レイちゃんは強いカードバトラーと戦いたい   作:OZo-2

28 / 54
ターン28 氷田零の友人

 

 

「レイちゃーん! あ、今は風花ちゃんなんだっけ」

「えっと、初めまして。水野風花です」

 

ショップバトルの翌日、私は姫子ちゃんに誘われて学校に来た。

『氷田零』という人物に私の存在が上書きされている以上、そこら辺もしっかりしないといけない。

 

学校の校長に事情を説明し、ほぼ転校生みたいな扱いでクラスに入る。

クラスの子にはほとんど納得してもらい(一部では姫子ちゃんの家で生体実験をされてその影響で、なんて噂がたったが)、何とか放課後までやりきった。

 

「風花ちゃんも、バトスピやってたの?」

「うん。サジット・アポロドラゴンの赤デッキ」

 

放課後になると、氷田零と仲の良かったらしい谷円さんが、声をかけてきた。

まさか学校で女の子とバトスピの話ができると思わなかった。

私の周りでは、バトスピしていた女子はいなかったし。

 

「ホント!? 私も赤を使うのよ! ねえねえ、よかったらバトルしない?」

「あんまり強くないですけど、お願いします!」

 

元いた世界だと、いつも同じ友達とばかりやってたからね.....。

バトスピやってた人が少なかったから、知らない人とバトルできる経験は貴重だ。

 

「うーん。レイちゃんの姿で強くないって言われると、なんか調子狂うなー」

「世界チャンピオンなんでしたっけ」

「うん。そうじゃなくても、誰にも負けたことがないくらい強かったんだから」

 

へぇー、やっぱり凄いんだ。

 

「じゃあやろっか。最初はグー」

「「じゃんけんポン!」」

 

 

◇◆◇◆

 

 

「じゃあ後攻で」

「てことは私が先攻ね。スタートステップ」

 

じゃんけんに勝った私は後攻を選択。

マドカさんのターンからだ。

 

「『戦竜エルギニアス』を召喚。Lv2にして、ターンエンド」

 

え、赤デッキって言ってなかったっけ?

あ、赤と青の混色かな、ジーク・アポロドラゴンとかその辺りの。

 

「メインステップ、『ブレイドラ』『アクゥイラム』を召喚。『アクゥイラム』Lv2で、アタック」

 

『アクゥイラム』はアタック時にBP+2000する効果と【激突】を持つ。

後攻1ターン目に出せば、相手のほとんどのスピリットは破壊できる!

 

「『戦竜エルギニアス』でブロック。そのまま破壊ね」

「『ブレイドラ』でアタック」

「ライフで受ける」

「ターンエンド」

 

よーし、早速1つライフを削った!

相手のスピリットも破壊してるし、順調順調。

 

「『星海獣シー・サーペンダー』を召喚。召喚時効果でコスト4以下の『アクゥイラム』を破壊。ターンエンド」

 

シーサーペンダー……やっぱり構築済みデッキを基盤にしたデッキだね。

今『砲竜バル・ガンナー』を出されたら、ちょっとキツいかも。

 

「『カメレオプス』をLv2で召喚。アタックステップ、『カメレオプス』でアタック」

「ライフで受けるよ」

「ターンエンド」

 

『カメレオプス』のLv2BPは5000。

『砲竜バル・ガンナー』でも破壊できないし、『太陽龍ジーク・アポロドラゴン』でも、疲労状態なら指定アタックできない。

 

私の手札的に、カメレオプスには次のターンまで、絶対生き残ってもらわないと。

 

「メインステップ。『凶龍爆神ガンディノス』を召喚」

「ガンディノス!? え、裏Xレア!」

 

実物初めて見た!

元いた世界では、近場でショップバトルがやってなかったからね……周りの子達も、裏Xレアとか持ってなかったし。公式サイトに載っている情報でしか見たことない。

 

「ターンエンド」

 

流石、町内にバトスピショップがある都会はすごい。

初めて戦う相手、初めて見るカードに心が踊る。

 

絶対に、負けない!

 

「メインステップ! 『カメレオプス』の効果発揮。自分がコスト7以上のスピリットを召喚する時、このスピリットに赤のシンボルを2つ追加する!」

 

これで私のフィールドには赤のシンボルが4つ。このスピリットが最大軽減で召喚できる!

 

「『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』を召喚!」

 

ガンディノスはBP6000。

サジット・アポロドラゴンもBP6000。

なら……

 

「『ブレイドラ』『カメレオプス』のコアで、『光龍騎神サジット・アポロドラゴン』をLv2にアップ。サジット・アポロドラゴンの効果でガンディノスに指定アタック」

「『凶龍爆神ガンディノス』でブロック」

「ガンディノスを破壊。ターンエンド」

 

相手の裏Xレアスピリットを破壊できた!

サジット・アポロドラゴンもいるし、これは勝てる!

 

「うーん。メインステップ、『オリンスピア競技場』を配置。『牙皇ケルベロード』を召喚。そして『星海獣シー・サーペンダー』に合体(ブレイヴ)。スピリットとネクサスのレベルを上げて、ターンエンド」

「スタート、コア、ドロー」

 

引いたカードは『輝竜シャイン・ブレイザー』

よし、ナイスなブレイヴが来た!

 

「メインステップ、サジット・アポロドラゴンをLv3にアップ。アタックステップ、合体(ブレイヴ)スピリットに指定アタック!」

「『オリンスピア競技場』の効果で、リザーブのコアを1つトラッシュにおいてね。アタックは合体(ブレイヴ)スピリットでブロック」

 

サジット・アポロドラゴンはLv3でBP13000。

既に相手のスピリットに勝ってるけど、

 

「マジック『バーニングサン』を使用。『輝竜シャイン・ブレイザー』を、サジット・アポロドラゴンに合体(ブレイヴ)! そして回復!」

「『星海獣シー・サーペンダー』は破壊される」

「『輝竜シャイン・ブレイザー』の効果発揮。BP8000以上のスピリットを破壊したので、相手のライフのコア1個をリザーブに置く」

 

これで残りライフは2!

 

合体(ブレイヴ)アタック! アタック時効果でBP10000以下の『牙皇ケルベロード』を破壊する」

「ライフで受ける〜っ!(泣)」

 

合体(ブレイヴ)スピリットはダブルシンボル。

そのアタックはライフを2つ減らす!

 

私の、勝ちだ!

 

「ありがとうございました!」

「えーん、負けたー!(泣)」

 

裏Xレア『凶龍爆神ガンディノス』

今回は効果を使われる前に運良く倒せたけど、次は勝てるか分からない。

いやー、ドキドキした!

 

「ほー、マドカに勝つんか。おいアンタ、ワイともやらへんか?」

「あ、ぜひーー」

 

声をかけられつい返事をするも、その声の主を見て固まった。

 

金髪ネックレス、不良じゃねぇか!

 

「ん? あぁワイは難波虎二郎、レイのクラスメイトやった男や」

「コジローくんまた授業サボったでしょ! 内申に響くよ?」

「響いたところで困る成績はしとらんわ。で、えーと、誰やったっけ?」

「風花! 水野風花ちゃんよ!」

「風花です、よろしくお願いします……」

 

ホントはあまりよろしくしてほしくないけど!

不良と関わりたくなんかないけど!

 

「ほな、やろうか。アンタとのバトル、楽しませてもらうで」

 

 

◇◆◇◆

 

 

続けて2戦目。

今度は私が先攻だ。

 

「『カメレオプス』を召喚します……ターンエンドで」

「ワイのターン、スタートステップ」

 

ただ正面に座ってるだけなのに、この人怖い!

なんかめっちゃ見てくる! 視線が怖い!

 

「『ジャイナガン』を召喚。ターンエンドや」

「す、スタートステップ……」

 

『ジャイナガン』、破壊時に相手のスピリットのコア1個をトラッシュに置く【不死】のスピリット。

破壊時効果を考えると、スピリットにコアを2つ乗せておきたい。

 

けど、先攻2ターン目でコアが……

 

「(仕方ない)『カメレオプス』をLv2にアップ。カメレオプスでアタック」

「ライフや」

「ターンエンド」

 

本当なら手札の『太陽神龍ライジング・アポロドラゴン』を召喚したかったけど、召喚してもコアが1個しか乗らない。

指定アタックしても破壊時効果でやられるだけだ。

 

でも、次のターンには召喚する!

 

「『闇騎士アグラヴェイン』を召喚。アグラヴェインをLv2に上げて、ターンエンドや」

「スタート、コア、ドロー、リフレッシュ、メイン! 『太陽神龍ライジング・アポロドラゴン』を召喚! 『カメレオプス』は効果で赤のシンボル3つになる! 7コスト3軽減、4コストで召喚」

 

『カメレオプス』を消滅させ、ライジング・アポロドラゴンのコアを2つにする。

 

「ライジング・アポロドラゴンでアタック! 『ジャイナガン』に指定アタック」

「『ジャイナガン』、ブロックや。BP2000のジャイナガンは破壊される。けど、破壊時効果で『太陽神龍ライジング・アポロドラゴン』のコア1個をトラッシュや」

「ターンエンド」

 

よし、これでOK。

次のターン、『砲竜バル・ガンナー』を合体(ブレイヴ)して……

 

「マジック『ダンスマカブル』を使うわ。ワイの手札を全部破棄して、ライジング・アポロドラゴンのコア全てをリザーブに置く。ターンエンドや」

「そんな!?」

 

そんな、ライジング・アポロドラゴンが……でも、相手は手札を破棄してる。

なんでわざわざ全部捨てたのかは分からないけど、今がチャンス!

 

「『ブレイドラ』『角獣ガルナール』を召喚。『砲竜バル・ガンナー』をガルナールに直接合体(ブレイヴ)召喚! 合体(ブレイヴ)アタック!」

 

まずは『角獣ガルナール』の効果でデッキから3枚オープン!

その中の系統:「星竜」を持つカードを加えられるんだけど、今回は不発。

 

続いて『砲竜バル・ガンナー』のアタック時効果で1枚ドロー!

 

「ライフで受けるわ」

「ターンエンド」

 

これで相手のライフは残り2つ。

あと1歩の所まできた。

 

相手の手札は1、このターンにドローしたカードだけだし、次のターンにもう1体ブレイヴを用意して……

 

「『滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ』を召喚。Lv3や」

「ここでダークヴルム・ノヴァ!?」

「ターンエンド」

 

なんて引きしてるの!

 

うーん、さっきから相手に上手く返されてる。

やろうとすることが、裏目に出る。

 

『滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ』は素のBP13000に加えて、合体(ブレイヴ)スピリットとバトルするとBP+10000、合計BP23000になる。

 

私のデッキだと、23000の壁は高すぎるぞ。

 

ーーて、あれ。

 

「『ブレイドラ』『アクゥイラム』を召喚」

 

相手のスピリットは2体、ライフは2。

これで私のフィールドには、スピリットが4体。

 

届くじゃん。

 

あとは【不死】さえ気をつければ……

 

「えっと、すいません。トラッシュ見せてもらえますか?」

「ん? ええで。ほれ」

 

えっと、『ジャイナガン』はコスト7/8、『闇騎士ガヘリス』はコスト3のスピリットの破壊が不死の発動条件。

 

相手のフィールドはコスト5のアグラヴェインと、コスト7のダークヴルム・ノヴァ。

ダークヴルム・ノヴァはBP比べで破壊できないから問題ない。

 

合体(ブレイヴ)アタック。ガルナールの効果でオープンはしない。バルガンナーの効果で1枚ドロー」

「『闇騎士アグラヴェイン』でブロックや」

 

『闇騎士アグラヴェイン』を破壊しても、【不死】は発揮しない。

スピリットの頭数は増えない。

 

「アグラヴェインを破壊。『ブレイドラ』でアタック」

「『滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ』でブロックや」

「『ブレイドラ』は破壊される。もう1体の『ブレイドラ』でアタック」

「ライフで受ける」

 

ブロックするスピリットはいない。

手札もないからマジックの心配もない。

 

「『アクゥイラム』でアタック!」

「ライフや。ワイの負けやな」

「ありがとうございました」

 

勝ったー!

ライジング・アポロドラゴンが破壊されたり、ダークヴルム・ノヴァが出てきた時はどーしようかと思ったけど、何とかなった。

 

「コジローくんにも勝っちゃった。風花ちゃん強いね!」

「まったくや。途中からレイと戦っとると錯覚したくらいや。といっても、レイの方がなんちゅーか、敵わないって感じはするけどな」

「わかる〜」

 

そんなに言われるとすっごい気になる。

氷田零さんって、どのくらい強かったんだろう。

 

「えっと、その零さんって、そんなに強かったんですか?」

「そうやで。ワイらが手も足も出ん! ちゅーくらいには強いで」

 

この人たちが、手も足も出ないくらい……すごい、やっぱり強かったんだ、零さん。

 

『キミはボクのことを全く見ていなかった。無意識に目を逸らしていた』

 

ーーなんでここで、あの人の言葉を思い出すんだろう。

零さんは強かった。

でも、対戦相手を敬う気はなかった。

 

(……バトスピは1人じゃできないのに)

 

周りでバトスピをやっている子がいなかった私にはよく分かる。

でも、こんな充実した世界にいたら、そんな大切なことも忘れちゃうのかな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。