「ふーん、やっぱりか。それだったらマキナの完成を急ぐ必要があるね。プリテンダーは早急に仕上げたけどまだ、火力が不足している感は否めないし」
コンコンとノックがJUDA社の社長室に響く。
「はいはい、どうぞ。」
その言葉で社長室に女性が入ってくる。その女性とは森次玲花(もりつぐれいか)、JUDAのNo.1テストパイロットだ。
浩一とは実力は五分五分だ。
「社長、誰かとお話しをされていたようですが?」
その言葉に対して浩一は笑顔を浮かべる。
「いやぁ、別に大丈夫だよ?で、森次君何のようかな?」
その言葉で興味を無くした様に話を始める。
「はい、では、HFX-19迅雷ですが、試作機の性能はISと同格もしくはそれ以上の仕上がりです。」
「うん、いい調子だね。量産まで頑張って。」
それと、と玲花は続ける。
「捕獲したパイロットですが、容体は安定しています。ですが、目を開ければ黄金征人を求めています。さらに、その機体ですが、全てがブラックボックス化していてレイチェル、桐山の技術顧問2人組もお手上げのようです。」
「へぇ、全く未知の代物ってわけか。いいじゃんそそるね。で、その捕獲したパイロットは今どこだい?」
「地下、特別監視室にいます。」
「はいよ、じゃあお顔でも拝みに行ってくるかね。」
「征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人寒いよ。助けてよ。僕の太陽、征人。早く会いたい。」
ここはJUDAの地下32階、特別監視室。リノリウムの床に気休め程度のカーペット、それにベット、洗面台、机と揃っている。その部屋の真ん中でポツリと体育座りをしてストームは呪詛の如くつぶやいている。
誰かが来たのか扉の電子ロックが解除され扉が開く。そこに現れたのは浩一だった。
「やぁ、久しぶりだね?元気…ではないね。まぁ、逆に元気だったら困るから好都合だけど。」
「征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人」
浩一のほぼ独り言の様な呟きにストームは聞く耳を持たず、ひたすら征人の名前をつぶやいている。
その状態を見た浩一の態度は豹変する。
「聞いてないのは別に構わないけどさぁ、人の恋人の名前を呼ぶとは関心しねぇなっ!」
最後の言葉と同時に浩一の蹴りがストームの頭部を捉え2m離れた壁に叩きつける。
「征人助けて、征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人征人」
それが気に食わなかったのかそのまま浩一は早足でストームへ小走りで近寄って行き、ストームの髪を引っ張り目と目を合わせる。
「あまり何度も言わせないで欲しい。俺の恋人の名前を気安く呼ぶな。それ以上は俺にも考えがある。」
その言葉で何かを悟ったのかストームは黙り込んでしまった。
「さぁ、始めようじゃないか俺と征人が結ばれる為の世界作りを!誰にも邪魔はさせない。邪魔するやつは切り倒す。それが神であろうが悪魔であろうがな。」
何が浩一を変えたのか、何が浩一をそこまで可笑しくしてしまったのだろうか?
結局ホモはせっかち。だから、失敗する。
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