「ヒトの領分を超えた悲願に手を伸ばす愚か者……
その破滅を愛してやれるのは天上天下にただ一人、このギルガメッシュをおいて他にない。
儚くも眩しき者よ。我が腕に抱かれるがいい。それが我の決定だ」
ーーーギルガメッシュ
夕焼けの空、そこには黄金の王と白の鬼と蒼の雷光そして橙の疾風と鉄の王位を狙う者がそれぞれぶつかり合っている。
そのぶつかり合いはまさに一進一退。そのぶつかり合いは息をもつかせないほど美しいものだった。ここまでくれば、もはや芸術の領域だ。
だが、それは唐突に来る。
蒼の雷光が橙の疾風を貫いた。黄金の王も白の鬼も間に合わなかった。
「むっ?」
「どうしたの?征人」
「いや、夢を見ていたようだ。」
しかもとびっきりの悪夢をな。あれが夢で有ることを祈るばかりだ。
しっかし、このクソ暑い日に良く騒げるな。まぁ、バスで冷房効いているからか?
何故バスかと聞かれれば臨海学校だからとしか言いようがない。
「ねえねぇ、征人!海だよ!海!楽しみだなぁ!」
そう、シャルの言う方へ顔を向けてみるとこれでもかと言わんばかりに輝いている海が広がっていた。
「そうだな。」
さっきの夢を振り払う様に我は笑顔でシャルに応える。
「ねぇねぇ、シャルロット、その左手の薬指の指輪は何?」
後ろから浩一が出てきてシャルの金色の指輪を指して聞く。
「えへへぇ!いいでしょう?征人が買ってくれたんだ!」
「へぇ?じゃあ、征人!俺にもなんか買ってよ!」
「何故だ?」
「ほら、俺ら長年の友達じゃん?」
「馬鹿か?」
「ひどっ!」
などとぎゃんぎゃん騒いでいたらそろそろ目的地に着くようで
「貴様等、騒ぐのはいいがそろそろ目的地に着く、静かにしろ。」
鬼の一声でバス全体が静まる。
「ここがこれから三日間お前達がお世話になる花月荘だ。全員従業員の方の仕事を増やさない様に」
「「「「「よろしくおねがいしまーーーす!」」」」」
一応の紹介が終わると同時に女将らしき人がこちらにくる。ちなみに結構美人だなとか考えてると背後から殺気を感じたのは気のせいだと信じたい。
「あら、こちらが噂の3人?」
「女将さん、これから三日間お願いします。此方名刺です。」
「あら、礼儀正しいのね。名刺までわざわ…ざ…ジュ、JUDAコーポレーション代表取締役?!」
名刺を見た途端顔色を悪くする女将。そりゃあ、巨大な会社の社長が出てきたらそりゃあビビるわ
「別に買収しようとかはありませんから大丈夫ですよ。」
浩一の一言で冷静さを取り戻した女将
「あらあら、気を使ってくれたんですね。」
「で、となりの金髪の彼が黄金征人あの黄金コーポレーションの次期社長です。」
「織斑先生、今年は随分豪勢な生徒さんがはいったのですね。」
女将は考えるのを放棄したのか。ブリュンヒルデに話題を振る。
「まぁ、私からしてみれば唯の思春期男子の馬鹿3人と言った所ですがね」
軽くドヤ顔で言うブリュンヒルデ。やめて!女将のSAN値はもう一気に5へってるのよ!一時的狂気よ!
その後IS学園御一行は割り当てられた部屋へ移動を開始した。後ろでは一夏が誰かと話しているがしらん。
「おい、男子お前達の部屋はこっちだ。」
ブリュンヒルデの後を我達はただ着いていく。
「わたしと山田先生は隣の部屋二つだ。何かあれば呼べ」
そのまま、ブリュンヒルデは颯爽と去って行った。
「さて、着替えて海に行くか。」
着替えに行く途中、うさ耳が地面に刺さってたが見なかったことにした。一夏と浩一は気になって仕方ない様なので先に行くことにした。
更衣室と言っても海の近くの更衣室だ。ベニヤ板とは言わないがかなり薄い材質で作られているのか隣の声がだだ漏れだ。
「えーデュノアさんもしかして隠れ巨乳ってやつ?」
「ええい!黄金様を誘惑したのはこの乳か!」
「いいなぁ!この歳から婚約指輪かぁ。私も早く彼氏作らなきゃ!」
最後の子が今までで一番まともだった。あれ?なんか目から汗が…
我はさっさと着替えて外に出る。海とご対面だ。
「ほう?意外にも綺麗だな」
海を眺めていると更衣室にいた、女子が来たようで
「あ、黄金様だ!」
「やはり、黄金君の色は金だね!」
今の我の服装はと言うと黒の七部丈パーカー(所々金の刺繍あり。因みに背中にはA・U・Oの刺繍あり)にスポーティなサングラス(ブリッジ、テンプルなどの部分は勿論金)にあの金色水着。更にいつも逆立てている髪も下ろしているので知らない奴がみたら唯のDQNだ。
ただ、我を知ってる奴は「あっ、やっぱりお前か」程度で終わる。
そんな女子の黄色い声をBGMに海をながめ続ける我…カッコイイ
「ま、征人お待たせ!」
その声に振り向くとセパレートタイプの水着を着て、ビーチパラソルとレジャーシートを持ったシャルが立っていた。
「いや、我も、丁度今まで来たところだ。」
サングラスをとり、パーカーのチャックとチャックの隙間にサングラスを掛ける。
コレが一度やってみたかった!
「そう?じゃあ、あそこに刺そうか!」
と、シャルが指差した方向はあまりひと気がなさそうな所だった。
「人がこないがいいのか?海の家までも遠いし」
「いいんだよ!征人と二人っきりだし!寧ろ人がこない方が都合がいいと言うか」
最後の方はしりすぼみで聞こえなかったが多分ろくでもないことなのだろう。
ビーチパラソルやらなんやら全て終わらせて暫くのんびり過ごすことにした。寧ろのんびりしすぎて寝てしまった。
気がつけばもう部屋に戻る時間だった。
征人、寝ちゃったか。
今回は征人を抱きしめて寝ようかな?
え?ベッドに入り込んでる時点で抱きしめてるんじゃないのかって?僕はただ、添い寝してるだけだよ!下着でだけど…
今日は、いいよね?
横になってる征人の背中を抱きしめて寝ようとしたら征人が寝返りを打ってこっち向いた。
丁度、向いた時に唇と唇が当たった。
ん?唇と唇が当たった?
…………………………………えへへへへへへへへへ、キスしちゃった。もう一回したら、ばれそうだからこのまま寝ちゃおう。
「おやすみ、僕の征人」
「おい、シャル、起きろ。もう、戻る時間だ」
「…うーん、えぇ?、もう?」
「ふむ、これは、本わさか」
時は進んで、夕食の時間。
隣に浩一、シャルを置いての夕食だ。浩一の隣のセシリアはかなり青ざめていたが気にしない。
「本わさ?」
「シャルロットちゃん、これはね本わさびって言ってね、簡単に説明しちゃうと天然物わさびをただすりおろしただけのわさびが本わさびっていうんだ。」
「え?じゃあ、学校のわさびは?」
「あれは、練りわさびと言って西洋わさびと今浩一が説明した本わさびを混ぜたものだ。」
「へぇ」
そのままシャルはなんの警戒もせず本わさの山を箸で掴みそのまま口へ入れる。
「あっ、馬鹿」
シャルは顔をまっかにして何かを訴えている。
「落ち着け、ほら、緑茶を飲んで」
「お、おいひいよ?」
「ほう?なら我の分もやろう」
「ごめんなさい」
食事を終え一夏は姉のマッサージへ行ったのでやることないから浩一と将棋をすることにした。
「王手だ。飛車取り」
「え?やばっ!」
「詰みだ」
「ま、負けました」
「まだ、将棋やってたのか。浩一、征人風呂でもどうだ?」
「いや、我は時間ギリギリに入る」
「そうか、じゃあ浩一行こうぜ!」
「おっしゃああ!」
しばらくして
「おじゃましまーす」
「ん?シャルか、どうした?」
「チェスしない?」
「ん?別にいいが。」
「じゃあ、負けた方が勝った方の言うことをなんでも聞くこと!」
「いいだろう。」
一戦目
「チェックメイトだ」
五戦目
「チェックメイトだ。シャル」
??戦目
「何回負け越すんだ?チェックメイト」
「うぅ、手加減無しとは」
「相手が悪かったな。そろそろ就寝の時間だ。鬼に見つかるとまずいから戻れ」
「うん。じゃあ、明日ね!おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
ふふふん、これで夏休み中に征人の物になれればあんなことやそんなことして、征人好みに仕上げてくれる様に誘導すれば。
えへへ、たのしみだなぁ!
征人、君はもう、僕なしじゃ生きていけないんだよ?
はい、本わさびでした。
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