がっこうぐらし! RTA 全員生存END 参考記録   作:相感

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お ま た せ。
仕事が忙しいのと更新される兄貴たちのものとアズレンやってたら遅くなったので初投稿です。


ドライブ~めぐねえが犬になるまで

 やっとほんへ終わったほんへが大団円で嬉しいRTA、はっじまるよー。

 

 るーちゃんとのお風呂イベントはカットです(無慈悲)

 そんなの(入れたら)パパ(CERO)に怒られちゃうだろ!! あとノンケシーンはNG(ホモの鑑)

 

 さてはてお風呂、というかシャワーですがこれはSAN値を保つのにひじょーーーに重要です。

 だから早めにシャワーが解禁される3階を開放するべきなんですよ(力説)

 あっ、ちなみに今までの戦闘やらイベントで、プレイヤーキャラのSAN値は限界まで削れています。

 SAN値を削りすぎるとゆきちゃん状態、やったねるーちゃん状態、自殺、発狂etc……など永続的なバッドステータスが付きます。なのでなるべくイイものがつくことを祈りましょう。

 今回は「精神的依存」がついてますねえ!! これは表面上は大丈夫ですが、仲間が危機に陥ったり、死んだりするとすっげー取り乱すバッドステータスです。

 お前犬かよぉ!! ワンって言うんだよ、3回だよ3回。

 寡黙で精神的依存……こいつ、メンヘラじゃな?

 まぁ、冗談はさておき、悪くはないです。これで「サイコパス」なんて引いた日にゃ、変なところでキャラが勝手に発狂したりするので通常プレイではSAN値に気をつけようね!

 

 さて、シャワーと休憩、ご飯を食べたらお昼前くらいにはなってます。

 ここでのご飯はランダムですが、主にカレーが出ることが多いですねえ! カレーいいです、体力とスタミナにバフ、さらにSAN値回復もできるので積極的に使っていきましょう。

 

「それで、キミはその巡ヶ丘高校で生き残って、幼馴染であるこの子を助けるため単身突撃、それで途中でラジオ聞いて私のことを知ってここに……主人公かっ!!」

 

 そうだよ(メタ発言)

 もぐもぐカレーを食いながら頷きます。

 今はラジオ姉貴の説得中です。「寡黙」で選択肢が限られますが、人肌恋しい(意味深)ラジオ姉貴は下手な選択肢を選択しなければホイホイ付いてくる優しい人です。

 というか付いてきてもらわないと、チャート壊れるから114514!! というか来てクレメンス。

 

「……メリットは? 私がここから離れるメリットを教えて頂戴」

 

 一人ぼっちは……寂しいもんな(ANKボイス)

 実際、このまま放置するとラジオ姉貴が死ぬので学校で水を飲ませないといけません。水が特効薬とかこマ? と思うでしょうが事実なのでしょうがないね。

 もう少し時間を置いたラジオ姉貴だと断られるのですが、一週間以内のラジオ姉貴なら勧誘できる、というかしろ(豹変)

 

「確かに一人は寂しいけど、キミの話が本当だって保証は……」

「……もみにーはうそつかない」

 

 るーちゃんやめろォ!!(建前) ナイスゥ!(本音)

 

「わかった、わかったよ。行くよ……とりあえずご飯食べて、あとキミ、紅葉クンは荷物を詰め込むのを手伝って頂戴。詰め込めるだけ詰め込んで行くよ」

 

 やったぜ!(ガッツポーズ淫夢くん)

 ラジオ姉貴(キャンピングカー)ゲットだぜ!!

 ご飯を食べ終えたら早速準備をしましょう。持っていくのは食料品だけでOKです。水は学校の水を飲めば予防も出来てOKです。

 持っていくのはカンパンとかの保存食を優先してください、あとは野菜系。肉ももう少しあとじゃないと喜ばれません、プレイヤーキャラは気にせず食べてくれますがね、根性ねえな(無茶振り)

 

 キャンピングカーに詰め込めるだけ詰め込んだら、運転はラジオ姉貴に頼んでるーちゃんとドライブを楽しみましょう。運が悪いと生存者との戦闘もありますがなかったので……話すネタなんかあったかなぁ、先駆者兄貴たちがガン掘りしてるので解説することがんにゃぴ……。

 

「……キミは……なんでそうまでして誰かを助けようとするの?」

 

 おや、ラジオ姉貴が話しかけてきましたね。ラジオ姉貴の好感度は欲しいのでいっぱい話しますか、好感度・愛情度はマスクデータにされちゃったので先駆者兄貴みたいに確認できないのがいやーキツイっす。

 それにラジオ姉貴には愛情度設定されてないでしょうし、所詮二話限りのモブじゃけえ!

 

 さてラジオ姉貴への返答ですが……ふむ、「理由が必要か?」とかにしておきましょうか。善人RPいいゾ~これ。

 

「……気が狂ってるのか、それとも底抜けに優しいのか、あるいはどっちも、かな? 正直、キミは狂人だ。それだけははっきり言っておくよ」

 

 原作のあなたも実際狂人だと思うんですけど(特大ブーメラン)

 あぁ、そうだドラァイブタイプスピード(運転)について話しておきましょうか。

 基本的にめぐねえ、ラジオ姉貴が生存していれば彼女たちに運転は任せまスゥ。

 ただこの二人が死亡、もしくは未加入の場合は主人公、もしくは学園生活部メンバーが運転することになります。

 「運転」スキルを取っているとイニシャルがDなアレやワイルドな速さのアレ真っ青なカーチェイスができます。

 まぁ、かれらを轢き殺せますが当然耐久力がガリンゴリンと削られて、すぐに廃車になるのでできる限り避けましょう(一敗)

 ただ運転は作り込みが甘いのか、ハンドル操作がひでたるとじゅんぺい並にやべーです。

 ちょっと動かすだけで、車体がすっごい動くよ! PC版だとMODがあるのである程度制御できるらしいですが、MODの入れ方わからないです(無能先輩)

 

「見えたよ、学校だ!」

 

 わーい、学校ら(TM並感)

 さて、と学校が見えてきたらちょーっと掃除しなきゃいけません。

 先駆者兄貴たちの解説を見た皆さんならご存知でしょうが、昼間の学校はかれらがうじゃうじゃいます。見ろ、人がゴミのようだ! と言いたくなるくらい。

 真正面から突っ込んだら、ステーキ(直球)は不可避ですのでラジオ姉貴たちにはここで待機してもらいましょう。

 本当は下校時間過ぎたほうが楽なんですが、これ以上先延ばしにするとりーさんあたりが我慢できなくなって学校の外に出ることあるんですよねえ……(五敗)

 

「……やっぱりキミは狂人だよ」

 

 ラジオ姉貴に苦笑されますが、RTAなんだからリスク背負ってタイムを大事にするのは当たり前だよなぁ?

 

「もみにー、いかないで……っ」

 

 るーちゃんがズボンを引っ張って止めてきますが、すまんな、本当にすまん(天狗)

 というか主人公兄貴の服のことを完全に忘れてました……ママエアロ。

 ここでるーちゃんを抱きしめて、耳元で「安心しろ、必ず悠里の元に連れて行く」と約束しましょう。

 そうすることでるーちゃんが快くいかせて――――。

 

「やっ」

 

 ……いかせて――――

 

「やーっ!!!」

 

 行かせろォ!!!!!!!

 

「りーねーとあったらもみにーがるーとずっといっしょにいてくれないもん!!」

「ヒュー、色男だね」

 

 ラジオ姉貴どうにかしろォ!!

 どうすっぺ、どうすっぺ……ガチ想定外な事態置きすぎじゃないですかね(困惑)

 愛情度が高いんですかねえ? 実はるーちゃん救出の通しプレイこれが初なんですよねえ(RTAの屑)

 ……しゃーない、やりたくなかったけど強硬策に出ます(オリチャー)

 

 まずズボンを掴んで離さないるーちゃんを背中に乗せます。

 続いてラジオ姉貴に頼んで紐をるーちゃんに巻いて、主人公にも同じように巻きます。しっかりと巻いてください、おぉう! もっと締め付けてくれオルルァン!(ドラゴン田中)

 さらにるーちゃんに目隠しをしましょう。犯罪臭たっぷりですね! どっからどう見ても人攫いです本当にありがとうございました。

 

「……犯罪者、かな?」

 

 こちらをジト目で見るラジオ姉貴を無視して、ここで待機するように言います。

 るーちゃん? 説得なしになんか背中に顔埋めてめっちゃ深呼吸してるので大丈夫でしょう、大丈夫かな?(不安)

 さて、ここからは持ち物はナイフ一本だけでいいです、残りの荷物は置いていきましょう。

 

 準備ができたらオリチャーについてお話します。

 元々のチャートは駐車場のかれらをぶっ殺して(直球)車を止めて、主人公が3階まで上がって、セーフゾーンからカーテンで作った紐を下におろして、るーちゃんとラジオ姉貴を引っ張り上げるというチャートでした。

 これからやるのは忍者プレイしてたときに見つけた裏技を流用したものになります。

 壁蹴りで2階まで登ります(真顔)

 どういうこっちゃと思う人いるでしょうが、実際見てもらったほうが早いと思うので見てもらいましょう。

 

 まずは学校に入ります。

 校門から玄関口までは比較的にかれらが少ないので、普通に走って突破します。

 ここで注意するのは、絶対にるーちゃんをかれらに掴まれないように立ち回ることです。掴まれたら最期、QTEなしにガブリです。容赦ねえな(素の感想)

 さて玄関口まで着いたら、適当なかれらを一体誘導します。

 丁度いい位置についたら、そいつにめがけて助走をつけて……肩にめがけてジャンプします。そして着地と同時にさらにジャンプして玄関口の屋根へと降り立ちます。

 今後、この技をジェットストリームアタックと呼称します。

 忍者プレイしてるときに偶然見つけたんですよね、落下忍殺……もとい落下暗殺連続で決めたろとか遊んでたら出来たんですよね。ただ仕様なのかバグなのか、「忍者」スキル持ちじゃないと出来ないので、通常プレイではやらないようにしよう!

 さて成功したら、次は二階の教室に「聞き耳」をします。

 今の時間帯、生前の行動をするかれらは一階の学食に集中していますので二階も安全っちゃ安全です。

 ただモンスターハウスになっていることもあるので、勢いで行ったら死にます(一敗)

 

 「聞き耳」では教室内に残ってるのは一人……一人、お昼時、教室に誰もいない……あっ(察し)

 一人なら問題ないのでスルーしましょう、決して走者のリアルを思い出して同情したとかではありません。

 割れた窓から教室に侵入しましょう。このとき、音を立てないようにしましょう、下手に音を立てるとかれらが寄ってきます。

 ボッ――――ごほん、お一人様かれらに涙しつつ、廊下に出たら静かに、それでも急いで3階に上がりましょう。

 廊下にはかれらが複数人いますが、階段を上がってしまえばこちらのものです。

 そのまま階段を静かに上がり、バリケードを超えたら工事……完了です。

 廊下は……綺麗になってますねえ!! どうやら今日一日は掃除をしていたようです。

 バケツを持ってポカーンとしてるゆきちゃんが出迎えてくれました。

 

「……忍者さん? ゆ、悠里さん、忍者さんが帰ってきたよー!!」

 

 バケツを持ちながら走っていくゆきちゃんを尻目に、るーちゃんと自分を縛っていた紐をナイフで切ります。

 るーちゃんの目隠しを取って準備完了です、ホラ、今日からここがキミの家だよ(なお二週間後くらいには燃える模様)

 

「もみにー、ここって――――」

「るーちゃん……ッ!」

 

 アホみたいにすげースピードで走ってきたりーさんがるーちゃんに抱きつきました。

 オパーイがブルンブルンしててあぁ、たまらねえぜ(ノンケの屑)

 ワンワン泣きながらるーちゃんを抱きしめるりーさんにな、涙がで、でます……あれ? るーちゃんも「りーねー」って泣きながら抱きつくはずなんですが、ふくれっ面なんですが、今回のるーちゃんちょっとチャートと違う、違わない? ま、まぁ誤差だよ! 誤差!!

 

 まぁ、休んでる暇はないぞ忍者! 出撃だ! と牛乳飲んで爆撃しそうな悪魔なセリフを言いながら、キャラを動かしましょう。

 

「少しは休めよ!?」

 

 おっ、乙女ゴリラ姉貴じゃん、オッスオッス、あのさぁ、まだ救助者いるからさ、手伝ってほしいことあるねんな。

 

「悠r……りーさんの妹だけじゃないのかよ!? あぁもうわかった! わかったから!! 何すればいいんだよ!」

 

 おや、あだ名呼びしてますね、知らんうちに仲良くなってていいゾ~これ。

 とりあえず無事そうなカーテン全部持ってきてホラ。それをつなげてロープにするんだよ、あくしろよ。

 

「繋ぐ? カーテンを……あぁ、そういうことか! 任せろ!」

 

 ゴリラは賢い、はっきり分かんだね。

 実際は「助ける者がいる」「カーテンだ、多く」「それを繋ぐ」程度しか、主人公兄貴は言ってません。「寡黙」じゃなくて口下手かよお前ェ!!

 とりあえずカーテン集めはくるみちゃんに任せて、職員室に向かいます。

 3階が安全になって、掃除も終わってる、そしてめぐねえがいない……多分、アレを見てますね、コレワ。

 

「こんな、こんな、の……」

 

 先駆者兄貴が必死に燃やそうと頑張った緊急避難マニュアル読書イベントですね。

 読んだキャラのSAN値直葬される悪魔のイベントですが、敢えて放置してました。

 なんでって? SAN値直葬されためぐねえって可愛いじゃろ?(趣味)

 リカバーが大変ですが趣味とRTAを兼用してもいいじゃない、苦行なんだから(忍者)

 

 さて、冗談はさておき、なんで燃やさずにめぐねえにマニュアルを読ませたかと言うと、刷り込みを行うためです。

 めぐねえですが、ぶっちゃけ無能な働き者です。覚醒するならまだしも、通常時なら自分が死のうとも生徒だったかれらを攻撃することはありません。

 なのに、「大人だから頑張らなきゃ」と張り切りガールになって、勝手に行動して勝手に噛まれることがあります。

 なのである程度行動を操れるように、首輪をつけます……あっ、PC版ではワンワンプレイ(意味浅)もできるので、鬼畜兄貴姉貴はやってどうぞ。

 全部読み切ったところで、わざと足音を鳴らしてめぐねえに気づいてもらいます、お ま た せ。

 

「ヒッ……ほ、ほん、だく、ん」

 

 ガチガチと歯を鳴らしながらへたり込むめぐねえに嗜虐心がオーバードライブしそうになりますが、我慢です。

 選択肢は「何を見た?」にしましょうか。

 

「た、ただのマニュアルで、っです」

 

 怯える姿がたまらねえぜ(嗜虐心10%)

 このときゆっくりと距離を詰めましょう。一気に行くとめぐねえが精神崩壊を起こしてゆきちゃん化します。

 

「来ないで、来ないでぇっ!!」

 

 マニュアルを投げ捨てて、体を震わせながら蹲るめぐねえになったら一気に近づいて……抱きしめましょう。

 安心させるようにたっぷり抱きしめてあげてください。ただ長くやりすぎて、りーさんに見つかったらリセットです(真顔)

 ほーらよしよしよーし、辛かったねー、怖かったねー、大丈夫だよー。

 

「本田、くん、本田くん……」

 

 トントンと背中を叩いて上げるのもいいゾ~これ。

 抱きしめて、めぐねえの体が力を抜けたのを確認したら頭を撫でてあげましょう。

 

「本田くん……本田くん……」

 

 堕ちろ! 堕ちたな!(洗脳完了)

 これでめぐねえは都合のいい女になります(屑発言)

 主人公の言葉に従順になりますし、勝手に行動はしなくなります。

 よーし、犬だよ犬、ワンって言ってみろよ(嗜虐心50%)

 

「ワン!」

 

 グッボーイ、グッボーイ(嗜虐心上昇中)。

 ……いかんいかん危ない危ない。この動画は健全なRTA動画なんです、青少年のナニカが危ない描写はいけません!(手遅れ)

 ハイライトオフッ! なめぐねえの魔力はやべえよ、やべえよ、続きは君たちの目で確かめてみてくれ!(攻略本並感)

 

「……本田くん、私は駄目な先生ですよね? でもいいんですよね? 駄目な先生で、甘えて、溺れてもいいんですよね? ねえ本田くん?」

 

 おっ、やべえ(青少年保護育成条例的に)110番だな?

 とりあえず頭を撫でてあげましょう。それとみんながいる前ではいつもどおりにするように言いましょう。

 

「そう、よね。こんな状態見られたら困惑しちゃうわ……あぁでも見せつけたいって気持ちあるかも」

 

 お前ドMかよぉ!!!??? まぁ、そう仕向けたんですが(屑)

 妖しく笑うめぐねえに、とりあえずマニュアルを金庫入れよう! と提案しましょう。誰かが見たらSAN値直葬されるからね。

 

「……そう、ね。誰かが見たら大変だものね」

 

 金庫の中にマニュアルを入れたのを見届けたら、めぐねえを撫でましょう。

 こうすることで依存度が更に高くなります。

 ちなみに愛情度が上がってるように見えますが、忍者兄貴と同じようにSAN値削りすぎて「精神的依存」になってるだけです。好感度は上がるだろうけど、こんなイベントで上がる好感度とかたかが知れているからヘーキヘーキ

 

「誰かに撫でられるのっていつ振りかしら……気持ちいい」

 

 さて、そろそろ準備が終わると思いますが、長くなりそうなので今日はここまでです。

 

 

 

 

***

 

 

 

 ただの避難指示書、そう私は考えていた。

 だから掃除を彼女たちに任せて、私は職員室へ向かった。

 

「職員室は先生が掃除します、ゆきちゃん、テストは残しておくからあとでたっぷり勉強しましょうね」

 

 自分の発言に吐き気がする。

 私は教師ではなく、汚い大人の考えから職員室に向かった。

 そんなわけがない、そう考えつつも誰かと一緒に行かなかったのはそういう考えがあったからだろう。

 

「なに、これ……」

 

 書かれていたのは避難指示だった。

 そう、避難指示書、今回の事件を想定されたもの。

 多くの人命が危機にある時は、少数の人命の損耗を躊躇ってはならない。

 その一文を読んだ時、私は胃からせり上がってくるものを我慢できずに吐き出した。

 ここはどこだ? 研究所? 政府機関? 大人が集まる場所? 違う、学び舎だ。

 子どもたちが将来を、今を、そして誰かと笑い合うために通う場所なのだ。

 なのに人命の損耗? 大人が書くことかと頭に血がのぼる。

 だがふと冷静になった頭がこう囁く。

 

『知らなかった、そう知らなかった、私はこんなもの見てもないし聞いてもいない。だから私のせいじゃない』

 

 チガウ。

 違う、違う、違う、違う、違う、違うッ!!!!

 

「う、うぇえええっ!!!」

 

 胃の中のものを吐き出しきって、胃液すら絞り出すように吐いた私は荒く息を吐く。

 違うわけがない、ここにあったのだ、私が通い、仕事をしていた場所にこれがあった。

 赴任して早々に見せてくれた、そのときは止められて見なかった。

 日常を過ごしていくと徐々にだが忘れていった。そう忘れていたのだ。

 誰もが忘れて、そして誰も対応しなかったからこの始末なのだ。

 誰かが読んでいれば生徒たちを避難させることだって出来たかもしれない。

 悠里さんに殺人をさせず、本田くんに『掃除』をしてもらうこともなく、安全な場所に避難できたかもしれない。

 そう出来なかったのは誰のせい? 誰のせいなの?

 

『お前だろ? 佐倉慈、お前のせいだ』

「ふぐっ、おぇっ……うっ、うぅうううううっ」

 

 無様に、泣くしか出来なかった。

 情けなくて、悔しくて、そして不甲斐ない自分を憎悪した。

 終わりにするなら簡単にできる、そこにある窓から飛び降りればいい。

 けど出来ない、いやすることは許されない。残ってる大人は私だけだ、頼りなくても、何も出来なくても、大人は私しかいないのだ。

 ここで逃げてしまったら、私は――――私はっ。

 

 ――――パリン。

 

 えっ?

 

「……」

 

 そこに立っていたのは、半裸姿の本田くんだった。

 冷たい目で、私を見ている。

 その視線は私の持っている――――ッッ!!!

 

「ヒッ……ほ、ほん、だく、ん」

 

 何に怯えたのか、私は後ろに下がろうとしてバランスを崩して尻餅をつく。

 立ち上がろうとしても力が入らない。

 

「何を見た?」

「た、ただのマニュアルで、っです」

 

 苦しい言い訳なのはわかっている。

 けれどそう言うしかなかった。

 すると彼はゆっくりと私に近づいてくる。

 情けないことに私は、取り乱して彼から距離を取るしかなかった。

 泣き叫び、隠そうと思ったマニュアルすら放り投げ、挙句の果てに蹲って泣くしかできなくなった私。

 罵声を浴びさせられるかもしれない、殺されるかもしれない、この期に及んで私は自分の保身しか考えていなかった。

 けれど彼は私をゆっくりと起こすと抱きしめてくれた。

 

「ほん、だくん」

 

 何も言わずに抱きしめてくれる、安心させるように。

 だ、め、コレは駄目だ。

 堕ちる、堕ちてしまう、私が教師ではなく、ただの弱い人間だと堕ちてしまう。

 振りほどこうとしても振りほどけない、むしろ彼の包容が強くなっていく。

 駄目、だめぇ……。

 

「本田、くん、本田くん……」

 

 まるで赤ん坊をあやすように、彼は私の背中をトントンと叩いてくれる。

 ドロドロと私の理性が溶けていく。

 この人になら、この人じゃなきゃ

 

(だ、めぇ……)

 

 最期の力を振り絞って離れようとする。

 この人には悠里さんがいる、あんなにも慕ってくれる子がいるのに、そこに割り込むのは駄目。

 そもそも生徒と教師なのだ、私達は。

 こんな世界になっても越えてはイケない一線があるのに、それなのに私は、本田くんから離れられず力を抜いてしまった。

 

(あっ……)

 

 ベキンとなにかが折れた、折れてしまった。

 大事なものだ、私を、佐倉慈を教師としていたものが折れてしまった。

 そうなってしまったら――――堕ちるしかない。

 

「本田くん……本田くん……」

 

 心地が良い、折れたものなんてどうでもいい。

 この人に包まれてるだけで幸せだ。

 何も心配することはない、そもそも私がやったことはなんだろう? バリケード設置も胡桃さんの功績で、夜の見張りだってやったのは悠里さんだ。その他は全部、この人がやったこと。

 何も言わなくてもこの人はやってくれる。なら任せてしまおう、大人の責任も、教師の責任も、もうどうでもいい。

 私は彼に飼われよう。

 

「……犬、みたいだな」

「ワン!」

 

 羞恥心はなかった。

 異常な光景だろう、はたから見れば。

 年下の男の子に媚びへつらって、なんのプライドもなく撫でられる。

 うぅん、撫でてくれる。まるで芸が終わった犬を撫でるようにじっくりと……。

 

「……本田くん、私は駄目な先生ですよね? でもいいんですよね? 駄目な先生で、甘えて、溺れてもいいんですよね? ねえ本田くん?」

 

 私は本心を口に出す。

 彼にすがりついて、犬のように頭を擦り付けながら……彼は何も言わない、けれど頭を撫でてくれる。

 

「……みんながいる前では教師としていろ。これは見せるな」

「そう、よね。こんな状態見られたら困惑しちゃうわ……あぁでも見せつけたいって気持ちあるかも」

 

 平然とそういう言葉を放つ私に頭の奥底で何かが叫ぶ。

 ……おそらくは残った私の『大人』の部分なのだろう。

 大きな声で叫ぶそれを、私は強引にかき消して、彼の撫でる手にされるがままになる。

 

「そのマニュアルに何が書いてあるか、興味はない。金庫にでも隠せ」

「……そう、ね。誰かが見たら大変だものね」

 

 そう。誰かが見て、誰かが『犬』になってしまったら困る。

 恋人にはなれない、大切な人にはなれない、だけど『犬』としてなら彼はそばに置いてくれる。

 こんな何も出来なくて、誰かにすがることしか出来ない私を受け入れてくれるのは彼だけだ。

 『犬』は一匹でいい、彼に撫でられるのも、抱きしめられるのも私だけでいい、私だけがいい。

 

「誰かに撫でられるのっていつ振りかしら……気持ちいい」

 

 そのまま私は目を閉じて、彼の手だけを感じる。

 あぁ、こんなに簡単なことだったのになのに、何故私は大人でいたのだろう。

 こっちのほうが楽なのに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そ――――で―――私はき――――し――――です』

 

 かき消したナニカの言葉が、頭にずっと残っていた。

 




○『堕ち犬』
 極稀に「精神的依存」から派生するバッドステータス。一見すると「精神的依存」と同じだが、愛情度が一気に上がり、依存するキャラの言うことを聞く『犬』となる状態。「精神的依存」と同じように一見すると普通だが、『犬』が増えたら排除しようと動く。
 ただ理性は残っているので場合によっては改善することもあり得る。
 RTA的にはただのガバ。

○ジェットストリームアタック
 某機動戦士のアレ。「俺を踏み台にしたぁ!?」
 簡単に言うと二段ジャンプのようなもの。猶予時間は対象に触れたタイミングだけとかいう割とシビア。
 成功すると通常では届かない場所に行ったり、八艘飛びよろしくかれらをジャンプ台に移動できるようになる。
 実は「忍者」スキル取得限定の仕様、なお走者はきっちり検証していないため気づいてない模様。非公式な名称は「エネステ」

そういえば学園生活部メンバーで好きなの誰?(チョーカー姉貴と圭ちゃん省いて申し訳ナス!)

  • ゆきちゃん
  • くるみちゃん
  • りーさん
  • めぐねえ
  • みーくん

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