「…貴様はここでじっとしていろ…」
少年は
水の呼吸 肆ノ型 流流舞い
その技の名を呟きながら自らが持つ得物を振るい敵に切り込んだ。
ドサッ…
異形の怪物は少年の繰り出した一撃により四肢を切り裂かれる。この一撃により怪物は当分動けないだろう。
少年は目の前の敵が動けない事を確認して安堵した。だがその安堵がいけなかった、先程の技は本来ならば少年の身体では負荷に耐えれないのを気合だけで使ったいた為か、反動が来てしまい少年は吐血したのちに意識を失った。傍に近づく声に気付かないまま…
「…ぁ?、ここは…蝶屋敷か?」
目を覚まし周りを見るとかつてよく世話になった蝶屋敷の病室に酷似しているが…俺が子供の時から既にあったのだろうか?
それよりもここに運んでくれた人に感謝しておかないといけないな…
俺を助けてくれた人へのお礼を考えているとふと声をかけられた。
「あら?目が覚めたのね!痛いところとかないかしら?」
まだ頭がぼんやりしているが話してきた人は女性の様だ。何処か知り合いに似ている気がする。
「あぁ、問題ない。」
「それは良かったわ!貴方、二週間も寝込んでいたから心配したのよ?」
二週間も寝込んでいたのか…俺は自分の未熟さに悔いて俯きながら謝った。
「…すまなかった。」
「まぁいいわ、それより貴方、名前はなんて言うの?」
「…冨岡義勇だ。」
「義勇君ね!いい名前ね!」
「そうか…それは嬉しい…!?」
女性が俺の名前をいい名前だといって近づいて来て気付いた、いや
俺の目の前にいる女性がかつて上弦の弐に殺された花柱『胡蝶カナエ』であることに。
いやだがしかし待て…たしかこの時の俺はまだ10歳だったはずだ。確か胡蝶カナエは俺より二つは上だから、もしも俺が13歳付近なら俺がたどって来た世界とは情報と食い違ってしまう…
「…一つ聞いてもいいか?」
いやまさかな、そんなはずはないだろうと思いながら俺は確認のために胡蝶カナエと思われる女性に聞いた。
「なにかしら?」
「…俺はいま何歳なんだ?」
その女性は不思議げな顔をしながら、
「義勇君のお姉さんから聞いた話では義勇君はまだ13歳だったはずよ?」
と答えた。…胡蝶を助けるために覚悟はしていたが、やはり俺が過去に戻った影響がもうでてきているのか…!それもそうか、、本来あるはずの歴史を無理矢理捻じ曲げているのだし、やむを得ないか…それに、目の前の女性のが胡蝶カナエに似ているだけなのかもしれない。なんて希望を抱きながら俺は聞いた。
「…そうか、ところで貴方の名前を教えて欲しい。」
だが、そんな希望はいとも簡単に破られた。
「ええ、いいわよ~、私は胡蝶カナエ、鬼殺隊で花柱に就任しているわ。」
「——————————————」
ああ、これは困ったな、一刻も早く身体を鍛えて胡蝶姉を童磨の手から守らないといけなくなった。
そうしないと、胡蝶が、いやしのぶがまた仮面の笑顔をして、藤の毒を飲みだしてしまう…!
そんな焦りがじわりと頭の中に侵食してきていた。
「…そうか、あらためて助けてくれたこと感謝する。」
胡蝶姉に悟らせないように気を付けてお礼を伝えた。胡蝶姉は、
「どういたしまして!」と言っていたのでばれてはいないようだ。
俺が安堵したその瞬間、景色が暗転したのちに目を開くと真っ白な部屋があり、部屋の中央には子どもの頃の俺が不満そうに立っていた。
「お前は、俺か?」
俺が子供の俺に問いかけると、
『初めまして、かな?
少し悲しげに俺を呼んだ。
「…そうか、さっそくで悪いが、ここは一体どこなんだ?」
俺が過去の俺に尋ねると、
『ここは僕と君の精神世界ともいえる場所だね、ちなみに僕たちの場合は
「そうなのか、どうすればここから出られるんだ?」
『相変わらず大人になってもせっかちみたいだね…まぁちゃんと話すから、ここから出る条件はね、未来を
なんだそれは、そんなの決まっている。
「そんなもの。とっくに出来ている。」
と言うと子供の俺はムスッとしながら、
『出来ていないからここにいるんじゃないか!』
まさにその通りである。恐らく錆兎の事を気にやんでいるのだろう。
『さぁ、覚悟の決め時だよ?君は
『そうだな、いい加減俺も覚悟を決めよう。こんな所で止まっていたら錆兎に怒られるからな、…俺はしのぶを助ける。』
『わかってるんじゃん。これで安心して君を見送れるよ。』
頑張ってね、未来の僕。と薄れゆく意識の中であいつは俺にそう言い残していった。
さぁ、進むべき道は決まった。あとはそれに踏み出す勇気だけだ。その時、声が聞こえた。
—————————————お前ならできるさ、義勇。見守っているぞ—————————————
ああ、必ず成し遂げてやる、だからそこで見ていてくれ。
意識が戻ると視界が開き、先程までの居た病室であった。
やるしかないか、そう言って俺は今一度覚悟を決めた。
「…カナエさん、お願いがあります。」
彼女は俺のその瞳を見て僅かに瞳が揺れた。
「俺に剣を教えてください、今回は運よく姉さんを守れましたが、次も守れるとは限りません。それに、貴方だけには話しますが、俺は未来から遡ってこの時代に来ました。」
俺の言葉に胡蝶姉、いやカナエさんは驚いている。それもそうだろう、突然未来からやって来たなんて言われてもすぐに納得なんてできるはずないのだから。
「正直驚いたわ、貴方が家族を守りながらながら朝まで鬼と戦ったなんて話をお姉さんから聞いた時には信じられない、って思ったわ。けど、今の話を聞いて納得したわ。」
カナエさんはそう言うと突然俺を抱きしめてきた、何故だ!?
「…突然どうしたんですか、カナエさん…?」
「辛かったのでしょう?貴方が元居た世界は、きっとここよりもたくさん人が亡くなっているのでしょう?…よく耐えたね、義勇君…」
『よく頑張ったわね、義勇…』
その声はかつての姉の声によく似ていた。
カナエさんのこの一言で俺はずっと押さえつけきた感情が堰を切るようにあふれ出できた。
「はい…ずっと、俺はいつも、大事な人を失くし続けてきました…」
あふれる涙は止めようとするほどあふれていく。
「その中には…貴方の妹さんもふくまれていました。」
「そうなのね…貴方はしのぶの事が好きだったのね、だからこの世界にきたのね、分かったわ、貴方に剣を教えてあげる。だから今は思い切り泣きなさい…」
その涙は自らに刻み続けた心の傷を癒していく。
この選択により、本来の世界線とはずれていった、果たしてこの先はどうなるのやら…
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