プログライズキー作っちゃったお話。   作:翠晶 秋

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冷めた熱が吹き上がる

 

ヒューマギア。

今やあらゆる場面に置いて多く使われる、人間たちの暮らしの支えとなっているロボット───否、AI。

 

「……ヒューマギアが暴走?飛電インテリジェンスの危機?」

 

ふぅん。つい最近社長変わったばかりじゃん。

いや関係ないけどね。

俺、ヒューマギア使ってないし。

 

ソーサーの下にあるボタンを押すと、機械が作動してコーヒーが出てくる。

俺は自分で言うのもなんだが天才だ。

天才のプログラマーだ。

 

ヒューマギアがなんでもやってくれるこのご時世、個人のプログラマーが売れるわけないが……俺くらいの天才になると話は別。

この前試した。

ヒューマギアは『何を作りたいか』を入力してから動き出し、『そのイメージ』を『一語一語』プログラム言語に変えていく。

その点、俺は最初からプログラム言語でやりたいことを構築しているので、まあミリの差ではあったが俺の方が早い。

 

懸念されていた、AIによる人間への反逆。

やっぱり起きたか。

 

「所詮はロボットってことかな……あれ、野菜チップス無くなった?」

 

通販で買って……『管理ヒューマギアの暴走により現在使用できません』?『システムの復旧をお待ちください』、だって?

……ほらぁ、頼りすぎなんだよもう。

 

クレームのメール三千字を送って、席を立つ。

無いなら仕方ない。近くのコンビニで買ってくるしかない。

 

「行ってきまーす」

 

誰に言うわけでもないけどね。

 

 

 

 

外に出るべきじゃ、なかったなぁ……。

 

「おいお前!早く逃げろ!」

 

コンビニで謎の覆面と怪人が戦ってたわぁ……。

黄緑色の……バッタ?

バッタがモチーフの覆面を付けた男は俺に呼びかけてくる。

 

「早く!」

「あっ、はーい」

 

なんでだ。

珍しく外に出たのになんでだ。

 

物陰に隠れてそっと見守る。

怪人が銃を構えて覆面に撃つ。

バッタ覆面は手に持った……カバン?で身を守りながら逃げ、距離をとった。

 

「よーし、ならこれだ!」

 

バッタ覆面が何かを取り出した……あれはなんだ?メモリ?カセット?

 

『ファイヤー!』

 

ファイヤー?炎?

 

『オーソライズ!』

 

オープンライズに聞こえ……なになになに虎出てきた!

がおーって……熱い熱い熱い!炎!炎の勢いすごい!

ら、ライズフォン!録画しないと!

 

ピッ(REC)

 

『プログライズ!』

 

あああ走ってる!

ちょっ、こっち来んなよ!熱いだろ!

 

『ギガントフレア!フレイミングタイガー!』

 

バラバラになったああああ!?

何?

えっ纏うの?

 

Explosive power of 100 bombs.(100個の爆弾に匹敵する破壊力)

 

なんて言ってんのアレ。

俺にはよくわかんない。

 

「行くぞおおおお!」

 

火力!火力増してるアッチイなここ!

 

「あぁ!?ライズフォンのケース焦げてる!さっきの虎か!」

 

ってか……いや……なんだこれ……。

燃え盛る炎。

弾ける爆炎。

 

「強……」

 

ライズフォンを構えながら、そう呟いてしまった。

……これは。

 

「久しぶりに、興味が湧いてきた、かな」

 

そのまま俺は、しばらくの間録画に勤めていた。

 

 

 

 

……。

鮮烈だった。

 

「飛電インテリジェンス、検索」

 

音声入力で調べてみるも、特に目ぼしい情報は無い。

そこにあるのは、またもヒューマギアが暴走したという情報のみ。

そこに、バッタ覆面の情報は無かった。

 

「でも、あれは完全に飛電のやつだよね」

 

そこまでの技術を持っているものを、俺は知らない。

ってことは、飛電の中枢……。

 

「衛星、ゼア」

 

飛電の情報が全部詰まった、まさにダイヤモンド。

俺が唯一、ハッキングに失敗した機械。

 

「あの時とは、違う。人が減って、技術が増えた」

 

あの時破れなかった無数のファイアーウォール……絶対に破壊してみせる。

機材を取り出し、表面を撫でる。

 

「何年かぶりだな。久しぶり」

 

天才プログラマーは。天才ハッカーだったんだ。

キーボードを叩く。

 

 

衛星ゼアに、接続。

 

 

 

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