転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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昨日気分が乗らないと書いたらなんか逆に筆が乗りました。自分の思考回路が自分でも解らんww


第五話 ケンカと、挑戦状です!

[イッセー side]

 

 

俺達の目の前に突如として皺くちゃの顔と不釣り合い過ぎる瑞々しく太い筋肉に全身を覆われた老人が現れた。てかヴァスコ・ストラーダって昨日聴いたばかりの名だぞ!

 

クーデターの首謀者自らが単身で俺達の前に現れたってのか!?なんて豪胆さだ!

 

身構える俺達を静かに見据えるその老人からは異様なプレッシャーがヒシヒシと漂って来ている。それなのに当の老人は特に何かを言うでもなく、此方に歩いて来るでもない

 

最初の挨拶以降は黙ってこっちを見ているだけだ

 

相手はただ一人。その上普通の人間でしかも87の爺さんだって云うのに異様な圧力を前にして動けない!しかもなんだ?俺達の周囲に圧し掛かるプレッシャーだけど決して俺達に向けられたものじゃない。直ぐ隣に居たリアスと木場になんとか視線を送るが二人もこの圧力の中で息切れを起こしているようだ―――かく言う俺も既に汗でびっしゃりだぜ。まだまだ新年明けたばっかりの寒空だぞ。これまで短期間の内に何度も死線を潜って来た俺達がこの有様かよ!

 

すると巨漢の爺さんはやっとその口を開いた。それと同時にプレッシャーも霧散する

 

「Bravo その若さで良くぞそこまで練り上げたものだ」

 

なんの事だ?正直俺達は動く事すらままならなかったんだが・・・?

 

疑問に思っていると返事をしたのはイッキだ

 

「いえ、俺もこういうやり取りは初めてで勉強になりましたよ。ただ、これ以上は友人たちに悪いですしね」

 

「ハッハッハ!私もこの手の戦いは異形を相手取っていると中々機会が無くてね。少し年甲斐も無くはしゃいでしまったようだ」

 

やり取り?戦い?何の事だ?

 

「・・・ねぇイッキ。一体なんの話をしているのかしら?」

 

リアスも同じ事を思ったのか俺の・・・と云うか皆の心の声を代弁してくれた

 

「いえ、あのお爺さんがお茶目にも『抜き足』で俺達の背後を盗ろうとしていたのでこっちもやり返していたんですよ。相手と自分。双方の波長を意識してフェイント合戦してたんですが100手を超えても埒が明きそうにないので止めました」

 

『抜き足』ってイッキが新しく覚えたって言うあのトンデモ技術だよな!?あの爺さんも同じ事をしてたってか!?そうか、二人の極度の集中力に挟まれてたから重圧こそ感じながらも直接意識を向けられてる感じがしなかったのか

 

・・・以前。アザゼル先生が最強の人間候補の一人にイッキを挙げていた。あれからイッキ自身もさっきの『抜き足』とかも含めてかなり技量を上げてたはずだ

 

今のイッキは【一刀修羅】とか無しで考えても人間では最強クラスのはずで目の前に居る爺さんも同じく人間最強クラス・・・業を極めて異形の存在と渡り合う人間。その最高峰同士のぶつかり合いがこんなにも静かなものだとは思わなかったぜ

 

クソッ!自分の実力不足が身に染みるな

 

内心歯噛みしているとデュランダルの前任者という爺さんはゼノヴィアに声を掛けた

 

「戦士ゼノヴィアよ。悪魔になったそうだな?」

 

「・・・お久し振りです。猊下」

 

ゼノヴィアはさっきまでの俺達よりもよっぽど酷く顔中に脂汗を滲ませてなんとか返事をする。お世話になった大恩有る恩師が敵方として目の前に立っている。その心境は今の俺には計り知れない

 

「これを渡しに来たのだ」

 

そう言うと懐から封筒を取り出し、リアスの前に歩いて近づくとその封筒を差し出した

 

「―――こ、これは?」

 

先程の緊張が抜けきってないのかリアスの声も固いままだ

 

「挑戦状だ。私達は貴殿らに挑戦状を叩きつけようと思う」

 

その大胆極まりない宣言と行動に俺達は驚愕と呆気に取られる

 

おいおい!この爺さんは首謀者の一人で中枢を担う程の人物なんだろう!?普通は伝令役に任せるとかするもんなんじゃないのか!?

 

「冗談ではないわ!貴方程の地位に居るならトライヘキサの事も知っているのでしょう?今、この時期にこんなものを叩きつけるだなんて、幾ら何でも―――」

 

激昂したリアスが喰って掛かろうとすると爺さんはその野太い指を1本立ててリアスの眼前に突き出し、抗議を止めてしまう。そしてそのまま"チッチッチ"と指を左右に振る

 

「悪魔の姫君よ。若いな、若すぎる」

 

「ッツ!!」

 

その行為に我慢できなくなった俺は二人の間に無理矢理割り込んで目の前の爺さんを睨みつける

 

「これ以上は許さないぜ。例えアンタが何者であってもな!」

 

すると爺さんは一瞬キョトンとした顔になったかと思えば破顔するように笑って豪快に俺の頭を撫でた。掌だけで俺の頭がすっぽりと収まってしまうくらいだ

 

「いい目だ。悪魔の少年よ」

 

頭に血が昇っていた俺は馬鹿にされたと感じてその手を振り払うと目の前に居たはずの爺さんは一瞬でかなり遠くまで移動してしまっていた

 

目の前で睨みつけてたんだぞ?それなのに音も気配も感じさせずに移動したってのか?

 

全く、本当にこの爺さんは少なくとも体術に限定すればイッキ並みの出鱈目具合らしいな。少なくとも今の俺にはどっちが上とか感じ取れない位の領域にあるらしい

 

移動した先でその爺さんは後ろに目を向ける

 

「ではレグレンツィ猊下。宣言をお願い致します」

 

爺さんが一歩退いた場所に枢機卿という最高峰の祭服を着た爺さんと似た意匠の祭服を身に纏った11~12歳くらいの見た目の少年が現れた

 

「―――貴方が、テオドロ・レグレンツィ?」

 

「そうだ。私がテオドロ・レグレンツィだ」

 

ミカエルさん達天使を別にすれば教会でナンバー2の地位に居るのがこれほど幼い子供だとは思わず、ついリアスも疑問形で質問をしてしまったようだが問われた本人は即座に頷いて返した

 

マジかよ!どんな特殊な事情が有ればあれほどの年齢でそれだけの地位に就けるってんだ?

 

疑問を余所にその少年は僅かに声を震わせながらも強い瞳でその意気をよく響く声で告げる

 

「私は、エクソシストの権利と主張を守る!例えそなた達が『良き悪魔』であろうと、罰せねばならない『悪しき悪魔』や吸血鬼も居るのだ!それらを断罪する権利を一方的に取り上げるなどと云うのは、例え主やミカエル様の意思であったとしても、納得出来ない!その意思に反してでも、納得する訳にはいかないのだ!」

 

魂からの叫びだ。決して幼さから周囲に担がれて言わされているんじゃないと伝わって来る宣言だった。そしてその子供の、されど誠実な主張に反応して俺達の周囲の建物の影から一斉に教会の戦士達が取り囲んだ。ざっと見ただけでも100人は居るんじゃないか?

 

彼ら一人一人から強い意思を感じる

 

全く―――町から少し離れただけでコレだもんな。駒王町は魔境なんて言われているみたいだけど、『D×D』に所属していると駒王町も他の町も大差ないように思えてくるぜ

 

一触即発。俺達と彼らのぶつかり合いは目前に迫っているようだな

 

 

[イッセー side out]

 

 

 

ヴァスコ・ストラーダと機先を制し続けるバトルが終わってから少年枢機卿であるテオドロ・レグレンツィが教会の戦士達を代表とした宣言をした

 

それを受けて此方側の皆が戦意とオーラを高める

 

いや、皆この場所はまだ住宅街だからね?それに相手の戦士達も戦意こそ有りつつもまだ誰も武器を手に取って無いじゃん・・・抜刀一歩手前は結構居るけど

 

一応既に向こう側が人避けの結界を張ってるみたいだけどさ

 

そんな中でヴァスコ・ストラーダはゼノヴィアに語り掛ける

 

「戦士ゼノヴィアよ。デュランダルは使いこなせているかね?」

 

「ッツ!行きます!!」

 

その一言が切っ掛けになったのかデュランダルに聖なるオーラを纏わせて突貫するゼノヴィア

 

ゼノヴィアさ~ん!?幾ら何でも猪突猛進過ぎますよ!?知っていてもつい二度見しちゃうくらいに後先考えない突貫だぜ!

 

「言葉よりも行動か―――デュランダルの使い手はそうでなくては!」

 

ダメだ。あの爺さんも大概ぶっ飛んでやがる

 

スゲェ嬉しそうな表情してやがるぞ!

 

だがエクス・デュランダルを上段から振り下ろした一撃は彼の指一本で止められてしまった

 

「まだまだのようだ」

 

「ええ、まだです!」

 

残念とばかりに首を横に振るヴァスコ・ストラーダだが斬撃を指一本で止められる事に慣れている(・・・・・)ゼノヴィアは固まる事無く瞬時にデュランダルの刀身を僅かに弾き腕の内側に刃を滑り込ませてそのまま顔面を真っ二つにする軌道で斬撃を繋げる

 

「おっと、これは少し危ないな」

 

だがそれも反対側の手が瞬時に割り込んで刀身を捕まえてしまう

 

「成程。デュランダルの方は兎も角、戦士としては思った以上に成長しているようだ」

 

後半こそ褒められているものの一番大事なデュランダル使いとしての部分はそうでは無いと言われたゼノヴィアが歯ぎしりしながらその場から一歩退く

 

「ゼノヴィア!―――猊下!失礼を承知で参ります!」

 

ゼノヴィアと入れ替わるようにイリナさんが天使の翼を展開し、オートクレールをその手に握りながら斬り掛かるが、その前に一瞬でイリナさんとストラーダさんの間に割り込んだ影がイリナさんのオートクレールの一撃を受け止める

 

「クリスタルディ先生!」

 

「戦士イリナよ。例え強敵相手でも、視野を狭めてはいけないな」

 

恩師の姿に狼狽するイリナさんに軽く説教をしながら力の乗り切っていなかったオートクレールを弾いてイリナさんの体ごと後方に押しやった

 

「元エクスカリバーの使い手!」

 

更に入れ替わって突貫したのは聖魔剣を握った祐斗だ

 

ああ、もう!剣士組は突貫しないと気が済まないのか!?

 

ほんっと見ててヒヤヒヤするなぁ!

 

聖魔剣を手にした剣で受け止めた彼は祐斗のその聖と魔の入り混じった剣を見て得心がいったかのような表情を浮かべた

 

「聖魔剣。教会に配られているものとは一線を画しているな。成程、お前が聖剣計画の生き残りか。だが、こうして見ると歪だな。キミは聖魔剣の力を正しく引き出せていないようだ」

 

「なにをッ!!」

 

バカにされたと思ったのか祐斗が激しく剣戟の嵐を繰り出すが元エクスカリバーの使い手は同じく高速の斬撃で対応してしまう

 

「キミもだ、聖魔剣使い。あの計画の生き残りであるキミが私に思う処が有るのは分かるが、剣士ならば魂を燃やしつつも頭は冷静さを保たねばならない」

 

斬撃の中で何時もより強く踏み込んだ祐斗の足を彼は"スパン"と同じ足で払って体勢が崩れたところに上段からの打ち下ろしをみまい、片膝を付きながらも聖魔剣で受け止めた祐斗はそのまま足元にクレーターが出来る程の破壊力を前に倒れてしまう

 

ダメージを無視して素早くその場から跳び退いたが、それでもその一歩が見逃されたものだと祐斗も解っている事だろう

 

とても祐斗らしくない凡ミスだ

 

それにしても歪か・・・確かに今の祐斗は『力が噛み合っていない』。けれど直接それを指摘しても意味は無いんだよな。打開策こそ有るものの、今の聖魔剣では無理だ

 

彼もそれが分かっているからこそ、曖昧な言い方で止めたんだろうしな

 

そして祐斗が叩き伏せられた姿を見た為にいよいよ他のメンバーも動き出そうとした辺りでヴァスコ・ストラーダが片手を上げて静止の合図を出す

 

「勘違いしないで欲しい。私達は戦争をしに来たのではない。最後の訴えをしに来たのだよ。それだけは分かって欲しい」

 

彼が揚げた手を横に薙ぐと周囲を取り囲んでいた戦士達も去っていった

 

「―――なら。お互い矛を収めた方が良さそうね」

 

代表としてリアス先輩も同じく皆に戦意を解くようにハンドサインを送る

 

それを確認し、この場に残っていた三人の枢機卿たちは身を翻してその場を去る

 

「―――近いうちに再びまみえよう。若き戦士達よ」

 

その一言を言い残して姿を消した彼らの居た場所を見つめて軽くあしらわれた剣士組はそれぞれ苦い表情を浮かべていた

 

 

 

 

 

教会のクーデター組から挑戦状を叩き付けられてから数時間後、イッセーの家のVIPルームにはこの地で活動している『D×D』のメンバーが招集されていた

 

この場に居ないのは『刃狗(スラッシュ・ドッグ)』のメンバーくらいだ。彼らは他の仕事の途中で今回の会議には不参加となるので後で事後報告がなされる手筈となっている

 

そして俺達は今、立体映像の通信でミカエルさんと話しているところだ

 

≪申し訳ありません。立て続けに天界側の事件に巻き込んでしまって・・・≫

 

ミカエルさんがクーデターの一件とクリスマス直前の天界が攻め込まれた一件の事に対して謝ってきてるけど、今回の件は兎も角、リゼヴィムと邪龍に天界が攻め込まれた事はミカエルさんが謝るところとかまるで無いと思うんだけどな

 

≪彼らが望んでいるのは『D×D』との試合です。和平の始まりの地である駒王町で和平の象徴でもあるあなた方『D×D』に彼らは最後の思いの丈をぶつけたいのでしょう≫

 

ミカエルさんの言葉にシスター・グリゼルダさんが続いてクーデター組の動機を話す

 

「彼らはその殆どが悪魔や吸血鬼などと云った人外の存在に家族や友人などを殺められたり、人生を狂わされた者ばかりです。余り健全とは言えませんが、復讐を心の根底に置いて戦ってきた者も少なくありません」

 

「復讐・・・ですか・・・」

 

イッセーが複雑そうな声を出すとグリゼルダさんは諭すように、且つ戦士達も擁護出来るように続きを話す

 

「ええ、勿論悲劇を最小にする為に戦ってきた者も多いですが、私は怒りなどの感情が必ずしも悪いものだとは言いません。何故なら大切な者を傷つけられて怒るという事はそれだけその者達を愛していたからとも言えますから―――程度の問題ではありますがね。私の場合は下手をすれば堕天してしまうので気を付けなければいけませんが」

 

≪ふふふ、グリゼルダ。貴女のように柔軟に愛を説ける者ならば『Q』の座も安泰ですね。負の感情と云うのは頭から否定するだけでは冷たい人間になってしまいます。受け止めた上で包み込む事が肝要なのですよ≫

 

おお、流石天使長様は心が広くていらっしゃる

 

≪ですが当然。初めから全員がそれで納得出来るはずもありません。彼らを過酷な最前線で戦わせておいて、いきなり『戦うな』ですからね。その上、主の不在も隠したままで・・・彼らに『横暴だ』と言われても反論出来ません―――間違った判断をしたとまでは思いませんが、それでももう少し上手くやれたのでは?と、埒も無い事を考えてはしまいますね≫

 

ミカエルさんが困ったような笑顔を浮かべる。組織のトップでなくとも『上司』という肩書を持つ人なら大小は有れど万国共通の悩みなんだろうな

 

「ったく、俺達のような組織のトップに立つ奴ってのは大概何時もその事で頭を悩ますもんだろうが。それかミカエル。お前さんも俺みたいにトップの座を降りてみるか?」

 

≪ふふふ、遠慮しておきますよ。大体今の貴方を見ているとトップを降りた程度ではそう変わらないように思えますがね。大事な会議には何時も出席しているのですから≫

 

「・・・それを言うなよ。一応これでも書類仕事は減ったんだぜ?」

 

アザゼル先生の揶揄いにミカエルさんのカウンターが決まって逆に先生の方が肩を落とした

 

ついこの間もぬらりひょんや日本の神々とかも含めた会談をしたばっかりだもんな

 

少なくとも『特別技術顧問』という役職の人のやるこっちゃないわな

 

≪話を戻しますが、今回の一件は元々は我々天界、及び教会側から出てきた問題です。此処は我々の力をもって・・・≫

 

「待て、ミカエル。お前は動くな」

 

ミカエルさんが一組織のトップとして厳正な審判を下そうと口にしかけたのを先生は遮った

 

「ミカエル。お前は天界の象徴であるべきだ。唯一神である聖書の神が居なくなった今では特にな。此処で厳しい判断を下すのも正しい事だと俺も思う。だが、今回の一件が巻き起こった経緯を考えれば無理矢理押さえつければ必ず禍根が残る。しかし今ならケンカという範疇で事を治める事も出来るはずだ。違うか?」

 

≪・・・ですが、『D×D』の皆さんにはそれこそ『D×D』結成前から負担を掛け続けてしまっています。此処で身内の争いまで彼らに押し付けてしまうと言うのは―――≫

 

ミカエルさんが俺達への負担を懸念するがアザゼル先生は冗談めかした雰囲気でこちらに話題を振って来る

 

「―――と、天使長様は仰られている訳だが、お前らは如何だ?今回の一件、手を退くか、請け負うのか」

 

その二択にリアス先輩はジト目になってアザゼル先生を睨んだ

 

「アザゼル・・・分かって言ってるでしょう?―――ミカエル様。今は少しでも早く盤石の態勢で足並みを揃えるべき時です。何よりも彼らに直接挑戦状を叩き付けられた以上、真正面から受けて立ってこそだと思っております」

 

相変わらずリアス先輩って基本は熱血系なんだよな。そしてそこにイリナさんも自分の思いの丈を吐露する

 

「ミカエル様。私は和平後にはミカエル様の『A』という名誉ある生き方を提示されました。ですがもしも一戦士のままであったなら、もしかしたら教会の戦士達に紛れてゼノヴィアに憤りをぶつけていたかも知れません。彼らの気持ちを、想いを受け止められるなら、そうしたいです!」

 

もしもイリナさんがミカエルさんの『A』じゃなかったら・・・か

 

コカビエルの事件の後で理由も分からず悪魔になったゼノヴィアに『裏切り者』と言い残して別れて、和平会談は『神の不在』を知っている事が前提だからイリナさんは出席せず

 

その後出会う機会は無く、扱っていたエクスカリバーも残り全部が統合された上でゼノヴィアが振るう事になり、事件に巻き込まれるグレモリー眷属として新聞で情報を追う事に

 

そして和平の象徴とされる『D×D』の一員となってクリスマスの天界の危機には教会の戦士の自分ではなく、偶々天界に居合わせた悪魔の彼女がまた戦う・・・と

 

そりゃあ『D×D』と、延いてはゼノヴィアと直接ケンカ出来る機会が訪れればクーデターの一員になるくらいはするかもな

 

憎しみとかじゃなくて憤りを親友であるゼノヴィアにぶつけるって感じで

 

「ほら、若い奴らはやる気だぞ?それに俺は如何にも気になっているのさ。あのストラーダとクリスタルディがただ単に周囲の奴らに担がれて今回のような事件を起こすのかってよ。今回の一件にはなにか裏が有るんじゃないかってな。それはお前さんの方が感じてる事なんじゃないのか?」

 

≪確かに、二人とも幼い頃から知っている二人です。彼らは敬虔な神の信徒であり、頭の回転も早く指導力にも長けている。きっと回りくどいようで真っ直ぐな想いを胸に抱いているのではないかと思っています≫

 

「ならばやはり、今回の挑戦状は『D×D』が受けるべきだろう。それぐらいの信頼はお前も持ってるんじゃないのか?」

 

≪・・・ええ、そうですね≫

 

一度視線を切ったミカエルさんは再び俺達を見渡す

 

≪最後に、テオドロ・レグレンツィですが、彼はとても純度の高い『奇跡の子』です。それ故にあの年齢であの地位に抜擢された経緯があります≫

 

「奇跡の子?」

 

「イッセーさん。天使様と人間さんの間にお生まれになった方の事ですよ」

 

イッセーが疑問符を頭の上に浮かべたのでアーシアさんが説明する

 

要は天使と人間のハーフなのだが特殊な結界を張った上で愛情以外の感情を排して子作りしないといけない為、ハイパー過ぎる難易度を誇っている

 

当然色欲が一定値を超えたら堕天する為、いろんな意味で狭すぎる門だろう

 

少なくとも俺なら即堕天する。何時も黒歌達と色欲フィーバーしてますが、なにか?

 

黒歌達と一線超えるまでの間に何度悟りを開きかけたか分からないくらいには厳しい事だってのは身をもって知ってるさ

 

いや、エロエロな誘惑をしてくる黒歌と比べたらいかんのかも知れんけどさ

 

≪そう言えば例の部屋はちゃんと使っていますか?意外と期待しているのですよ?≫

 

すると天使との子供という話題が出たからかミカエルさんがイッセーとイリナさんに視線を送って天使長がするとは思えない質問をする

 

問われた当の二人は思いっきり咽ていた。それが治まってくると顔を真っ赤にしたイリナさんが上司の質問に答えるべく叫んだ

 

「じ、時間の問題です!クリスマス以降はイッセー君の事を実はダーリンって呼んだりしてますので、これはもう確定です!」

 

「確定ってなにが!?」

 

≪そうですか、それは結構≫

 

イリナさんの答えを聴いたミカエルさんが満足そうに頷いている

 

イッセーの声は聞こえて無かったようだ

 

「まっ、そういう訳でな。何時も貧乏くじを引かせて悪いが、今回もお前らの力を借りたい。天界と教会の尻拭いってやつだな」

 

アザゼル先生が締め括ってミカエルさんが俺達に頭を下げる

 

こうして俺達『D×D』はこの件に関わる事が決定した

 

因みに今回の決闘ではコカビエル戦と和平会談に直接関わった者としてオカ研部員とシトリー眷属、この地を管理し、同盟に賛成している教会の者としてイリナさんにデュリオさん。グリゼルダさんと天界から『御使い(ブレイブ・セイント)』のメンバーを何名か派遣するそうだ

 

サイラオーグさんとシーグヴァイラさんは御堅い頭の貴族悪魔が教会のイザコザに協力する訳はないだろうと云う事とそれ以上に冥界を守護する二人までも招集するのは対クリフォトの観点からも不味いという事で状況だけ伝えて待機して貰う事になった

 

・・・欠片も信用されてない貴族悪魔共よ

 

黒歌は「私はコカビエルも会談の時も家でゴロゴロしてただけだし、今回は裏方に回るにゃん」と言って裏方要員になったのだが面倒だっただけじゃ?と思わなくもない

 

いや、死神が狙ってる情報も有るんだしそんな事は無いか

 

黒歌以外にはルフェイとフェンリル、『刃狗(スラッシュ・ドッグ)』のメンバーが裏方要員だ

 

ヴァーリはチームメンバーは兎も角、ヴァーリは参戦したらやり過ぎてしまうのではないかと心配されたが、幸いと言うべきか修行及びアグレアスの行方を追う事に専念したいそうなので却下だ

 

その代わり最強のエクスカリバー使いとデュランダル使いという肩書に釣られてヴァーリチームからは唯一アーサーが参戦している

 

一応彼なら事前にちゃんとガチの殺し合いは禁止と云えば従ってくれるだろうから問題無い・・・コレがヴァーリだったら楽しくなってきたら事前の約束ぶっちぎって『とことん殺り合おう!』とか言い出しかねないからな

 

その後、スケジュールを調整し、決闘の日程は三日後となった

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