そうだ。社会見学をしよう。前編
「何?本社を見学してみたい?」
我は突然の訪問と突然の要望に驚いた。
「うむ、私は生まれてこの方、しゃかいけんがくとやらをしたことが無くてな。済まんが見学させてもらえぬか?」
うむ、この銀髪少女の過去を振り返れば確かにしたことがなさそうだ。だが、しかし
「浩一にでもお願いすればいいんじゃないのか?あいつならノリノリで案内してくれるぞ?」
そう、ラウラの嫁(仮)の浩一が我と並ぶ世界トップの会社の社長なのだ。別に我でなくとも浩一に頼めばいいのだ。
「うむ、浩一にもそれを言おうとしたのだが、この前のJUDAの後始末と最新機の開発があるとかなんとかで今は無理だと断られてしまってな。」
我は『この前』と言われ少し反応してしまう。あの、福音戦の後の事だ。
暫く時は巻き戻る。
我は、大富豪を途中で辞め、散歩をしに出ることにした。別に、飽きたとかそんなんじゃない。部屋に戻って空気が悪くなったらどうしようかなんても考えてない。考えてないったら考えてない。
「やっはろー!さっすが!無敵のまー君だね!一度死んでも不死鳥?だっけ?たしかそんな感じに復活していっ君と退治しちゃった!うんうん!束さんは感激を表さずにはいられません!」
そんなこんなで考え事をしていると、前から篠ノ之束が現れた。
「何か用があるのだろう?早めに済ましてくれ。我は早く考え事をしたい。」
「うん、わかったよ!じゃあ、場所を移そうか!」
で、連れて来られたのは崖
「貴様のチョイスはわけが分からんな。」
「ふふん、推理ものの女王とお呼びなさい。」
篠ノ之束は実際その豊満なバストをはり、胸のあたりのボタンが悲鳴を上げる。
「抜かせ、王を名乗っていいのは天上天下で唯我1人だ。他の王など有象無象の雑種に過ぎん。」
「まぁ、いいや。ねぇねぇ、まー君はさ、彼女はいるのかな?」
先程の言葉で興味が失せたのか別の話題へとそらす束。だが、その話題の変え方はおかしい。
「…なぜ、貴様に話さなければならない?」
いや、確かに我に彼女はいる。だが、いくつもの言葉を交わし、いくつもの行動を共にしたその、彼女に恐れを抱いている。そんな事は、彼女の話をする上で間違いなく言ってしまうだろう。
それをこの天災に言うと何かおかしな事が起こりそうな予感がした。だから、会えて質問に質問で返した。
「いやぁ、ただ単に話題なくなっちゃったから適当に?」
だが、束は何かを避けて会話をしている。
「白々しい嘘はよせ。何か隠しているだろう?」
「ふふん、やっぱりまー君にはお見通しなんだね?束さんはね?ずっとわからなかった。いっ君が攫われてまー君が助けてくれたあの日、あの日から、まー君をみるたびに束さんの胸がきゅって締め付けられる様な感覚があったんだ。それを解明するために時間はかけたんだけどわからなくてね今日まー君に会って確信したよ。これは、恋なんだね?束さんは、黄金征人を愛してる。これは、間違いなくね。」
全ての言葉をいつものおちゃらけた口調ではなく真剣に紡いで行く。
「そうか、貴様の気持ちはよくわかった。だが、暫く考える時をもらいたい。」
その言葉に束は、深呼吸一つすると言葉を紡ぐ
「うん、分かったよ。所で、まー君。今の世界は楽しいかい?」
「答えるまでもない。この世界は、すべからく我の庭だ。見ていて飽きん。愉しいに決まっているだろう?」
「うんうん、その言葉が聞ければ満足かな?」
「では、交代の時間らしい。白騎士と開発者の久しいご対面だ。ゆっくりして行くがよい。」
我は振り向いて歩いていく。その時織斑千冬は目を見開いていたが気にしない。
「黄金、足元にきをつけて帰ることだ。」
「そうか、ならば空から帰るか。」
我は『王の財宝』から『天翔る王の御座』を引っ張りだし、それにのり旅館までもどる。
なぜあの時、はっきり断らなかったのか?何故あの時待って欲しいと言ってしまったのか?それは、我にもわからない。
で、最初に戻り。
「ふむ、まぁ、別にいいが何も面白いものなどはないぞ?」
「いや、そのしゃかいけんがくとやらをしたと言う事実が欲しくてな。」
そこへ、何やら聞きつけたのか、鈴がやってくる。
「何々?征人の家にご招待?」
「いや、我の会社に社会見学をしに来たいと言い出してな。」
「へぇ、じゃあ、あたしもいくわ!」
もう、めんどくせぇな。
「わかった、他の来れる専用機持ち達に声をかけておこう。集合は来週のこの時間だ。」
「了解した。」
「わかったわ」
そう言うと二人は颯爽と去って行った。二人のあるいている姿がどう見ても幼女の姉妹にしか見えなかったと言う話はまた別の話。
というわけで、次回は突撃!隣の会社訪問です。
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