ポケットモンスターノーブルバイオレット 作:ジャン=Pハブナレフ
2回戦、準々決勝を終えた事でトレーナーたちの数も軒並み減り、バトルが白熱しいくつものベストバウトもここから見られるのだ。
「決まった〜! ポケモンリーグ推薦トレーナーのサブリナが準々決勝に進出だ!」
「他愛無いわね」
せっせとフィールドを出たサブリナ、6対6のフルバトルで3体まで出して相手を降していたのだ。
「マジかよ……」
「モナさんと同期なだけあって彼女、相当の達人ね。同じブロックじゃなくてよかったわ」
「でも、ヒサちゃんもモナさんと当っていたかもよ?」
「……それは言わないでちょうだい」
ヒサはすでに準々決勝で敗退していた。
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そして試合は進みいよいよ準決勝へと対戦カードは進む。勝てば決勝、負ければベスト4である。
ユウトはサブリナと対戦することになっていた。
「あんたモナのお気に入りだからって調子に乗らないで!」
「……いい試合にしましょう」
あたりの強いサブリナに対して手を差し出すがプイとそっぽを向かれた。ステージは岩山ステージ、試合が始まる。
「それでは両者構えて!」
2人がボールを構える。
「行け、ストライク!」
「レディアン!」
一体目はむし同士、カマキリとテントウムシの一騎討ちとなった。
「こうそくいどうだ、ストライク!」
「レディアン、バトンタッチ!」
レディアンがストライクに激突したかと思いきや急にサブリナの元にターンした。
「お願いね、バリヤード」
「ストライク、きりさく攻撃!」
バトンタッチにより現れたバリヤードへ先制攻撃を仕掛けるも、耐えられてしまう。
「バリヤード しんぴのまもり!」
突如として特殊なベールがバリヤードを包み込んだ。
「ストライク、つばさでうつ攻撃!」
「バリヤード、バトンタッチ!」
今度はバリヤードの方が早くストライクに攻撃を仕掛けバトンタッチを仕掛けた。
「二度目のバトンタッチをどうして?」
「なるほどね、ああやってトレーナーの手持ちを探りながら消耗させたり味方にバトンを繋いだりして6体全員で連携を取ろうとしているのかもしれないわ」
「せやな、現にさっきのバリヤードは状態異常を引き起こすユウトのパーティの対策になるわ」
「じゃあいくわよ、キュウコン!」
白い狐のポケモンが現れた。
(ほのおタイプだが…スピードならこっちが優勢だ!)
「ストライク、こうそくいどうして距離を詰めるんだ!」
「無駄よ、ほのおのうず!」
自分の周りに炎を敷くことでストライクが拘束されてしまう。
「かえんほうしゃ!」
直撃したストライクは戦闘不能になってしまう。
「ッ! エビワラー行け!」
ボクサーのポケモンが素振りでキュウコンを睨む。
「エビワラー、れんぞくパンチ!」
接近してパンチを何発も浴びせるエビワラーだったがキュウコンは涼しげな表情だった。
「あやしいひかり!」
光を放ち、エビワラーが混乱してしまった。
「マズいな、こんらんした状態では相手にダメージを入れられるかどうか……」
「けど、そろそろしんぴのまもりが切れるわね」
「エビワラー、マッハパンチ!」
エビワラーは混乱しつつも、目の前にキュウコンの姿があったため先制攻撃を仕掛ける。
「急所に当たったぞ!」
キュウコンが先制を受けて怯んだのを見てエビワラーが正気を取り戻す。
「行け!」
エビワラーが構えを解かず一気に接近する。
「キュウコン、かえんほうしゃ!」
キュウコンのかえんほうしゃは紙一重で回避される。
「今だ! メガトンパンチ!」
懐に鋭いパンチが入りキュウコンはその場に倒れた。
(今のは……なるほどね)
サブリナは6体のうち1体目が倒され、2体が姿を見せていた。ユウトもまだ2体だけしか見せてはいないがストライクが倒されているためサブリナが優勢なのは変わりなかった。
「レディアン!」
「そう来るか……!」
エビワラーのままにしたユウトはまず出方を見るべく、先制を仕掛けるも相性が悪くなかなか攻められずにいた。
「こうなったら……! 連続パンチ!」
地面に連続パンチを行う。
「なに考えてんだ! 地面なんか殴っても無駄だぜ!?」
観客が困惑の声を上げる。
「レディアン、スピードスター!」
地面を殴るのに集中したエビワラーを正面からスピードスターで攻撃するも、とっさに回避したためかノーダメージに終わった。
「やはりそういうことね。そのエビワラー、みきりを習得してるわね」
「そうですよ! みきりなら連続でない限りは攻撃を受けない! さらに!」
命中したスターにより砂埃が発生する。
「エビワラーのパンチは並のかくとうタイプよりも頼もしい! だから連続パンチでフィールドを凹ませてスピードスターを撃たせて砂埃さえ起こせば!」
砂埃を自分から通過するレディアンの目の前には構えるエビワラーがいた。
「れんぞくパンチ!」
「そっちもこういうの持ってんのよ! れんぞくパンチ!」
両者パンチの応酬の末、最後の一発が放たれ両者ダウンしてしまう。
「両者ダウン!?」
アミがハッと驚くもすぐにレディアンが立ち上がる。が、すぐに立ったまま目を回してしまう。
「引き分けか……!」
「でもこれで両者4体ずつ。今後の立ち回りで試合全体の流れをつかめるわ」
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現在ユウトはストライクとエビワラーの二体を失い、サブリナもレディアンとキュウコンを失うもまだバリヤードが残っていた。
「ここから勝負よ。行けトロピウス!」
サブリナが飛び出したのは首にバナナのついたポケモンだった。
「へぇ、トロピウスね」
モナが観客席に来た。
「ホウエン地方の、ポケモンですか?」
「そうよ。トロピウスはツリーハウスのまちヒワマキシティの近くで生息してるポケモンなの。ああ見えて結構タフなのよ」
「マグカルゴ!」
対するユウトが呼び出したのは溶岩でできたカタツムリ型のポケモンだった。
「たまたまジョウトのトレーナーから聞いた話でゲットして鍛えたんだ。行くぜ!」
「悪いけどそうはいかない!トロピウス、ふきとばし!」
開始早々、トロピウスが不利なマグカルゴを吹き飛ばしてしまう。
「くっ、行け!」
交代してできたのはウツボットだった。
「あー惜しい! マグカルゴだったらトロピウスの弱点はつけたのに!」
アミが落胆した表情を浮かべる。
「どうかしら? まだトロピウスにはウツボットでも食らいつけはすると思うわ」
「せやな、トロピウスはひこうタイプを持ってるけどもウツボットにはどくタイプがある。瞬殺にはならんやろ」
(くそッ、マグカルゴじゃスピードがあきらかに遅かったか。こうしてウツボットに代っちまったが、技はリーフストームにようかいえき、つるのムチそしてやどりぎのたねだけだ……)
(あなたの戦術は読めるわよ。きっと毒で攻めてくるはずでしょうけどこっちのトロピウスはかぜおこしに、はっぱカッター、にほんばれそしてソーラービーム! つまりは距離をとって戦えるということよ)
「まずはようかいえきだ!」
ウツボットがようかいえきを放つもかぜおこしで逆流し岩肌にこびりついてしまう。
「ならつるのムチだ!」
「あまい!」
トロピウスが上空を飛び回り、難なく回避する。
「トロピウス、ソーラービーム!」
「ソーラービーム……!岩山に隠れるんだウツボット!!」
ウツボットが岩肌に身を隠す。
「今は少し威力は低いけれど……ソーラービーム!」
トロピウスの口から発射されたビームがフィールドの岩肌を吹っ飛ばす。
「チィッ、本当はフィールドごと吹っ飛ばせるんだけども仕方がない。
トロピウス にほんばれ!」
トロピウスの天候操作で当たりの天候が変化する。
「さぁ隠れてないで出てきなさい!」
その時、トロピウスをつるのムチが襲う。
「チャンスだ! ようかいえき!!」
岩肌から奇襲を仕掛けたウツボットの攻撃でトロピウスに毒が回る。
「ふぅーん、運に任せて攻めてきたのね。その度胸は認めてあげるわ。けど私のトロピウスを甘く見ないことね! ソーラービーム!!」
「なに!?」
ユウトが困惑する。
「あかん! にほんばれは日射しが強い状態、そうなったらソーラービームの力は圧倒的に跳ね上がってまうわ!!」
「しかもチャージ時間はわずか! どうするの!?」
「こうなったら一か八かだ! リーフストーム!!」
「くっだらないのよ!」
トロピウスには間に合わない!ソーラービームが近距離で放たれ、ウツボットは倒れてしまった。
「ウツボットの最後の賭けも及ばずだったわね」
「リーフストームはとくこうをさげてしまうからああやって最後に打つかしかできなかったのね。トロピウスが相手だったから……」
「戻れウツボット!」
(これで俺はあと2体手持ちににいるってことになるが……おかげでトロピウスに毒を入れられたんだ)
「お前の働きは無駄になんかしない! 行けマグカルゴ!!」
「さっきのやつね。いいわよ、相手してやろうじゃない。かぜおこし!」
「ドわすれ!」
マグカルゴがとぼけた表情でかぜおこしを喰らう。
「マグカルゴ、かえんほうしゃ!」
しかしマグカルゴはなおもとぼけた表情でいわなだれを繰り出す。
「ドわすれでかえんほうしゃを忘れさせて、いわなだれを打たせたのね……!」
サブリナが困惑する中トロピウスがいわなだれに撃ち落とされ、さらにウツボットによる毒が回ってしまい力尽きる。
「ちょこまかと小細工をしてくれるじゃない。
なら見せてあげる! ハンテール、行きなさい!」
「だったらこっちも! 戻れマグカルゴ! 行けマルマイン!」
「出た! ユウトのマルマイン!!」
「ハンテール、バトンタッチ!」
「なんだって!?」
ハンテールがバリヤードと交代する。
「構うなマルマイン、ころがる!」
現れて早々バリヤードを正面から攻撃する。
「リフレクター!」
減衰させても、マルマインはびくともしない。
「まだまだ!」
再びマルマインが激突する。
「サイケこうせん!」
「マルマインにはその程度は通用しない! このまま一気に押してくぜ!!」
マルマインが回りながらニヤリを笑みを浮かべ3回目の激突を果たす。
「追い打ちだ!」
「ねんりき!」
4度目をなんとか防いだバリヤードは岩山にマルマインを叩きつける。
「しぶといわね……けれども、バトンタッチさせてもらうわよ。私の切り札で勝負よ!」
バリヤードがバトンタッチした。
「行け、ボスゴドラ!」
「またホウエンのやつね!」
「そりゃそうよ、だって彼女はホウエン出身のトレーナーなんだもん」
「そうだったんですか!?」
「ホウエン出身でここカントーに引っ越してきてポケモンバトルを極めてたのよ。ここじゃそんなに生息しない、いわとはがねの混合タイプでいっときはかなりチヤホヤされてたのよ。私だって彼女に負けたことはあるくらいよ」
「モナさんがですか? そんなイメージ全くないな〜」
「彼女は変わって強くなったの。四天王のシバさんとの出会いでね。彼のかくとうタイプにはボスゴドラも倒されてしまったのよ」
「シバ!? あの四天王の中でもスーパーパワーを誇るあのシバですか!?」
「ええ! この戦い、ここからが勝負よ!!」
「ボスゴドラ! がんせきふうじ!!」
岩石が次々とマルマインを拘束する。
「これじゃあ転がれないわね! はかいこうせん!!」
動けなくなったマルマインをがんせきごと吹き飛ばす。
「勝負有りね!」
「まだだ!」
マルマインははかいこうせんを受けてもなお、目を丸くせずに立っていた。
「マルマイン、行けるか?」
マルマインがニヤリと笑うと正面からボスゴドラにころがるを仕掛けた。
「くどい! ふみつけ!!」
ボスゴドラが攻撃を避けその場に叩きつける。
「マルマイン、だいばくはつ!」
「え!?」
叩きつけられたと同時にボスゴドラが爆発のダメージを受ける。
「マルマイン、すまねえな……」
「ボスゴドラは一旦戻って! ここはバリヤードでつなぐ!」
「だったら……行け、ゲンガー!」
現れたゲンガーがニヤニヤ笑っていた。
「シャドーパンチ!」
リフレクターを張らせる間も無く、バリヤードが一撃で撃破される。
「……まだよ! ハンテール!!」
「ゲンガー さいみんじゅつ!」
「みずのはどう!」
ゲンガーが攻撃を受け吹っ飛ばされてしまうも、さいみんじゅつが命中しハンテールが眠りにつく。
「ゲンガー、ゆめくい!」
ハンテールから体力が奪われる。
「……こおりのきば!」
目を覚ましたハンテールが必死に食らいついてゲンガーを凍結させた。
「もう一度みずのはどうよ!」
みずのはどうを受け、ゲンガーの氷は砕ける。
「もう一度シャドーパンチだ!」
ハンテールは回避できずに、パンチを受け倒れた。
「やるじゃないの……けど最後のボスゴドラを沈める手段はない! この勝負は私の勝ちよ!!」
「どうかな? マグカルゴ行け!」
「無茶だ! マグカルゴの炎や岩じゃボスゴドラには届かない!!」
「かえんほうしゃ!」
「がんせきふうじ!」
マグカルゴの炎を岩山で防いだボスゴドラはそのままとっしん攻撃を仕掛けてきた。
「今だ! 最後の賭けを見せてやる、だいちのちから!!」
「だいちのちからですって!?」
驚愕するサブリナ、ボスゴドラは足元から大地のエネルギーを受け倒れる。
「ボスゴドラ戦闘不能! 勝者 セキチクシティのユウト!」
歓声が響く。
「負けた……」
「サブリナさん!」
ユウトが手を差し伸べてきた。
「ありがとうございました!」
丁寧に礼をするとサブリナはそっぽを向く。
「……負けんじゃないわよ」
そう言い残してフィールドを出た。
「これで決勝か……」
「へぇ……あの子もずいぶん成長したみたいね。でも私も全力で相手をするわ。私の最高のパーティーでね!」
いよいよポケモンリーグ最後のバトルが始まる。
準決勝フルバトル 使用ポケモン
ユウト VS サブリナ
ストライク レディアン
エビワラー バリヤード
ウツボット キュウコン
マグカルゴ トロピウス
マルマイン ハンテール
ゲンガー ボスゴドラ