ACE COMBAT7 AFTER STORY/IF 王女様の戴冠式 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
エルジア王宮、王の間。そう呼ばれている大広間に多くの来賓が集まっていた。無論、ロングレンジ隊員達とエイブリル、そしてイオネラ・アルマ姉妹も。
整然と並んだ長椅子に座っていると、1人の男がやってきた。
「はじめまして。式典が始まる前に1つお話をお願いできますか?」
「失礼ですが、あなたは?」
ロングキャスターが尋ねると、彼は名刺を出した。
「アルベール=ジュネット、フリーのジャーナリストです」
「ジャーナリスト? 何故ここに?」
「戴冠式の取材ですよ。これでも、オーシアの役人とコネがあるのでね」
「それでオーシア軍人とお話する必要は無いでしょう」
「聞きましたよ。終戦へと導いた英雄、オーシア空軍 長距離戦略打撃群、ロングレンジ部隊。それってあなた達ですよね?」
「何でマスコミにそれが漏れてんだ」
フーシェンが愚痴ると、ジュネットは微笑んだ。
「ユージア大陸で知らない者はいませんよ。あの放送はユージア中に聞こえていましたから。それで、三本線のパイロットというのは?」
すると、カウントがトリガーの背中を叩いた。叩かれたトリガーはカウントをちらりと睨み、渋々と手を挙げた。
「俺です」
「あなたが三本線? お若いですね。若いパイロットなんて、懐かしいな」
すると、イェーガーが何かを思い出した。
「ジュネットって確か……環太平洋戦争の密着取材をしてたジャーナリスト?」
「光栄ですね、知っている人がいるなんて。残念ながら、ほとんどの事を書けませんでしたが」
「あぁ、『真実に最も近付きながらも、それを公表しなかったジャーナリスト』!」
司令官も思い出す。その言い草に、ジュネットは苦笑いする。
「ま、そう言われても仕方無いんですけどね」
「何か書けない事情でも?」
テイラーが尋ねると、ジュネットは答える。
「彼から直々に口止めされましてね、『私が公表するまで待ってて欲しい』と。最も、その彼が亡くなった今、どうなるのかが不透明ですけど」
「彼……確かハーリング元大統領が2020年に環太平洋戦争の真実を公表するとか言ってたな。まさか、ハーリング氏が?」
イェーガーの言葉に、トリガーがむせる。それに、フーシェンとエイブリルが気を取られた。
「どうしたトリガー? 何かあったのか?」
「あぁ、そういえばそうだったな」
それに、カウントが口を開く。
「何かあったのレベルじゃねぇ、トリガーが――」
「カウント」
トリガーがカウントを呼ぶ。
呼ばれたカウントがトリガーを見ると、彼の目は殺気立っていた。
「あ……何でもねぇ」
「おい絶対何かあるだろう」
「これはトリガーの名誉の為に言えないな」
その時、アナウンスが流れた。
【皆様、お待たせ致しました。これより、エルジア王国 第251代目女王、ローザ=コゼット=ド=エルーゼの戴冠式を始めさせていただきます。皆様、お席にお座りの上、お静かにお願い致します】