「うわぁあああああ!!!!!」
夢から覚め、僕は飛び起きた。
どうやら悪夢を見ていたらしい。
背筋が凍る内容だった。
帰宅途中、スマホアプリのパワプロをしながら歩いていたら、そこへ車が突っ込んできて、即死。
夢の中で死んだところで、夢から覚めた。
あれは何だったんだろうか……。
夢にしては、轢かれる感覚とか妙にリアルだったし……。
深く考えても分かりそうにないし、とりあえず身体を起こして学校へ行く準備をしよう。
僕は、
この春で高校一年生になる。
今日はその入学式だ。
新しい制服に身を包み、新しい学校へと向かう。
中学の入学式の時も状況は同じだったが、高校になると少し心境が違う。
「楽しみだなぁ、高校生活」
学校へ到着。
正門のところは新入生で、ごった返していた。
僕の見知った顔は…………。
今のところいない。
まぁ、それも当然か。
僕の出身はここじゃない。
親の転勤の関係で、引っ越してきたから。
貼り出されている名簿を見て、自分のクラスを確認し、教室へ向かう。
「えっと、1-6、1-6はどこだ──あった。」
""1-6""と書かれた教室に入ると、既に半分以上の人が中に居た。
クラスに貼ってある名簿によると、僕の席は──壁から2列目、一番後ろ。
後ろの扉から入って、席に座る。
左隣は空席、まだ来ていないっぽい。
前の席は……。
僕は目を奪われた。
前の席の子は、髪が美しすぎるまでに、真っ白だった。
テレビでも見たことの無いような髪色。
髪の根っこから白だし、おそらく地毛なんだろう。
どんな子か少し気になるし、声掛けてみようかな……。
「あ、あの。後ろの席の久莪です。よろしくね」
僕がそう言うと、
「
彼女はこちらを見ずに、そう答えてくれた。
いや、せめてこっち見てくれよ。
冷たい対応に少ししょげていると、左隣の子が──って、デカっ!
「いきなり""デカい""なんて、レディーに言うかな!?」
「あ、ご、ごめん!」
口に出てたらしい…。
それにしても女の子にしては、本当に背が高い。
間違いなく僕より高い。
おそらく170後半はありそうだ。
「こっちもいきなりごめん。わ、私は
元気そうな見た目と違い、すこし内気そうな太刀川さん。
「僕は久莪虹介。よろしく。」
ちょっと待て、太刀川広巳だって?
彼女とは初対面のはずだけど、僕は彼女の名前に聞き覚えがある。
いや、聞き覚えがあるどころではない。
おそらく、僕は彼女を知っている。
もしかしたら偶然かもしれないし、一応聞いてみる。
「太刀川さんってさ、もしかして中学の時にスポーツとかやってた?」
「野球をやってたよ。ここでも野球部に入るつもり。」
「へぇ、野球部だったんだ。ちなみに、ポジションは?」
「ピッチャーとサード」
やっぱり。確信した。
高身長で筋肉質、そして内気な性格。
ポジションはピッチャーとサード。
彼女は間違いなく””あの””、太刀川広巳だ。
身長176cm。体重72kg。
投手適正に加え、三塁手適正42E。
左投げ右打ち。
打撃フォームはスタンダード1。
弾道2。ミート56D。パワー60C。走力57D。肩力58D。守備60C。
野手特殊能力:バント職人、逆境〇、積極守備。
投球フォームはオーバースロー9。
球速141km/h。
コントロール65C。スタミナ78B。
変化球:カーブ3、スクリュー3、Hシュート3。
投手特殊能力:対ピンチ〇、打たれ強さ〇、ケガしにくさ〇、ノビ◎、重い球、尻上がり、対強打者〇。
僕がパワフェスで一番使用した回数が多いと言っても過言ではないキャラ。
アプリでも一番最初に入手したPSRキャラ。
確率の壁が幾度となく立ちはだかり、金特””怪物球威””を入手できずに涙を飲みながら数多の退部届をだしたこともいい思い出だ。
そんなゲームの中の世界にいる彼女が、なぜ・・・?
今朝起きてから、僕自身に何か変化があったわけじゃない。
今人気の異世界転生をするような出来事だって───
───あった。
一つだけ思い当たる節がある。
それは今朝の悪夢だ。
もし、仮説を立てるとしたら、あの時僕は本当に死んで、そこから転生した。
もしくは、轢かれて脳死状態になり今も覚めない夢の中か。
礼里には、あとから触れます。