2020年
北の守り陸上自衛隊北部方面隊第7師団が消滅した。
大地ごとではなく、第7師団に所属する人員をはじめ、全ての装備がピンポイントに消滅したのである。
発覚直後は、「師団によるクーデターか」とメディアが連日報道し、世間を騒がせたが
いつになってもクーデタが起きる予兆はなく、自衛隊による総力を挙げての捜索を行った。
それでも消滅した第7師団の人員どころか、装備の一つすら発見できないまま
捜索は打ち切りになってしまったのである。
-----カーティス王国近郊
カール地方最大の王国カーティスに程近い川辺に二人の女性がいた。
白色のドレスを着た大人びた女性と、赤色の洋服を着た幼い女性が川原で戯れている。
その二人の様子からしても母と娘といった関係だろう。
母親が娘の手を優しく手を引き川に足だけを入れてとても楽しそうだった。
「ふふ、すごく冷たいわよ♪レイティアもいらっしゃい」
「うん♪」
レイティアは、満面の笑みを浮かべ母親の手を握り足を入れる
その後は、足で川の水を蹴ったり、水をかけ合ったりと母子水入らずに楽しんでいた。
しかし、男の狂ったような笑い声と馬の足音が聞こえてくるなり、母親は娘を抱きしめ
その場にしゃがみ込んでしまった。
そして、森の中から複数の男たちが姿を現し、その女性たちを囲ったのである。
「よう!お嬢ちゃんたち、こんな所で何してるかな~?」
馬から降りてきたリーダー格の男は、ナイフをチラつかせニタァと笑みを浮かべながら女性に近づいた。
周囲の男たちも、ニタニタ笑いナイフや、剣、こん棒などで武装し母親の豊満な体を見つめていた。
「何あなたたち!、、、近づかないで!」
母親は、胸の前で手を握りしめその男に大声をあげた。
その後ろで娘は、怯えて体を震わせていた。
しかし、何の武装もない女性がどれだけ威嚇しようが、男たちにとっては蚊に噛まれたようなものであり、意にも介さない様子で、母親を平手打ちしたのち髪の毛を鷲づかみ引っ張りあげた。
「痛い!、、、、離して!」
苦痛に歪む母親の顔を指先で上げさせ顔を確認すると問答無用で衣服を剥ぎ取った。
母親は悲鳴を上げるが、男は聞く耳を持たず、片手で乳房を鷲づかみ
引き連れていた仲間に見せ付けた。
その瞬間男たちは雄たけびをあげ、母親へと近づいていった。
「あ、、、いやぁ!やめて!お願い!、、」
いきなり襲撃してきた男たちに怯えきっていたレイティアは、男たちの体に埋まっていく母親の顔を
ただ見つめることしか出来なかった。
「、、、レイティア、、、逃げなさい、、むぐっ!?」
そして、完全に母親の顔が男の体に埋まった時、聞き慣れない轟音が響き始めた。
その場に立ち尽くしていたレイティアは、音の聞こえる方へと目を向けた。
そこは森とは逆に平原が広がる方向で、川岸からは、地面が盛り上がっているため何が近づいてきているのは全く分からない状態だった。
母親を集団で犯していた男たちも動きを止め周囲を見回している。
そして、轟音がさらに大きくなった時、盛り上がった地面から、砂煙をあげ
大砲を備えた鉄の塊が姿を現した。
馬車とも言えず、自分たちが知る大砲とも違う得体の知れない塊は、盛り上がった地面を登り切ると、川岸まで走行した後止まった。
「な、、なんだあれ、、、お、おい!陣形を整えろ!」
男たちは、母親を犯すのを途中で止め、武器を取り戦闘態勢をとった。
どれだけ大人数だろうと、敵うような相手ではない事は目に見えていた戦いだったが、
男たちは、その鉄の塊に戦いを挑んだのである。
「まったく、ここに来て早々戦闘かよ汗、、、しかも相手は女の子をレイプしていた盗賊だなんて、
これって俺たちある意味貴重な経験って事なのか?」
砲手である山辺修二やまべしゅうじ1等陸曹の言葉を聞いた北神は、下あごを摩りモニターへと目を移す。
「貴重な経験か、、ここの世界に来たという事自体僕たちにとっての貴重な経験だけど、、僕たちは、これで初めての実戦経験だというのも大きい」
陸上自衛隊北部方面隊第7師団隷下の、第7偵察隊87式偵察警戒車、車長北神健斗きたがみけんと2等陸尉は、盗賊全滅を確認しハッチを開けた。
男たちの亡骸が辺りに転がり、色んな物が焼ける臭いが鼻を突き鼻口を覆い、87式偵察警戒車から降りた。
「こんなのアニメでしか見た事がなかったけど、この剣も、よく出来てるな」
盗賊の一人が持っていた短剣を手に取り、刃先をまじまじと見つめた。
「日本刀に比べれば切れ味は悪いですが、それでも敵を刺殺できる他こうやって投げたりと
主に2タイプの攻撃手段があり、この時代ではそれなりに役に立った武器ですよ」
操縦手である山下智樹やましたともき2等陸曹は、短剣を木に目掛けて投げた。
「なるほど、、、まぁとにかく、本隊に連絡をー、、」
「お母さん!!」
北神が部隊に連絡を入れようと無線を手にしたときレイティアの大声が轟いた。
咄嗟にその方向に目を向けると、全裸で全身傷まみれになっていた母親が横たわっており、そこに駆け寄り体を揺するレイティアの姿があった。
山辺が、「大丈夫ですか?」と日本語で声をかけ、女性に自分の戦闘服をかけ応急処置を始めていた。
「とりあえず、彼女たちを安全なところへ移送し、治療しないと」
北神が、無線のスイッチを入れた。
「こちら2班、、南西方面の川辺にて盗賊と接敵これを撃滅した、尚民間の女性2名を保護、内1名盗賊よりの攻撃を受け負傷、至急回収班を要請する送れ」
「こちら本部了解」
無線での連絡を終えると、すぐさま女性の下に走り寄る。
依然言葉は通じないようだが、自分たちの事を悪い人だとは思っていないようで山辺の応急処置を受ける母親の傍で、涙を流し見守っていた。
そして、応急処置した上包帯を巻き終えた頃、再び轟音を轟かせながら上空よりUH1多用途ヘリコプターが姿を現し、近くへ着陸数名の自衛官が降りてきた。
「担架をここに置いて!、、、」
赤十字のマークが入った腕章をつけた女性自衛官が駆け寄り、ついてきた男性自衛官に指示を出していく。
「お母さん、死んじゃうの?」
その問いに医務隊の女性は、微笑みを浮かべた。
「大丈夫よ、、絶対助けるから」
優しくレイティアの頭を撫でると、母親とレイティアをUH1に乗せ飛び立っていった。
機影が見えなくなるまで見送った北神たちも撤収のため、87式偵察警戒車に乗車その場を後にしたのだった。
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艦これ二次創作製作の合間にちょっとオリジナル小説作ってみたので、
投稿します。
色々ぐちゃぐちゃだけどね汗
さて、艦これ二次創作を再開しますかね♪
こちらは、また機会あれば続編出します。