異世界の・・・ではなくて日本の乳神が登場し、リアス部長のおっぱいをスピーカー代わりにして俺達にも聞こえる形で語り掛けてくる
≪さぁ、今此処に『おっぱいドラゴン』に私の加護を授けましょう≫
「な、なんだか分からないけどこの状況を打開できるなら何でもいいや!では日本の乳神様!早速俺にその加護とやらをお与えください!」
この聞こえる先であるリアス部長の胸をギンギンに凝視しながらもイッセーが加護を貰おうとする
しかし乳神からの返答は予想外のモノだった
≪いいえ、私が加護を与えるのは貴方ではありません≫
え?如何いう事?今確かに『おっぱいドラゴン』に加護を与えるって言ってたのに
「そ・・・それは如何いう意味なんですか?」
≪確かに貴方も『おっぱいドラゴン』です―――ですが、『おっぱいドラゴン』と呼べるだけの存在は本当に貴方だけなのですか?≫
乳神の言葉に俺は得心がいった
確かにその称号を名乗れそうなのが一匹居たな
「イッセー。もしかしてお前の使い魔の竜子の事なんじゃねぇのか?」
ピー乳を生産している多分グレモリー眷属一の働き者兼稼ぎ頭というギャスパーの立ち位置を奪い取った奴がね
乳神も俺の予想を肯定してくれた
≪その通りです。私は貴方の使い魔にこそ加護を与えましょう。さぁ!叫んで下さい!『サモン・おっぱい』と!!今なら私の加護の下、この天界でも召喚出来るはずです!≫
「いや、それはリアスと云うかスイッチ姫を召喚する時の・・・ええい!ツッコミ入れてても仕方ねぇ!さぁ来い竜子!―――サモン・おっぱぁぁぁぁいッ!!」
イッセーの叫びと共に使い魔召喚により魔法陣から久しく見ていなかったその巨大な姿が現れた
そう。『樹木の特性を持つドラゴン』が此処に降臨したのだ
≪良いですか?元来の私は女性の乳房に見える樹が祈りによって神格として昇華された者です。神としての格は低い方ですが貴方の使い魔の齎したピー乳によって私の霊格も上昇し、こうして直接的に加護を授けられるまでに為りました≫
そう云えば異世界の乳神の精霊も異世界の乳神の力も増しているって言ってたから、この世界の乳神もその恩恵を受けていても可笑しくないか
≪世の女性に乳を授ける存在である私と赤龍帝の使い魔は親和性が非常に高いのです。今此処に、貴方の使い魔を新たな高みに誘いましょう!≫
おっぱいで樹木だもんね。加護の一つや二つ授かっても可笑しくないよね!(こんらん)
リアス部長の胸の光が指向性を持ち、その先に居た竜子を優しくも力強く包み込む
『シャギャアアアアアアアアアアアア!!』
竜子が吼えるとラードゥンの足元から竜子のものであろう根っこが生えていき、ラードゥンに素早く絡みついていく
「ッく!私の結界の遥か下層、第一天にまで根を伸ばして回り込みましたね!しかしこの程度の拘束がなんだと言うのですか!」
確かに、基本は動かないで結界で戦うラードゥン相手に『まきつく』なんてしても特に意味は無さそうだけどな?
疑問に思うが而して変化は直ぐに訪れた
「なっ!?私の結界が崩れてゆく!?っく、何故だ!これに絡みつかれると力が上手く錬れない。一体なんだと言うのだ!!?」
そう云えば竜子の触手にはそんな特性も有りましたね。恐らくは乳神の加護の力でブーストも掛かってるんだろうけど、当時から一度捕まえれば上級悪魔のリアス部長や朱乃先輩の魔力を完全に無効化してたと考えるとヤベェ力だよな
そして程なく俺達とラードゥンを隔てる結界は崩れ去った
そしてその隙を逃さず竜子が最早全身に触手(根っこ)が絡みついたラードゥンに突貫して行き、竜子の本体ごとラードゥンに覆い被さり彼の姿を隠していく
そう、まるで吸収し同化するかのように・・・ドラゴンであり樹木という存在自体は極めて近い性質だからこそかな?
元々竜子自身も
「や、止めろオオオ!!私の・・・私の中に侵入って来るナァアアア!!?」
幹(胴体?)の僅かな隙間からラードゥンの焦りを含んだくぐもった声が聞こえて来る
当然の事だがこの場にラードゥンを助けようとするような輩は居ない・・・というか如何すれば良いのか判らないから傍観するしかないんだよな
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛オ゛オ゛オ゛オ゛お、お、お、おっぱぁぁぁぁいいい!!」
ラードゥンの悲鳴が変化していく―――竜子の中に蓄えられている莫大な
「おっぱいが!おっぱいが襲い掛かって来るゥゥゥ!!右も左も前も後ろもおっぱいだ!おっぱいの・・・おっぱいの津波に飲み込まれるゥゥゥ!!」
何だか凄い事になってるな―――乳力の中に浸ってるような状態だからか?
仕方ない。助け舟を出してやるか。抵抗されて時間を掛けられても面倒だし
俺は竜子に近づいて幹の中心に在る紫の宝石のような核のような場所に囁いてやる
「ラードゥン。乗るしかないだろう?その
逆に考えるんだ。受け入れちゃっても良いさと
「ああ・・・そうだ・・・こんな硬いだけが取り柄の私なんかをこのおっぱい達はこんなにも優しく柔らかく包み込んでくれるのだな・・・そうだ。一体何を拒む必要が在ったというのだろう・・・ああ・・・おっぱい・・・おっぱい・・・おっぱい・・・おっぱい・・・」
ラードゥンの意識がおっぱいの海に溶けていったようだ
最後におっぱいエコーを残してラードゥンは完全に竜子と同化したらしい
≪邪龍、ラードゥンは元々黄金の果実の守り手。これから先は竜子の力としてピー乳の守り手としてその力を振るって貰いましょう。更に龍王クラスのラードゥンの力を取り込んだ事により竜子自身もピー乳の生産量が上昇しているはずです・・・これまでピー乳は需要と供給が釣り合っていませんでしたがコレによりもっと多くの人々におっぱいの御利益が齎されるでしょう≫
さいですか・・・それにしても乳神様もやるな。竜子に加護を与えてこの状況を打開する手助けをするのと同時に世の女性に乳を齎す事で己の信仰の強化にも役立てようとは
「・・・確かに今までは竜子にフル稼働して貰っても各勢力のトップ層か上級悪魔の中でも位の高い家が優先されていたのが現状よ。位の低い家の者は予約待ち状態だったものね」
「あらあら、うふふ。今までは生産量に対するクレームが多かったですが、それも少しは改善されそうですわね」
竜子の齎したおっぱい
『おっぱい
「と云うか俺はイッキの容赦の無さにドン引きだぜ。限界状態だったラードゥンに対するあの呟きは悪魔の囁きだろう」
何を言う。何事にも諦めが肝心な時は有るものだ
この世界でおっぱいの奇跡が起こったら抗っても良い事なんか無いんだよ(達観)
なんにせよコレでラードゥンの件は見事に片付いた訳だ
俺は未だに聖槍を掲げた状態で固まっていた曹操に近づいてその肩に手を置く
「曹操。ネタキャラ化おめでとう。その看板はきっと一生付いて回るぞ」
「有間一輝・・・キミはもう少し優しい言葉を掛けられないのかい?」
曹操相手に慰めてどうするよ?
「よ、良し!兎に角ラードゥンは居なくなった(?)んだ。先に進もうぜ!竜子、お前は素早く動けないしこの門を守れ!近づく邪龍は全部結界で押し潰しちまえよ!」
『シャギャ!シャギャアアアアアアアアア!!』
イッセーの指示に返事をする竜子
これでこの門周辺の安全はほぼ確保されたかな?
第二天で戦ってる天使の方々もある程度は戦い易くなっただろう
「じゃあ皆。先に進もうか」
そう言って一歩を踏み出そうとしたらイッセー達に止められた
「待て待て待てイッキ。なに普通に曹操と並んで走り出そうとしてるんだよ。そいつはテロリストで敵なんだぞ?今は帝釈天の下に居るってのは聞いてるけど一緒に戦えるかってんだ」
見ると皆も結構微妙な表情をしているな
「そうは言ってもなら如何するんだ?曹操が此処に居るって事は帝釈天の使いとして来ているんだろ?仮にもそんな相手を拘束する訳にもいかないし、曹操は強い。なら監視の意味も込めて一緒に居るしかないだろう?」
実力的にそこら辺の天使たちに曹操は任せられないだろうしな
「いや・・・うん。そうだな。今は先に進むのが先決か」
不承不承ながらもなんとか曹操の同行を飲み込んだようだ―――イッセーも大分切り替えが出来るように為って来たな。もう少し以前のイッセーならここで「でも!」とか言ってただろう
「はぁ・・・初めてオーフィスが訪問してきた時もイッキは直ぐに受け入れてたし、その割り切りは何処から来るのかしらね?まぁ良いわ。曹操、可笑しな真似をしたらその場で消し飛ばすわよ」
「っふ、少なくとも今は敵対する気など無いさ。帝釈天の下で働いては居るものの英雄としての在り方を否定され、今の俺は自分探しの真っ最中でね。こんなスカスカの身の上でキミたちに挑んだ処で一蹴されるのが関の山さ。だが少なくともクリフォトと戦う事だけは英雄・・・いや、人間として間違ってはいないと思っている。今の俺の敵はクリフォトだ。この答えでは不満かい?」
「相変わらず持って回った言い方ね。やっぱり貴方の事は苦手だわ」
俺とイッセーとリアス部長も曹操の同行を許した事で他の皆も無理矢理納得したようだ
なんにせよ少しでも戦力を増やして皆で先に進めるのは良い
何せ相手は仮にも超越者だしな
リリスは積極的に参戦しないとしても、用心の為にね
それに原作だと皆が倒されてアーシアさんがリゼヴィムにビンタされてファーブニルがキレるって感じだったけど、普通に考えてあのビンタもご都合主義過ぎるし・・・ディオドラの時に原作アーシアさんが次元の狭間に跳ばされて即帰還並みの幸運だけど生憎そんなものに頼りたくはない
俺がリゼヴィムの立場なら最低でも内臓かき回す腹パンをキメて吐血させる程度はするだろうに、アイツの悪意って本当に稚拙でブレブレだよな
「―――ッ!何でしょうか?今、凄い悪寒がしたのですが・・・」
「なに?大丈夫かアーシア!またアーシアを狙うヤツでも居るってのか!?」
「い、いえ。済みませんイッセーさん。少し緊張していたのかも知れません。早くイリナさんのお父さんを助けに向かいましょう!」
なんかアーシアさんが身震いしてたけど俺の所為じゃないよね?
門を抜けて第三天の中央通りを抜けて第四天の門へ続く道を走る
「・・・妙だね。クリフォトはこの第三天から侵入したそうだけど邪龍達の姿が殆ど見られない」
散発的に襲い掛かって来る量産型邪龍を数体屠ったところで祐斗が訝しむ
映像でアグレアスから羽虫のように湧き上がって来ていた邪龍の様子が見られたのでこの階層が一番敵の数が多いと踏んでいたのだろう
「敵が手薄なのは良い事です・・・今の内にイッキ様と黒歌さんだけでもアグレアスに侵入・・・は危険だとしても発信機の術式を仕込んだりは出来ないのですか?」
レイヴェルの意見は最もなんだけどな。天界を守る為という大義名分の下、アグレアスに【じばく】特攻しても良いんだけど、その意見を黒歌が否定する
「にゃははは。確かにレイヴェルの言うように出来れば良いかも知れないけど、それは無理そうにゃ―――アグレアスはもう居ないっぽいしね」
「だな。まぁ気配を探る限り
「逃げ出した?それって如何言う・・・」
イッセーがそこまで疑問を口にしたところで俺達の前に黒と金色の混ざった髪をした男が立ち塞がった。その姿を認識した皆はそこで足を止める
「クロウ・クルワッハ!此処で出て来るのね!」
「久しいな『D×D』の諸君。ククク、長く生きてる割にお前たちとの再戦は待ち遠しかったぞ」
吸血鬼の町では俺と黒歌にレイヴェルはコイツとは戦わなかったんだよな・・・あと、曹操も
だが戦いが始まろうとする前にもう一人この場に現れる人物が居た
「おや~?結構良いタイミングで来れたのかな?」
それを見たクロウ・クルワッハは更に嬉しそうな笑みを浮かべてその男を見る
「天界の
「ありゃりゃ、話には聞いてたけど本当にヴァーリどんと似たタイプなんだね」
デュリオも戦意の籠った目を向けられて困った表情だ
「俺も
「解き放たれた量産型邪龍とかは自分たちの帰るべき本拠地が無くなろうが関係ないからな。正しく消耗品な訳だし」
死ぬまで戦って塵となればそれで良しって事だ
「此処は天国だ。折角現世でのお役目を終えた魂たちが静かに暮らしてる場所だからさ。荒らされる訳にゃあいかんのよね。一応訊くけど戦わないって選択肢は無い?」
「
そう言って拳を構えるクロウ・クルワッハを見てデュリオさんは覚悟したように息を吐く
「そうかい。でもこっちもキミ一人の為に全員で掛かるのは悪手なんでね。ここは一つ、俺―――「と、俺が残るよ」・・・イッキ君?」
自分一人でクロウ・クルワッハを足止めしようと言おうとしたデュリオさんの言葉に被せて俺も一緒に残る事を提案する
「分かったわよ。こっちはイッキとそっちのジョーカーに任せるにゃん」
「では皆様。先に進みましょう」
「イッキ先輩はこういう時に意味も無く割り込む人ではありません。考えが有ると思います」
黒歌達の俺への信頼度がむず痒くも嬉しいものだな。少し口元がニヤケそうだった
「そうね。白音たちがそう言うなら問題無いわね」
リアス部長も同意してくれたな
「さて、クロウ・クルワッハ。そういう訳だけど俺とデュリオさんだけじゃ不満か?」
「よく言う。お前たちからは一分の隙も見当たらない。俺が他の奴らに無駄に攻撃を仕掛けようとすれば下手をすれば首が飛ぶだろう―――良いだろう。行け」
クロウ・クルワッハは俺達に第四天へ続く道へのルートを開ける
皆もクロウ・クルワッハが変だけど基本は素直な性格なのを解っているからか警戒しつつも横を通り過ぎて行った
「今更だけどイッキ君は行かなくて良かったの?」
「接近戦が苦手なデュリオさんには前衛が必要でしょう?相手は殴り合いが大好きなドラゴンですよ。それに、皆の下へはクロウ・クルワッハが退いた後で向かいますよ」
俺のセリフが聞いていたクロウ・クルワッハは面白そうといった表情になる
「ほぅ。この俺を退けられると言いたいのだな?」
「さて?如何だろうな?」
原作ではデュリオさんが一人で戦ってたけど実力差は歴然だし、クロウ・クルワッハが止めを刺さずに戦いを切り上げても消耗しきったデュリオさんがはぐれ邪龍とかに襲われたりしたら目も当てられないからな
「全く、『D×D』のリーダーとしていっちょ『ここは俺に任せて先に行け!』って恰好付けたかったんだけどな。でもイッキ君が一緒なのはやっぱり心強いよ―――さて、天界での
デュリオさんは10枚有った純白の天使の翼を広げてオーラを高める
「
眩い金色の光がデュリオさんの全身を包み込むと次の瞬間には10枚の翼を12枚に増やし、翼の色もセラフのメンバーと同じ黄金に変わる。頭の上の天使の輪も四重になっているな
そして周囲一帯を巨大なシャボン玉が包み込み、俺個人もシャボン玉に包まれた
「『
この俺一人分だけ包み込んでいるシャボン玉はそういう理由ですか
「でも、その前に先ずは閉じ込められないか試しておこうかな」
デュリオさんがクロウ・クルワッハに手を向けると彼の全身を俺を包んでいるようなシャボン玉に包まれ、次の瞬間シャボン玉の中に雷・炎・氷・風・水とあらゆる属性の嵐が吹き荒れた
もはやシャボン玉の内側が如何なっているのか見るだけではよく判らない感じになったが直ぐにそのシャボン玉が"ドムンッ!"と中から殴られたように変形しその現象が連続で起こるとシャボン玉は耐え切れなくなったのか内側から弾けとんだ
中から拳を突き出した体勢で現れたクロウ・クルワッハは見たところでは無傷のようだ
炎や雷のような属性ダメージは斬撃とかよりも持続的に攻撃を当て続ける事で最大の威力を発揮するものだからな
クロウ・クルワッハにダメージを通すにはもっと長時間当て続けないとダメなのだろう
「う~ん。このシャボン玉が壊されたのは初めてだよ。仮にも今は天界の危機で俺の
天界の危機だと
今のデュリオさんは
「でも効果が無い訳じゃないですよ。クロウ・クルワッハを一瞬でも身動きを止められるなら
「それは大丈夫だよ。イッキ君を包むソレは俺の攻撃が届かないようにする領域・・・境界線に過ぎないからね。その代わり彼の攻撃も普通に届いちゃうけど」
それは仕方ない。クロウ・クルワッハにこそシャボン玉は普通に壊されたけど相手を閉じ込めて、相手の攻撃を防ぎ、味方の攻撃を阻害しないなんてのは流石に都合が良すぎるからな
デュリオさんが高速でシャボン玉の性質をその瞬間瞬間に合わせて変更出来たら良いんだけど、多分それクロウ・クルワッハに勝つより難易度高いわ
そうして俺も
「来い」
俺達の準備が整ったのを見たクロウ・クルワッハの告げたその短い言葉を開始の合図にして超巨大シャボン玉の領域内に
俺と術者のデュリオさんだけは平気だけどな!
だがクロウ・クルワッハも碌に視界も利いていないだろうに俺が攻撃を加えると剣の腹の部分を拳で弾いたり避けたりして受け流していく
デュリオさんも天候操作以外にも天使の光力で槍を創り出してホーミング能力で俺に当たらないように様々な角度から突き刺そうとするがそれも同じく拳や蹴り、時には片翼だけ出して羽ばたかせてそれらの攻撃を打ち砕いて行く
「仙術使いでも無いのによく全部の攻撃が解るな!」
「なに、ただの勘だ」
勘かよ!勘であの精度って可笑しくね?
こっちも一応嵐に紛れて姿と気配を誤魔化しながらのヒット&アウェイ戦法取ってたんだけど
すると何度かの衝突の後で俺が攻撃を仕掛けて間合いから外れるように動いた時、クロウ・クルワッハはピッタリと張り付くように追従して来た
「貴様の周囲にこの鬱陶しい嵐が無いというのであればもう逃がさんぞ。それにこれ程近くに寄れば大剣を振るう事も出来まい?」
単純なスピードでは俺を上回るクロウ・クルワッハに拳で闘り合うレベルの距離まで接近された
確かに剣というのは柄に近い部分である程力が乗りにくい
此処で徒手空拳に切り替えても良いんだけど出し入れできる神器と違って掴まれるリスクが高まるし何より
俺は迫りくる拳の片方を
「遅い!」
だが間合いの広い剣で攻撃をしようとしてもワンテンポ遅れてしまうので余裕を持ってクロウ・クルワッハに振り下ろす刀身の柄近くを掴まれた
速度の乗ってない攻撃などクロウ・クルワッハの鱗を裂く事など出来ないからだ
それを見た俺は薄く笑みを浮かべる
「―――ッツ!?」
「『第二秘剣・裂甲』!!」
全身の筋肉のバネの反動を利用してゼロ距離でほぼ動けない体勢からでも放てる寸勁技だ
加えて【一刀餓鬼】の修行で全身に行き渡るオーラの移動速度も以前よりもスムーズに為っているので攻撃する瞬間にクロウ・クルワッハが掴んでいた箇所にオーラを一点集中させた
咄嗟に掴んでいた右手を放して俺から距離を取ったクロウ・クルワッハの掌は確かに斬られて血が流れている
そして俺から距離を取るという事はデュリオさんの操る嵐にまた包まれるという事
「ふん。無傷だった先程とは違って傷口から雷などは体内によく通るようになったな」
「いや~。邪龍さん。それ、体内から雷で焼かれてる人の態度じゃないっスよ」
デュリオさんのツッコミに同意だわ。だって顔色一つ変えて無いんだもん・・・いや、訂正する。何だかさっきよりも嬉しそうだ
「だが解せん事も有る・・・が、このままでは落ち着いて話も出来んな」
そう言うとクロウ・クルワッハは上を向くと人間の姿から首から上だけドラゴンの姿に戻してアホみたいな威力のブレスを吐き出した
そのブレスはデュリオさんが最初に張ったこの周囲一帯を包む超巨大シャボン玉を破壊する
ないわ~。イッセーのクリムゾン・ブラスターがちょっと強めの水鉄砲程度に見えるわ~
クロウ・クルワッハの一撃?消防車の放水並みだろ、コレ
「さて有間一輝。お前は何故本気で戦わない?」
首を元に戻して完全に人間形態になったクロウ・クルワッハが疑問を投げかけてくる
「お前には邪気を纏う事で戦闘力を引き上げる技が有ると聞いた。それを使っていれば先程俺の掌を切り裂いた時ももっと深く切り裂けたであろうし、その前に攻撃を加えていた時もかすり傷程度は俺に与えられたはずだ」
まぁ訊かれるよな。戦い大好きドラゴンならなおの事
「クロウ・クルワッハ。此処は何処だ?」
俺の突然の質問にクロウ・クルワッハは訝しむものの素直に答えてくれた
「む?天界だな。キリスト教圏において天国と呼ばれる場所だ」
「そう、此処は天国だ―――天国ってのは聖域なんだ。清浄な気で満ちていて邪気の類は一切無い!在っても直ぐに天国というこの場所自体が浄化させちまう!」
「え・・・待ってよイッキ君。それって詰まり・・・」
デュリオさんが凄く何とも言い難い表情を浮かべる
「ご推察の通りってやつだ!俺にとって天国は
今の俺は『あまごい』中に繰り出すヒトカゲ(炎タイプ)や『にほんばれ』中のゼニガメ(水タイプ)のようなものなのさ!
「天界で強化されてる
人間が一度は夢見る神聖領域である天国がホームグラウンドなデュリオさんとアウェイな俺・・・畜生。自分で言ってて泣けてくるぞこの野郎!
「・・・イッキ君。今度何か甘い物でも奢るから元気だしなよ」
近くに居たデュリオさんに慰められた
べ、別に気にしてねぇし!
一同微妙な空気になりながらも俺達とクロウ・クルワッハの戦いはまだ続いて行くのだった
竜子は龍王クラスに進化しましたねぇ。いや~、一気に戦力アップですよ!
フィールド効果・・・ただし弱体化
天国では本気が出せない主人公君でしたww