黒き二つの影と開催宣言
「あれから10年……長く感じたものだな」
とある国、とあるビルの一室で、椅子に腰を掛けた男が不意にそう呟く。
10年前。
フットボールフロンティアインターナショナル、通称FFIという少年サッカーの世界一を決める大会が行われた事で、サッカーは世界的に大きな変化をもたらした。
なかでも、FFI優勝国である"日本"におけるサッカーの人気は、社会を大きく揺るがすほどの影響力があったほどだ。
少年サッカーの世界一を決める大会。
しかしその大会の裏では、ある男の野望が着々と進んでおり、一部の優秀なサッカープレイヤーとその関係者がいなければ、全世界は危機に落ちていたであろう。
その男の非人道的な行いは、大会出場選手、そして多くの人々に危害を与える結果となり、その後10年、少年サッカー最高の祭典であるフットボールフロンティアインターナショナルは開催される事はなかった。
「ガルシルド・ベイハン……貴方の敗因はサッカーを甘く見ていたからだ。サッカー……いや、サッカープレイヤーをもっと理解していれば、今頃、世界は貴方の手中にあった」
そう口にし男は立ち上がり、高層のビルから見える景色に視線を移す。
「……私は奴とは違う。サッカーを愛し、サッカープレイヤーが如何に素晴らしい存在かを理解しているからこそーーーその力を利用する事が出来る」
暗い室内に差し込む月明かり。夜景を一望する男の後ろでは、あるデータがデスク上のパソコンに映し出されていた。
更にその奥では、古傷が残った顔にサングラスを掛け、白いスーツを着込んだ男がソファーに腰を掛けている。その男は不敵に笑い、サングラスの奥に潜む黒い眼光を窓際に立つ男に向けていた。
暗闇を照らす月明かりと共に輝く夜景を目の前に、男は両手を広げ高らかに声を上げる。
「ーーー時は来た。私は、サッカーという概念を全世界に知らしめるッッ!!サッカーは人の運命さえも左右するのだと、この世界にわからせてやるのだッッ!!!」
全ての準備は整った。
後は実行に移すのみ。
そう言わんばかりに、男は高揚した気持ちを言葉に込め、口にする。
「さあッ!始めようじゃないか!!全世界のサッカープレイヤーの夢であり、憧れの祭典!!この溢れかえった優秀なサッカープレイヤー達の頂点を決める世界大会ーーー
ーーーフットボールフロンティアインターナショナル
◇イナズマイレブンGO3 ソウルビースト◇
【序章】黒き二つの影と開催宣言