セルモノー・リューに生まれ変わった青年の話。   作:黄色いうちわ

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  やったね。強くてニューゲームの始まりだよ。  


 セルモノー・リューに生まれ変わりました。

 

  

 

 

 

     車に跳ねられて死んだ。

 

  でもって、神様と死神と閻魔様からに間違いでした。ほんとは君の隣にいたご老人が亡くなるはずでした。と言われた。

 

 

  間違いじゃあしょうがない。誰だって間違いますし。で、私はどうなりますかと聞いた。

 

  この度はこちらの責任ですから、また人間に転生させます。だけど、人間に転生するには手続きに時間がかかります。ですから、暇潰しにあなたの望む世界に転生をさせてあげます。その世界で生きて天寿をまっとうして下さい。望む世界がなければこちらがランダムで選びますが。

 

   そう言われて、私が望んだのはジルオールの世界だった。あの世界で冒険者になって自由に生きてみたい。そう思ったからだ。

 

   わかりました。では、あなたはそのゲームを何度もクリアしていたので、その分のデータ能力・スキル・ソウルポイント・アイテム・武器・防具・アクセサリー・イベントアイテム・知識を全て継がせましょう。かさばるからマジックポケットも授けましょう。一生遊んで安全に暮らせる地位も授けましょう。では、よい旅を。

 

 

   神様死神閻魔様からの言葉に嬉しがった自分は馬鹿だった。いや、嬉しいです。だけどね、セルモノー・リューに生まれ変わるってなんですかね?

 

   あ、でも王様にならないで王弟のままで生きていけばいいのか。王弟で冒険者になってロストールに寄り付かなければ、エリスさんは生きるよね。うん、そうだそうしよう。先ずは、嫌だけど王族として立ち居振舞いを身につけて勉強をして体を鍛え上げないとだな。

 

   気さくで緩い王族なら、だれからも担ぎ上げられないだろう。そうと決まれば、ソウルポイントを振り分け…うふ。神様死神閻魔様ったら、500回クリアをしまくった私の愛すべきデータ全部、お金もアイテムも全部を継承ですか。わーい、やることあんまりないですね。これ、竜王もウルグもティラも赤ん坊の今でも余裕でワンパンで倒せますわ。

 

   王族だからウルグをつけて威圧しながら鬼成長してやらあっ。やけくそ。

 

 

   第二王子様のセルモノー様は、産まれながらの王者であらせられました。

 

   威圧感を、誰もがこうべを垂れざるをえない威圧感を発したのです。

 

   泣かないお子様でした。そしておむつを換えたりミルクを飲ませると「あー」と言葉を発してお辞儀をするかのように頭を動かしたりと、賢すぎる御方でございました。

 

   すくすくと成長されると、剣に魔法に興味をしめされました。セルモノー様は賢く、一を教えれば百を千を知る。まさしく天才でした。

 

   でも、私ども使用人に気さくで優しい御方でした。慈悲深く、兄上を敬愛して…下町に抜け出てしまっておりました。隠すこともせずに、堂々と父君と母君、兄君に《セルモノーは冒険者になります。世界を旅してロストール王家に有益な情報を得てきます。兄上を補佐する文武官を目指します。セルモノーはエンシャントに留学します》と告げてしまいました。

 

   ご家族は認めました。止めても止められないとわかっていたのでしょう。

 

   セルモノー様が、既に冒険者になっていたのは全国民が知ることになっていましたから。

 

 






  物事には限度があったよ…。

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