イナズマイレブンGO3 ソウルビースト   作:喋る盾

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激闘のラグナロクから一ヶ月

 あの未来人との激闘の日々から早一ヶ月。

 時空最強イレブンを集める旅をした仲間たちはそれぞれの時代へと帰り、それぞれの日常に戻っていきました。

 

 また、その主軸となった雷門イレブンも現代へと帰り、松風天馬キャプテンのもとで、日々サッカーに明け暮れています。

 

 

ーSide.松風天馬

 

 

 ーーーサッカー棟内スタジアム

 

 

 

「神童センパイ!こっちです!」

 

 

 俺は霧野センパイと狩屋のディフェンスで攻めあぐねていた神童センパイに、サイドから飛び出し声を掛ける。

 

 俺の名前は松風天馬。

 雷門中一年でポジションはMF。

 色々と訳あって、前回のホーリーロード……中学サッカー日本一を決める大会の決勝戦前から、この雷門中サッカー部のキャプテンに、一年生ながら務めている。

 俺なんか、前キャプテンの神童センパイのようにキャプテンとしてチームを引っ張る事はまだ難しいけど、チームの皆の協力あって何とかやれていると思う。

 

 今は4対5の攻守に分かれたミニゲーム形式で実践練習をしていて、俺や神童センパイは攻め側でおこなっている。

 

 

「頼んだぞ!天馬!」

 

 

 そう口にした神童センパイから、俺へとパスが通る。

 神童センパイはこの雷門の司令塔であり、MFとして広い視野と正確なパスが強みだ。二人のDFに阻まれていても、ベストタイミングで俺の足元にパスが通る。

 俺はそのまま得意のドリブルで攻め込み、一気にゴール前まで持ち込むーーーその手前で。

 

 

「行かせないぞ、天馬!」

 

 

 三年生の車田センパイが前に立ち塞がる。

 俺よりも2年早くから、この雷門サッカー部でDFとしてやってきた先輩。そのディフェンス力も高く、集中しなければ一気にボールを奪われてしまう。

 車田センパイが前に出るが、俺はそのまま止まらず、更に加速していく。車田センパイと接触する手前で、俺は必殺技を繰り出した。

 

 

『そよ風ステップ…S!』

 

 

 俺は風を纏って車田センパイの手前で体を捻り、最大まで進化したそよ風ステップで抜き去る。

 抜き去ってすぐ、同じく三年生の天城センパイがカバーに入った事で進路を閉ざされてしまうが、サイドから上がる人影が視界に入り、咄嗟にそちらへパスを出す。

 

 

「剣城!頼んだ!」

 

 

 あいつはこの雷門で一番のキック力を持ち、エースストライカー筆頭の一年生FW、剣城京介。

 元々敵としてこの雷門に来たんだけど、最後はチームとも和解して、今では一番頼れるストライカーとして皆信頼している。

 

 

「ああ、任せろ!」

 

 

 俺から剣城へのパスは上手く通り、ゴール前フリーの状態でキーパーと1対1になる。

 キーパーが構える中、剣城は不敵に笑い黒いオーラを纏わせる。

 そのオーラは黒き翼となり羽ばたく事で、剣城はボールと共に空中へと移動する。そのまま翼と化したオーラをボールに纏わせつつ、体を捻り、必殺技シュートを撃ち出した。

 

 

『デビルバースト!でぇぇりゃぁあ!』

 

 

 強大な黒いオーラを纏ったボールはゴールへと向かう。

 相手のGK……現雷門の正GKである三国センパイは、拳を合わせてオーラを集中させ、両手を一気に広げる。

 纏ったオーラは巨大な手として形成され、剣城の必殺技シュートに向かって一気に突き出した。

 

 

『うぉぉおおおお!真!無頼ハンドォォ!』

 

 

 強大な必殺技同士が激突する。

 真まで高めた無頼ハンドで堪える三国センパイだが、剣城のシュートの威力に徐々に押されていく。

 

 

「ぐ…ッ、う、うわぁぁぁああ!!」

 

 

 バリィィンッ、という音と共に、三国センパイの無頼ハンドが粉砕する。

 守る盾を失ったゴールに剣城のシュートが突き刺さり、得点が入った。つまりこのミニゲームは、攻め側の俺たちの勝利だ。

 俺は得点を決めた剣城のもとに駆け寄り、手を上げる。

 

 

「やったな、剣城!やっぱり凄いよ!お前のシュート!」

「……フッ、当然だ」

 

 

 パンッ!と俺と剣城の手が重なり、ハイタッチをする。

 最初の頃は確かに敵同士で、互いに衝突していた時もあったけど、ホーリーロードや未来での戦いを経て、コイツとは信頼し合える仲間になれた。そんな気がする。

 そんな俺たちの所に神童センパイ、そして今回はベンチで控えてた信助も近づいてくる。

 

 

「あそこでパスは良い判断だったぞ、天馬」

「うんうん!それに、剣城のシュートも前よりパワーアップしてたよね!僕も負けてられないなぁ」

 

 

 と、キーパーの構えを取りながら、意気込むように口にする信助。

 信助は俺が雷門に来て初めて出来た親友で、それこそ最初の試合からずーっと一緒にサッカーしてきた大切な仲間だ。

 信助は最初、DFとしてプレイしてたんだけど、そのジャンプ力、瞬発性から三国センパイにGKを勧められて、次期雷門の正GKとして特訓してるんだ。

 先の未来での戦いでも、時空最強イレブンのGKとして、ゴールを守っていたりもする。

 

 

「そうだな。皆未来での経験を活かして日々進化している。これなら、来年のホーリーロードも安心して任せられるな」

「確かに。特に時空最強イレブンだった天馬くんや剣城くん達は一皮剥けたって感じですよねー。……まあ、あの強力な時空最強イレブンの力を手放しちゃったのは惜しかったなーとは未だに思いますけどねー」

 

 

 俺たちの所に三国センパイや狩屋も来て、そう口にする。狩屋は頭の後ろに手を置き、嘆息しつつ、といった感じだ。

 狩屋の言う"時空最強イレブンの力"と言うのは、未来からやってきたフェイやワンダバと共に、過去の各時代、未知の世界から時空最強に当てはまる人物、動物、存在のオーラを融合させる【ミキシマックス】という未来の技術によって得た力の事だ。

 未来での最強チームとの戦いに無くてはならない力で、あの力がなかったら、未来の世界も救えなかったし、俺たちの大事なサッカーも失われていたかもしれない。

 

 

「まだ言ってるのか、狩屋は。もうその話は天馬や神童、皆で決めた事だろ?俺たちはあの力を、サッカーを守る為に、歴史上の偉人や各世界の人や生物から借りていただけなんだ。自分たちの力じゃないモノを普段のサッカーで使うわけにはいかないんだ」

 

 

 そう狩屋に言ったのは霧野センパイ。同じく時空最強イレブンのメンバーとして、歴史上の偉人とミキシマックスしていた中の一人だ。

 霧野センパイが言ったことは事実だ。

 俺たちは未来での戦いが終わった後、ワンダバに頼んで、ミキシマックスのオーラを全員身体から解除してもらった。

 あれはあくまでサッカーを守る戦いの為に借り受けていた力だから、普段のサッカーで使うのはおかしいと感じていたからだ。

 勿論、オーラの取得の際に得た化身アームドや各技量、技術は残っているが、もう時空最強イレブンだったメンバーの中にそのオーラは残っていない。

 

 

「わかってますよー。少し勿体ないと感じてるだけですって」

「まあ、あれは未来の技術であって、本来俺たちが得て良いものではないからな」

「それを言ったら、化身アームドも結構先立った力だとは思いますけどね?」

 

 

 アハハ、と、信助の一言で全員吹き出す。

 

 ーーーやっぱり、サッカーは良いな。

 

 今まで決められた勝敗で戦う現状を突き付けられたり、いきなり未来人が来てサッカーを消去されそうになったりと色々あったけど、こうして普通のサッカーで皆笑顔になれる。そんな何気ない雰囲気が一番好きだ。

 これからも雷門サッカー部は続くけど、このメンバーで一緒に、サッカー続けられたら良いなーーー。

 

 

 

「皆ー!今日の練習はここまででーす!」

「しっかり汗拭いて、水分補給しろよー!」

 

 

 そんな事を考えていると、マネージャー達から練習終了の声が掛かる。

 皆がベンチに戻る中、俺は少し遅れてマネージャーや監督の待つベンチへと足を歩めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーその翌日。

 雷門サッカー部にある一報が届くのだが、この時の俺はまだ知る由もなかった。




ここまでが序章です。
作者の勢いと自己満足の作品ですが、よろしくお願いしますm(_ _)m

今作は色々と自己設定が多くなる事が予想されますが、まず初めはミキシマックスについてですね。
これらは本編に書いたことまんまですが、今後この作品でミキシマックスだけは使う予定ありません。あれはサッカーを守るために使った力、それだけでいいと思います。

また些細なことですが、天馬の神童に対する呼び方は、神童センパイで暫くは行くと思います。
ギャラクシーでは序盤から神童さんと呼んでいましたが、まだこの時点ではセンパイ呼びの方が良いかと思い、このようにしています。

次……の投稿が無事にされれば、次回から第一章となりますが、まだいきなり世界挑戦!とはなりません。
少し話を挟んでから、代表選考からやっていきたいと思っています。

それではまた次回に。
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