「くぇろ」
「カメレオン……カメレオンじゃないか」
どこからやってきたのか、家にいるはずのカメレオンがブランクプログライズキーを背負ってやってきていた。
「まさかお前、俺のピンチを感じて……!?」
「そんなわけがあるか。脱走しただけだろ」
「あ、脳筋刑事」
「あ゛!?」
ブランクプログライズキーを見せつけるように背中を跳ね上げて来る。
いやそれライダモデルが入ってないから使えないけど……。
「おーよくがんばったなーよしよし」
「おい。そんなのに構ってないで早く終わらせろ」
不破が銃を構えて必殺技の準備をしている。
俺も向き直ろうと立ち上がったとき……。
『バレットシューティングブラ……「ぐおっ!?」
不破が吹き飛ばされた。
エラスモマギアが横に回転し、不破に突進を喰らわせた……?
「カメレオン、早くにげっ……カメレオン?」
カメレオンの姿がない。
嫌な予感がして真下を見る。
エラスモマギアの足の下から、あいつの尻尾がはみ出ていた。
「カメレオッッッ、がぁはっ!!」
手を伸ばそうとする。
が、エラスモマギアの右腕なぎ払いで腹を殴打され、肺の空気が吐き出された。
そんな……カメレオン……。
「ああああああああああああっ!!!」
エラスモマギアが足を退けた……その足元から、紺色の閃光が迸った。
エラスモマギアが眩しさに後ずさる。
光が収まると、そこに紺色の箱が。
「ッ、カメレオン!!」
脚力強化。
脚をバネのように使ってエラスモマギアに突進する。
「グァ!?」
横に飛ばされ、道路に飛び出るエラスモマギア。
俺をそれを一瞥して足元の箱を拾った。
自然と握る手に力がこもる。
「アンタ……よくも……よくも!!」
『ステルス!!』
「命は……粗末にすんなッッッ!!」
『オーソライズ!!』
エラスモマギアの目の前で、あいつの形見を展開する。
無駄にしねぇ……。
ゆるさねぇ……。
「穿つッッッ」
『プログライズ!!』
『ギタイ、ゼッタイ、シン・ギ・タイ!!』
『チェンジングカメレオン!!』
『
ハイブリッドライズ。
クライミングラビットのライダモデルをベルトに保存することにより、クライミングラビットを既存のまま他のライダモデルを纏う技術。
クライミングラビットのまま……あいつの意思を、この身に!!
「その姿は……」
「俺は……俺の為に、戦う!!」
エラスモマギアが突進をしてくる。
半身で避けてすれ違うとき、チェンジングカメレオンの能力を発動する。
ターンをして再び突進の構えを取ろうとするエラスモマギア。
「どこにいると思う?」
「…………」
「後ろだよッッッ!!」
エラスモマギアの後ろから回し蹴り。
エラスモマギアが立ち上がって威嚇してくる。
今度は拳でってか。
擬態状態のまま肉薄し、思いっきりぶん殴る。
「いくらAIでも、見えなきゃ対応のしようがないだろ!」
「グァ!グオ!!」
たまにチラチラと体を見せて的を絞らせる。
大きく跳躍し、民家の壁に張り付く。
片手で張り付いたままクライミングラビットのプログライズキーをベルトにスキャン。
『ビットライズ!』
『バイトライズ!!』
『キロライズ!!!』
「喰らえッッッ!!!」
『チェンジング!!キロ・インパクト!!』
擬態のリソースを全て威力にまわす。
壁キックの要領で高く飛び、未だに空を殴っているエラスモマギアに向かって。
キ チ
ロ ェ
・ ン
イ ジ
ン ン
パ グ
ク
ト
怒りのキックを、お見舞いした。
今度はちゃんと、綺麗に着地した。
◇
チェンジングカメレオンプログライズキーを眺める。
紺色って……あいつがよく擬態していたラボの壁の色だ。
「カメレオンのキーか」
「不破……」
「感じたか?それが怒りだ。ヒューマギアをぶっ壊すために必要なものだ」
「怒り……」
「長く共に過ごした相棒を殺された恨みを……ヒューマギアにぶつけるんだ」
…………。
「いや、あいつとは会って3日だが」
「はぁ!?3日!?」
「墓は建てるが思い入れは特に無いな」
「鬼か!」
逮捕と補導、うやむやになったっぽい。
よかった、不破が脳筋で。
よかった、いざという時の逃亡手段が手に入って。