忘却の偽英雄〈凍結〉 作:かぼすくん
だから怒らないで……?
って事で続きをどうじょ
朝イチで学校にやって来て紙に記された教室の扉を開いた。
案の定俺が一番乗りな訳だが……こんな性格な割にやはりどこかワクワクしている自分も居るようだ。
すると
「あれ、一番じゃなかったかぁ」
「ん、悪いな。まぁ、俺も来たばっかなんだけどな」
「あたし、耳郎響香」
「緑谷出久だ」
耳の伸びた少女、耳郎響香と挨拶を交わし雑談にふけっているとどんどんとクラスメイト達がやってきた。
さすがはヒーロー科最難関の学校なだけあって容姿もキャラも個性的な奴ばっかりだ。
そんな時だった。
「デク……?」
「ん?」
心底驚いたような表情を見せる目付きの悪い男子生徒と目が合った。
何故だか反応してしまい視線を向けたがどうやら俺で間違いなかったようだ。
「悪い、俺は緑谷出久だ。デクって奴に似てたか知らんが俺はデクなんて奴じゃねぇぞ」
「てめぇ以外デクが居るわけねぇだろォが……今の今まで何してやがった……」
「俺、どっかであんたに会ったことあるか?」
「ッッッッッッ!?」
目付きの悪い男子生徒の表情に影が入る。
どこかショックを受けた様子の彼に声を掛けようと口を開いた時だった。
「お友達ごっこがしたいなら他所でやれ。ここはヒーロー科だぞ」
小汚い芋虫がのそのそと教室に入っててきた。
察するに担任か何かだろうが……なんというか教師らしい風貌ではないのは確かだ。
「静かになるまで8秒かかりました。君達は合理性に欠けるね。」
「まず君達はこの体操服を来てグラウンド集合だからよろしく。」
グラウンドにでた俺達に先生は個性把握テストなるものを行うことを告げた。
1人丸顔の少女が入学式やガイダンスなどは無いのかと聞いていたが雄英や教師は自由が売りとの事で無くなった事は確実なようだ。
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横とび、上体起こし、長座体前屈、中学の頃からやってるだろ?個性禁止の体力テスト」
「国は未だ画一的な記録をとって平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だな。」
「入試1位は確か緑谷だったな……中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「70mでした。」
「じゃあ個性使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。」
俺の個性は常時発動型だし……
どんどんとボールを握る腕に力が入っていき筋肉がギチギチと軋む音を奏で始めた。
そしてボールを投げる事で爆発するように放たれた力はボールを遥か彼方まで物凄い勢いで吹き飛ばした。
「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
先生の持つ計測器に記されていた数値は967mと記されていた。
「なんだこれ!すげー面白そう!」
「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!」
「面白そう…か……ヒーローになる為に三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう。」
「はあああ!?」
「生徒の如何は先生の自由……ようこそこれが雄英高校ヒーロー科だ」
一種目目……50m走
「チッ……」
「……?」
俺をデクだと呼んだ目付きの悪い男子生徒と走る事になったが相変わらず態度が悪い。
何故か舌打ちされたことに疑問を感じながらも先生の合図を待つ。
「爆そ……」
「『疾走』」
俺の嘆きと共に俺はゴールに辿り着いた。
結果『1秒03』
「くっ……まさかこの競技で負けるとは……!」
「超速い……どんな個性だろ」
二種目目……握力
横で500なんて数字をたたき出しているやつが居るがパワーに関してはこちらも自信があった。
主に筋力をメインで強化していた為かなりの力を引き出す事が出来る。
結果『630kg』
「さっきの障子よりやばくね?」
「どんな個性だろ」
三種目目……立ち幅跳び
これに関しても
結果『48m』
「なんという脚力だ……」
「あいつすっげぇな……」
四種目目……反復横跳び
どの種目も結局は筋力で物をいわせるものだったので変に小細工をせずに挑んだ。
結果『80回』
その後も個性があまり意味をなさない長座体前屈や持久走をこなしたが持久走が常人を少し上回る結果となった。
こうして個性把握テストは何の異常も無く終わった。
「んじゃ、ぱぱっと結果発表する」
「トータルは単純に各種目の評定を合計した数だ。口頭で説明するのは時間の無駄なので一括開示する。」
このクラスの中から誰かが……
「ちなみに除籍は嘘な」
「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」
「…………」
「これにて本日のカリキュラムは終了だ。書類には目を通しておけよ。」
先生はああ言っていたが恐らく本気で除籍するつもりだったのだろう。
何はともあれ雄英入学最初の試練を乗り越えることが出来たのだった。