まぁいい。我の呼び名は後で決めるとして、リョウ……と言ったな?貴様、ペルソナの使い方がまるでなってないぞ」

 

そんなこと言われてもペルソナで戦うのなんてまだ3回目……。

 

「いいか、ペルソナとシャドウの戦いで重要なのは弱点をつくことだ。そこをうまく付けばわざわざ殴って怯ませずとも済む。試しにスキルを使ってみろ、外すなよ!」

「『ガル』!」

 

ペルソナが放つ暴風が今度はシャドウにしっかりと当たった。風に巻き上げられたシャドウはそのまま先程のように突っ伏して倒れてしまっている。

 

「上出来だ」

《………な、何故オレはこんなとこにいるんだ?》

「シャドウが、喋った?」

《おい、命だけは助けてくれよ!なんでもするぜ?》

「どうする?生殺与奪はこちらが握っているぞ」

「…………」

 

無駄な殺生をせずに済むならそれに越したことはないだろう。見逃すことにした。

 

《あ、ありがとう!礼といっちゃなんだか力を貸してやるよ!我は汝、汝は我……》

 

するとシャドウは淡い光となって自分の持っている栞の中に吸い込まれていく。

 

「な、シャドウを取り込んだだと!?」

「すごいのか?」

「我は命乞いをしてきたから金品を多く巻き上げてやろうと思っていただけだ。こんなこと初めてだぞ……」

 

前に紳士を名乗っていた割にアコギなことを考えていたようだ。

 

「………まぁいい。リョウの妙な能力については後回しだ。ペルソナの持つスキルには属性があってその相性によっては攻撃自体が通らんことがある。スキルは使うと気力を消費するから調子に乗って撃ちまくっているとバテるぞ」

「なるほどな」

「………俺、蚊帳の外なんですけど………」

 

そう言われても翔はペルソナ使えないしな………。もちろんそんなものがなくとも助けてもらってるから問題ないとは思うのだが。

 

「お前たちはこれからどうするんだ?」

「三輪のシャドウを倒す」

「………ふむ……。なぁ契約しないか?我も個人的な事情でモノガタリを探索していてな。戦力はあった方がいい。お前たちも生存率は上がると思うぞ」

 

ペンギンからの提案。確かにいい話かもしれない。

 

「その話、乗った」

「契約成立だ」

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

ベルベットルーム

 

「まず縁を結んだのは『戦車』のアルカナ……」

「絆はいずれ貴方を救う力になるでしょう………」

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