レイちゃんは強いカードバトラーと戦いたい   作:OZo-2

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ターン6 新弾発売!

 

新弾【龍帝】【皇騎】の発売が発表された。

 

カッコよくて強い『魔龍帝ジーク・フリード』

使い勝手のいい防御マジック『ミストカーテン』

デッキ破棄してネクサス配置、ついでにコアブーフト『栄光の表彰台』

召喚時最大15枚破棄の『機動要塞キャッスル・ゴレム』

強いカードが多数収録される。

 

私の狙いは低コスト武装スピリット『機人エムブラ』

あとは『栄光の表彰台』と『機動要塞キャッスル・ゴレム』も青デッキを作りたいから欲しいかな。

 

「レイちゃん今日ウキウキだね。何かいい事あった?」

「あったじゃない、あるんだよ。学校が終わったらバトスピの新弾買いにいくの」

「やばっ!発売今日だっけ?私も学校終わったら買いにいこっと」

「じゃあ一緒に行こうよ。どーせオダイハマまで行かないといけないんだし」

「オッケー!ならレツも誘ってくるわね」

「そうだね。そういえばレツ、チカバ町大会優勝したんだってね」

「そうなのよ。レイちゃんがオダイハマに行ってた日にね。もう完全に抜かされちゃったわ」

 

私がオダイハマのショップバトルでヒャッハーしてる内にチカバ町大会が終わっていたらしい。

私はそもそもチカバ町大会ってなんだっけレベルなんだけど、まあ多分ゲーム内のイベントなんだろうな。

 

決勝戦はレツVSコジローの熱いバトルがあったとかなかったとか。

レツがどんなバトルをするのか、見たかったなー。

 

「マドカ、レイ。おはよう」

「おはようレツ。優勝おめでとう」

「ありがとう。レイもおめでとうな、オダイハマのショップバトルで優勝したんだろ?」

「うん」

 

対戦相手のことを考えないゴミプでしたけどね。

まあ優勝は優勝なので、ありがたく賛辞の言葉は受け取ろう。

 

「そういえば決勝の相手はコジローっていう関西弁の男だったんだけど、レイの知り合いって言ってたんだ。一体どーいう関係なんだ?」

「なんてことあらへん。前に1回バトルしたくらいの関係や」

「うわっ!?コジロー!?なんでここに!」

 

背後から声をかけるコジローに驚くレツ。

レツに対面してた私は当然コジローの存在に気づいてたけど、面白そうだし黙っといた。

 

「先日親の都合でチカバ町に引っ越してきたんや。で、この町に学校はここしかないからな。今日からここの生徒っちゅーわけや」

「そうか。これからよろしくな!コジロー」

「こちらこそよろしゅうな!レツ」

 

コジローが仲間になった。

てのは冗談として、カードバトラーが増えたのは素直に嬉しい。

色んなデッキと戦えるからね。

 

「じゃあ放課後、バトスピの新弾買いにみんなでオダイハマシティに行こー!」

 

 

◇◆◇◆

 

 

さて、昨日ぶりのオダイハマシティですよ。

レツはオダイハマにあるおじさんの家に寄ると言っていたので、私はコジローと2人で先にバトスピショップに来た。

 

おっ、新弾あった。

売り切れてなくてよかった、とりあえず1BOXずつでいいかな。

後は欲しいカードが揃うまでタワーを引こう。

 

「コジロー君は何か狙いのカードある?」

「ワイは『吸血鬼ダンピール』と『王蛇ケツァルカトル』やな。レイは?」

「んー、Xレアなら『機動要塞キャッスル・ゴレム』あとはコモンとかかな。MレアやRは特に狙いはないよ」

 

お、『機人エムブラ』が3枚揃った。

後で『神機ミョルニール』と差し替えよう。

 

『ミストカーテン』はどうしようかな。

『バインディングソーン』なら攻めにも使えるし見送りで。

 

タワーを1個占拠してカードを買っていると、コジローが急に険しい顔になった。

 

「おいレイ、お前何かしたか?」

「ん?どーしたの急に」

「アレや」

 

コジローの視線の先には、フードや帽子で顔を隠した男たちがいた。

チラチラとこちらの様子を伺っている。

 

「んー知らないかな。私の髪色が珍しいんじゃない?ほら、私 銀髪だし」

「アレがそんな視線かいな。レイ、ホントに何もしてないんか?」

「してないよ。……でももう出ようか」

 

買ったカード達を仕舞い、ショップから出ようとする。

が、

 

「おいなんやアンタら。邪魔や退け」

 

謎の男たちが扉の前に立ち私たちの邪魔をする。

さっきは気づかなかったけど、この男達の服には黒い山羊のマークがデザインされていた。

 

(なんだ、あの害悪集団か)

 

私は男たちの正体を理解した。

よーするにゲームの敵組織の下っ端なんだ、こいつらは。

 

「……お前、昨日あの加賀美緋色(かがみひいろ)とバトルしてたな。しかも圧勝している」

「人違いです。そこ、どいてください」

「っと、そういう訳にもいかねぇんだわ。……なあ、オレたちと『バトスピ』しないか?」

「はぁ?アンタらええ加減に……」

「いいよ」

「おいレイ!わざわざ挑発に乗ってやることはあらへん! 今からでも」

「どーせ断ったら断ったで変なこと言ってくるタイプだよ。粘着されるのが分かってる虫なら、早く振り払った方がいい」

 

コジローの忠告を無視して男たちの要求を飲む。

男たちはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべていた。

 

「その前に、カードを買ったばっかりでデッキ構築をしてないのよ。ちょっと時間くれない?」

「いいぜ。好きにしな」

 

そうですか、じゃあ遠慮なく。

デッキに新弾のカードと共に『フレイムテンペスト』を3枚を組み込む。

普通に戦っても負ける気はしないけど、念の為。

 

「お待たせ。それじゃやろうか」

「やっとか。待たせやがって」

 

デッキをシャッフルしてプレイマットに置く。

じゃんけんの結果、私が先攻だ。

 

「始めようか。先攻は譲ってやるぜ」

「……スタートステップ、ドローステップ、メインステップ。『ガトリングスタンド』を召喚、ターンエンド」

 

上から目線のムカつく台詞を聞き流して淡々とターンを進める。

 

「俺のターンだな。『ゴラドン』『エッジホッグ』『リザドエッジ』『カプリホルン』を召喚するぜ。ターンエンドだ」

 

一気に4体もスピリットを召喚、01デッキかな。

 

「フードのニーチャンは低コストデッキか。BPは低いけど数が多い、厄介な相手やで」

 

それは元の世界での話、ここではどうせBPが負けてたらアタックしないんだから関係ない。

ここは数を並べて自分のライフを守るよりも、さっさと相手のライフを削って相手に攻撃させないのが正解だ。

 

「メインステップ『機人エムブラ』を2体召喚。アタックステップ『機人エムブラ』でアタック」

「ライフで受けるぜ」

「もう1体の『機人エムブラ』でアタック」

「それもライフで受ける」

「『ガトリングスタンド』でアタック」

「……ライフだ」

「ターンエンド」

 

01デッキは相手のフラッシュを気にせず殴れるから楽だ。

あって『バインディングソーン』くらいだし。

早々にライフを3つ削ることができた。

 

「『ビートビートル』『フライングミラージュ』を召喚。そして『カプリホルン』と『エッジホッグ』をLv2に上げるぜ。アタックステップ、『ビートビートル』でアタックだ!」

「フラッシュはない、ライフで受ける」

「『ゴラドン』でアタック」

「フラッシュはない、ライフ」

「『リザドエッジ』でアタック」

 

それはさすがに無防備に攻めすぎだよ。

ま、そういうものだから仕方ないけど。

 

「フラッシュタイミング『フレイムテンペスト』あなたのスピリットは全部破壊される」

「なっ……!」

 

バトルの前に組み込んだ『フレイムテンペスト』

このマジックはBP3000以下のスピリット全てを破壊する効果だ。

相手のスピリットは全て破壊対象、ご愁傷さま。

 

「くそっ!ターンエンドだ」

 

フードの男のフィールドには何も無く、手札も0。

2コスビートと違い、手札が枯渇する01デッキは一度フィールドを焼かれると立て直しが効かない。

もう詰んでるよ。

 

「私のターン。スタートステップ」

 

 

◇◆◇◆

 

 

「……で、アイツら一体何者なんや」

「さあ?『機人エムブラ』でアタック」

「さあて、知らんてことはないやろ。そのアタックはライフで受ける。ワイはバトルの前に『フレイムテンペスト』をデッキに入れてたの見てたんやで」

「数で攻められるデッキの対策にいいかなって。たまたま刺さってよかったよ。『巨神機トール』でアタック、フラッシュタイミングで『インビジブルクローク』を使用、トールはブロックされない」

 

黒い山羊のマークの集団とのバトルに勝った私たちは、グランドセンターで新弾のカードを使ってバトルしていた。

 

「ライフで受ける。……で、『機人エムブラ』を破壊して回復かい。新しいカードが入っても変わらないんやな」

「まぁね、これが1番楽しいし。回復した『巨神機トール』でアタック」

「楽しい、か。ホンマにそうやったらええんやけどな。マジック『デッドリィバランス』を使用、ワイの『魔界七将デスペラード』を破壊して『巨神機トール』を道ずれにするわ」

「……ターンエンド」

 

しまった、勝負を焦ったかな。

紫はこの無条件破壊があるから気をつけないといけなかったのに。

 

「『マミーラ』を召喚。なぁ、ちょっとええか?」

「うん? なに?」

「ワイにはアンタが何で悩んでるのかは知らへん」

 

悩んでる?私が?

 

「アンタに相談する気がないなら、無理やり聞いたりもせん。でも、悩んでも悩んでもどーしよーもなくなった時は頼ってくれてええんやで」

 

そういうとコジローはターンエンドを宣言した。

 

私の悩み……悩みか。

あるにはあるけど、

 

「大丈夫だよ。私にはレツがいるから」

「カカッ、ここでもやっぱりレツか!」

 

私の返事にコジローは腹を抱えて笑い出した。

こうしてると、私は誰かとバトルをしているのだと感じる。

バトルの間に流れる声が、感情が、心地いい。

 

でも、実際は、みんな、ただのデータなんだ。

 

「…………」

「ん?どうかしたか?」

「いや、なんでもないよ。『デュアルキャノン・ベル』を召喚。アタック」

「『マミーラ』でブロックや。『サイレントウォール』を使うから、これでアタックステップは終了やで。まだ終わらせへんよ」

 

コジローの宣言通り、その日のバトルはいつもよりも長く続けられた。

 

 

 

 

まあ結局私の勝ちなんですけどね!

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