とうとう結婚したクロとチャコ。なにか変わったかと言うと、何も変わらなかった。ようは気持ちの問題である。
それに、悲しいかなもう死んでいるため子孫を残すこともできない。
チャコは少しがっかりしていたが、クロはそういうことを考えるようになる前に命を落としていたので、あまり気にしていなかった。
(ハルちゃんがセッティングしてくれたお見合い。ちゃんとしておけば良かったのかな…)
などと考えてみたが後の祭りである。子孫は残せないが隣にはクロがいる。それだけで十分。そう思うことにした。
それに、結婚しようがしまいがクロの天真爛漫で破天荒な行動は、しんみりするような隙を与えてくれない。
しかし、正式に旦那様となったからにはどこに出しても恥ずかしくないように。と考えて、あれをしなさい。これはこうしなきゃダメ。など、小言が少々増えた。
言われた所で、クロにとって『重要』と認識されない限り聞き入れて貰えることは殆どなく。コトワリ様にも相談してみたが、
「それがクロの持ち味なのだから、それでいいのでは?」
と、毒にも薬にもならない回答しか得られなかった。
だがそれもまた真理である。確かに色々と躾けてクロをお行儀よくしたとしても、なんだかしっくりこない。
(そうよね。それがクロだものね。そんな天真爛漫なクロを私は好きになったんだもの。足りない所はわたしがサポートしてあげればいいだけよね)
そう結論付け、チャコは早々にクロへ小言を言うのをやめた。
ホントよくできた嫁さんである。
そして今日もまた…
「チャコ!すごいはっけんだよ!」
パトロールから帰って来るなりそう報告するクロ。
「なになに?どうしたの?」
「あのね、ハルちゃん。こっちにもどってきて、またこの町にすんでるんだって!」
「………」
「どうしたの?あ、うれしくてこえも出ないってやつ?」
「よく聞いてクロ」
「なあに?」
「それ、知らなかったの。たぶんクロだけよ」
「えぇぇぇっ?!」
「じゃあ、チャコしってたの?」
「うん」
「なんでおしえてくれなかったのさ」
「わたしもパトロールに出た時、町の人みんな騒いでたから、クロも知っているとばかり…」
「もぅ」
珍しくちょっとむくれてるクロ。
「ほぅら、機嫌なおして」
そう言って、珍しくチャコからクロへ毛繕いを始める。普段は大抵、クロ⇒チャコで、そのあとチャコ⇒クロである。
「ん、む、ふぅ…。もう、そーゆーだいじなことはぁ…ちゃんとおはなししてよぉ?」
毛繕いの気持ちよさにうっとりしているため、少々間延びしたしゃべり方になってしまっている。
「はいはい」
こんな感じにイチャイチャする回数は増えたが、いたって前と変わらないクロとチャコである。
嫁いだことを契機にこの町に戻ってきたハル。勤めていた会社を辞めて来たので当然無職である。無職といえば聞こえは悪いが専業主婦になったのである。
そして毎朝家の前を掃除することを日課としていた。それに気付いたクロとチャコは朝イチでハルの顔を見に行き、
「おはよう!」
と、声をかけるのが日課に追加されていた。
まあ、そこで顔を見なくても、ほぼ毎日神社へ来てくれるので様子を知るのに苦労はしなかった。
季節は秋になり、やっと残暑も和らいできて10月になった頃。コトワリ様がクロとチャコに話を持ち掛けた。
「クロ、チャコ。ちょっとお出かけしてみないかね?」
まるっきり孫を遊びに連れ出そうとするおじいちゃんである。
「おでかけ?」
「どこに、ですか?」
「うむ、日本の神というのはだな。神無月になると出雲に集まって話し合いをしたりするものなのだが、ヌシらもここに来て長い。なんというか顔見せがてら一緒に来るのもいいのではないかと思ってな。どうだ?」
「えぇ?ボクたちかみさまじゃないのに?そんなこといって、おでかけしているあいだボクたちにあえなくてさびしいからじゃないの?」
「そ、そんなことはない!(そんなことはないのだ)」
「えぇ~?」
と、からかってはみたものの、そういえば毎年、神無月という時に集まりがあるって言っておでかけしていたけど、なんで今年は急にそんなこと言ってきたんだろう?
疑問に思ってどうしようかと考えてみたがなかなか答えは出ない。出ないのでとりあえず別のことを聞いてみようと話し出すクロ。
「その、かんなづきっていうときに、いずもってとこにかみさまがあつまっちゃうの?」
「そうだ」
「じゃあ、いろんなところにいるかみさまがいなくなっちゃうってこと?」
「うむ、それで、神の無い月ということで神無月(かんなづき)というのだ」
「ないの?でも、いずもってとこにはいるんでしょ?」
「なかなか鋭いな。なので、神が集まる出雲では、神が在る月ということで、神在月(かみありづき)というのだ」
「ふんふん。そのことはにんげんもしってるの?」
「ああ、知っているぞ」
「えっと、それはおとなはしってるとおもうけど、こどもは?」
「子供か、子供はどうであろうな?」
(はて?いったいクロは何が確認したいのであろう?)
「そっかぁ、じゃあ、コトワリさまのおうちには、あまりおまいりってのにはこない?」
「まあ、来ぬであろうな」
「つまり、おとなはかみさまがいないことをしってるからこない。でも、こどもはよくしらない。そうじゃなくても、こどもはそんなことかんけいなくおそとであそぶよね?」
「あ、そういうこと」
クロが一生懸命考えていたので余計なちゃちゃは入れずに黙っていたチャコ。クロが何を気にしているのかやっと合点がいく。
「だから、ボクいかない。せっかくさそってくれたのに、ごめんなさい」
「そうか、なれば仕方ない…」
「チャコはどうするの?」
「わたし?そりゃあ、クロが行かないんだったら行かないわよ」
「そういうもんなの?」
「そういうもんなの!」
(う~む、クロとチャコであれば他の神にも大人気だと思うのだがなぁ…)
クロとチャコを出雲に連れて行くのが他の神に自慢したいだけなのか?という突っ込みをよそに、仕方なく1神(ひとり)で出かけることにした。
「コトワリさま、おでかけしちゃったね」
「そうね」
「なんって言ってたっけ?いちばんながくて1かげつかえってこないんだっけ?」
「そう言ってたわね」
「コトワリさま、ボクたちいなくてさびしかったみたいだけど、ボクもちょっとさびしいかも。チャコは?」
「最初は怖かったけど、今はいないとちょっと寂しいわね。クロ、もしわたしが一緒にお出かけしちゃってたら?」
クロは何も言わずトコトコとチャコに近づき、前足でチャコの首に抱擁(ぎゅっ)する。そしてなかなか離そうとしない。
(もうっ、そんなに寂しいならなんで「チャコはどうするの?」とか聞いてきたのよ)
クロとチャコはコトワリ様がいないからと言って特に行動に変化がある訳でもなく、いつも通り朝起きてハルに挨拶に行き、いない時はしばらく待ってみるがそれでも出てこない時は「残念」となってパトロールに向かい、夕方に祠へ帰ってきて、今日の出来事で何か気になる点があったら話し合ったり、イチャイチャしたりして夜になったら寝る。そんな毎日である。
1ヶ月ほど経過し、やっとコトワリ様が帰ってくる。
「あ、コトワリさま、かえってきた!おかえり!」
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
「どうだった?ボクたちいっしょじゃなくてさびしかった?」
自分がいなくて寂しかったか?と、言おうとしていたのに先手を打たれてしまったコトワリ様。
「そうだな」
ちょっとがっかりしながら一言だけ答える。しかし、少々怖くはあるが聞いてみたかったので、
「ヌシらはどうだ?」
「ボクたち?うん。ボクもチャコもコトワリさまいなくてさびしかったよ」
(よかった…)
別になんともなかったよ。とか言われたらどうしよう?と内心ドキドキしていたコトワリ様。ホッと安心する。
「しかし、ヌシらに同行して貰えず残念であった。特にクロ。ヌシは他の神も気にしており会いたがっていたぞ?」
「ボク?チャコは?」
「チャコもそうだが、まず、チャコより先にここにいたクロの方が気になっているらしい」
「ボクたちただの犬なのに、なにがきになるんだろうね?チャコわかる?」
「わからない。神様にも犬が好きな方がいるのかしら?」
(よし、うまくごまかせたな。しかしこの件。どう頃合いを見て話しをせねばならぬか考え物だな…。と、あまり考え込んでいると勘のいいクロに怪しまれてしまうな)
「そうかも知れぬ。ワレが少々他の神にヌシらのことを話過ぎたのやも知れぬ」
「もしかして、なんかよくないこといったりしてない?」
「何を馬鹿なことを!ヌシらの悪口など、どうやって言ったらいいのか皆目見当も付かぬわ!」
クロとチャコは大きな声を出されたので少しビックリしてしまったが、言っていた内容を理解したのかニコニコというかニヤニヤしている。
(まったく、この子らと話していると調子が狂う)
「そうさな、いつまで経っても人間でいう『なぜなに期』で、しょっちゅう「あれなに?」、「これは?」と聞いてくる黒いのがいる。くらいは言ったやも知れぬ」
「むぅ…」
「ムムッ」
睨み合う(?)クロとコトワリ様。
「ぷっ、あはは、あははははは…」
「はっはっはっはっはっ…」
同時に笑い出す。
ふたりはお互い笑っているので気付いていないが、チャコは気付いて驚愕している。
「あ、あの、コトワリ様、笑ってる…」
「なに?!」
「あ、ホントだ」
(ワレが、笑う?今、笑っていただと?何故?どのようにして?)
今まで笑ったことのなかったコトワリ様。自分でも起こった事が理解できずに混乱している。
(笑う?どうやって?今までそのような事は起こらなかったのに、今になって何故?いったい何が起こったというのか…)
自分の感情の変化に頭が追い付いていかない。
(おかしい、ワレが、笑う?ワレにそのようなことができたのか?)
まるで自分には『笑う』という機能が最初からなかったかのような考えである。
もしかすると本来はなかったのかも知れない。しかし、それが出来てしまったという事、その理由はおのずと分かってくる。
自分を見上げる黒い毛並みの小さな生き物。
(クロ、のおかげか…)
「すまぬ、今まで笑うということをした事がなかったものでな。少々考えたいので神社へ戻らせて貰おう」
「わかった。おでかけしてかえってきたばっかりなのに、いろいろおはなししちゃってごめんなさい」
「ごめんなさい」
「いや、よいのだ…」
ここ最近のクロとチャコの変化といい、自分自身の変化といい。今までの長い歳月の間、ほとんど何も変わらない毎日であったのに、ここ数年で身の回りに目まぐるしく変化が起こっている。
クロとチャコはあるがままを受け入れているようだが、コトワリ様にいたっては、今まで生きてきた歳月に比べればかなりの短いスパンで色々と起こり過ぎているため、なかなか受け入れられずに目が回るような思いがしていた。
(ワレが、笑う。か…)
今までになかった感情だけに戸惑いはあるが、これでクロやチャコと一緒に笑えると考えれば、良い変化であったのであろう。そう考えた。
それからはコトワリ様もクロとチャコと話をしているなか、時々笑うことができるようになり、今まで以上に2匹と仲良くなれたと喜んでいた。
2匹と1神が仲睦まじくすごして数年が経った。クロは最近あることが気になりチャコに聞いてみる。
「ねえチャコ。なんだかさいきんハルちゃん、あまりこっち(神社)のほうこないね?」
「クロ、気付いてないの?」
「なにが?」
「ハルちゃん、お腹が大きくなってたから、もうすぐ子供が産まれるはずよ。身重で山に登ってくるのは大変だから、今はここに来ることをお休みしてるんじゃないかしら?」
「えぇっ?!ハルちゃんにこども?!どうしよう…」
と言って何故かクロがオロオロしてグルグル回り出す。
「あの、クロが慌てたってどうにもならないでしょ」
「あ、そうか」
「そっかぁ、ハルちゃんにあかちゃんが…」
そこまで言ってクロはある考えに至る。
「チャコ…、ごめん…」
「どうしたの急に?」
「ボクたち死んじゃってるし、もう成犬(おとな)にならないし、こども…」
(!!!)
(クロのことだから気付かないかも?とか考えてたけど、気付いちゃったか)
「ホントに、ごめんね。ボク、そういうのよくわからなくて、チャコがよろこんでくれるとおもって『けっこんしよう』って言っちゃって」
「いいの、いいのよクロ」
「でも…」
「わたしがいいって言ってるんだからいいの!そんなことは分かってたし、それにクロにそう言われて本当に嬉しかったし、幸せっていうのも本当だし」
「うん…」
少しずつではあるがクロも内面的に成長してきている。が、今までが今までだけに心のバランスを取るのが少々難しいようだ…。
そこは、よくできた嫁さんであるチャコがいる。きっと上手く支えてくれる。今もクロを元気づけるためにこんなことを言い出した。
「それに、わたしたち子供たちを見守っているでしょ?だから、この町の子供たちがわたしたちの子供みたいなもんじゃない。わたし、寂しくなんかないよ」
「そうか、うん。そうだね!」
(やっといつものクロに戻ってくれた)
「そっかぁ、町のこどもたちがぼくたちの…じゃあ、おとうさん、パトロールがんばらなくちゃだね」
「もう、クロったら調子に乗って」
「えへへ」
(なんとも似合いの夫婦であるな。あの2匹も思っているであろうが、生きてそうなっていてくれていればと思わずにはいられぬ)
数年経過しているのにいまだ新婚気分でイチャイチャしているため、話す機会が少しだけ減ったコトワリ様はちょっとだけ寂しさを感じていた。
しかし幸せそうなクロとチャコを見ているだけで、コトワリ様自身も幸せな気分になって来る。
生きてもいなければ、人間でもない。しかし、自分の神社で挙げた初めての結婚式である。神という立場を忘れて全力で幸せを願わずにはいられない。
「あ、そういえば、ずっと気になっててきこうとおもってたのにわすれてた!」
「どうしたのクロ?」
「うん。コトワリさま、いまだいじょうぶ?」
(?!)
今まで聞きたいと思った時が聞き時。と言わんばかりに相手の都合などお構いなく話しかけてきて、コトワリ様も時々苦笑いすることもあったのだが、突然、今話しても大丈夫か?などと気遣いをしてきたクロ。成長した。と言えば嬉しいのだが、なんとなく今までのクロが失われていくような気がして少し複雑な気分のコトワリ様。
「うむ、大丈夫だ。どうしたのだ?」
「あのね、ボクたちの『ぞう』ってやつができてハルちゃんがきて、クッキーくれたけど、なんで食べられたんだろう?」
「あ、そう言えば…」
「そのことか。ん~む、これも、おそらく。としか言えぬのだが、ヌシらに対してのお供え物であるので、ヌシらがしたいようにできる。といったところではないだろうか?
だから、食べたいと思えば食べられるし、足で叩いてどっかに飛ばすのもヌシらの自由。というこではないかな?」
「せっかくくれたものをそんなことしちゃダメだよ!」
「いや、ものの例えだ例え」
「むぅ」
「あの、つまり、本来は物を食べる必要はないのに、そうやてお供えされた物に込められている、えっと、クロの言っていた『子供たちのありがとうって気持ち』それを、食べ物ということなので食べる。という行動で受け取っている。そんな感じですか?」
「おお!すごいなチャコ。おそらくはそのような事であろう」
クロに置いて行かれまいと一生懸命なチャコ。感覚が磨かれ少しずつ鋭くなってきている。
私だってこのくらい分かるようになって来てるんだから!と、ドヤ顔でクロをチラッと見る。
「チャコすご~い。どうしてわかったの?」
手放しで褒めるクロ。
「えっと、食べたとき、なんだかあったかい感じがしたから、そうなんじゃないかなぁ?って」
「そっかぁ、うん。そんなんだ。うんうん」
しきりに感心しているクロ。チャコも悪い気はしない。
「でもなぁ、ハルちゃんがくれたのはいいんだけど、ほかのこからもらったのをたべるのはなぁ」
「そうなのよねぇ」
本能的なものなのか、自分の知っている相手以外からの食べ物を受け付けたがらないようである。
「まあ、そう言うな。ヌシらへの感謝の気持ちなのだぞ?それに、ヌシらの『子供たち』なのであろう?」
「!!!」
「そうだった!」
「いつの間に聞いたんですか?」
「ん?あれだけ騒いでいたら、聞きたくなくても聞こえてくる」
クロとチャコ、顔を見合わせて「えへへ」という感じに照れ笑いをする。
「こどもたちからのおれいだから、ちゃんとたべるようにしないとだね」
「ええ、そうね」
元々食べる必要がないので普段は食べ物を見てもなんとも思わないのだが、思い出の食べ物ということと、子供たちからの感謝の気持ちが籠っているため、それだけは気になって『食べる』という行動を取ってしまうようだ。
しかしちゃんと食べようとは言いつつも、ハルが供えたもの以外はなくなるまでに少しかかってしまうクロとチャコであった。
とはいえ、出産を控えたハルが殆ど顔を見せなくなってしまったため、否が応でも食べざるを得なかったのだが…。
「チャコ?ハルちゃんはこないけど、ハルちゃんとけっこんしたあのおにいさん。さいきんよくくるね?」
「言われてみればそうね」
「それはだな、ハルが出産間近になり男の自分では何もできぬので、ワレの神社に無事に産まれるよう願掛けに来ているのだ」
「あの、失礼ですが、コトワリ様って安産の神様でもあるのですか?」
チャコのその疑問はもっともである。あの持っているハサミが、子供が産まれた時のへその緒を切ることを象徴している。とか言われれば「そうかも?」と、納得してしまう人もいるかもしれないが、実際はそんなことはない。
「違うな」
「じゃあどうしてハルちゃんの旦那さんは?」
「あの男も祖父と同じくなかなかどうして色々考えるものでな。今、ハルのお腹の中にいる子供。その子供が無事に産まれて自分たちの子供になれるよう、自分たちとの縁を結んで欲しい。
と、少し応用を効かせた願掛けのしかたをしてきおった」
「できるの?」
「わからぬ」
「それじゃ、ハルちゃんの赤ちゃんは…?」
悲しい顔をしてコトワリ様を見上げるクロとチャコ。
「神である故、あまり不確定なことは言えぬのだ。しかし、可能な限り2人と赤子との縁の結びつきを強くすることは可能だ」
「じゃあ、だいじょうぶなの?」
「まだわからぬ。そうだな。ヌシら2匹にも縁が結ばれるよう祈って貰いたい」
「ボクたちが?」
「そうだ。ハルと縁の深いヌシらの祈りであればワレに力を与えてくれるであろう」
「わかった」
「わかりました」
それから2匹はギュッと目をつぶり、一心にハルのため、産まれてくる子供のために祈った。
2匹の祈りがコトワリ様に流れ込んで来る。コトワリ様は2匹の祈りに自らの力を合わせハルら両親と産まれてくる子供との縁の結びつきを強くした。
(ふむ、やはりな。これでどうにかなるであろう)
コトワリ様はおそらく自分だけでもどうにかできると思ったが、ある試みのためクロとチャコにも祈らせてみたのだ。
結果は『やはり』だった。それはコトワリ様にとって嬉しいことではあったが、同時に悲しいことでもあった。
産まれる所まで行きたかったのですが、思いの外長くなってきてしまったので今回はここで区切ることにしました。