復讐と親愛
俺達は鬼舞辻の根城である無限城に突入したのだが…
ここに突入してからずっと嫌な予感がする。ここは奴の拠点だ、詰まる所はいつ上弦の鬼と出くわしてもおかしくない。
———待て。そう言えば胡蝶のやつ、最愛の姉を上弦に…まさか、あいつが毒を作ったのは…!
「不味いな。」
俺がそう呟くと隣にいる炭治郎が不思議そうな顔をして
「なにかあったんですか?」
と聞いてきた。
俺にとっては何かあったどころの話ではない。
だから、
「あぁ、このままでは胡蝶が死ぬ、手伝ってくれるか?」
俺は
炭治郎は少し考えた後、頷いた。
「勿論です!いつもお世話になっている義勇さんがお願いしているんですから!」
「…ありがとう、行くぞ。」
「はい!!」
待っていろ、胡蝶。俺が今助けてやる。
俺は普段の倍の速さで駆け抜けた。脳裏にこびりつくぬぐい切れない不安に耐えながら。
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(ここから血の匂いがする、ここに姉を殺した鬼がいるがいるのかしら)
私は鬼がいるであろう部屋の戸を静かに開け、覗いてみると人間らしき人物が何かを食べている音がした。
「ん?」
男のような人は私のことに気付いたのか、ぐるり、と振り返った。
「あれぇ来たの?わぁ女の子だね!」
そいつは誰かの腕を食べながら話し続ける。
「やあやあ、初めまして。俺の名前は童磨、いい夜だねぇ」
童磨、その名前を聞いた瞬間に姉さんが死の直前に言っていた事を思い出した。
『その鬼の使う武器は
そうか…こいつが私の姉さんを…!!絶対に許さない!!
「貴方だけは…殺す。」
「へぇ?随分と物騒なこと言うんだねぇ!まぁやれるのならやってみたらぁ?でも君には俺を殺すことはできないよッ!?」
蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡き
「がっフッ!?凄い突きだね、手で止めれなかったよ…お返しをしなくちゃね。」
血鬼術 蓮葉氷
しのぶの突きはもはや視認出来ない速度にまで跳ね上がっている。それ故に、僅かに回避が遅れた。
「まっズっ!」
まさか腕が凍りかけるなんて!しかも肺が少しずつ痛んでいる。このままでは肺が壊死してしまう…ならばこれ…でっ!?
その瞬間身体に力が入らなくなった、恐らくさっきの血鬼術の影響で肺にダメージが来たのだろう。だけど、いまはそんな事で止まるわけにはいかないのよ!!
私は気合で動かない身体を立てようとする。だが無常にも童磨の扇が迫ってきた。
——————————————————————————ごめんなさい、姉さん、私じゃあの鬼を倒せなかった。それと…
「義勇さん、私は貴方にこの想いを告げたかったです。」
最期に、あの人の顔が浮かんだ。
『諦めるのは早いぞ、胡蝶。』
その幻の声が聴こえた瞬間。
「鬼風情が胡蝶に手を出すなぁぁ!!」
「…え?」
その声が聞こえたと同時に童磨の扇が弾かれ、誰かに抱えられる感触と浮遊感を感じ、支えられている方に目を向けると
「大丈夫か?」
そこには私の無事を確認して安堵している富岡さんの優し気な顔が映った。
はぁ…全く…本当にこの人は…
「来るのが遅すぎですよ?冨岡さん。」
「…すまなかった、だが安心しろ、もう、お前を絶対に離さない。」
「…っへ?」
いま冨岡さん…何を言ったの?もう離さないって…。だって貴方はいつも無愛想にしてるのに...
「…今まで俺はずっと自分気持ちを誤魔化してきた。」
「...それと今の発言の何が関係あるんです?」
「あるから言っている。…続きは後だ。まずはこの鬼を殺してからだ。」
冨岡さんはそう言いながら日輪刀を引き抜き、私を安全な所に逃がし、すぐ戻る、と言って童磨の所に走っていった。
あぁぁもぉぉホンっとあの人は絶対に離さないなんて言っておきながら自分から死にに行こうとするのよ!!
「…死んだら絶対許しませんよ。義勇さん。」
この大きすぎる貸しを返さなきゃいけないのですから。
待っててくださいね。貴方に今死なれては困りますから。
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胡蝶を安全な場所に避難させ、俺は童磨とか言う鬼の前に立った。
「さっきはよくも俺の獲物を盗ってくれたねぇ。」
童磨は目の前の男を見つめる
「それはこっちのセリフだ、悪いが今の俺は本気で怒っている。早々に死んでもらうぞ。」
無論、こちらもこれ以上なくキレている。
「そうですか、なら俺たちがする事はただ一つだ。」
「そうだな。では…」
「「貴様/君が死ぬまで殺す。」
その叫び声を合図に二人は駆けだした。
「水の呼吸…」
義勇は天井付近まで飛び上がり童磨に近づきながら刀をもつ手を弓なりに引き、
「漆ノ型、雫波紋突きッ‼」
そのエネルギーを全力で放った。
童磨の身体を貫くが即死には至らなかった。
「くっ、なかなかやるねぇ、だが、君は近付き過ぎだよ!」
血鬼術 蓮葉氷
これが胡蝶を苦しませた血鬼術か…!
ぱっと見では目に見えない、ということは阻害系の血鬼術...そうか、目に見えないのならば吹き飛ばせばいのか。
「水の呼吸...拾壱ノ型、凪」
「――ッ!?なぜだ、何故君は息をしても平気なんだい?」
童磨がいくら血鬼術放っても義勇に届く前に霧散し、童磨の顔が初めて恐怖に染まる。
「…これで終わりだ。」
「フフフ...それはどうかな?」
その瞬間に童磨の体が消えた。
「な、しまっ...」
ざくりと俺の左肩から右下に斬られた。
全く見えなかった...これが上弦の鬼の強さか...!!
「あれぇ?柱ってのはこの程度で成れるのかい?弱いねぇ...」
「好きに言ってろ。」
黙っていればネチネチと...だがこのままでは殺されるのは確実、どうする。『あの型』を使うべきか?いや、あれは時間がかかり過ぎる。どうする、考えろ考えろ考えろ...!!
「───あらあら、すぐ戻ると言っていたのに随分と苦戦していますね、冨岡さん?」
胡蝶!?何故戻ってきたんだ。まだ傷も塞がってないだろうに...だが、今だけは感謝しよう。
「...悪い、すまないが力を貸してほしい。」
「ッ!?しょうがないですね、今回だけですよ?」
「...助かる」
これなら、奴を殺す『あの型』が使える...!!
「胡蝶、俺が奴を殺す、だから少しだけ囮をやって欲しい。」
「冨岡せんにしてはちゃんと意見を言いましたね、分かりました、では行きます!」
胡蝶は童磨の方に駆けながら抜刀し跳躍。
「あれぇ?また会いに来てくれたの?嬉しいなぁ!」
「なんで姉の仇が相手に好きで会いに来ると思っているんですか?馬鹿なんですか?」
蟲の呼吸 蜻蛉ノ舞 複眼六角
高速の六連撃の突きが童磨に突き刺さる、だが致命傷には至らない。
「いい突きだけどちゃんと首を斬らないと俺を殺せないよぉ?」
「そうですか、なら毒はとうですか?」チャキン
「ぐっ!?」ドクン
なんだ、これ、からだが、うごかな、い!?
「強力な麻痺毒です、しばらくは動けないはずですよ?」
「くっ、これは...中々に強烈だねぇ、でも残念、もうすぐ分解できてしまうからねぇ!」
もうすぐ?残念ですが、貴方に次はありませんよ?ですよね...
「いいですか?冨岡さん?」
「あぁ、これだけ時間があれば充分だ。」
「『水の呼吸、拾参ノ型、
義勇はそう告げると同時に橋が壊れるほど踏み込み、縮地の用法で童磨に接近し...
「潔く地獄に堕ちろ、童磨。」
その真っ青に染まった刀身で童磨の身体を微塵に切り裂き、首を切り落とされ、童磨は死んだ。
「はぁっ、何とか倒したか...」
「そうですね...これでやっと姉さんの仇を討てました。」
胡蝶は息を切らしながらも微笑んだ、全く、これだからお前は...
ダキッ
「えっ?冨岡さん?どうしたんですか?」
「...今回は俺が間に合ったが次からはこんなことしないでくれ...もう、大事な人を失うのは嫌だから...」
俺は無意識にしのぶを強く抱きしめた。
「まったく、突然抱きついてきて新手の嫌がらせかと思いましたよ? ──ですが、今回ばかりは貴方に救われました、私を助けてくれてありがとうございます。」ダキッ
しのぶは涙ぐんで抱き返してきた。
───あぁ、良かった、失い続けた俺でもやっと大事な人を守れたよ、見てるか?錆兎。
この後、しのぶと抱きついて居るところを炭治郎としのぶの継子に見られて二人して顔を真っ赤にしたのは内緒である。
評価、感想お待ちしております。
修正しました。
番外編書くとしたらどんなお話が良い?
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ぎゆしのでデート♪
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ぎゆカナで料理教室♪
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胡蝶姉妹の休日!
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キメツ学園編!
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義勇さんにお酒を飲ませようとする胡蝶姉妹!