気づいたらブラックゴート戦が終わっていた件について。
いや、よく考えたらそうだよね。
合宿の後はレツが1人で敵陣へ乗り込んでハイ終わりだもんね。
そりゃ私たちの知らないところで終わりますわ。
ブラックゴート編が終わると次はCSだ。
先日まで一切音沙汰がなかったのに、急に開催が告知された。
そして、ゲームの通り予選はないだろうと思っていた私は驚愕の事実を知ることになる。
「予選が免除されるのはレツだけやで? コアリーグ優勝者っちゅーことでそこんとこ優遇されてるんやわ。あとヒメさんも特別枠で予選免除って聞いたな。ワイらは朝からガンスリンガーで勝ち抜かなあかん」
マジですか。
ガンスリンガーというと、勝ち抜くには速攻で決着をつけないといけない。
私のデッキはネクサスで軽減を稼いで大型を召喚するデッキなので、速攻にはあまり向いてない。
ガンスリンガーは私に不利……と、そう思っていた時期が私にもありました。
「対戦ありがとうございました。すいませーん、スタンプください」
「はい……これで大丈夫です。おめでとうございます。あちらで受付をしてきてください」
よく考えたらCPU同士のバトルなんて、みんな展開遅いし長くなるよね。
私のデッキでも余裕でガンスリンガーを突破できた。
そんなこんなあってCS本戦、ゲームの終着点を迎える。
「あ、私シードじゃん。ラッキー」
「ワイもやな。多分ガンスリンガーの結果で決まっとるんちゃうか、知らんけど」
CS本戦の参加者は30人。
ガンスリンガー枠が20人と免除枠で10人。
5回バトルに勝利すれば優勝だ。
私とコジローはガンスリンガーを1番と2番で勝ち抜いたので、シード枠だった。
「この組み合わせやと、レツが初戦に勝てばワイと戦うことになるんやな」
「私は早くて準決勝にマドカかヒメ様の勝った方だけど……多分ヒメ様だね。コジローやレツとは決勝戦かな」
あれ、てことはこっちのブロックにはラスボス・カガミ君がいるのか。
ゲームではレツVSカガミ君の決勝戦のはずだから。
えーと、カガミカガミ……
「うわ」
「ん? 何かあったんか?」
トーナメント表を見ると、私の隣に「加賀美緋色」の文字があった。
つまり、私の初戦の相手である。
◇◆◇◆
「久しぶりだね」
「あ、あの時の。貴方が加賀美緋色だったんだ」
「……知らなかったのか」
1回戦はシードなので2回戦、指定されたテーブルに着くと前にミカファールターボでボコボコにしちゃった厨二病君がいた。
おかしいな、カガミ君はイズミさん×カガミ君で色々妄想してたから知ってると思ったのに。
こんな厨二病チックな子だったっけ?
「同じ相手に2度も負けない。……あの時の借り、返させてもらう」
「もうしばらく貸しとくよ。私の先攻、ネクサス『超時空重力炉』を配置。ターンエンド」
カガミ君のデッキは『超神星龍ジークヴルム・ノヴァ』を軸とした赤デッキ。
さすがにBP10000破壊は強いからね、ノヴァが出てくる前にさっさと勝負を決めないといけない。
「『ドラグサウルス』を召喚。『超時空重力炉』を破壊、ターンエンドだ」
「あらら。なら私は『天弓の勇者ウル』を召喚。そしてアタック」
「ライフで受ける」
シンボルを消されたのはかなり辛い。
だけど前のターンにドラグサウルスしか召喚してこないってことは、カガミの手札に低コストのカードはないってことだ。
なら新しく召喚しても1体か2体、まだ負けないだろうしライフを減らしにいく。
「メインステップ。『天槍の勇者アーク』を召喚。ターンエンド」
はい予想通り。
そしてやっぱりアタックはしてこない。
ただ……相手の手札が重いってことは、ノヴァとか抱えられてそうだな。
さっさと勝負を決めないとヤバそうだ。
「『鍵鎚のヴァルグリンド』を召喚。召喚時効果で『天槍の勇者アーク』を手札に戻す。アタックステップ『天弓の勇者ウル』でアタック」
「ライフで受ける」
「『鍵鎚のヴァルグリンド』でアタック」
「それもライフで受ける」
「ターンエンド」
これで相手のライフは2。
こうなれば相手が攻撃してこなくなるから後は楽だ。
「『レイニードル』を召喚。そしてマジック『ビッグバンエナジー』を使用。手札の「星竜」を持つスピリットカードのコストを2にする。『天槍の勇者アーク』『雷皇龍ジークヴルム』を召喚。さらに『雷皇龍ジークヴルム』を転召、『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』を召喚」
マジか。
『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』は『ジークヴルム』で転召した時に自分のライフを5にする。
これで振り出し、しかも相手のフィールドにノヴァがいるオマケ付きだ。
「『エクストラドロー』を使用。デッキから2枚ドローして1枚オープン。『レイニードル』なので手札に加える。アタックステップ、『ドラグサウルス』でアタック」
「ライフで受ける」
「『天槍の勇者アーク』でアタック」
「ライフで受ける」
「ターンエンド」
せっかくダブルシンボルのノヴァを召喚したのにアタックしてこない。
まあCPUは相手にブロッカーがいないならBPの低い奴からアタックするからね。
アークやウルの効果でライフを減らせないレイニードルの次にBPの低いドラグサウルスとアークでアタックしてくるよね。
「ネクサス『侵されざる聖域』を配置。『天弓の勇者ウル』を転召して『極帝龍騎ジーク・クリムゾン』を召喚」
『レイニードル』『ドラグサウルス』『天槍の勇者アーク』の破壊で3コアブースト。
これでジーク・クリムゾンはBP11000、ノヴァのアタック時で破壊されない。
「アタックステップ。『鍵鎚のヴァルグリンド』でアタック」
「ライフで受ける」
「ターンエンド」
回復されたライフをもう一度減らしにかかる。
ライフ回復が無ければこのターンで勝ってたんだけど……愚痴を言っても仕方ない。
「『レイニードル』『黒皇龍ダークヴルム』を召喚。『レイニードル』をLv2、『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』をLv3にアップ。アタックステップ、『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』でアタック。アタック時効果で『鍵鎚のヴァルグリンド』を破壊、さらに【激突】」
「『極帝龍騎ジーク・クリムゾン』でブロックするよ」
【激突】を持つスピリットのアタックは、相手は可能なら必ずブロックしなくてはならない。
このままならBPで負けている『極帝龍騎ジーク・クリムゾン』は破壊される。
「フラッシュタイミング。マジック『ライフチェイン』を使用。『極帝龍騎ジーク・クリムゾン』を破壊して6コアブースト」
なんてね。
どうせ破壊されるなら自分で破壊するよ。
そしてブロックしているスピリットが破壊されたから『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』のアタックはここで終了だ。
「ターンエンドだ」
「私のターン、『超時空重力炉』『鍵鎚のヴァルグリンド』を配置、召喚。召喚時効果で『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』を手札に戻す。そして『機神獣インフェニット・ヴォルス』をLv3で召喚」
『機神獣インフェニット・ヴォルス』のLv3コストは10。
普通ならコアが足りないが、『極帝龍騎ジーク・クリムゾン』や『ライフチェイン』でコアを増やしている。
ただ……これで私のハンドは0。
こっからはトップゲーだね。
まあインフェニット・ヴォルスがいるならトップゲーにもならないと思うけど。
「アタックステップ。『鍵鎚のヴァルグリンド』でアタック」
「ライフで受ける」
「『機神獣インフェニット・ヴォルス』でアタック」
「.......ライフだ」
「ターンエンド」
次のターン、カガミは手札に戻された『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』を再び召喚した。
召喚時効果は発揮しないが、それでも強力なスピリットだ。
そしてノヴァの召喚でレイニードル、ノヴァで3点。
スピリットが全て疲労状態の私のライフが3。
打点は届く、見かけ上は。
「『レイニードル』でアタック」
「『機神獣インフェニット・ヴォルス』でブロック」
『機神獣インフェニット・ヴォルス』は相手スピリットのアタックに疲労状態でブロックできる。
こういった疲労ブロックを考慮しないのもCPUの弱い所だ。
「.......『レイニードル』は破壊される」
「さらに『機神獣インフェニット・ヴォルス』の効果。BPを比べ相手のスピリットだけを破壊した時、相手のライフのコア1個をトラッシュに置く」
これで相手のライフは残り1。
そして『レイニードル』のアタックが通らなかったことで、カガミは私のライフを削りきれない。
いや、もしもっとスピリットがいても『機神獣インフェニット・ヴォルス』のBP17000を突破できなければ無意味だ。
「……ターンエンドだ」
当然のターンエンド。
もうここまで来れば何をドローしても変わらない。
「『鍵鎚のヴァルグリンド』のレベルを上げて、アタックステップ。『機神獣インフェニット・ヴォルス』でアタック」
「『超新星龍ジークヴルム・ノヴァ』でブロック」
これでカガミのフィールドは空白、残りライフ1。
「『鍵鎚のヴァルグリンド』でアタック」
「ライフで受ける」
「はい私の勝ち」
ラスボスさんには悪いけど、私もレツと戦いたいんだ。
決勝戦、レツとのバトルまであと2回。