俺は朝、目が覚めると身体の調子がすこぶる良かったので将棋盤を探す事にしたのだが…
「…何処に有るんだ?」
探せど探せど将棋盤は一向に見つからないのだ。これは困った。まぁ今日もリハビリと言う名の地獄訓練が始まるだろうしまぁ良いだろう、と考えた所で思い出した。
…あ、勝手に病室出てしまった。戻っておこう…
「見つからないようにしないとな...」
俺はそろりそろりと蝶屋敷の人達に見つからない様に戻ろうと足を踏み出せ…
「…何をしているのですか、冨岡くん?」
なかった。不味い、しのぶに見つかってしまった。かくなる上は…
「…失礼した」ブォン
逃げるしかない。がこの女が逃すはずも無く…
「待ちなさい冨岡くん!」ガシッ
「は、離せ」
「嫌です!大体なんで起きて早々脱走しようとしているんですか!」
何故か勘違いされている…解せぬ。
「…将棋盤」
「はい?」
将棋盤?一体何を言っているのでしょうかこの少年は?(まぁ私と年齢はそこまで大差ないですが…)
あ、もしや…
「まさか将棋盤を探しているんですか?」
「…あぁ」
そんな馬鹿な、貴方まだ十三ですよね?なんでそんなに趣味が渋いんですか!?
「意外ですね!?」
「心外だ!?」
別に良いだろう人の趣味は。お前だって怪談話とか変わった趣味している癖に…まぁいいか、散々過去にしのぶに背筋が凍るほど恐ろしい怪談話を聞かされた見にもなって欲しい。まぁそんな所も可愛らしいのだが。
「それはそうでしょう!?将棋が趣味なんてお爺さんですか貴方は!?」
「誰がお爺さんだ。」
流石に解せないな、流石に執拗いぞ。…って待て、何故こんなにも嫌な予感がするんだ?
「…今は何の刻だ?」
「今ですか!?今は辰の刻ですが!?」
辰の刻…だと!?まずい、そろそろ病室に戻らないとカナエが診察に来てしまう!!
「…すまない、先に失礼する。」
「えっ、ちょっとどういう事ですか!待ちなさぁぁい!」
そうだった、この時間はそろそろ姉さんが冨岡くんの診察をする予定が待っているんだったわね…それなら納得だと思いながら冨岡くんを追いかける事にした。
その後、先に冨岡くんは自身の病院に戻ってベッドに潜り込んだ見たいね…多分抜け出したのバレるだろうけど。
それからいつもの様に姉さんがやって来て診察を始めたわ。そしてそろそろ診察が終わる頃…
「ふぅ…これで冨岡くんの傷も完治したわ〜、けどその前に1つ。義勇君?なんで朝から脱走なんて事をしたのかしら?言ってくれるわよね?」
と姉さんが有無を言わさない圧力で冨岡くんに詰め寄っているのを見て流石に止めようと思った。だって姉さんの目付きがとても笑顔だけど目が笑ってないし冨岡くんも少し引いてしまってるし…はぁ、仕方ない。
「それは…「ちょっといいかしら姉さん?」…!?」
姉さんと冨岡くんは私が割って入ってきた事に驚いているみたいだけどそのまま話す。
「姉さんには悪いけど冨岡くんは脱走するつもりは無かったみたいだし、どうやら将棋盤を探していたらしいわよ。」
私が姉さんに説明、もとい弁解するとしばらく考えた後、姉さんはやってしまったと気付いたようで全力で謝罪した。
「あら!?そうだったの〜ごめんね義勇君!私ったら早とちりしちゃったわ!」
「…此方こそ紛らわしい事をして申し訳ない。」
「いいのよ〜」
「はぁ…これで一件落着かな…」
なんて言いながら冨岡くんに謝罪する姉さんを後目に私は溜息をついた、けどその前に私は少し疑問に思うのよ。それは…(どうして冨岡くんは私と話す時に必ずと言っていいほど少しだけだけど哀しそうな顔で話してくるのは何故なの?)
何故かは知らない、だけど凄い引っかかるのよ。まさか冨岡くんを私を馬鹿にしているのかしら?それとも
だけどこの疑問もとい違和感の真意に気付いたのは1年先の事だった。
場面は変わり蝶屋敷中庭にて…
冨岡君の診察は終わり昼下がりになった頃、姉さんが冨岡君に遂に「
「さて、今日から花柱である私が貴方に指導するわ、伝授する呼吸は
「…了解した。これからよろしく頼む。」
なんなのよあの子!!いくら何でも無愛想過ぎるんですけど!?おかしいよね!!ちゃんとハイライトあるよね!?全く…
「はぁ…くれぐれも姉さんの手を煩わすことの無いようにしなさいよ?」
まぁ幾ら無愛想なこの子もそこまで迷惑はかけないとは思うけど。
それからは冨岡くんはが姉さんからの稽古が始まったけどトントン拍子で基本である全集中の呼吸は難なく出来ていたけど、常中の特訓は2週間ほどかかっていたみたい。まぁそれは良いのだけどね。
それからしばらく経って本格的に打ち合いの練習をしている時のこと。
「…行きます。」
「…いいわ、かかって来なさい。」
──花の呼吸 肆ノ型 紅花衣───
「…ハァッ!!」
──花の呼吸 弍ノ型 御影梅───
「…セイッ!!」
常人では目で追うことすら出来ないであろう速度で木刀を撃ち合っている2人だが、だがよく見ると冨岡くんがだんだん押されて来ている。幾ら男と言えど流石にまだ身体ご出来上がってないからなのだろう。そうして稽古している様子を見ていると場面が動いたようだ。
「シィィイ…これで次こそ…」
「?何を企んでるかは分からないけどやれるものならやってみなさい!!」
「…言われなくてもそのつもりだ」
冨岡くんが呟いた直後、
「…派生、
その
花の呼吸 弐ノ型 御影梅
その威力の乗った剣閃はいとも簡単にあっさりと弾かれた。まだ冨岡くんが子供だったから簡単に弾かれたけれど、成人した身体で放たれたら一溜りもないだろう。
つくづく私の無力さに気付かされる。早く鬼を殺せる毒を作らなくては…そうすれば姉さんの役に立てる筈だから、そう私は信じながら冨岡くんと姉さんの打ち合いを見守り続けた。
やぁ、お久しぶり、相変わらず稚拙だからどうにか出来ないか画策中だよ。
あ、感想、評価、待ってるで!アドバイスくれると…今よりもっと面白くなるから頼んます!(`・ω・´)ゞ
ほいじゃ、また会う日まで、ごきげんよう!
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