戦姫絶唱シンフォギア 流星の煌き   作:セイ・アオク

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ある時、思った。
シンフォギア第1期放送当時に見て思ったが、良い組み合わせじゃないのかと…世界線が違うし意味も違うノイズ。
でも、もし重なってたら?

…でも、誰かがやるかな〜と思いながら、月日が経ち今更感になってしまった。こんな多忙な自分が書くこの世界が、皆さまに少しでも感情移入出来るよう頑張りたいです。


プロローグ (断片のメモリー編)
流星の始まり 前編


 始まりは必ずしも幸せじゃない。争いや憎しみに駆り立てた物が溢れるばかりの世界で、平穏は一部の人間や場所にしか無い。夢も希望もありはしない毎日がそこにあるだけで平等ではない。

 

 

 ボクの家族は、父さんと母さんそれに弟の四人家族だった。でも、何時も喧嘩が絶えなくて弟は泣き噦るばかりで誰もボクには見てくれない。七歳のある日、ボクはただ静かな場所に居たくて、近くの森林にある大きな大樹に身を任せてすこしだけ昼寝をしていたんだ。

 

 目を覚ますと、辺りは薄暗くなっていて急いで身支度を済まし来た道を戻るけど、行く方向が何故か明るくなっていた。ボクは何か違和感と不安感に駆られて只々走った。転んで膝や肘が擦り剥いて血が出て痛い筈なのに、痛みよりもこの感覚から解放されたかった。

 森林を抜けると、真っ赤に燃えた家があって周辺を囲みように人達が忙しなく火を消している。人達が色々な会話をしていて聞こえるけども、ボクはただ燃える家を見つめるだけだった。

 

◼️◼️◼️◼️◼️

 

 場所は変わり、ボクは村役場に来ていた。そこは見知らないおじさんやおばさんが居てボクを見つめていた。おじさんは色々と教えてくれた。

 あの後、火は消し止められたがボクの家族は皆亡くなったらしい。燃えた家には成人した男女と幼い子の三体の遺体があって、調査した結果本人達で間違いないらしい。

 

 しかし、不快な点が幾つもあったみたい。先ずは遺体に切り傷や刺された跡があった事。次に出火原因がおかしい事。おじさん達は、これは計画性のある事件だとして調査を続けるらしい。

 ボクにはおじさん達の説明があまり分からなかったけど、でも家族の事を真実を包み隠さずにちゃんと伝えてくれたこのおじさんが凄くカッコよく見えた。

 

◼️◼️◼️◼️◼️

 

 話の後、ボクは一人村役場から少し離れた高台に来ていた。薄暗く高台には誰も居ない。

 

「父さんも母さんも弟も…皆居なくなっちゃった。ボクは一人ぼっちなのかな?」

 

 ボクはいつもの様にベンチに座り夜空を見上げる。夜空には雲が一つもなく星々は当たり前のように輝き続ける。

 何も考えずにただ星を眺めながら時間が進んでいくはずなのに、今日は全然癒されもしないで時間だけが進むだけ…。

 

(なんで…だろう。全然楽しくないや…)

 

 夜空を見るのを辞めて前を向くと、人影が近付いてくるのが見えた。近付いた影の正体は村役場のあの人だった。

 

「…少し良いかな少年?」

 

「おじさん…良いよ」

 

「ありがとう」

 

 おじさんはボクの隣に座り夜空を見上げる。ボクもまた夜空を見上げてるが、先程と全く同じで楽しくなかった。すると、おじさんが声を掛けてきた。

 

「君のお父さんやお母さん、それに弟君を助けられなくてすまなかった。もし連絡が少しでも早ければ助けられたかもしれないのに…」

 

 急におじさんはボクに謝ってきた。謝る必要も無い筈なのに…それに早く着いても助けられるかは分からないから。ボクはおじさんに話をしようと思った。理由はなんなのか分からないけど、言った方が良いと思ったから。

 

「…おじさん、少し話を聞いてくれる?」

 

「あぁ、構わないよ?少しずつ言ってごらん?」

 

 ボクは少しずつ話をした。お父さんにお母さん、弟の順に話をするけども、どれも愚痴にしかならなかった。

 

「誰もボクを見つめて話てくれないんだ。まるで居ないような感じがして、一人ぼっちな感じがして…」

 

「そうか、じゃあ楽しい事は何かあったりするのかな?」

 

 おじさんは夜空を見上げながらも真剣そうに聞いてきた。ボクは楽しかった事を思い出そうとするが…

 

「この夜空しか…ないかな。おじさんは夜空は好き?」

 

 前々のボクなら幾らでも楽しく話せたかも知れない。でも、今のボクじゃ分からない。おじさんはどう感じるのか聞いてみると、真剣な顔から笑顔に…楽しそうに話始める。

 

「俺は楽しくてしょうがないぞ?夜空…いや星一つ一つが神秘に満ちてるんだ。俺達の住む星も、他者の惑星から見たら輝きの一つだからな。少年もそう思うだろ?」

 

「そう…かも」

 

 ボクは何も言えなくなっていた。おじさんは本当に星が好きで好きで堪らないくらいなんだ。ボクよりも…ずっと…

 

「少年、君には君の、俺には俺の好きがあるし比べる物じゃないさ。それにな、もし比べるとしたら少年の方が知ってるんじゃないのか?」

 

「えっ?」

 

 おじさんはボクに笑顔で問い掛けてきた。ボクの方が知ってる…それって一体?悩む中おじさんは急に立ち上がり話掛けてくる。

 

「さぁてと、それの答えは自分で探すんだな少年。星を知ればなんとぞ…ってな。今は上を向けなくても、大丈夫だと俺は信じてるからな?」

 

「えっと…ボクは……ボクは……って、何を!?」

 

 戸惑っている時におじさんはボクをお姫様抱っこをして走り始める。恥ずかしさからか先程までの気分は何処かに吹っ飛んでしまった。

 

「皆が心配しているからな、さぁ行くぞ!!」

 

「分かったから降ろしてよー!?」

 

 結局、村役場に戻るまでずっとお姫様抱っこさせられて恥ずかしさしかなかったし、おじさんは笑い続けるばかりだった。まぁ夜間だったのが救いだったのかな……多分だけど。

 

◼️◼️◼️◼️◼️

 

 村役場で一夜過ごした次の日、ボクは不満で満ち溢れていた。この隣で菓子を笑顔でガツガツ食べるおじさんが元凶だ。

 

 朝方の四時に急に現れると、

 

「おはよう!!今日も一日元気に行こうか!!」

 

 なんて言い出してきた。昨日のアレで何かしら様子見るはずだよね…なのにこのおじさんは元気過ぎるよ。

 叩き起こされたボクは、眠い中おじさんが用意したジャージを着替えさせられ、まだ薄暗い道を二人で走る事になった。なんでか聞いてみると…

 

「若い時から鍛えれば、何事にも対応出来るぞ?走れば色々とスッキリするしな……まぁ一人より二人の方が楽しいしな」

 

「・・・・・・」

 

 ボクは仕方がなくおじさんの寂しさを和らげる為に走る事にしたけど、走る時間を聞くのを忘れていた。結果二時間走らされ、ボクはバテバテでおじさんは元気ハツラツに。朝食は和食だけど、おじさんはそれよりも何処かしらから出した菓子をガツガツ食べていた。

 

 朝食後、急に笑顔から真顔になったおじさんがボクに話し掛けてきた。

 

「少年、これからについてだが良いか?」

 

「は、はい…」

 

「まぁ気楽に聞いてくれれば良いさ。先ずは、少年の待遇つまりは行き先だが…孤児院や周りと話をしてな。俺が預かる事になったから宜しくな?」

 

「…分かりました」

 

 よく分からないけど、色々と凄い事したんだと思うことにした。でも、孤児院よりは…良いのかな?

 

「次にだが、俺達の帰る家にはもう一人居る。女の子だから気を引き締めろよ。じゃあ準備が出来次第出発だから、急げよ少年?」

 

「えっと…わ、分かりました」

 

 おじさんは村役場の玄関口に先に行ってしまいボクは呆然と立ち尽くしていた。おじさんが言っていたけど、女の子なんて…ボクは話した事ない。やっていけるかが不安しかないけど、言われた通りに準備を済ませて玄関口にいるおじさんに話掛ける。

 

「え〜と…準備出来たよ?」

 

「おぅ来たか。それじゃ行こうか…まぁ十分そこら辺で行けるはずだから大丈夫さ」

 

 不安が増すけど、信じて付いていくと山を少し登った場所だったけど、言っていた通りに十分くらいで到着した。森林の中に一軒家が建っており、周りには薪割りや庭があって、他にはよく分からない鍛える道具らしき物かな。

 

「今日から此処が少年、俺達の家になる。良いな?」

 

「よろしく…おねがいします…」

 

「まあまあ、気楽にな少年。それじゃいよいよ名前で呼ぶか?」

 

「えっ…!?あっ、はい」

 

 昨日今日で、名前で呼んで良いんだろうか。でも、ずっとおじさんは失礼だから良いんだよね。

 

「よし、俺の名前は明月(アカツキ)シドウ、シドウって言うんだ。宜しくな少年!」

 

「ボクは流星(リュウボシ)スバル、スバルと言います。シドウさん、よろしくおねがいします」

 

「あぁ、宜しくなスバル?」

 

 ボクにとって、本当に家になるかは分からないけど、今は少しだけ頑張ってみようかな。でも、この家には他に一人いるんだよね。

 

「スバル、頼みたい事があるんだ。家の裏に裏門がある。そこから道に沿っていけば広場に着くはずだ。そこに女の子がいるはずだから…頼んだぞ?」

 

「えっ、でもボクよりシドウさんの方が……」

 

「俺よりもスバルの方が良いしな。年上より同年代くらいが話しやすいはず……それに彼女も似た境遇だから、スバルの気持ち分かってくれるかもな」

 

「シドウさん、それって…」

 

「じゃ、頼んだぞ?」

 

 シドウさんがそう言うと荷物の片付けをし始めた。ボクは言われた通りに、家の裏門に向かっていき出た後は道に沿っていくと広場が確かにあった。広場に入ると歌が聞こえてくる…色々な感情が伝わる感じがする。嬉しさも悲しみもゴチャゴチャに混ざったような渦みたいな。

 

「あっ……」

 

 歌に導かれて広場の奥に、少女は楽器を弾きながら歌っている。涙を流しながら此処に居ない誰かに向けた歌を奏でながら。

 

「お母さん、今日はここまでにするね。また明日歌うからその時に……あっ」

 

 ボクと彼女との最初の出会いであり大切な思い出。

戻れない過去の記憶が今を支える輝きになるから…。




読んで頂きありがとうございました。
色々と多忙で主筆が遅い自分ですが、気長に宜しくお願いします。

追伸、一部訂正あり(3月23日)
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