ポケットモンスターノーブルバイオレット   作:ジャン=Pハブナレフ

17 / 20
今回からポケモンリーグ出場です。まずは予選と決勝トーナメントに軽く触れてから準々決勝に進みます。ここから他の地方のポケモンに触れていきますよ。


第17話 ポケモンリーグ開幕

 ポケモンリーグ___ポケモントレーナーがバッジを8つ集めバトルに挑みさらなる栄光を手にする場である。四天王やジムリーダーたちも観戦に来ており優秀なトレーナーはここで引き抜かれたり師事を受けることができるのである。

 

 まずは予選、参加したトレーナー124名のうち決勝にたどり着けるのは半数の62名。内、決勝トーナメントから出場するトレーナーは2名。しのぎを削りあうバトルが幕を開けた。

 

「行け、ピジョット かぜおこし!」

 

「怯むなサンドパン、すなかけ!」

 

 ピジョットのかぜおこしに砂を巻き込みピジョットの視界を鈍らせる。

 

「なに!」

 

「サンドパン、きりさく!」

 

 目の前にジャンプしたサンドパンがピジョットの正面を攻撃し撃ち落とす。

 

「ピジョット戦闘不能! 勝者、セキチクシティのユウト!」

 

「よし! まずは一つ!」

 

 128名は半分に分かれて2つの会場で順次行う。

 

 ここに来るまでにユウトはサントアンヌ号で別れたアミにヒサそしてマサと再開し本戦へ勝ち進むことを約束していた。

 

_____________________________

 

 すでにユウトの第1会場ではこおりつかいのフローゼ、格闘やろうのケンタをはじめとした29人がすでに本戦へのチケットを手に入れていた。ルールは1VS1のバトル、負けられない勝負であると同時に手の内を見せる可能性もあるため他のトレーナーたちもライバルに目を光らせていた。

 

「さーて次だ!」

 

「ぼくのむしタイプを見せてやるよ!」

 

 黒い肌の短パン小僧が現れた。バトルフィールドは氷の床だった。

 

「むしにはいわで対抗してやる。行けサイドン!」

 

「へっ、そう言ってじめんタイプじゃないか。

 

 いけガーメイル!」

 

 サイドンと対峙したポケモンはカントーにはいないシンオウのポケモンだった。

 

「シンオウのポケモンだけど勝てるかな? 俺も少しは自信あるんだぜ?」

 

「もちろん! ガーメイル、サイケこうせん!」

 

「ロックブラスト!」

 

 サイケこうせんに対して岩をはくことで相殺を試みるも、すぐさまガーメイルは懐に忍び込んでいた。

 

「エアスラッシュ!」

 

「なに!?」

 

 ガーメイルのエアスラッシュが命中し膝を突くサイドンだったが、咄嗟にガーメイルを掴むことに成功した。しかし氷の床により滑り出していた。

 

「いいぞ!そのまま ふみつけだ!」

 

 氷の床に叩きつけられガーメイルは追い打ちを受ける。しかし片方の羽が踏まれただけで胴体は無事であった。

 

「こんなのでぼくのガーメイルがやられるわけ……「やられるさ!」」

 

 何かを察した短パン小僧は冷や汗を掻き出した。

 

「まずい! ぎんいろのかぜを使うんだ!」

 

「無駄だ、じしん!」

 

 ふみつけられながら放たれたサイドンの地震攻撃でガーメイルは飛び立てなくなったまま、その場に倒れる。

 

「ガーメイル戦闘不能! 勝者 セキチクシティのユウト!」

 

「くっ、まさかあんな荒技で勝つなんて……」

 

 ユウトはあと一つ試合に勝利すれば決勝トーナメントに進めるのだ。

 

「ユウト!」

 

 振り返るとマサが立っていた。

 

「マサ!?」

 

「次の相手は俺だ。全力でやろうや!」

 

「ああ、そのつもりだよ」

 

2人がフィールドを挟んで向かい合う。

 

「セキチクシティのユウト、エンジュシティのマサ! 両者バトルスタート!」

 

 刺々しい岩石が生えたフィールドに互いの手持ちが放たれる。

 

「行け、ミルタンク!」

 

「頼むぞ アーボック!」

 

 両者睨み合う。

 

「行けミルタンク、ふみつけ!」

 

「アーボック、まきつく!」

 

 ミルタンクの踏み付けをかわして腕や胴体に巻きつく。

 

「ようかいえき攻撃!」

 

 至近距離からようかいえきを浴びせるがミルタンクは怯まないどころか無理やり引き剥がそうとしていた。

 

「なに!? ミルタンクはノーマルタイプなはず、ようかいえきはある程度通用するはずだ!」

 

「残念、必殺のミルクのみやで」

 

「チッ、もっと大技で攻めなきゃダメってことか?」

 

「甘いぜ! ころがる!」

 

「よけろアーボック!」

 

 なんとか攻撃を回避したもののミルタンクにダメージは見られない。それどころか怪力で締め付けてきた。

 

「パワーと回復、ジョウトのジムリーダーアカネさんには及ばないが俺のミルタンクで勝ちは決まりや!」

 

「まだまだ! どくどくだ!」

 

 口から毒を吐きあたりの岩山に毒の罠を敷く。

 

「そないな技で倒せるか!」

 

 再びころがるを仕掛けてきた。

 

「今だアーボック! まきつく!」

 

「アホか! 巻き付けたところで巻き込まれるだけや!」

 

「いいやこれでいいんだ」

 

 アーボックがミルタンクに巻き付かれると案の定巻き込まれた。

 

 そのままステージ上の岩肌に激突しながらも石を巻き込みながら、先ほど毒を巻いた岩に激突する。

 

「なに!?」

 

 するとミルタンクが動きを止めた。

 

「よし、ようかいえき!」

 

 怯んだミルタンクだったが倒れずにずしんと構えていた。

 

「だったらミルクのみ!」

 

「させるか! まきつく!」

 

 ミルタンクがミルクを飲んでしまうも再びアーボックは巻きついた。

 

「そないなもんかいりきで……!? どうしたミルタンク!!」

 

 ミルタンクが突然動きが鈍くなったのだ。

 

「へへ、奥の手のへびにらみだよ」

 

「そうか、巻きつかせて同時に仕掛けたのか!」

 

「そうだよ! そのままようかいえきだ! ミルクのみは封じさせてもらうぜ!」

 

 ようかいえきの連続攻撃でミルタンクはその場にどしんと音を立てて倒れる。

 

「ミルタンク戦闘不能! 勝者 セキチクシティのユウト!」

 

 互いのポケモンをしまったユウトとマサが握手を交わした。

 

「あんな右斜め上な勝利、すげーなお前は」

 

「ありがとう、ミルタンクのパワーと回復のチートっぷりには危なかったよ」

 

「はは、そうか! 頑張れよ!!」

 

「もちろんさ!」

 

 ユウトを含んだトレーナーたち62名が決勝トーナメントに駒を進めるのだった

 

__________________________________

 

決勝トーナメント第1回戦

 

 ユウトはジョウト地方出身の祈祷師、キヨシと戦っていた。

 

  ユウト    VS   キヨシ

 

  ストライク     スリーパー

  メタモン      モルフォン

  ゲンガー      デルビル

 

 決勝トーナメントでは勝ち抜け戦の3対3のバトルとなっている。

 

「きえぇええええええ!」

 

 先鋒に現れたデルビル、対するはメタモンだった。

 

「メタモンへんしん!」

 

 メタモンがデルビルに化け、たいあたりをしかける。試合ではポケモン図鑑は使えない。ある程度憶測で戦うしかないのだ」

 

「かえんほうしゃです!」

 

「ならこっちはほえる攻撃!」

 

 吠えられたデルビルはかえんほうしゃを打つことなく、モルフォンが呼び出された。

 

「なに!?」

 

「かえんほうしゃ!」

 

 命令もできずにメタモンの化けた出るビルのかえんほうしゃであっけなくモルフォンは倒れるのだった。

 

「おのれええええ! 星の巡り合わせよ我に力を!」

 

 デルビルを呼び出す。

 

「ストライク、れんぞくぎり!」

 

 メタモンと入れ違いで出場したストライクがデルビルに素早い斬撃を放つ。

 

「かみつく!」

 

「あまい! こうそくいどう!」

 

 ストライクが飛びかかるデルビルより早く攻撃を仕掛けた。

 

「かわされた!?」

 

「きりさく!」

 

 背後に回り込んだストライクの華麗な斬撃によりデルビルが倒れた。

 

「ならば行け! スリーパー!」

 

「だったらこっちも大将だ。行けゲンガー!」

 

 ボールから現れたゲンガーがクスクス笑い出した。

 

「スリーパー! かなしばり!」

 

 スリーパーが振り子から超能力を発動しゲンガーを麻痺させた。

 

「そう来たか!」

 

「そぉらサイコキネシス!」

 

 ゲンガーがスリーパーにより浮かされる。

 

「それ!」

 

 地面にゲンガーが叩きつけられる。そして再びサイコキネシスで持ち上げられた。

 

「散々コケにしてくれた分をここで返してやるぞ! もっとサイコキネシスだ!」

 

 スリーパーがニヤリと笑っていたがそれでもゲンガーは笑みを浮かべる。

 

「残念だったな、お前のかなしばりは意味がないんだよ!」

 

 するとゲンガーが拳を突き出して来た。

 

「シャドーパンチか!?」

 

 正面から攻撃を受けスリーパーが吹っ飛ばされ会場の壁に激突してしまう。

 

「スリーパー戦闘不能! 勝者 セキチクシティのユウト!」

 

「よし!」

 

「へぇ〜ユウトくん勝ったんだぁ〜!」

 

 観客席ではアミナとヒサ、それにマサが試合を観戦していた。

 

「にしてもゲンガーのかなしばりされた技ってなんやろな?」

 

「大方、変化技かもしれないわね。物理系の技ならなにかしら動きはあるはずだし、先攻で何か仕込んでたのかも」

 

「あーあー! 私だけ予選落ちだったからな〜!」

 

「いいのよ、アミはがんばったわ」

 

「ヒサちゃん! 次の試合も頑張って!」

 

「ええ、もちろんよ」

 

___________________________

 

 1回戦第10試合、ヒサは草使いの詩人レイトが対戦相手になっていた。

 

「行け! ラフレシア!」

 

「スピアー!」

 

 1匹目が現れる。

 

「おおここか!」

 

 観客席にもユウトがやって来た。

 

「さてと、ヒサの試合を見せてもらうぜ」

 

「まずは有利で素早さも高いスピアーを繰り出して来たな」

 

「ヒサちゃん、スピードに関してはスピアーもピジョットには負けてないんだよ!」

 

「スピアー、ダブルニードル!」

 

 その後試合自体はヒサが辛くも勝利を収め、1回戦のすべての試合は終わったのであった。

 

「あら、ユウトくんじゃない!」

 

 モナが夕食を食べているユウトたちのもとにやってきた。

 

「あっ、どうも……」

 

 ユウトたちが礼をする。

 

「隣、いいかしら?」

 

「全然大丈夫ですよ!」

 

「みんないいバトルしてたわね。流石よ」

 

「もしかして全部の試合を見てはったんですか?」

 

「まぁ……大会が終わってから予選のもう片方の方を見ることになるかな? 私も調整とかしなきゃ行けないからね」

 

「あら、こんなとこにいたのね」

 

「ん?」

 

 振り返ると銀髪で目つきの鋭い少女が立っていた。

 

「モナ、あんたも調子に乗らないことね。いくら準決勝まで暇だからっていつまでもあんたにあぐらなんか描かせないから」

 

「そっちこそ浮かれないでよ? あなたは私のライバルでもある。決勝で会いましょう」

 

「ふん!」

 

 少女が立ち去る。

 

「今の人知り合いですか?」

 

「サブリナ、私の同期でライバルでもあるトレーナーなの」

 

「そうだったんですね」

 

「それじゃあまた明日! 多分ユウトくんと彼女が当たることになるかもしれないわ。気をつけてね」

 

「はい!」

 

 モナがさっていった。

 

「うっわ〜! 貫禄凄かったね〜!」

 

「かなりの経験を誇るベテラントレーナーなだけのことはあるわね」

 

「まぁ俺とアミの目的は一緒や! 2人の応援をしてるぜ!!」

 

「ありがとうな! よっし! じゃあ俺も明日の調整に行くぜ!!」

 

 1回戦終了、戦いは第2章へ……

 

 残るトレーナーはあと16人


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。