転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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明けましておめでとうございます。

正月休みならやる気が出るかと思えばそんな事は無かったですorz

良ければ最後までお付き合い頂けると嬉しいですww


第四話 変革の、弊害です!

九重が遊びに来て休日を挟んでから本格的に三学期が始まった

 

今は特に部活でやる事も無かったので雑談タイムだ

 

元々この後の悪魔の活動をする隠れ蓑的な意味合いも有ったし、文化祭が近い訳でも無いからリアス先輩の時代からまったりとした時間を過ごす事は多い

 

アーシアさんも「私が部長(リーダー)になったからにはコレをやりましょう。付いてきなさい!」ってタイプでもないしな

 

今日も今日とてゼノヴィアとイリナさんは別の空き教室で生徒会選挙の意見を出し合っているそうだし、部長のアーシアさんも授業の合間とかは積極的に意見を出したりしているみたいだ

 

まぁアーシアさんだけでなく教会トリオが揃ってる為か「讃美歌を皆で歌いましょう!」とか「演説を聞いてくれた方には漏れなく聖書進呈」とか「頭に油を注いであげる」とか変な方向に話がぶっ飛びそうになるのを桐生さんが軌道修正してるようだ・・・マジでお疲れ様です

 

「―――それでお兄様のレーティングゲームの復帰戦のお相手になんとあの王者、ディハウザー・ベリアル様とのマッチングが叶いましたのよ!」

 

今はレイヴェルがライザーの引きこもりが治ってから初のレーティングゲームの公式戦にトップを独走してる冥界の人気者との対戦が決まったという事を嬉しそうに報告している

 

「マジか!?よく王者とまだ新人とも言えるライザーさんの対戦なんて組まれたな」

 

イッセーが驚いているがライザーも公式戦では10回しか戦ってないんだからベテランとは確かに言えないよな

 

「ええ、正直お兄様が勝つのは不可能と言っても良いですわね。実力・・・レートが離れすぎている場合は基本的に対戦が組まれる事は無いのですが、今回はお兄さまの復帰戦祝いとディハウザー・ベリアル様の人気番組である『皇帝ベリアル十番勝負』を掛け合わせたもので、エキシビションマッチに近いものですわね」

 

「『皇帝ベリアル十番勝負』?・・・ああ~、そう言えばリアスが最近よくその番組を録画しなくちゃって忘れないように呟いてる姿を何度か見たなぁ」

 

レーティングゲームの覇者になるのが夢のリアス先輩でしかも最近まで冥界の娯楽はレーティングゲームが大半を占めてたみたいだからな

 

兄であるサーゼクスさんは眷属も含めて最強と言われてるみたいだけど魔王でレーティングゲームには出場できないらしいし、もしかしたらリアス先輩はディハウザー・ベリアルの影響でレーティングゲームの覇者という夢を持ったのかも知れない

 

「我がフェニックス家としてもお兄様の復帰を宣伝するのにこれ以上最適な場は有りませんでしたからね。お父様もお兄様も話が舞い込んできた時は『是非に』と飛びついたようですわ」

 

そうしていると祐斗が黙ったままの俺が気になったのか話し掛けてきた

 

「イッキ君。さっきから静かだけど如何したのかな?」

 

「―――ん。ああ、いや、王者との試合が組まれた事に関しては昨夜ご本人から通信で散々自慢されたもんだからちょっとね」

 

一応嘘ではない

 

ライザーから「レーティングゲームの絶対王者と戦える事が光栄」だとか「勝てぬまでも最後まで喰らい付いて不死鳥としての矜持を冥界に魅せ付けたい」だとか「ついでにお前よりも有名になってやる」だとか延々と3時間くらいは聴かされたからな

 

それを伝えると祐斗も苦笑いだ

 

「それは・・・大変だったね」

 

「お兄様がご迷惑をお掛け致しましたわ・・・」

 

途中で部屋に入って来たレイヴェルが事態を収束させてくれなかったら恐らくあと2時間は終わらなかったんじゃないだろうか?

 

しかし、俺が気にしているのはそこでは無い

 

原作通りならライザー戦ではディハウザーとの戦いでライザーとレイヴェル、ついでに王者も一緒に試合中に行方不明になっている

 

真相としては王者が試合で故意に不正行為をしてアジュカ・ベルゼブブと接触をするのとフェニックスである二人の力を解析して出回ってる偽物のフェニックスの涙を無力化してリゼヴィムの持つ切り札の一つを失わせる為であった

 

その辺りの事情を考えると今回の試合は黙って素知らぬふりをしているのが効率的だし、そもそも本当に起こると決まっている訳でもない

 

ついでに言えば俺が介入出来る要素が無いと言うのも有る

 

「でもライザー・・・さんはこの間戦った時はまだ新規の『僧侶』の枠が決まって無かったみたいだけど、それは如何するんだ?ひょっとして新しい人を見つけたとか?」

 

イッセーがライザーの眷属の『僧侶』枠が空いたままなのを気にして新しい人員を補充出来たのかと質問するがレイヴェルは首を横に振って否定する

 

「いいえ、お兄様は今回はメンバーを一人欠いた状態で試合に挑む事になりますわね。幾ら相手があのディハウザー様とはいえ、上級悪魔にとって自身の眷属選びは大切なものですから、決まらなかったならそれは仕方のない事と言えますわ・・・私が一時的にお兄様の眷属に復帰するという案も出たのですが、今の私は『D×D』の一員ですから身内と言えどもそういう理由で拘束されるのは対外的にも心象が悪く成り兼ねませんので」

 

「あ~、完全にライザーさんの眷属に復帰するってんなら兎も角、一時的なんて言えばちょっとアレかもな。悪魔社会だけならトレードはやる人は結構やってるみたいだけど俺達『D×D』は他の勢力の人達の目も有るんだもんなぁ・・・てかそもそも試合直前のトレードって『D×D』の事を抜きに考えても流石に無理が有るんじゃ?」

 

イッセーの疑問に答えたのは優雅に紅茶を飲んでいた祐斗だ

 

「うん。確かに試合直前のトレードは基本的には禁止されているね。だけど勿論いくつかの条件をクリアすればそれは可能だよ。試合相手の合意やレートがかなり離れている場合とかが挙げられるかな。それでもやっぱりかなり特殊な事情でも無ければ認められないね」

 

そう。今の会話の通りに今回はレイヴェルが正式に『D×D』メンバーの一員という事や禁術ブッパ戦法でぶっちゃけライザーよりも高火力砲台へと変貌しているのも有って一時眷属復帰の案こそ有れどお流れになったようだ

 

それを聞いて内心ホッとしている自分も居るのだが高確率でライザーの復帰戦が悪い意味で潰れてしまうというのはモヤモヤする

 

昔は原作に関わるのはかなり受け身な姿勢だったし、当時の俺なら『仕方ない』で済ませていたのだろうが大分俺も絆されてしまったようだ

 

正直言って良い気分はしない

 

上手い事状況を好転させて進める策とか思いつかないし、原作知識なんてアドバンテージを活用しきれていない自分にイライラする・・・このイライラはリゼヴィムにぶつけて晴らすとしよう

 

誰も文句は言わんだろうしな!

 

内心でリゼヴィムに若い衝動(暴力)をぶつけようと考えていると部室にアザゼル先生にロスヴァイセさんにリアス先輩と朱乃先輩。ソーナ先輩とシトリー眷属というこの学園における裏のメンバーが勢ぞろいで入室してきた。全員が固めの表情をしている事からあまり良くない事だと皆も察して先程までの空気と一変して引き締まったものとなる

 

近くの空教室で選挙の事について話していたゼノヴィアとイリナさんも呼び戻し(桐生さんは少しの間外して貰った)、アザゼル先生が重ために口を開く

 

「さて、新学期早々で悪いんだが良くないニュースともっと良くないニュースが有る。どっちから聴きたい?」

 

「普通そこは良いニュースと悪いニュースの二択じゃないんですか!?俺達の選べる選択肢にマイナス要素しか揃ってないじゃないですか!」

 

思わずツッコんでしまった。ヒデェよその選択肢は!

 

『上げて落とす』でも『落として上げる』でもなくて『落として堕とす』じゃん!

 

流石『堕』天使の元総督は格が違った

 

「おいなんだその目は?俺の所為じゃねぇんだから俺に文句を言うなよ・・・まぁいい。取り敢えず軽めの方から伝えるぞ。去年の終わりの方で教会の主に戦士たちがクーデターを起こした。理由は同盟を結んだ関係で戦士たちの戦うべき相手が居なくなったからだな。今までならその場で罰する事が出来ていた俺達異形の犯罪者相手でもおいそれとその場で消滅させる事が出来なくなった・・・引き渡した後でキチンと罰せられるならまだ良いが金や権力で抜け道を通っちまうヤツらが居るのも事実だ。特に戦いに人生を捧げてきた戦士達が不満を爆発させるのも無理はない」

 

あ~、『はぐれ』とかなら前々から即殺ルールだったけど『はぐれ』認定されない悪魔=腐った貴族悪魔ならその場で罰するのも難しい上に適当に釈放とか在り得そうだよな

 

教会の戦士からしてみればその場で粛清したいのも頷ける・・・最も教会の戦士とかも昔のゼノヴィアやイリナさんを見れば過激な人達が多いだろうから天使以外の異形の存在というだけでサーチ&デストロイする人達とかもそれなりに居るだろうし、割とどっちもどっちなんだけどな

 

「クーデター自体は殆ど収束し、大半の戦士は既に捕らえられているんだが首謀者とも云える大物3人は未だに逃走中でな。残った戦士達もその3人と共に行動しているんだよ」

 

アザゼル先生の説明にソーナ先輩がその大物について詳しい情報を追加で説明してくれる

 

「その大物とは司教枢機卿(すうききょう)であるテオドロ・レグレンツィ猊下(げいか)、司祭枢機卿であるヴァスコ・ストラーダ猊下、そして助祭枢機卿であるエヴァルド・クリスタルディ猊下です―――カトリックにおいてトップの教皇に連なる2,3,4番目の地位にある方々が反旗を翻した形ですね」

 

2,3,4番手の役職が揃ってクーデターとか教会側の意見が如何に統一されてなかったのかが良く分かる構図だよな・・・一応理由は予想が付くけど

 

「三大勢力の和平はコカビエルの起こした事件をきっかけにして『これ以上は待てない』って感じで急遽話が進んだ処が有りますからね。ミカエルさんなんかは本当ならもっと教会側の意識改革をしてから和平に挑みたかったんでしょうが、強引に和平を纏めた弊害が出てきた感じですか」

 

結論。コカビエルが悪い

 

「まっ、そうだな。特に天界側は新たな天使が生まれない関係上どうしても慎重を期して下界の者達との接触も最低限になる。ミカエルも相当に苦労しただろうよ」

 

神の子を見張る者(グリゴリ)なんかはアザゼル先生がカリスマオーラを配下の方々に直当て纏める事が出来たのに対して教会側は『なんか神託が下りました』だもんな。ミカエルさんの威光(カリスマ)もフィルター越しじゃ届き難かったか

 

「ストラーダ猊下にクリスタルディ先生か・・・」

 

ゼノヴィアが複雑そうな表情でボソリと呟く

 

「知ってるのか?ゼノヴィア」

 

「当然だろう。教会出の戦士でそのお二人に世話になっていない者など居ないと言っても良いくらいだ。それになにしろストラーダ猊下はデュランダルの前任者なのだからな」

 

ゼノヴィアの主武装であるデュランダルの前任者という身近な情報を聞いて皆も驚いた様を見せるがそこにアザゼル先生も追加で口を開く

 

「デュランダルの初代の使い手である英雄ローランに並ぶとも超えたとも言われている者でな。戦士教育機関の必要性を説き、教会の戦士達の質を向上させた実績も持つ」

 

「・・・ストラーダ猊下は御年87歳になられるわ」

 

「87!?爺じゃん!?」

 

最後にイリナさんが付け加えた情報にイッセーが思わずツッコむがその心境を否定したのはデュランダル現所持者のゼノヴィアだ

 

「年齢の事は忘れた方が良い。ストラーダ猊下は生ける伝説だ。未だに肉体は衰えていないぞ」

 

「ゼ、ゼノヴィア先輩。87歳で肉体が衰えて無いってその人は人間なんですよね?それとも天界とそこまで敵対していない人外のハーフだったりクオーターだったりとかですか?」

 

ギャスパーが87歳で衰え知らずと聞いて純粋な人間なのか如何かを疑い始めたようだ

 

ギャスパー自身も人間と吸血鬼のハーフだからこそ出てきた意見なのだろうが、当時の教会なら赤ん坊のギャスパーが目の前に居たら『アーメン』の一言と共に首チョンパしてたんだろうな

 

「いや、ストラーダ猊下は人間だ。特別な生まれという話も聞いた事は無い」

 

「確か御使い(ブレイブ・セイント)ではラファエル様とウリエル様が『A』候補としてスカウトされたって聞いたわ。どちらもお断りになられたみたいだけど―――人の身で死にたい、と」

 

人の身のままでも寿命一万年とかにもなりますよ?―――野暮だから言わんけど

 

「なんにせよあの若造が老体となった今でも衰え知らずなら鬼のように強いぞ。コカビエルが聖剣に強い興味を持った切っ掛けがヴァスコ・ストラーダにボコボコにされたからだからな」

 

逆に良く生き延びたな。コカビエルのヤツ

 

「私としてはクリスタルディ先生とは戦いたくないわ。私達の世代の戦士で先生の教えを受けていない人なんて居ないもの。それにバチカンに行く度にエクスカリバーの指導をして貰ったのよね―――確かクリスタルディ先生って最前線で活躍している頃は3本のエクスカリバーを同時に扱ったって聞いたけど・・・」

 

「ああ、クリスタルディは当時の神の子を見張る者(グリゴリ)でも話題の逸材だったぞ。所持していたのは3本だったが理論上、奴ならば全てのエクスカリバーを扱えたとされていた・・・最も、当時はエクスカリバーはバラバラな上に一つは行方不明だったからな」

 

確か支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)だっけ?行方不明だったのは・・・もしもクリスタルディがジークフリートのように6刀流が出来たりしてたなら6本全部のエクスカリバーを扱っていたのかな?

 

「最後のテオドロ・レグレンツィについては歴代でも最年少で今の地位に就いたって事以外はまるで資料が無い。アーシア、ゼノヴィア、イリナ。お前らはどうだ?」

 

話を振られた教会トリオは難しい顔で頭を横に振るばかりだった

 

「私も今のお三方の中ではレグレンツィ猊下とだけはお会いした事は無いんです・・・教会の中でも噂ばかりで直接その御姿を見たというのは聞いた事がありません」

 

「右に同じく」

 

「私も天使に転生した後でもお会いした事はないわ。多分だけどシスター・グリゼルダも一緒なんじゃないかしら?」

 

「そうか・・・ミカエルの『A』となったイリナでも姿も知らないとは相当だな。だがまぁ兎に角その教会でも大物3名が戦士達を連れて姿を消している訳だ。それでソイツ等の行先ってのが恐らく此処。駒王町って推察されている。この町は三大勢力の和平の始まりの地だからな。バチカンで異を唱えるのと同じ位の影響力は有るだろう」

 

教会の戦士と重鎮たちに狙われているのがこの地及び俺達なのだと聞いて皆の表情が固くなるがアザゼル先生は安心させるように軽く笑う

 

「心配すんな。お前らが考えてるような血生臭い事にはならんさ。クーデターとは言ったが今の処は一人の死者も出ていない。実質少し過激なデモ程度だ・・・いや、今回の一件はその程度で終わらせなければならない事なんだ。死人が出たらそれこそ歯止めが利かなくなっちまうかも知れんからな。そしてそれは向こう側も分かっているはずだ」

 

アザゼル先生はそこまで言うと今度は真面目な表情となって俺達を見渡す

 

「特に今回の一件の最後の一押しをしたのはリゼヴィムの野郎が教会側を煽ったのが原因らしいからな。争いの規模が大きくなればクリフォトが間違いなく介入してくるだろう。注意を払うべきなのは寧ろそっちと云える」

 

「ッツ!またアイツですか!!」

 

イッセーを筆頭に皆が不快感を顕わにするけど態々教会側を煽ってもリゼヴィムにとってトライヘキサ復活には直接は何にも関与しないよな?きっと天界の時みたいに『ついで』とかそんな感じの理由なのだろう。クーデターが起こったのが去年の年末辺りと云う事はリゼヴィムがまだ魔王の息子ムーヴする直前だったんだろうし

 

「ああ、アイツは他人をイラつかせる事に関しては天才だからな。『扇動の鬼才』なんて言われてた頃も有ったよ。無駄に力も権力も有るもんだからアイツの幼稚な言動も無視出来ないものに昇華しちまってるからな」

 

「教会側の問題は把握しましたけど、それならもう一つの方の良くないニュースって云うのはなんなんですか?」

 

ぶっちゃけリゼヴィムの事とかどうでも良いので身に覚えのないもう一つのニュースとやらを訊く

 

「―――それか。実は冥府の神、ハーデスに仕えていた死神達の一部がクリフォトと合流した」

 

「『!!?』」

 

皆が一様に絶句している。あの世界平和(笑)を目指すハーデスの配下の死神が何故・・・

 

「離反したのは元々のいけ好かないハーデスに仕えていた死神共でな。今の可笑しn・・・優しい骸骨神様を見限ったり、もしくは元のハーデスに戻そうと考えてるような連中らしい。まっ、冥府の方は俺達三大勢力なんかとは比べ物にならないレベルで強引に政策が変わったからな。こうなるのも仕方ないとも言えるさ」

 

ああ、確かに上司が明らかに洗脳された状態だからな。そりゃ離反者も出るか

 

「んで、そのハーデスの下を去った死神共が目指す標的も当然―――」

 

駒王町(ここ)という訳ね」

 

アザゼル先生のセリフをリアス先輩が引き継ぐが当の本人は後頭部をガリガリと掻いている

 

「あ~、狙いが駒王町(ここ)ってのは間違っちゃいねぇんだが、正確には死神達の第一目標はイッキ、お前だよ」

 

ファ!?

 

「なんで俺なんですか!?」

 

「なんでってそりゃあお前があの神々へのリスペクト精神の欠片も無い『善神・ハーデス爆誕事件』を企画したんだって情報は流れちまってるからな。改変前のハーデスに忠誠誓ってた奴らにとっちゃお前が一番ぶっ殺したい相手って訳だ。こうして話してる今でもきっと何処かで数百を超える死神(グリム・リッパー)共が丹念に己の鎌を研ぎあげてると思うぜ?」

 

くあぁぁぁ!マジか!強引に政策を変更しなければならなくて、そのしわ寄せが今来てるとかミカエルさんの気持ちが少しだけ分かった気がするぞ

 

あとアザゼル先生、死神達がこぞって鎌を研いでるとかその表現要ります!?

 

「だ、大丈夫か?イッキ?」

 

頭を抱える俺にイッセーが心配して声を掛けてくれる

 

「ああ・・・次から相手の尊厳を破壊するような手段を取る時はもっと念入りに根回しして不穏分子を封殺出来るようにする事を心掛けるわ・・・」

 

「・・・うん。心配した俺がバカだったな!」

 

「はは、イッキ君は更に容赦なく相手を叩き潰す方向で考えてるんだね」

 

「さ、流石はイッキ先輩ですぅ。ナチュラルに思考が外道で圧制者のそれですぅ!」

 

うるせぇぞ、オカ研男子共!

 

「まっ、知っての通りこの町の防備は堅い。死神共が直近でここを襲う機会が在るとすれば例の教会の戦士とのいざこざに紛れてって形になるだろう。絶対にそうだとは言わんが、各自気を付けて過ごしてくれ」

 

「『はい!』」

 

そうしてその日の部活はそのまま終わりという事で全員で下校していくのだった

 

 

 

 

 

翌日、お昼休みに弁当を食べてから俺達は校内の中庭に来ていて、白音やレイヴェル達一年生組とも合流していた

 

合流自体は示し合わせたものじゃないけど目的は一緒だ

 

俺達の目線の先ではイリナさんと桐生さんがとあるポスターを配っている

 

「皆さ~ん。次期生徒会長候補のゼノヴィアの主張を纏めた記事ですよ~!」

 

「清き一票をお願いしま~す!」

 

二人が配っているポスターにはゼノヴィアが聖母マリアを意識した格好で祈りを捧げている姿が映っている。まぁゼノヴィアが、と云うか教会トリオが敬虔なクリスチャンだという情報はそれなりに知られている事みたいなのでそこまで変には思われてないようだ・・・と云うかゼノヴィア自身が美少女だからかポスターそのものが目当てっぽい生徒がチラホラと見受けられるな

 

まぁファンだと云うのなら選挙本番でもゼノヴィアに票を入れるだろうからアレで良いのか?

 

そこに自分の名前の入ったタスキを身に付けたゼノヴィアがマイク片手に現れた。足元には拡張機も置いて在るな

 

「えー、こんにちは、駒王学園の皆。このたび、生徒会長に立候補した二年のゼノヴィアだ。是非とも私の話を聴いて欲しい。私が生徒会長に当選した暁には―――」

 

ゼノヴィアが道行く人々に声を掛け、それを聞いて多くの生徒が足を止めている

 

「へぇ、ゼノヴィアの奴、敬語は無しで素のままの自分で行くつもりか」

 

「良いんじゃないか?只管礼節を押し出していくスタイルだとソーナ先輩と被るし、その下で働いてた花戒さん相手に勝てないだろう」

 

そうは言ってもまだゼノヴィアとしては固い感じが残ってるけどな

 

「・・・選挙活動直前の感じでは現状、6対4でゼノヴィア先輩が不利ですね。とはいえほぼ互角ですし、此処からどう巻き返していくのかが注目されるところです」

 

「ゼノヴィア様は生徒会長になると決める以前より校内で困っている生徒に手を差し伸べていますので、とても人気が高いですわね。ボーイッシュな性格に惹かれてか特に一年生の女子達の間ではゼノヴィア先輩の人気がずば抜けて高いそうですの」

 

レイヴェルの説明を証明するかのようにゼノヴィアの周囲には一年生の女生徒が群がってキラキラした瞳を向けてるな。少ないけど時折「ゼノヴィアお姉様~♡」なんて声も混じってるし

 

―――成程。あれが固定票ってやつか

 

「ぜ、ゼノヴィア先輩が当選するように僕たちも出来るだけお手伝いはしていきたいですぅ」

 

ギャスパーも男女問わず人気が高いからギャスパーファンが釣られたりするかもね

 

「・・・そう言えばゼノヴィアは男装は止めたんだな」

 

「台無しです。イッキ先輩・・・その光景も少し見てみたい気はしますけど」

 

それからもう一人の生徒会長候補の花戒さんもやってきてゼノヴィアとお互いに闘志を燃やしながら握手したり、副会長候補のサジが男子学生たちに揉みくちゃにされたりしていた

 

 

 

 

放課後、今日は悪魔の活動の予約が入ってなかったらしいので隣町の老舗のたい焼き屋まで寄ってたい焼きを食べる事になった

 

緊急での呼び出しの可能性は十分在るけど基本的に眷属のほぼ全員が住んでる家も近いから特に問題にはならないらしい

 

「私はたい焼きはあんこ以外は邪道だと思うの」

 

「ですが、カスタードも美味しいですわよ」

 

「元は小麦粉とお砂糖とタマゴのシンプルなものです。だからこそ、大抵の甘い物は合いますよ」

 

今はリアス先輩とレイヴェルに白音が持論を展開している

 

日本的な文化を重要視しているリアス先輩に洋菓子的な風味を好むレイヴェルに美味けりゃ何でもいい白音って感じか

 

だがたい焼き屋を目指して住宅街を抜けようとしたところで明確に俺達に向けてプレッシャーが発せられた

 

「『ッツ!!?』」

 

プレッシャーを感じ取った皆が一斉に身構えて円陣を組むように周囲を警戒する

 

「今のは?殺気や敵意みたいなのは感じなかったけど・・・」

 

おお~。イッセーも害意の感じ分けが出来るようになったんだな。和平前にヴァーリが挨拶に来た時は俺がすぐ傍で殺気を出してたのにも気づいて無かったのに

 

俺がイッセーの成長に関心していると道の先に一瞬で近づいて来た気配が在った

 

それに続くように数十人規模の気配も俺達を囲むようにジリジリと近づいているな

 

他の気配は今すぐ姿を現す感じは無かったので堂々と現れた気配に白音と一緒に目をやるとイッセー達の視線もそちらに向く

 

「Buon giorno 悪魔の子らよ」

 

イタリア語で挨拶してきたのは白髪頭で祭服を着た老人だ

 

老人とは思えないくらいに鍛えこまれた肉体をしている

 

背も高いし、あれほどのマッスルボディはミルたん以外には見た事がない

 

腕も足も巨木の幹のようで特別な力無しでも胸板の分厚さだけで銃弾を跳ね返せるんじゃないかと思えるくらいだ

 

「私はヴァチカンから来たヴァスコ・ストラーダと云う者だ」

 

皆は目の前に居るのがクーデターの首謀者の一人と聞いて一層緊張度を跳ね上げたのだった

 




次回からバトルバトルしていきますかね
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