レベル5 量子入力   作:ルルイエカナタ

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終わった人の物語

「なるほどね。つまり学園都市とは違う技術が外の世界で普及していてそれが魔術というもので、君はその頭の中にあるっていう103000冊の魔導書を狙って襲ってきたのが彼らなのだと。そして君は1年前以上の記憶がないのだと」

「だいたいそんな感じなんだよ」

「しかし一年前か、そんなに前なら私の量子入力では演算が足りないから知ることが出来ないな、すまない。」

 

ㅤそう言うと彼女は別になんでもないように答える。

 

「大丈夫なんだよ。それにそんなことはしない方がいいかも」

「なぜだい?」

「原点の魔道書は1冊読むだけでもとても危険なんだよ。特に貴方の場合あなたの能力で私の頭の中にある魔導書を読むと能力が魔術を扱ったという事で身体中が爆発四散しちゃうかも、才能の無いものが才能を持つものと一緒の事がしたいということで作り出されたのが魔術、だからあなた達は扱えないんだよ。無理に扱おうとすれば身体中が壊れちゃうんだよ」

「なるほどね。なんか嫌な感じがしたのはそういう事だったのか。確かに私は観測をする場合必ず全部を観測する訳だからその際魔導書も読んでしまうな。さっきは肉体情報のみだったが脳内の情報となると危険か」

 

ㅤそんな話をしてると上条が言い出す。

 

「過去を知ることも大事だけどまずはお前をイギリス正教って場所に保護してもらうのがやっぱり先だよな。先輩は何か伝はないんですか」

「あると思うかい?レベル5第2位とはいえただの学生に。それに黒い所からは私達を実験動物くらいにしか思わない連中がいるのは君も食蜂の件でよく知っているだろ」

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「まあ正直な話、伝はあるにはあるんだが」

 

ㅤ冥土返し、学園都市のトップの一人親船。

ㅤ冥土返しの方は絶対に安全と言いきれるのだが外への移動手段を持っていない。流石に医師にそこまでの権限はないが、彼自身昔は暗いところで暗躍していた時もあったらしい。まあ基本は被害を抑えるような役割だったのかもしれないが。彼が助けると言った人物に助けられなかった人はいなかった。

ㅤもう1人は親船の方は限りないほどの善性を持つ人物。私がお願いすればプライベートジェット機くらい貸してくれるだろう。私も作れなくはないが私の場合演算を続けなければならないのでどこかでオーバーヒートしてしまうから出来ないし、だが親船から借りられたとして魔術師とやらが墜落でもさせてこようなら鉄の棺桶と化す。確実な安全性が保たれないのだ。そういう意味では使えない。いくらレアな禁書目録だとしてもほか勢力の手に渡るとするなら落としてくる可能性は高い。

 

「確実に安全性を保つことができないなぁ」

「ならしばらくは安静にすることが大事だね」

「と言うか後輩?今日は補習じゃ」

「あっ……と言うか先輩もじゃないですか!」

「私は何時でも取り戻せるし。と言ってもこの状態では行けないからね。さて後輩!今日は小森先生に変わって私が補習をしてあげよう!そこになおりたまえ!」

 

ㅤその後電話が来て怒られた2人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼らが何者か、分かったのかい?神崎」

 

ㅤ顔にバーコードが描かれた長身の男は質問する。

 

「ええ、どうやら男の方は無能力者、しかし右手に触れるだけであらゆる能力を無効化する右手を持っているらしいです」

 

ㅤそしてそれを受け答えしたのは色々と肌が見えてしまっている刀を持つ女性。

 

「なるほどね。だから僕の魔術が消されたわけか。それで、もう片方は何者だい」

「もう1人は学園都市レベル5の能力者、第二位だそうです。能力名は量子入力。彼が言うには能力と強さだけならば第1位を凌ぐほどだと」

「確か軍事戦艦級の力を持つほどの実力を有しているんだっけ」

「ですが弱点も多いらしいです。彼女は量子とやらの媒体がないのと能力が扱えない。そして目でそれを見なければならない。そして彼女の量子の入力とやらに魔術の要素を入れておくだけで彼女は勝手に自壊するそうです」

「なるほど、つまりは彼女の前で手品のひとつでも見せれば簡単に自滅すると」

「しかしインデックスが彼らの元にある以上魔術の対策はされているかもしれませんし、今度は私が相手をします。その間に貴方はインデックスの確保を」

「そうだね。その方が効率もいいだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある7月24日の日が空にあった頃

 

「むむ!今ビビッときた!学園都市の原子力実験炉あたりの高速道路で何かヤバいことが起こりそう」

「いきなり何を言ってるんですか先輩?」

 

ㅤ唐突にそんなことを言った彼女は突然立ち上がり、部屋を飛び出していく。

 

「経過は良好だけどなにかほんの少しでも変化があった場合は私に連絡よろしくねー」

 

ㅤそれだけ言うと彼女はすぐさま走り出した。

 

「あの人、どうしたのかな」

 

ㅤ不思議そうにインデックスがそういうが上条は四条関係、というか四条が自分から関わりに行こうとする習性というレベルのものがある。

 

ㅤ本来治るはずのなかった上条の認識の問題(食蜂の事)や様々なことが彼女によって本来こうあるべき運命とねじ曲げる程のことをしてきた。

 

ㅤだから今回も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ㅤ目の前には原子力実験炉、そして左を見ればそこには1部崩落した高速道路と倒れるアンチスキル。そして目を高速道路の下辺りへと。そこには天使の輪っかのようなものが頭に現れた大きな赤子の姿が。

 

「確か木山って科学者はAIMバーストって()()()()()()()()()()()()

 

ㅤ問題を解決しようと演算を開始しようとすると私の携帯からアラームがなる。

ㅤそれを取り出すとそこには統括理事長とだけど書かれた電話番号のかかれてない電話がかかったていた。私はそれに対して切るが、何故か電話が繋がった。

 

「やぁ四条陽香」

 

「あなたがアレイスターかな。話すのは初めてだね」

 

「ふむ、まるで私を知っているようなセリフだね」

 

「一応私も滞空回線(アンダーライン)に引っ掛からないよう常に能力を常に使っているんだけどね。まあだからこそ脳死が何度も起きてその際貴方に観測されるんだろうけどね。」

 

「そこは君がオティヌスだという説があるからだろう」

 

「は?」

 

ㅤいきなり何を言っているのだろうかこの滞空回線を使って全ての女子学生の裸を見ている変態は。

 

「……それで一体何の用なのかな」

 

「そうだね君が()()()()()()()()()()()()脳死を起こしているということについても少し違うこともついでに言っておこう。」

 

「………………」

 

「君はこの世界の本質について気づいているんじゃないかな。魔術を知った君なら」

 

 

 

「魔術による火花」

 

 

 

ㅤずっと不思議に思えた。私は未来を見てそして何とか出来ると思った。しかし私が何とか出来たのはそれが起こってから私が強制的に変えるという越権行為と言えるほどのみなのだ。そう全部がだ。

 

「私は量子を支配しそして世界を支配するほどの能力がある。未来を見てその全てに干渉することが出来る。その上で私が行動できたのは何か起きてからだった。ここまであったら私でも疑問を持つ。そしてこの前魔術と出会ったことによってこの世界の正体を理解したよ。」

 

「ふむ、そこまでは分かっているならどうする」

 

「あなたに協力しろと?未来の情報を渡せと?位相を全て破壊することに協力しろと?あなたはそう言っているのかな?却下だ。それこそ私ではなく願望の集積体にでも頼みなさいな」

 

「ふむ、やはり魔術に触れたことによって随分先のステージへ進んだようだね。そこまで進めたのなら既に上がれるのではないかね」

 

「上がるつもりは無いね。それはつまり他界を意味するからさ。他の能力だったならともかく、私は低次を自ら作成しなければならない上、その上に高次の自己としてしか現世に在れないからねそうなればここにいる私はもう二度と会えないからね。もう長くは無いけど。いやおそらく私は元のあり方自体が人間のそれとは大きく異なり量子が私を生かすことになるだろう。そうなれば私後輩に近づいただけで私が霧散してしまう。だからこそ私はやらないんだよ」

 

「ふむ出来れば君の方が良かったのだが、仕方ない未元物質の方で妥協するとしよう」

 

ㅤ割と簡単に諦めたように彼は言うが、実際には諦めさせていた。私の行える行動いくつか致命的なことろを見せたからだ。私は後出し限定で運命の在り方を変えることができるからだ。そして肉体にやどった霊魂という在り方がなくても私は自らの肉体を量子の粒を肉体として捉えることを出来るため殺して口封じした所であまり意味が無いのだ。死んでも死なない。その手段を持ってしまっているから。せいぜい後輩の右手くらいでしか私は死ぬ事がない。その点でいえば彼はそのような力を持っていない。かつてはあったのかもしれないが少なくも未来を見ていた限り存在しないのだ。私ひとりでプランを何もかも瓦解できてしまうからだ。どれだけ複雑な部品の繋がりも全てのネジを取り外してしまえば瓦解する。私ひとりでそれをおこなえてしまうからだ。

 

ㅤしかしできるからと言って私はそれを行わない。理由は単純。これから生まれるであろうものたちを殺したくないし。私が動けば救える人間は必ず多くなるが救えなくなる人間必ず現れるからだ。例えばシスターズの1人でも救えてしまえば本来の総体を生まれなかったことにしてしまい全く別の総体ががうまれるからだ。

ㅤそのため私は本当になんの影響も無いものに対してしか動くつもりは無い。

 

「さてそろそろ動くか」

 

ㅤ思考をやめていつの間にか原子力実験炉近くまで移動している赤子に目を向ける。

ㅤそしてとある演算能力をわけ目の前の赤子を霧散させる程の演算を向けた。

 

演算開始

ずるっと足を踏み外した感覚に苛まれる。それだけではない、他にも他にもほかにも視覚や聴覚、五感殆どが彼女には普通の世界とは違う全てを見せる。

 

ㅤ目の前が暗くなったのは資格が閉じられた訳では無い。光すら波というものでしか表せないレベルの何かに変わったからだ。しかし見えているものは同じ。単に世界を別側面から見ているだけだ。

 

ㅤ思考する。

ㅤ演算する。

ㅤ考える。

 

ㅤ目に見えなくても情報として今も尚入り続けている。

ㅤならばあとは簡単だ。何時もなら苦しかったが、別のところから演算能力を分けてきた以上失敗はありえない。

 

ㅤ解析しろ。

ㅤ入ってきた情報を現実世界の法則に当てはめそれがどういうものかを識れ。そしてそれら全てを正しく誰も被害が残らないように演算し、誰も傷つくことのないようにやれ。

 

『レベル/は誰/目/も移//いんだ』

『しょう/ない/ね。こん/に/ん//ても』

『の/り//し/にな/たかっ/』

 

ㅤ他にも他にも他にも。

 

ㅤ解析していけば行くほど低能力の人達の言葉が分かってくる。

 

ㅤなるほど木山という研究者はこの人たちの脳波をネットワークとして何かしらの演算に使う気なのか。ならその目的は?。さっきまで彼女はネットワークの脳波と繋がっていた以上私なら過去の記録から侵入しそこから彼女の記憶を紐解けばそれで済む。

 

 

 

「これは暴走実験、よりにもよって木原一族の木原幻生か。随分と暗いところまでやっていたんだね。()()()()()()()()()()()()

 

ㅤそこには少し前に見た事のある顔が存在していた。木原一族の一人。正直なところこの人に関しては厄介すぎるところがある。科学のためならどんな非道な手や自分の命だけではなくほか大勢の無関係な命が脅かされるとしても止まることがなく、一方通行が現在行っているとされる絶対能力者移行計画の発端になった人物。私が1番巻き込まれたくない木原No.1だ。

ㅤ他の木原ならまだマシと言える。狂人という意味ではこいつはトップに躍りでるだろう。

ㅤまあそんなことは置いておき。

 

「となるとこの子達を救う方法を1万もの学生演算能力で救うことかな。しかしそれでは足りないな。いくら能力者の頭を1万人借りたところで大半は学園都市の無能力者。一方通行や私なら個人で救うなんてことは出来るんだけど」

 

ㅤ正直なところ助けるつもりは無い。何せこの子達は未来で助かるのだから。まあ今すぐ助けた方がいいんじゃないとと言う意見もこれを聞けばきっと飛び交うだろうが。私はその助ける過程で苦しむこともその人の努力によって助けられたことも無視していいこととは思っていない。私のようなチートは本当になんの影響がなく何も苦しむ必要が無いものにしか助けるつもりは無い。

 

ㅤ私はきっと酷い人間だ。

 

ㅤ何せ助けれるのに私自身行動なんかしないのだから。人の死さえ思い通りにできる力を持ちながら私は助けない。助けてはならないんだ。こう考えると私はきっと未来や過去に囚われているんだろうな。でもやっぱりいい道のみを選んで進むことがいい事だとは思わない。たとえそこに誰かの死が含まれていようと未来で別の誰かが死ぬと分かれば私はきっと運命に身を委ねる。総体の件だってまさにそれだ。

 

ㅤだから今回はこれだけにしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなとこでクヨクヨしてないで自分に嘘つかないで。もう一度!!!!」

 

それはもはやラインが空に線を描くような一撃が巨大な赤子肉を削り、そして抉り出した。その力場を保たせていた核を。

 

ㅤそれは超電磁砲に貫かれた衝撃でそのまま砕け散った。

 

 

 

ㅤこれはその際に怒った出来事だった。

 

 

 

「あ…………り……が/う」

 

 

「は?」

 

ㅤ今何を言ったのだろうか。とっさの言葉だった為かその言葉を理解するのに若干の時間がかかるが確かにあれは。

 

「感謝の言葉?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ㅤ私がしたことは単純。ただみこっちゃんの言葉をそのまま彼らに伝えただけ。私は人の努力を奪うつもりもなければ悲劇も喜びも奪うつもりもない。故に私がすることは人の努力をちゃんと伝える、それだけだ。

 

「さーてやるとはやったし帰ってインデックスの様子を見に行くかな」

 

「その必要はありませんよ」

 

ㅤ後ろから声が聞こえた。と同時に私は振り返るが。

 

ㅤ鞘を抜いていない剣が目の前にはあった

 

演算開始

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩遅いな」

「むー」

「ん?、どうしたんだインデックス。そんな声上げてさ」

「そんなの決まってるよ!!なんで外に出してくれないんだよ〜」

 

ㅤ唸るインデックスだがそれは仕方の無いことだった。何せ今は狙われている以上外に出る訳にも行かない。そんなインデックスに上条は少しため息を吐いて宥めるように言う。

 

「あのなインデックス、今は狙われている以上そんな早く行動は出来ないわけでさ、少なくとも先輩が帰ってこない限りはどこかに行く訳にも行かないしさ、それにまだ完治できてるかどうかだって分かってないからさ。いつもの先生に取り敢えず連絡はとっているしその人が来てからだな」

 

「そう言ってももう昼を回って3時だよ!!出ていってから全く連絡ないんだよ!」

 

ㅤそう叫び散らす彼女の前にインターホンが鳴る。

 

「お、来て貰えたみたいだな。インターホン鳴らしてるし先生だろ。少し迎えに行ってくるよ」

 

ㅤ上条はそういいながら玄関前まで歩きドアを開ける。するとそこにはカエル顔を医者が現れる。

 

「出来れば僕をこういう風に呼び出しては貰いたくないんだがねぇ」

「すいません先生。いつもお世話になっているのにこういうことまでしてもらって」

「お世話になっている自覚を持つんじゃなく僕に対してはお世話にならないように気を使うべきではないかね」

「……はい。……仰る通りです…………」

 

ㅤ毎度毎度入院ばかりする上条は頭が上がらず項垂れる。

 

「それで患者の様子は」

「今は落ち着いて……いや元気よく叫んでますよ。ただ彼女は一刻を争う容態だったから、量子入力で治してしまって。正直いつ危険な状態になるか分からなかったので」

「なるほどね。確かに量子に関してはまだまだ未知数。そもそも試すことが出来るのは数が知れている以上どんな道があるかも分からないからね。量子は時間の法則や他多くの法則を無視するどころか支配するからね。いったいどんな感じになるのは分からない。とはいえ僕にも完全にわかるとは言い難い。だからここは僕が君に人間の体がどういう風に出来ているか詳しく教えるからそれを教えてあげなさい。無理だと思うなら録音でもいい、それを彼女に伝えてあげれば全て解決すると思うよ」

 

ㅤ先生はそういうと部屋の中に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛いな〜」

 

ㅤ一人の少女は路地裏で身を隠す。

ㅤそれだけならば家出少女と勘違いされそうだが、その両手両足には切り傷が沢山ついていた。それだけではなく胸元にはもっと大きな傷が斜めに裂けていた。

 

「やられたね、見事に私の弱点を突いてきた」

 

ㅤ量子能力。一見とてつもなく強力な能力に見えるが、弱点は確かにある。まず演算開始時世界は停止などはせず私の演算開始時の時間軸はそのまま進み続ける。すなわち過去を改変しようにもその前に私の開始時の時間軸で演算が終わる前に意識を刈り取られたり死亡でもした場合。その時点で私はちゃんと死ぬのだ。すなわち戦闘開始時に終わらせられれば私に勝ち目はない。しかも相手は音速超えていた。そんなの相手に演算して戦おうものならまず量子入力では絶対勝てない。そんなわけで私が出来た演算はただ見える光景に対して空気の衝撃やらそんな小さな演算しか出来なかった。それに私はそれ以上《とある演算》からこれ以上裂け続ける訳にも行かなかった。故に私は負けた。ただ不思議に思うのは。

 

「なんでアイツ、わたしの胸元を裂いた時あんなに動揺しだしたんだろうね。」

「何してんだァオマエ」

「おや?」

 

ㅤ独り言をブツブツボヤいていた私はその隣に立つ一人の男に気付いていなかった。

 

「君はサイキョーくんかな」

 

ㅤ私はどこぞのコロコロの本で出てきそうな名前を言いながら彼に向けて言う。

 

「あァ?なんだそれ」

「君だろ学園都市サイキョーの能力者は」

 

ㅤLEVEL5第1位に座り、あらゆる力を反射する魔術を抜きにした世界最強。一方通行。

 

「はっおかげで三下連中に襲われまくった人生過ごしてるけどな」

「おやおやそれにウンザリして絶対能力者移行計画なんてものに手を出したのかい」

 

ㅤその名称を口に出すと彼は少し落ち着いた感じで、しかし先程の刺々しい空気から突き刺す空気に様変わりする。

 

「オマエ、それを言うって事がどういう意味か知ってんのか」

「一般人が喋ればすぐに人生絶望コースまっしぐらだろうねー。それで私だけが君の名前を知って話しかけるというのは少しずるいかな。ここは私も身分を明かそう。私の名前は四条陽香、LEVEL5第2位に位置している能力者さ」

 

ㅤとりあえず警戒心を持ったままでは話が進まないので身分を明かすと。一方通行はなるほどと思いながら納得する。

ㅤ量子能力ならばベクトル変換を上回れるからだ。となると1位の座を狙いに来たのかと考えるが。

「つまりお前はあれか第1位の座を狙ってここまで来た格下かァ」

「そんな状況じゃないくらい私の傷を見てわかんないかね」

 

ㅤ当然四条は否定する。この傷を見るに何とか逃げ隠れしてここに落ち着いたと言われたと方がまだ信じられるからだ。

ㅤ互いが互いを下に見るような軽口を叩き仲間ら2人は話す。

 

「まあ君に会いに来たのも嘘じゃないけどさ。私は先輩として今君がやっていることは間違っていると言いに来ただけさ」

「なンだ、人形遊びで壊すのはダメだとか言うつもりか」

「私が言いに来たのはその考え方だよ。クローンだろうとほんの少ししかない命だろうと人は人だ。そこは変えちゃいけない、君はスイッチひとつで作れる人形かもしれないが、私にとってはちゃんと彼らには魂というのが存在している。そこは私の能力で既にわかっている。そんな彼らを人形として認識で殺すのかい?」

 

ㅤそこまで言うと彼から笑いが取れた。いつもは敵ですらないと自信満々なら歪な笑顔からそれが一切消える。

 

「オマエ、何が言いてェ」

「言っただろうの認識(考え方)を改めさせる為だよ」

「つまりオマエはあいつらは普通の人間で殺す時は人間を殺すつもりでやれと。オマエ正気か」

「おやおや、まさか君に正気を疑われるとは意外だね。まあ普通は人として彼女たちを人間と思っているなら普通は拳を握って私は君と対峙するべきなんだろう。量子能力がなければきっと私はそうしていただろうね」

 

ㅤすると一方通行疑問を浮かべた。

 

「普通逆じゃねェのか?」

「まあ能力の相性なら私の方が圧倒的に上だろうけどね。これは私の個人的都合で彼女達を助けない。最低だろう」

 

ㅤ四条はそう言い切ると、こいつはほんとに何をしにきたんだという顔をしながこちらを見た。

 

「そんな顔をよしてくれないか。さて私の言いたいことは言ったから帰らせてもらう。《汝の欲する所を為せㅤそれが汝の法とならん》」

 

ㅤそういうと私は路地裏を出て自分で119を呼ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そして連絡を受けた二人はここに来る途中に逸れさせられて後輩がボコボコのボッコにされたというわけでいいのかな?」

「それより前あなたもなんだよ!なんで傷だらけになったことを言わなかったんだよ!!」

「いやいや私はなにやら聖人とか言う人にボコボコにされたから気絶してここに運ばれたんだよ」

「全く日を置かず君達は入院するのが趣味なのかい。それと純粋な少女に嘘をつくのはあまり好ましいとは言えないねぇ。君は自分で救急車を呼んだだろう。それに傷だらけの状態で君動いてるね君」

 

ㅤカエル顔の医者がそういうと、私はインデックスの顔から顔を背ける。対してインデックスはものすごく目を鋭くして、すぐにそれをやめる。

 

「ごめんなさい……」

 

ㅤ暗い顔をしながらインデックスは謝る。

 

「私のせいでこんなことになって」

「いや何がこんなことになったんだ?」

 

ㅤ四条は分からないふうに答えたが。

 

「だって私がいなかったらこんな傷も負う事も無かったのに」

「ふむ、確かにそれはあるな」

 

ㅤインデックスの暗い言葉を四条は否定しない 。

 

「やっぱり私はここから離れッ!?」

 

ㅤそこにスコーン!とチョップが振り落ちてきた。顔を下に下げていたせいでそれを回避することは出来ず食らった。

ㅤ痛そうなインデックスは顔を上げると額には赤ㅤ染まった皮膚がある。

 

「君は本当にシスターかな?」

「……な、何をするんだよ!」

「先ず貴方には3つの間違いがあります!!」

 

ㅤそういうと私はベットから起き上がり仁王立ちをする。

 

「確かに私たちが傷付いた原因は君にある!しかしそれは君一人の原因だと言うのはおこがましい!私たちは君の状況をわかった上で君を助けると決めた!それは私達が選択した揺るがない事実!というわけで最終的結論を述べると全部私たちが悪い!」

「え?あれ、違うよね……違うんだよ!」

「違わない!」

 

ㅤせいせいするほどの自分への責任転嫁する四条。

ㅤそれに対して勢いに押されていたが、間違いに気づきすぐに訂正を求めるインデックスだが。

 

「間違い2つ目!「あ!話逸らした」ええいうるさいぞ!小娘!その2!!」

「一応ここは病院なんだけどねぇ」

 

ㅤカエル顔の医者の意見は無視して話を続ける。

 

「私は心の傷を負うより体の傷を負うことを選ぶ!だから私はこの傷はきにしない!いやまあおかげで後輩を誘惑できなくなったのでぜったい許しはしないけど、あの露出マシマシの女は」

 

ㅤ胸がないから誘惑できない?そんなことは無い!まだ可愛い足も顔もあったというのに!

 

「いやその傷は綺麗に治したから跡は何も残らないよ」

「え?マジで!?神か!」

 

ㅤそして、その言葉を聞いた時、ドアが開かれた。

 

「どうやら無事の様ですね」

 

ㅤそこには私の女としての生命を奪いかけたにっくき露出オッパイがいた。

 

「やぁ露出おっパイさんじゃないですか」

「今すぐその不名誉な呼び方はやめてください!!」

「やなこった。私をあれだけ傷つけておいて身勝手だね〜。それに敵から付けられる異名は誉れとするべきではないのかな」

「それが普通の呼び方なら何も言いませんがあなたのつけた異名はただの侮辱です」

「は?はっ?お前こんな狂気みたいな胸をしていながらそこまで強調させてるのに胸のない私対してのあてつけかこら?」

「いきなりどんな話になっているんですか!!」

 

ㅤいきなりペースを飲まれた女剣士はコホンと言うと。

 

「単刀直入に言います、あと三日以内にインデックスをこちらに引き渡してください」

「ふむ断る」

「いいよ」

「だが断る」

 

ㅤ即座に私は断りインデックスの選択も同時に断る。

 

「彼女を保護してくれる組織に渡すつもりですか?でしたらその必要はありませんよ」

 

ㅤそういうと彼女は刀に手を当て、そこに割り込むようにもう絶対防御と言える修道服は無いシスターが睨み、そして言い放つ。

 

「もう近づかないで」

 

ㅤそれは自分を案じての言葉ではない。自分救おうと命をかけて守ろうとしてくれた2人を守るため。その身が囚われの身になったとしても2人を守ろうとする決意の目がそこにはあった。

ㅤ今まで2人からすれば彼女はシスターではなくただの可哀想な少女程度しかない。しかし今ここにいるのは確かなシスターだった。

ㅤそれに対して女剣士は少し悲しそうな表情を浮かべる。

 

「インデックス、君がそれを言うのは少し残酷だよ。やめておきなさい」

 

ㅤ四条は優しい顔をしてそう言うとインデックスの後ろから声をかける。

 

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「インデックスは103000冊の魔導書によって記憶が圧迫されている、君達は少なくともそう認識している、いや()()()()()()()

「…………何処でその情報を」

 

ㅤ女剣士はすぐさまスパイの線を頭に浮かべる。少なくとももう1人の魔術師がバラすのはまず無いだろうと踏み今回の件で最も怪しいと思われる一人の陰陽師を疑ったが。そこに割り込みを入れた。

 

「ああ、土御門元春ではないよ。というか私は私の情報網から手に入れただけだよ。より正確には君の脳内からわかっている。イギリス清教の魔術師でトップが内面的クソ山年増のゴー美=スチュアートの最悪の集団で、その上()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ㅤそういうと二人は顔を明らかに変化させる。インデックスは助けを求めていた組織そのものがインデックスを追いかけていたことからの衝撃。おっパイ、神裂火織はわたしと上条に対しての申し訳なさとインデックスへのすまなさから驚きの表情へ。

 

「ああ、なんでそれを知っているとか言われて科学に無知な君たちに説明したところで理解して貰えないと思うからスルーで、まあ簡単に説明するとわたしの能力はなんでも出来る力とだけ理解してもらえればいい」

 

ㅤ私のやった事は単純だ。単に私が戦闘の最中負けるだろうと理解したのでその上で私は自分の演算を捨てて単に相手の脳細胞から観測して記憶を読み取っただけに過ぎない。記憶の中なら見るだけで影響のある魔術などもスルーできる。あくまでそれは脳細胞の映像に過ぎないのだから。そして私は斬られた。ほんの一瞬だったが私は約5年分の過去を覗き見出来た。

ㅤおかげで助ける算段は付いた。

 

「彼女は記憶の圧迫によって死の淵に立たされている、そうあなた達は言うんだね」

 

ㅤそういうと神崎はそれに警戒して、インデックスはそれに不思議な顔をうかべ、カエル顔の医者はほんの少しおかしいのでは、と浮かべる。

 

「貴方はどこまでの情報を……」

「今から五年前までの情報全部。それはそれとしてまずあなた達の考えている記憶の圧迫についてまずこちらの理論で論破させてもらう。テンポについていけない?追いつけ。そんなわけで始めまーす」

 

ㅤそういうと突然横に白い黒板ことホワイトボードが現れる。体をベットから起きおがらせると。その手にペンが現れる。もちろん量子能力で作り出したものだ。

 

「さてまず人間の脳について科学的に説明しよう。脳とはまず神経の中心部で人はこれがないとまず思考や記憶のというものが出来ない。誰でもよくわかる事だ。第二に記憶には3つに分けられる記憶があるそれが何か分かるかい」

 

ㅤそういうと神崎とインデックスは手が上がらずそれを見越してカエル顔の先生は手が上がる。

 

「感覚記憶、短期記憶、長期記憶のことだね」

「正解、流石は医療に携わりたった一度も失敗のしていない先生だね。ドクターXかな?。

ㅤそれに対して神崎は一体何をしているんだい?もう少し記憶について調べることくらい携帯やパソコンで出来ないのかい?。ああ、済まない、洗濯機ひとつまともに使えない馬鹿な機械音痴には無理だったかな〜」

 

ㅤわざと棘のある言い方をする四条に対してのインデックスのことを引き合いに出されて少し落ち込むような顔を見せる。

 

「ムム、なんの話しをしているのか分からないけど、ようかのそういう意地悪なところは嫌いかも」

「ハハ、私はいつだっていらずら好きな小悪魔だぜ♪とはいえいくら意地悪な私でもこれは単純に許せない所がある」

 

ㅤそうだ、こいつらはただただ上の命令を聞くだけ聞いてそれではいおしまい。残った記憶容量が15%?残り85%は魔導書の記憶に使われている?。

ㅤそういうと頭悪い情報をよもやインデックスの頭の中に103000冊の魔導書を入れたヤツらの事を信用しきって行動していることに物凄いほど苛立ちを感じた四条。

 

「さてその言葉を置いておくとして次はインデックスにおいての頭の中について話そう。本来記憶は感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分かれるものだけど彼女の場合は全ての記憶が長期記憶に流れていってる状態だ。なら気になることがあるよね。なんで1年だけで彼女の記憶が満タンになり毒抜きみたいなことをしないといき繋げられないか?」

「それは違うと思うけどねぇ」

 

ㅤ私の言葉にそう否定したのはまたもカエル顔の医者。

 

「もちろん。さっき私が言ったのは大きな分類分けさ、今回の件になるなら陳述記憶がかかわってくる。これは長期記憶の中に関わる事で意味記憶とエピソード記憶の分類分けが可能だ。非陳述記憶というものもあるが今回は省く。要は本棚と一緒だ。

ㅤ小説とコミックて分けようとしようか。エピソードがコミックだとして意味記憶が小説だとするが幾らコミックの本が溢れるほど増えたところで小説の枠が余りある以上そもそも()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ㅤそう言ってあげると神崎は目を見開き、それを確定付けるようにカエル顔の医者は口に出す。

 

「そうだね。それは医師免許を持つ私が保証しよう」

 

ㅤその言葉で神崎の頭は完全にパンク、いやもはや土台が初めからひっくり返った。

ㅤそしてそのひっくり返った舞台を固定するべくトドメの釘を打つ。

 

「なら何故1年周期でそのような現象が起きたのか。実は言うと私がインデックスを治す際にある部分だけ演算ができなかった場所がある。それはここ」

 

ㅤそういうと私は喉元に指を指した。

 

「おそらく原因はここにある。お医者さん」

「ふむ、構わないよ」

 

ㅤすると喉の奥を見るための舌圧子を取り出すと一言、口を開けてくれるかいと、だけ言うとインデックスは了解の代わりに口を開ける。

 

ㅤそして十秒後、結果は帰ってきた。

 

「どうやら喉の奥になにか不思議な文様があるみたいだね」

「確定だ。間違いなくそれが元凶なんだろうさ」

「……そんな……」

 

ㅤ神裂火織はその場で呆然としていた。

ㅤ当然だ、タカが数分で何年も信じ続けてきた物が覆させられたのだから。今まで多くのパートナーがこの難題に挑み、解決出来なかったことがたかが一人の少女によって看破されたのだから。

 

「もっと私が頑張っていろんなものを取り入れていれば……」

 

ㅤそう言うがカエル顔の医者は言う。

 

「仕方ないことだと思うけどねぇ、突然宗教の人達に科学的な説明を加えた所でその人が出来るはずもないだろう。加えて分かりやすく致命的な部分のみを分かるように言われては脳は停止する。心の方が耐えられない」

「あとはあやつり人形の完成って訳だね。ああ、私達も似たようなことをしているかもしれないから、信じるかどうかは貴方達の選択になるけど」

 

ㅤ私はそう言い、インデックスの背中を押した。

 

「さてここまで君たちにとっていい状況を整えた助ける手段存在している。ここまでして君達はまだ停滞を選ぶのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「所で3つ目はなんだったんだい」

 

ㅤ今この場には四条とカエル顔の医者と目を覚ましていない上条しかいない。インデックスや神崎は込み入った話があるだろうし、それにもう1人の魔術師を混ぜて説得もあるため一時的に私達の傍から離れている。

ㅤそんな時に彼女はそう言った。

 

「私の方なんだ、酷いことをしてるのは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ㅤある時、一人の少女はこの世に生まれ落ちた。どこにでもいる赤子として。しかし彼女には成長していく度とてつもない力がその身の内に宿らせていたことが少女には理解していく。彼女は原石だった。それだけならなんの問題もない、普通に生きて普通に暮らしていけばよかった。丁度16になる頃、彼女のあった世界は滅びた。

ㅤ比喩じゃない。それは少女にはよく理解できた。何せ量子入力という証明方法があったから、そして親がこの世界から消え去っていた。顔も名前も知らない誰かが我が物顔で家にいた。しかし少女はその人達に対しては何もしなかった。彼等にとって少女のほうが遺物。

ㅤ誰がやったかなんて想像もつかない。こんなことをした元凶を見つけたとしてそいつらをどうしたいのかすら検討がつかない。元の世界に戻せというのか。それはそれでいいのかもしれない。だがこの世界の人間を一から100まで全てを殺し尽くしてか?。

ㅤ少女には選択できなかった。

 

ㅤしかしこの世界を作ったものに少女の心は一切関係がなかった。

ㅤ少女は自分の家にいる人たちと仲良くなり、挨拶をする程度の関係は持っていた。

 

ㅤ挨拶をされ、返そうとし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ㅤまたも何もかも消えてなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけるな……ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!何でだよ!なんで消す必要があるんだよ!何もしてないだろ。あの人たちは何もしていないだろうがァァァァ!!!!なんでだよ!!そんなにお前にとってこの世界は嫌いなのか!何がダメなんだよ!何がいけなかったんだよ!別に良かったではないか!私はまだこの世界を全てを見たわけじゃないけど幸福と不幸のどっちの方が多いかなんか知らないけど、けど!!別に苦しみだってあってもいいだろ!それを乗り越えるのが人ってやつじゃないのか!いけない理由ってなんなんだよ!そんなものが本当にあるのか!苦しみや辛さだって人として必要不可欠だろうが!何も悪い所なんて無いだろうが!普通の世界じゃないか!お前にとって何が悪かったんだよォォォォォォォ!!!!!」

 

ㅤ少女は吠えた。

ㅤこの日の理不尽に。

ㅤ神如き偉業にして非業に。

ㅤ圧倒的実力を持つクソッタレの神に。

 

ㅤ少女はそれからこの現象の元凶を探すためにあらゆる場所を探した。その間に世界が何度かの破壊と創世にあったことは言うまでもない世界が変わり歴史が変わり時間が経つ。

ㅤ 長い年月の末、怒りは一切減る様子はなかった。定期的にそこに生きる人を無視して世界を変えていたからだろう。むしろ怒りは頂点を飛び越えていた。

ㅤ世界が変わっていく中、地獄のような世界が何度か続いた。もはやその時点で少女の怒りというものは無くなった。別の何かが心の中を渦巻いていたのは言うまでもない。

 

 

ㅤそして幾千億という世界が巡り、とうとう見つけた。

ㅤオティヌスを。

 

 

ㅤ少女は見た瞬間に演算を開始し、目の前にいる半裸の少女はその少女を見た途端その危機感から即座に位相を使った世界の創世を行おうと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ㅤ二つの力に上下はなかった。量子入力は科学的方面からこの世の全てを支配する、それは位相であってもだ。魔術だろうが原石である時点で自由に能力行使が出来て、この時点では能力開発を受けていないため魔術に干渉しても問題は無い。

 

ㅤ逆に位相は、天国、地獄、ニライカナイ、冥府、浄土、黄泉、地底、オリンポスの山、妖精の島などなど、折り重なった全ての盤上を支配することによって全てが可能となる力。それは量子世界すら同じである。

 

ㅤ故に決着はつかなかった。互いに最強であり互いに無敵であり互いに神如き力を持った人間から始まったもの。

ㅤもしも、もしもだ。

ㅤ今更言っても遅い。

ㅤでも、だけど。

ㅤ同じ者同士、先にオティヌスが少女に出会っていたら。

ㅤ初めからこんな間違いは起きなかっただろう。

ㅤしかし、そんなものはただの後出しでしかない。理解者になる道から互いに外れてしまった少女のが2人。もはや元に戻る為の道は存在しない。力でそれが可能だろうと心がそれを認めはしない。

 

ㅤ決着はつかなかった。互いに全力で戦いあいその結果互いは心の底から自分の言いたいことをぶちまけまくった。そのおかげか、少女はオティヌスに対してやっと救いようがあると思えた。徹底的なクソ野郎であることには間違いはないが、完全無欠の悪人という訳ではなく、単純に自分のそばに居てくれる理解者というものをオティヌスが欲していることに少女は理解した。

 

「じゃあ探してあげる。私たちはもう理解者にはなれない。だったらその人を探してあげる。だからもう二度と世界を壊すな」

 

ㅤ少女は心の底から憎んだ宿敵とも言える相手を許した。

ㅤそして100年近く経ち学園都市が設立された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さー!起きたまえー」

 

ㅤ四条はそう言いながら上条の腹の上にダイブしたのであった。

 

「ごぶふぅぅぅ!?」

 

ㅤ息が吸い終わる瞬間に腹の上にダイブしたおかげか、上条の肺から1滴残らず空気が抜け出しまるで空気の抜けたパンクみたく力が入らなくなる。

 

「なっ、何をずるんでぶが、じじょうぜんばい」

「何となくだよ!」

「理由になっていない!?」

 

ㅤそういうと四条は退くと。

 

「さぁ後輩!今からインデックスをたすけにいこうか」

 

ㅤつんつん頭の少年はいきなりのことに頭が停止した。

 

 




あと1話で完結です。
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