戦姫絶唱シンフォギア 流星の煌き   作:セイ・アオク

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取り敢えず、原作開始前第一話です。

…と、言いながらプロローグの後日談に近い。
(コンサート行くまでに、幾つかの書きたいけどテンポが……宜しくです)


原作開始前 (運命の世界編)
ワールド・ブレイク


 ボクの日常は一瞬して儚く散っていった。あの日から全てが変わって、知っていた人達や周りは幻想になった。あの日々は、ボクが現実を否定する為に妄想で作り上げた物ではないかと思ってしまう。でも、証はあったんだ…

 

(コレが此処にある。 架空でも妄想でもない、本当にあったんだ…皆との繋がりはあったんだ)

 

 残された三つ、ビジライザー・ハンターVG・流星のペンダントが記憶を肯定にさせる。ならば、この世界は一体どう説明すれば良いか。今、感じる全ては偽りかと訊かれれば、それもまた違い本当にある世界だ。風や空など…見て感じた全ては現実でしかない。

 

(どんな理由あれ、僕はこの世界で今…生きている。 自分の知る殆どは変わったけど、この空は変わらないし星々は輝き続けているんだ)

 

 自分に起きたこと大半の記憶は失い、残されたピースを胸に前に進まなければいけないから。あの人達の絆が僕を前に進ませ、同時に囁いてくる……私達は生きていると。

実際、生きているかどうかは不明だ。でも、残された物の中に生きていると示す物を見つけることになる。

 

◼️◼️◼️◼️◼️

 

 あの夜、ヨイリーお婆ちゃんから、空き部屋を借りたボクは渡された品々を調べていた。ビジライザーとペンダントは何も変化もなく起動もしなかった。壊れてるかは分からないけど、最後にハンターVGを調べる為に軽く触れようとする。

 すると、本来ならまだ動かないハンターVGが起動し、点いた画面にはブラザーバンドと名目と登録された人達の顔が表示される。そこに自分の知る人達の顔も出て来るが、名前はバグなのか文字化けしていてよく分からなかった。

 他にないのかハンターVGを調べて見ると幾つものデータファイルが出てきたので、そこにキーワードと書かれたファイルを展開すると知らない単語が出てくる。

 

 ・ブラザーバンド及び絆力について

 強い絆を持った人達を繋ぐ言葉であり、多けば多い程にその絆力は膨れ上がる。絆力とは、繋がりの強さを示した数値になる。通常は百までになるが、強力な繋がりを持った者同士は未知数の数値になる。絆力には、無限のエネルギーが秘められている。

 

(ブラザーバンドには、シドウさんや師匠にあの子…響ちゃんもいた。 顔アイコンの右に数値が書かれてはいたけど……不明になっていた)

 

 でも、ブラザーバンドは繋がりを示すモノなら、生きている可能性を秘めているということになる。最悪のパターンも考えないといけないけど、今はこの希望を信じて進むしかない。

 

 

 

 しかし、それが不味かったのかもしれない。

 ボクが可能性を見つけ希望を抱いた矢先に、ハンターVGが突然大きく鳴り響き画面に赤く表示し言葉を繰り返す…

 

【 WARNING!! WARNING!! WARNING!! 】

 

 鳴り響く音と言葉が頭の中で連鎖を続け、僕は頭を押さえ地面に転げ回る。激痛の中どうにか音の元凶であるハンターVGに手で掴むと、不意に頭がスゥーと透き通りある言葉が出てくる。何故かボクは立ち上がり、知らない動きを自然と身体を動かしハンターVGを天に向け叫び…

 

「電波変換、流星 スバル オン・エアー!!」

 

[ 了承、トランスコード、シューティング・スター ロックマン!!]

 

 ハンターVGからあの人……シドウさんの声が入ると共に、天から蒼白い光がボクを包み込んだ。眩しい光に目を瞑るが、身体には何も変化を感じないので目を開けると…

 

「さっきの光は一体? それにあの言葉は……って!?」

 

 身体を見ると色が変わっているので、急いで鏡でみるとそこには服装が変わった自分自身が立っていた。全身青い色にヘルメット、髪は鶏冠のようになっていた。左腕には画面が付いていて、タッチして見るとハンターVGと同じ内容になってはいた。ただ、問題は此処からだった。どうにかこの姿をから戻ろうとしたら、左腕の画面にこう書かれていた。

 

「流星サーバー? それにレベル12って……っ!?」

 

 画面に映し出された言葉に分からずにいると、身体の周りに赤黒い霧が現り自分を中心に渦を巻く。見た目から怪しさ全開の霧にどうにか逃げようと考えるが、心に語る声にボクは震える…

 

(ハカイ……セヨ。 シュウ…エンを示せ…)

 

 記憶にあった声と言葉、燃え盛る街に大切な人達……脳内に残された全てが一瞬にして頭にフラッシュバックする。

 

(止めろ…!! 止めろよ……!!! ボクから、大切な場所を……奪うな!!!!)

 

「ハカイしてやる、奪う奴等を全てを!! 終わらせてやる、奪い取る奴等の明日を!!」

 

 怒りと悲しみが心を満たし、あの悲劇を生んだ存在に向け叫ぶ。いるかも分からない存在……影に向かって。赤黒い霧はオーラとなり、包まれた先にボクの姿は更に変わる。紅に染まる鎧を身に纏い、両肩に一つずつ飛ぶ丸い円盤からは赤黒い粒子を吐き出し部屋を染めていく。その時、ボクの部屋に違和感を感じたヨイリーお婆ちゃんが部屋に入り目撃してしまう。

 

「部屋が……一体どういう? まさか、アレがスバルちゃん!?」

 

 ヨイリーお婆ちゃんの驚いて腰を抜かし身動きとれない中、ボクはその場を後にし赴くまま何処かに向かった。この時まだ意識がなく、気付いた時には燃え盛る炎の中でナニカを右手で潰した後だった…

 

(何が起きて……身体が、勝手に動いてる? 自分なのに、自分じゃないみたいだ)

 

 身体の自由は利かず、ただ周りにいるカラフルな存在を倒していく。身体が何故、此処に来たのかは分かる気がした。離れた場所にいた人達や周りの惨状はコイツらがやり奴等と同じなのだと。ただ奪い取るだけで、一方的に痛みを与える。変な声が聞こえるが、何を話しているのか分からないけど……身体が動きを止めた時には、もう周囲には姿はなく黒い粉しかない…。

 しかし、身体は満足してなく背後から離れた人達のいる方向に身体を向けようとする…

 

(っ!? 止めろ!! あの人達をヤったら、誰かが泣くだけなんだ…。悲しみと怒りを背負うのはボクだけで良いんだ……ボクだけが!! だから、分かれよ!?)

 

 心の叫びに身体の動きを止める。しかし、身体の自由は未だ戻らずに次の戦場に向かう為、右手で何もない場所を殴り黒い歪みが目の前に現れる。

 

(何だろう、知らないはずなのに懐かしく感じる……でも、この先にまだ奴等がいるって教えてくれてるのかな?)

 

 ヨイリーお婆ちゃんからは、まだ何も教えてもらってない。あの倒した奴はなんなのか、何でこんなに多いのか……疑問を持ちつつも黒い歪みの中に入っていった。

 入った先には、暗くて寂しい場所だった。耳からノイズ音が頻りに鳴り、暗がりの中で何かがズレているような感じだ。足場も異様に歪んでいていつ消えてもおかしくないのに、身体は真っ直ぐ突き進んでいくと…また先程の黒い歪みがあった。しかし、入った時とは違い光が見える。

 そして、出た先も街が炎で焼かれ人達が叫んでいた。ボクの意識があるけど、身体が身勝手に暴れ回り黒い炭にしていった。違うとしたら、空を自由に飛んでいたこと……初めての感覚に背筋に寒さを感じてしまうが、自由に駆け巡る自分に羨ましいと思ってしまった。最後の一体を倒すと、飛んだまま入ってきた黒い歪みに向かい入って行く。

 

 次に向かった場所でも戦いをするけど、そこでは数は少なかったんだ。それが原因かは分からないけど、身体は自由になり色も青に変わっていた。今までの暴れ回ったことの疲れを感じるが、今は目の前にいる奴等を倒すのが先だ。

 

(それに、こんな疲れで倒れたら師匠が怒ると思うから…)

 

 戦いは呆気なく終わった。身体のスペックが高いのか、それとも奴等が弱いのか。軽く殴ると直ぐに黒い炭になり…自分が相手しているのは薄い紙を破る感覚に近い。

 戦い方は、師匠の教えもあるけど先々の戦いで身体が見本を教えてくれた。武器(バトルカード)・遠距離攻撃(バスター)・ガードや急接近はなど、あらかたのやり方を実演していたんだ。見ているしかないボクだからこそ、最初に見せてくれたのかもしれない。……案外、ただ暴れていただけかもだけど。戦いを終えたボクは、その場を後にするが疲れのピークが近く無意識に変身を解き裏路地にある壁に背中を預けて眠ってしまった。

 

◼️◼️◼️◼️◼️

 

 次に目覚めた時は、知らない天井と布団に寝かされていた自分だった。周りを調べようと立とうとすると…

 

「あ、足に力が入らない…それに、身体がダルい…」

 

 昨日の今日で、身体に溜まった疲れは未だ抜けずにいた。でも、知らない場所で長くいたらそれこそ危険しかない。ヨイリーお婆ちゃんしか、今安静出来る場所はない……どうにか動こうと這いつくばるが腕も力が抜けていく始末に、ジタバタと動いていると部屋の扉が開く…

 

「目覚めたようだね? 良かった、ホッとしたよ。店の裏側で子供が倒れているんだから。 取り敢えず、お腹空いてると思って下でお好み焼き作ったから待ってなさい」

 

「あっ……まっ…」

 

 一方的に話をして切り上げた女性は扉を閉めていった。ただ、あの女性が自分を助けてくれた事実は知れた。何故知らない場所で寝かされていたのかを。

 助けてくれたのに感謝の一つもなく離れれば恩を仇で返すことになる。仕方がなく布団に戻ろうとするが、ジタバタしたことで枕や毛布は吹っ飛び、更には身体に力が未だ入らずにいる。つまりは…

 

「持ってきたよ〜…って、こりゃ片付けが先か?」

 

(ごめんなさい…)

 

 ぐちゃぐちゃになった部屋の惨状に、ボクは心の中で謝るしかなかった。女性は、布団を元に戻しボクをお姫様抱っこして布団に寝かせる。恥ずかしさをどうにか隠そうとしたが…

 

「なんだい? 恥ずかしがっちゃって…可愛いねぇ〜?」

 

 モロバレでした。布団を被りって顔を隠したいけど、力の入らない身体ではどうしようもなく目線を変えることしか出来なかった。クスクスと笑われ、早くその場を離れたいと再び思えてしまう…。

 片付けを終えた女性は、横になるボクを左手で上半身を食べやすい姿勢にし、右手で持ってきたお好み焼きを一口サイズにスプーンで取るとボクの口元にやる。口を少しだけ開け食べ物が入ると軽く噛んでみる…

 

(…美味しい。 肉汁もあるのに野菜の旨みもあって、とにかく美味しいや)

 

 そこからの自分は、腹を空かした魚のように口をパクパクしていた。その様子を見ていた女性はとても嬉しそうに微笑んでいた。次から次に口を動かし、いつの間にかお好み焼き一枚を綺麗に食べ終えてしまった。

 

「ごちそうさまでした」

 

「はい、お粗末様でした。 キレイに食べてくれて心身込めて作った甲斐はあったよ。 さてと、これで家に帰れるね……家の人は?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「色々と訳ありか…言ってごらん?」

 

 理解されるかは分からないけど、ヨイリーお婆ちゃんと同じように話した。到底信じてもらえるわけがない話が、何故ヨイリーお婆ちゃんは信じてくれたのか。人柄か研究員としてかは定かではないけど、普通の一般人には難しいと思う。ボク自身だって、未だに理解は出来ても信じられてないんだから。だから、軽蔑されてもおかしく…

 

「分かった、信じるさ」

 

「えっ…何で?」

 

 予想もしない返答にボクは呆然としてしまう。途方ない話の何処に信用性があるのだろう…

 

「ん〜…私はね、この仕事だからか人の嘘か本当かが分かるのさ。 それは、目…だよ?」

 

「目? それだけで、信じたの?」

 

「それだけだよ? まぁ、後は話の中で旧友の名前が出たのも…そうかもね。 ヨイリーとはねぇ……」

 

(知り合いだったんだ…それに、旧知って二人の間に何があったんだろう?)

 

 目だけで信じた女性は、助けてくれたヨイリーお婆ちゃんと知り合いだったんだ。だから、信じたのかもしれないしヨイリーお婆ちゃんの知り合いの広さに凄さを感じさせられた。それに、楽しそうに語る姿は二人の良さを垣間見たんだ。

 

 この人、ふらわーの店主との出会いになる。ボクが滞在していることをヨイリーお婆ちゃんに連絡をした店主は、何処か影を残しながらも話は進みボクのこれからを相談する。

 決まったのは、戸籍に関してはヨイリーお婆ちゃんがどうにかするらしい。ボクは当分はふらわーのデザート担当にされ本人曰く…

 

「デザートあれば、女性の客足が増えるからねぇ…それに、人と接していれば別の見方も見えると思うよ?」

 

 と、言われ仕方がなくデザート担当することになった。厨房にある幾つかの調理本と睨めっこし、試行錯誤しながらも人気デザートを作るがそれはまた…。

 

 本題はもう一方でありヨイリーお婆ちゃんと話す為、一時的に研究所に来ていた。検査を再度受けた後、ボクは自分の部屋に戻り思い出していた。昨日、自分がした三つの都市でそれぞれの姿で戦い、あのカラフルな見た目とは違い奴等と同じ存在と対峙して圧倒的な力で倒した。

 部屋の扉にノックした後、入って来たヨイリーお婆ちゃんは近くに置いた椅子に座ると優しく語り掛けた。

 

「スバルちゃん、先ずは検査お疲れ様。 身体は健康みたいだけど、話さなければいけないわ。 この先その力と向き合わないといけないの。 その力…ノイズを凝縮した形態は、世界も貴方も危機に晒されるから…」

 

 ヨイリーお婆ちゃんは自分が分かっている部分で語った。

 昨日の出来事は、人類側は想定外だったらしい。カラフルな奴等…ノイズと呼ばれる存在は大きさや姿は異なっている。そんなノイズは決まった場所で出現する場合が多かった為に、今回複数の大都会に同時に近い形で現れたこと。数は一部を除き通常とは遥かに多い数で攻められことで一方的に追い込まれてしまったこと。

 しかし、結果は救世主が現れ窮地を脱した。

 

 次にボクについての話になるが、まだ予測でしかない。

今の身体は健康体なのだが、これからも大丈夫かは不明。人間を電波に変えるなど、通常は不可能に近い……オーバーテクノロジーだ。一人での変身は、直に電波を当て身体を丸ごと変換させるという無茶苦茶理論という。実際、ボクは変身は出来て戦えてはいたけど、解除した途端の積み重なった疲れ出て身動きが出来なくなった。これが最悪の場合、死に至る可能性もあるかもしれないらしい。回避する方法があるとしたら例えば、誰かを代用してやる・特殊な電波生命体か自身が電波に耐性をやるしかない。他にもあるみたいだけど、実用性もなく仮定でしかない。

 

 

◼️◼️◼️◼️◼️

 

 

 粗方調べた結果と私個人の考えからスバルちゃんに説明していく。この少年に酷な話をするのは如何ものかと周りは言われるでしょうね。でも、隠して後になってからバレてしまうより今知った方が全然マシよ…隠すより全然ね。でも、終盤からスバルちゃんが震えているように見えた。酷な話からだと思えた私は…なんて……

 

「分かる範囲はここまでね……どっちにしても、変身は止めた方が……っ!?」

 

 私は近寄ろうとした矢先、突然の光に包まれスバルちゃんの姿は一瞬にしてあの時の姿に変わっていた。突然の変貌に驚きつつも、今聞かなければいけない……スバルちゃんじゃない英雄紅蓮の破壊神に…

 

「紅蓮の破壊神よ、貴方に問うわ。 何の為にこの少年を力を与え縛り付けるの?」

 

 私の問いに答えずに右腕をテレビ画面に向けると、画面が点きある存在と複数の場所が映し出され理解させられる。

 

「…ノイズ、それも幾つもの場所にノイズが現れるなんて…そんな話、知らないわ」

 

 映し出された場所の大半は、都市や田舎町に観光地は分かった。でも、後に映された後半は知らない場所しかなかった。遺跡に研究所に謎のファクターに……絶望は何処まであるというのだろう。

 

『破壊し再生を、終焉を迎え始まりを。 全てはこの者が背負うのみ』

 

 その言葉を最後に、姿を変えたスバルちゃんはその場から消えた。きっと、映し出された場所に向かい戦うのだろう。でも…

 

(全てを背負う…スバルちゃんの話が事実なら、過去も今も未来すら全て背負う事になる。 私の人生を賭けても、その未来だけは…)

 

 

 

 その日の深夜、部屋が光急いで行くと疲れきったスバルちゃんが倒れていた。スバルちゃんに近寄ろうとすると、また光に包まれ消えている。

 

「ノイズが現れたら、即座に向かってしまう。 疲れなど気にしない破壊と終焉の兵器として…」

 

 私が出来るとしたら、あの力をスバルちゃん自身で扱うしか救えない。でも、どうしたら良いのか考えに浸るしかなかった。




次回は年数を少し経ち原作メンバーの一部が登場しますが、今回のふらわーの女性(少し若いバージョン)の通り口調に違和感を感じてしまいます。予めご了承ください。

一部修正及び空欄文調整あり(3月23日)
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