全てを統べる緑谷出久のヒーローアカデミア 作:ハッタリピエロ
あの後僕は家に戻り母さんに自分に個性でないが力が発現したと告げると目を丸くしていたが仙人化した姿を見せると
「よかった~!よかったよぉ~!出久ぅ~!」
「お母さん……」
ちなみに自分が死んだことや異世界を巡ったことは伝えていなかった。言ってしまえば今喜んでくれている母さんを傷つけるかもしれないと思ったからだ。
そんな偽りを持つ自分の言葉でも信じて涙を流してくれている母さんに僕も涙を流した。
母さんはその細い腕で僕を一晩中抱きしめてくれた。
・・・・
出久は今日も山で修行をしていた。
雄英入試までにチャクラや魔力のコントロール、ゴム人間の応用開発や畏れの纏いなどこの10か月でできる限りのことをやろうとした。
「神千切り!」
魔神の炎を纏った手を振るうとそれだけで木々が焼き切れた。
「全反射は……相手がいないと使えないよな……」
メリオダスのもう一つの能力を出久自身も把握していたが使う機会が未だになかった。
それと同時に
「エリザベスか……会いたいな……」
出久が力を受け継いでからとともに与えられた記憶も段々忘れた記憶が蘇るように自分の体験と認識できるようになりそれと同時にその時抱いていた思いも蘇ってきていた。
「ロビン……ヒナタ……氷麗……」
誰もが過去の出久の仲間であり想いつづけた最愛の相手であった。
記憶が戻るとともにその思いも日に日に増していくのであった。
「はぁ……」
『何を黄昏ておるのだ』
「っ!?誰だ!」
『ワシはお前の中にいるぞ』
僕は再び精神を集中させて自分の精神世界に飛び込んだ
『ようやく来たか』
「キミは……クラマ……」
『そうだ。ナルト……いや今は出久だったか』
僕の目の前にいたのは体毛がオレンジに近い赤で大きな九本の尾を持ったキツネだった。
「なんで僕をここに呼んだんだ……?」
『出久よ……ワシはナルトに助けられて……再び人間と向き合うことができるようになった……ナルトが認めたおまえ自身の力になりたいと思っておるが……』
「……?ッ!」
『お前の今の力を確かめねばならん。全力で来い』
これが……クラマの力……!
『どうした?怖気づいたか?はっきり言っておくがそれではナルト……かつてのお前には遠く及ばんぞ』
それと同時に僕の脳裏にクラマと初めて出会った時の記憶が蘇る
「……ッ!そうだな……
(ほぅ……ナルトの記憶が一時的に蘇ったのか気持ちが昂っているのか……ククク……まるであの時の生意気なナルトを見ているようだわ……)
クラマはニヤリと笑みを浮かべて臨戦態勢に入る
『行くぞ!』
クラマが九本の尾を振るわせたが俺はそれを間一髪で避けると
「風遁!螺旋手裏剣!」
自分が今できる最大級の技を放ったのだが……
『ヌゥン!』
クラマが一つの尾を振り払っただけで簡単に弾き飛ばされてしまった
「そんな……ぐっ!まだまだぁ!」
その後も何度も攻撃を仕掛けたが時には簡単に弾き飛ばされ、時には簡単に避けられて実力の差を思い知らされた。
「はぁ……はぁ……」
『どうした?立てないのか?』
「まだだ……僕は……」
だがチャクラに魔力、覇気に体力の全てが切れてしまった
「負け……か……」
『……フッフッフ……ハッハッハ!よくやったぞ!ここまでとは!』
「え……?」
『これほどとは!お前にならワシの力使いこなせるだろう!主に相応しい!』
「え……でも僕負けたんですよ……過去の僕より弱いんじゃ……」
『それは仕方あるまい。体がついていけんのだからな。おまえは経験は受け取ったが体やチャクラ量、魔力に覇気などは本来の力を出し切れていないのだ』
「そうだったのか……でも……なんでですか?」
『敬語はいらんわい。だが質問には答えよう。初めの一撃でワシはおまえを認めていたのよ。分身やワシの力を使わずに初めてで螺旋手裏剣を完成させたその才にな……』
「ははっ……そうか……」
『おまえはナルト以上の才を持っておる……ワシが術の印などを教えればおまえはナルトを超える男になるだろう……』
「そりゃどうも……」
『ハハハハハハハ!!完全にバテテルようだな!!仕方ない。ワシのチャクラを分けてやろう』
クラマが僕に手を翳すと身体にチャクラが流れてくるのを感じた。
体力とチャクラがみるみるうちに回復していく。
ん?でもこれって
「ねえクラマ。魔力と覇気も分けてくれた?魔力と覇気も回復してるんだけど……」
『ワシは魔力に覇気なんぞ持っとらんぞ。恐らくお前のチャクラは魔力や覇気とリンクしているからチャクラと同時に回復したのだろう』
そういうことか……
「ねえクラマ?」
『んん?なんだ?』
「またここに来ていい?」
『いいぞ!ワシらはもう友達じゃねえか!』
友達……か……かつての僕にはなかったものだな……
『じゃあな。また会おう』
「うん!」
僕はクラマとコツっと拳を合わせて精神世界を後にした。
・・・・
あの後母さんに頼まれて買い物にでかけていた。
「あいよ!出久ちゃん!鶏肉100gお待ち!」
「ありがとうございます。おばさん」
「随分と元気いいじゃないか!なにか良い事でもあったのかい!」
「え~とですね……友達が出来ました!」
「そりゃめでたいこった!ちょっと待ちな……ほれ!記念にコロッケおまけしといてやるよ!」
「あ、ありがとうございます……」
「じゃあね!出久ちゃん!頑張ってね!」
僕が肉屋を後にすると
『ふっ……良い人間じゃないか……』
「あの人は僕の夢も昔から応援してくれていた数少ない人だからね……」
『なら体育祭とやらで見せてやれ。あの時とは違うのだということをな』
「クラマ……うん!」
そのままコロッケを口に入れながら帰ろうとした時
『ドォン!』
「なんだ!?」
『出久あの曲がり角の右だ!』
クラマに指示された方向に僕が向かうとそこではサラマンダーのような異形型の男が炎を吹き散らしながら暴れまわっているのが見えた。
「ひゃーっハッハ!こんなもんかあ!?」
とヴィランが吐いた炎が近くにいた子供に襲い掛かろうとした時
「危ない!」
僕の足は咄嗟に動いて少年の前に立つと
「
右腕を振りかぶって全反射を発動させ、男に炎を跳ね返した。
「ぐぎゃあ……!テッテメェ!」
男はこちらに気づくと僕を殺すかの如く睨んだ
「怖いよ……」
僕の後ろでは子供が震えながら近くで焼かれた両親に縋りついていた。
「……これをやったのはおまえか?」
「ああ!?だったらなんだってんだよ!」
「……許さないに決まってんだろ!」
僕は怒りとともに魔神化を発動させた。
闇が僕を包んでいき力が昂るのが感じられる。
「なっ、なんだよそりゃあ……!」
ヴィランが炎が効かないなら物理攻撃とばかりに爪を振るってきたが闇で受け止める
「な、なにっ!?」
「地獄で懺悔しろ」
そして思いっきり拳を振りかざしてヴィランを吹き飛ばした。ヴィランは10メートル先のビルまで跳んで行った。勿論だが殺してはいない
「お母さん!お父さん!」
子供が泣きながら両親に縋りついている
僕の力で治せないのか?と思ったその時
「健やかなれ」
誰かがそう呟くと周りにいたヒーローや市民の火傷がみるみるうちに治っていった。
これは!?
と後ろを振り向くとそこには銀髪の美少女がいた。
「エリザベス……なのか……」
と同時にその美少女が僕に抱き着いてきた
「やっぱり……!メリオダスなのね!やっと……やっと会えた!」
「エリザベス!?エリザベスなのか!」
「はい!メリオダス……いや、今は出久だったわね?出久!久しぶり!」
こうして俺は恋人の一人、エリザベスと再会した。
・クラマ
ナルトの世界に出てくる尾獣の一角で今は出久の中にいる。出久の感じた五感を共有できることから時々好物のきつね揚げを食べさせてもらっている
好きなもの
・ナルトにその家族や友人
・出久
・きつね揚げ
嫌いなもの
・出久を絶望させたオールマイト
・マダラのような人間
・出久をバカにしたやつら(特に爆豪)
エリザベス
七つの大罪の世界で出久(メリオダス)と出会って自らの魔力で世界の扉を開いてきた。出久のことが好き
好きなもの
・出久
・出久の料理
・出久とイチャイチャすること
嫌いなもの
・出久をバカにしていた奴等(特に爆豪)
・命をなんとも思わないような奴等