輪廻転生   作:鹿目 弥生

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#3 五能の碁と過去

水門は雨鳴達の元へ現れた

雷の主 雨鳴は戦闘態勢となった

水門「はっはっは!主など瞬殺だ」

邪技・水沼地獄

辺りの地面は水のようになり足が沈む

底なし沼のようだった

雨鳴(なんだこれは、足が沈んでいく)

氷凍「鋭利さん......!!」

後ろを振り向くと氷凍が鋭利の腕を引きあげていた。範囲は広かったようで鋭利は雨鳴と同様に沈み始めていた

雨鳴「畜生、時間はもう無いってことか」

水門「お前らはここで終わりなんだよ.....

あの屈辱。二度と忘れねぇぞ。」

雨鳴「そんなの知るか!畳み掛ける」

心技・逸 雷轟

バチバチと両腕に広がる稲妻は一瞬にして水門の腹部を貫いた

ビリッ!!!

腹部には大ダメージを与える

心技・肆 伝雷鳴

貫いた箇所から全身に痛みが伝わる

水門はもがき苦しむ

水門「ぐわぁがぁっ!くそ、まだ、だ!!」

邪技・水玉

放たれたのは以前よりも数の多い水玉で当たりを覆うが伝わる雷がその水玉を弾く

雨鳴「効かねーよ!そんなん!」

ニヤッと水門は微笑む

水門「後ろ だぜ」

振り向くと未だに引っ張る氷凍と沈んでいく鋭利が居た、そしてそこには水玉が向かっていた。

雨鳴「お前ら!!!」

貫いた腕を外し急いで向かうが地面に足を取られるためなかなか進めない

心技・双 地鳴双雷

両足に力を入れ、地面を蹴り飛ばし一瞬のうちに氷凍達の元へ近づいた

うおおおおおおおおおぉっ!!!

氷凍に触れそうになっていた水玉は雨鳴へと触れた。その途端姿形を変え水玉へと吸収されてしまった

氷凍「雨鳴さん!?」

水門「そいつはもうなんも出来ねーよ。そしてお前も死ぬんだ氷のガキ。あいつのせいで少しビリビリしたがもう治った」

氷凍「水門。お前を許さないぞ、絶対に

鋭利さんが溺れる前にお前にトドメを指す」

水門「やれるものならやってみろよ

お前ごときが倒せるような俺じゃねーけどなあ??」

ああぁぁっ!と氷凍は突進する

神技・逸 氷塊

当たりはするがかすり傷で全くダメージにはならなかった。それに比べ水門が放つ技は圧倒的に氷凍の身体を崩壊させていった

水門「この程度か氷のガキめ」

氷凍「水門!貴様は絶対に、俺が倒す!」

水門「主を封じ込めた今お前に勝ち目はない」

邪技・水突

足をドリルのように鋭くとがらせ腹を貫く

受けた氷凍はあまりのダメージに吹き飛ばされた。吹き飛んだ先は沼で溺れる寸前の鋭利の元だった

鋭利「氷凍......あれでトドメを刺すんだ」

氷凍「鋭利さん!?でも、あの技はまだ未完成で使うにはとてもリスクが!」

鋭利「何が足りなかったのか、何を足せばいいのか。それをこの戦いでお前は学んだはずだ。だから出来る。お前なら勝てる」

そう言って営利は自ら出した刀を氷凍へ託した。氷凍は受け取り立ち上がる

水門「貴様らはここで全滅だ。殺した後にあの水玉を割る。主と隊員2人を抹殺。計画通り」

氷凍((考えろ、何が足りなかったのか。))

氷凍は考え思い出した、そして1つのポイントへと到達する

氷凍((あの時、そうだ。あの時雨鳴さんが使っていた"技"はこうしていた。それが恐らく技としてのポイントだ!!))

カチャンと氷凍は刀を構えた

冷気が身体に纏いつく

水門「刀は俺を切れないぜ!水だからなぁ」

氷凍「だからそこを狙うんじゃないか」

神技・双 氷刀一閃

一瞬のあいだに姿を消し、再び現れた時は水門の体を切り裂いている時だった

真っ二つに切れた水門は現実を受け入れれず戸惑う。

水門「なっ、なぜ世界が反転して見える。なぜ!私の下半身が見れるのだ!!なぜなぜなぜなぜなぜ!?体は切られたところから修復したはずなのに!っ!?」

触れて初めてわかった。水門は体を凍らせれていた。正確に言えば切られた箇所が凍っていた。

これは氷凍の技であり刀に「触れた箇所を凍らせ低温化させる」という能力を与えていた

しかしこれは完成では無かった

練習中何度も何度も試したのに切っても切っても凍ることはなかった。なぜか、それは低温化して凍らせても切り裂く速度が遅く切り裂いた時には既に常温になっていたからだ。

氷凍は意識が薄れていく水門に対し告げる

氷凍「雨鳴さんが出した技を見た。高速で僕らの所へ駆けつけ守ってくれたあの技は足に最も力を込めて踏み込んでいた、あの速さならこの技を成功できると確信した。」

水門「どこまで関わるんだあの雷め!!!」

氷凍「お前の負けだ。水門。」

水門「負け、私が負け、なぜ、負けっっ!?」

体が消えていく水門にふと記憶が蘇った。

 

そうだ.......思い出した。俺がまだ水だった頃の記憶だ。この農場だ、この近くの川が俺だったんだ。この農場はとても盛んで作物も多くとれていた、その近くの川で静かに流れていた、だがある日変わったんだ

その日は異例の大"雨"でとてつもなく悪天候

そして俺がいた川は溢れかえったんだ

でも本来は農場とは逆の方向に流れていくはずだった。あの日、確かそうだ命様が俺の流れを変えたんだ

溢れかえった川は農場へと流れ一夜にして壊滅へともたらした。あの日以降この農場に足を踏み入れたものはいなかった

そして命様が俺を五能にしてくれた、それ以来命様が全てだと思った。俺は何してたんだ悪いのは命じゃないか!こんなので死ぬのか?嫌だ!嫌だ!思い出した、全てあいつが憎い。命め!絶対に許さない、、、

はっ!と気づくとそこは暗闇に包まれた世界だった。永遠の闇に水門は閉ざされた

 

 

水玉が解除され自由になった雨鳴と地面から掘り出された鋭利

鋭利「やったな氷凍!」

氷凍「あの時の言葉が助かりました、それにあの技を完成にしてくれたキーである雨鳴さんもありがとうございます」

雨鳴「氷凍。鋭利。お前らには助けられた、礼を言わせてくれ。ありがとう」

氷凍「いえ!そんな.....あれは?」

と指を指した方向には碁の文字が記された玉が浮かんでいた。それを取りに行こうとする氷凍だったが思わぬ人が現れた

氷凍「だれだ。」

??「この玉は必要不可欠なんだ」

聞き覚えのあるその声は誰もが憎む最大の敵であったことを氷凍は認識する

氷凍「その声はお前、命だな!?」

鋭利「なっ!?」

驚きで動きが一瞬固まる一同に命は言葉をかける

命「初めてかな?君たちと会うのは。私は命、               

 この世界の王だ」

雨鳴「てめぇが命か!殺してやる!」

飛びかかろうとしたが未だに水門の技の効果が効いていて中々に体が動かない

雨鳴「くそ!!」

命「それじゃあ回収も済んだしここを去るよ」

そう言って逃げようとした命に氷凍は食いついた

氷凍「待て!臆病者!!!」

ピクっ、逃げようとした命は顔色を変えた

命「お前は誰に物を言っているんだ。貴様のその魂も私が創ったのだぞ」

飛びかかる氷凍を蹴り1発で跳ね返した

氷凍「ぐわぁっ!!」

後方へ蹴り飛ばされ氷凍は腹を抱える

すると上空から熱した炎が降りかかる

命「なっ、何だこの熱さは?」

空にいたのは炎を纏った日向だった

氷凍「日向さん!」

雨鳴「日向!なぜお前がここに」

日向「理由はあとだ!仕留めるぞ命!」

真技・惨 炎風熱化

 

その技を直撃したと思われたのだがそこに命の姿はなかった。

煙の中で逃げたのだろう

日向「くそ、逃がしてしまった。」

そしてしばらくすると日向がここに来た経緯を皆に話した。事前に感慨様が日向に向けてここの場所に命が現れるという報告を受けた。だから命が現れるまで待機していたのだと言う。だがその不意打ちすらも命は交わしてしまった。

氷凍「なるほど。そういうことだったんです

ね。でもこの目で命を見ました。」

雨鳴「あぁ、二度と忘れねぇよ」

4人は五能の碁を倒したことと命の報告をしに城へと向かっていった。

一方、命の方は......

命「クソがぁっ!!!!」

拠点へ帰った命は怒りのあまり味方の兵士を殺し尽くした。

命「許さない。あの氷野郎が私を臆病者と。

しかも感慨の奴、私が来ることを知ってい

たかのような主の向かわせ方じゃない

か。私の指が焼かれたあの女は許さない」

止まることなく溢れる怒りに呆然と立ち尽くしている見ている者が3人

五能の逸 五能の貮 五能の惨

逸「あーらら。最高の怒りじゃないか」

貮「しょうがないよ、だって指を焼いたし」

惨「主という奴らを殺せばいいんだろう」

3人は五能の中でもトップ3の実力能力全てを持ち命の信頼を唯一置いていると言っても過言ではない

そこに帰ってきた五能の肆が現れた

肆「何があったんですか!?」

あまりにも狂った状況に肆は戸惑う

命「五能の肆よ。氷の生まれ変わりをした小僧

を殺してこい。これは命令だ」

肆「分かりました、今すぐに。」

そう言って命令された肆は氷凍の元へ抹殺へと向かっていった

惨「我々の出番はあるのか?」

逸「大丈夫だろう!肆がやってくれるさ!」

貮「俺はそうは思わないがな」

これから氷凍へ休む暇もなく不幸が降り注ぐことになることを未だ氷凍は知る由もなかった。


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