転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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日常パートはこの辺りで〆になりますかね


第四話 皆で、お泊り会です!

「やっほ~!遊びに来たわよ~!」

 

そんな元気いっぱいの声と共にオカルト研究部に入って来たのは同じクラスの桐生藍佳さんだ。

茶髪をおさげにしたメガネ女子でエロ知識を教会トリオによく吹き込んでいる

 

オカルト研究部はガッツリと活動するタイプの部活じゃないし、会議とかも何曜日にやるとかってのは基本決まってるから遊びに来やすいのだろう

 

特に3年のリアス先輩と朱乃先輩が居ないとパリッと引き締まるような空気がないからね。こればっかりはアーシアさんでは出せない雰囲気だろう・・・逆に新部長を皆で支えようとする意識が高まる事を見越してアーシアさんが新部長に選ばれたとも聞いたがな

 

それにしても桐生さんもこの分だと新生徒会のゼノヴィアの方にもちょくちょく顔を出したりしてるのかもな。今の生徒会はイケイケ系の生徒が固まってるからね・・・以前近隣の不良校の生徒達のたむろしてる場にカチコミに行った事もあるしな

 

オカルト研究部も加勢してたし、あの時の不良たちにとっては城を出たばかりの勇者がド○クエ歴代のラスボスと裏ボス全員がチームを組んで襲ってくるレベルのムリゲーだったよな・・・トラウマになってなきゃ良いけど

 

「あ!イリナ氏と木場きゅんきゅんを発見!ねぇねぇ、この間提案した事、なんとか成りそう?」

 

桐生さんが祐斗とイリナさんに声を掛ける―――なんの話だろうか?

 

「うん。トスカも大分日本に慣れてきたみたいだし、そろそろ皆との距離を一気に縮めても良い頃かと思うんだ。日本語はまだまだだけど、僕たちなら言語の壁は無いようなものだしね」

 

「ちょっと反則かも知れないけど交流会なんだし、その間は桐生さんかトスカさんには翻訳魔法を掛けたら良いと思うわ」

 

「それは良いわね!流石にまだ日本語を勉強し始めて一ヵ月程度のトスカちゃんとは意思疎通が難しい時も有ったから、助かるわ」

 

「ははは、日本語は世界でも有数の難解な言語として有名だからね」

 

「う~ん。生粋の日本人の私には実感が持てないけど確かに考えてみれば平仮名、カタカナ、漢字、英語、和製英語に同じ発音で意味が違う文字とか日本語ってかなり混沌としてるわよね」

 

成程。祐斗の且つての同士の一人であるトスカさん絡みか

 

確かに彼女は日本に慣れる事と身の安全の確保が第一だったからな

 

「そういう訳だから兵藤。今度の金曜の夜からちょっとお泊り会でアンタの家に行かせて貰うから宜しくね~!」

 

それを聞いたイッセーが飲んでたお茶を咽かける―――まさに寝耳に水といった表情だ

 

「いやいや待てよ!俺ん家でのお泊り会の予定を立ててたって俺はそんな話なんにも聞いてねぇんだけど!?」

 

イッセーが抗議とも云える声を上げるが桐生さんは指を一本立てて"チッチッチ"と左右に振る

 

「そこは勿論リアス先輩にお伺いを立てさせて貰ったわよ。それにアーシアからもアンタの御両親にもキッチリ話を通しておいたわ」

 

哀れイッセーは蚊帳の外であった。まぁイッセーはあの家でのヒエラルキー低めだろうしな

 

「結局仲良くなるのに一番手っ取り早いのは常に一緒に行動して同じ釜の飯を食う事なのよ!そんな訳だから男子諸君も参加しなさいよ。下手にここで分けると壁が出来ちゃったりするからね」

 

桐生さんが俺とイッセーの居る辺りにビシッと指を差す

 

「お、俺達も?でも人によっちゃ男子ってのが一種の壁になったりしないか?」

 

「そこは大丈夫だよ。トスカは以外とお茶目さんでね。性別は特に気にしないタイプだから―――それに僕と一緒に住んでるギャスパー君とはもう打ち解けてるから後はイッセー君とイッキ君だけなんだよ・・・他の男性で鳶雄さんは中々任務で出会える機会が無いし、デュリオさんはトスカにとっては友達というよりは信仰の対象に近いから出会った時は少しアレだったけどね」

 

祐斗が苦笑を浮かべている。出会った当初は教会とか神父とかが憎いとまで言っていた祐斗からしたら少し複雑なところは有るのかも知れない

 

「そっか、トスカさんにとっては目覚めて見れば基本出会う事のないはずの天使が直に目の前に居るって事だもんな。特に人間から天使に転生となるとか信徒の人からしたら尊敬と憧れの目で見ちゃう訳だ・・・あれ?そうなるとイリナさんも?」

 

教会トリオみたいに何かある度に祈ってる感じか?天界の切り札である転生天使なデュリオさんとか多分会った瞬間に祈り倒したんだろうし、同じく天使長たるミカエルさんの『A』であるイリナさんも凄い信仰してそうだ

 

「ええ!私も天使として迷える子羊を導くのは当然の事だもの!よく相談にも乗るし、その度に祈って貰ってるわ!」

 

イリナさんの『相談に乗る』が凄い不安しか感じないんだけど、大丈夫か?

 

するとアーシアさんが少し困ったような顔で補足してくれる

 

「はい。ただ逆に純粋な悪魔であるリアスお姉様の事は少し怖いみたいでして・・・私達のような転生悪魔は木場さんの事も有ってある程度は平気みたいなんですけど」

 

あ~、今までが『人類の敵』としてずっと教え込まれてた悪魔だもんな。純血の悪魔と云ってもグレモリー家とか見た目は完全に人間だし、悪魔の翼も仕舞えるから気になった事も無かったけど、流石にそんな簡単に割り切れるもんでもないか

 

多分祐斗が居なかったら転生悪魔にも苦手意識を拭いきれない感じだったのかもな

 

「あれ?そう言えば純血の悪魔が駄目ならリアス先輩だけじゃなくてレイヴェルもアウトか?」

 

フェニックス家も72柱の純血の家系だからな

 

「いえ、話を聞いてるとトスカさんはレイヴェルさんに対しては苦手意識みたいなものをそこまでは感じないんです。だから純血の悪魔という以外にもなにか理由が有るのかも知れませんが、今のところはよく分かってなくて・・・」

 

『悪魔が苦手』と本人が思ってるだけで本当の理由は別にあるのかね?

 

「それで今はトスカさんが一番気兼ねなくお付き合いしているのは桐生さんなんです。やはり同じ人間であるという事が大きいのだと思います」

 

成程。多かれ少なかれ『悪魔』というのは関係してそうなのか

 

悪魔というのを完全に気にしてないなら、アーシアさんかゼノヴィア辺りと一番仲良くなりそうだもんな―――イリナさんは崇拝対象だから除外するとしてね

 

「OK。つまりは人間である俺もまたトスカさんの人付き合いに一役買っていけるって訳だな」

 

久々に『人間』としてのアドバンテージを活かす機会が来たって訳だ!

 

「あ・・・その・・・トスカさんはイッキさんの事を『人間から悪魔に為るのは以前から聞いた事はあったけど、邪神に為るなんて聞いた事がないです!』と少し怖がっていた様子でして―――先ずは誤解を解くところから始めないといけないかも知れません」

 

「祐斗オオオッ!!お前の出番だ、仕事しろオオオ!!」

 

同じマンションに住んでんだからお泊り会までにトスカさんのその間違った認識に修正を加えろ!

 

「つぅか誰だよ!?トスカさんに余計な事を吹き込んだのは!?邪人なら兎も角、邪神になんてまだなった事ねぇっつぅの!!」

 

「『まだ』なのかい?でもイッキ君は高い【神性】も有るし、寿命だって長いから崇められた時点で現人神という扱いになっても可笑しくないんじゃないかな?」

 

祐斗貴様裏切ったなアアア!!お前は常に中立か味方かのどっちかだと思ってたよ!!

 

ほんとなんなの!?なんで皆して一々俺に邪神という肩書を背負わせようとするんだよ!

 

 

 

 

 

そうしてやって来た金曜日の終業後

 

今日は特にこれと云ってオカルト研究部の活動も悪魔としての仕事の予約も入って無かったみたいなので直で家に帰る

 

こういった時は大概部室で時間を潰す事が多いのだが、今日はお客さんも来るので一足早く解散したのだ―――桐生さんとかお泊り会用の荷物とか家に取りに行かないといけなかったりするからね

 

まぁ俺としては毎日お邪魔してるお隣さんの家にお泊りもなにも無いって気はするけど、あくまでメインはトスカさん(と一応桐生さん)だからな

 

少なくともこの二人にとっては新鮮な体験となるだろう

 

両親にもイッセーの家に泊まる事は当然伝えたけど、親同士でも交流の深いお隣さん相手に心配する事などなにも有りはしないようで普通に許可をくれた

 

俺と黒歌達でイッセーの家にお邪魔して皆でリビングやら自室やらで思い思いにたむろしているとインターホンが鳴り響く

 

それに反応したイッセーが玄関を開けてお客人を招き入れる

 

「お、お邪魔します・・・」

 

「おっ邪魔しま~す♪」

 

「お邪魔します」

 

トスカさんに桐生さんに祐斗がやって来た

 

「おう、先ずは上がってくれよ」

 

「は、はい!これから少しの間、お世話になります」

 

そんなやり取りが聞こえてきた後でトスカさん達もリビングに顔を出す

 

この場に他に居るのは俺と黒歌と白音にレイヴェルとリアス先輩だ

 

全員で態々リビングで待つ事も無かったし、かといって同じお客様組の俺達も誰かの部屋で待つのもあれだったからな

 

「いや~、男子の家に泊まるってのは初めての経験だわ~・・・と云っても兵藤と兵藤のおじさん以外は基本女の子ばっかだから、もう殆ど女子の家って言えるわよね」

 

「うっせぇ桐生!それを言ったらイッキの家だって似たようなもんだろうが!!」

 

いやいやイッセー、女子4人と9人はかなり違うぞ

 

オーフィスとリリスも部屋は一応イッセーの家の方に在るんだしな

 

しかしそこで一人足りない事に気付いたので祐斗に訊いてみる事にした

 

「そう言えばギャスパーは如何したんだ?」

 

「ああ、ギャスパー君は後から転移魔法でヴァレリーさんと一緒にここに来るよ。折角なら集まれるだけ集まろうって話になってね―――今は神の子を見張る者(グリゴリ)でヴァレリーさんの健診を行っているはずだよ」

 

お泊り前の健診ね。奪われた聖杯を取り戻すか、もう少し時間が経つまではギャスパーの心配っぷりは治らないかな?

 

「まっ、流石に今の時期は仕方ないか」

 

「そうだね。あの二人の為にも早く聖杯を取り戻さないとね」

 

ヴァレリーさんはアザゼル先生作の聖杯の欠片を使用したペンダントで意識を取り戻してるけど、それも特殊な結界の中という条件付きの話だからな

 

結界は主に俺とイッセーの家に祐斗とギャスパーの住んでるマンション。後はオカルト研究部の有る旧校舎と神の子を見張る者(グリゴリ)・・・大体オーフィスとリリスの活動圏内と同じ場所に張られているだけだ―――駒王町全体とかには張れないのか、張れるとしてもコストが掛かり過ぎるのだろう。恐らくだけど後者かな?

 

オーフィスとリリスについてはトップ陣の間では公然の秘密的な扱いになっているところも有るから少し工作すれば割とすんなり出掛けられるけど、ヴァレリーさんは下手に結界圏外に出たら永眠だもんな・・・折角ギャスパーと同じく昼間も活動出来る吸血鬼であるデイライトウォーカーなんだし、聖杯を取り戻した暁には皆で旅行とかに行くのも良いのかも知れない

 

「いらっしゃいトスカさん、桐生さん。歓迎するわ」

 

リアス先輩も二人に挨拶をするがトスカさんは純血の悪魔であるリアス先輩への苦手意識からか祐斗の後ろに隠れてしまった

 

本当に『悪魔』というだけで駄目なのだろう・・・当のリアス先輩も苦笑するばかりだ

 

どうにも昔、元教会の信徒だった祐斗を眷属とした時も、最初の内はリアス先輩たち悪魔に対して敵意剥き出しだったみたいなので、それと比べれば可愛いものなのだろう

 

まぁ今回のお泊り会は仲良くなる為の企画なのだし、焦る必要は無いだろう

 

それとトスカさんは確かにレイヴェルにはチラリと目線を向けてはいたけど縮こまるという程の反応ではないし、この違いはなにが原因なんだろうな?

 

そうしているとトスカさん達が来たのが分かったのかアーシアさんが上の階から降りてきた

 

「皆さんいらっしゃったのですね。二階の空き部屋でお茶のご用意が出来てますよ」

 

如何やらアーシアさん達が団らんの場を整えてくれてたらしい。空き部屋と云ってもソファーやらテレビやらは整っているのだろう・・・俺の家にも幾つかの赴きの異なるゲストルーム的な空き部屋も普通に在るしな。少なくとも一般家庭ならば一生必要なさそうだけど、今の俺もイッセーも既に『一般』からは逸脱しちゃってるからね

 

神や魔王や伝説の魔物や妖怪がある日突然泊まりに来ても別に可笑しくないレベルでお偉いさん方との繋がりが出来ちゃってるからな

 

オーフィスとリリスにフェンリルが住んでる時点で今更か―――封印枠まで含めたら二天龍の片割れのドライグにサマエルもガチで伝説の登場人物だからな

 

「よ~し!お茶も良いけどその前にアーシアの部屋の箪笥の中身だけでも物色するわよ。アーシアが私の知らないところでどんなエロエロな勝負下着を購入しているか、興味あるわ~♪」

 

「はうぅぅ!待って下さい桐生さ~ん!!」

 

ズンズンと上の階のアーシアさんの部屋を目指す桐生さんをアーシアさんが涙目で追いかける

 

―――ご愁傷様です

 

「俺達は先に空き部屋とやらに行くか」

 

「まぁ桐生の奴も本人も言ったように直ぐに切り上げてくるだろうな」

 

そうしてリビングに残されたメンバーも二階に向かう

 

「わっ!これとかお尻丸見えじゃない!いやぁ、こんなエロいの買ってるなんてあの純情っ娘だったアーシアが成長したのねぇ。お姉さん嬉しいわぁ―――これで兵藤を誘惑するんでしょ?」

 

「はわわわわ!見られちゃいました~!!そ、その下着は前にゼノヴィアさんとイリナさんと一緒に買い物に行った時にお揃いのものをと購入したのであって決してそういう意図なんかじゃ」

 

「はっは~ん。つまり教会トリオのトリプルセクシャルパンツで兵藤に迫ろうって魂胆ね。やるじゃないの。兵藤が干物になるまで搾り取ってやりなさいよ!」

 

遠くの開け放たれた扉から桐生さんとアーシアさんの会話が漏れてきた

 

「おい、イッセー。鼻息荒くしてねぇでさっさと行くぞ」

 

と云うかアーシアさん。そんな下着を単にお揃いとして買ったとか言い訳が下手過ぎるだろう

 

それから数分もしない内に桐生さんとアーシアさんもやって来た

 

アーシアさんの顔が紅く染まってるのは放置で良いだろう

 

そうして皆で思い思いの場所に座って歓談する・・・黒歌は「これっぽっちのお菓子じゃ足りないにゃ~」とか既に寝っ転がって足をパタつかせながら愚痴っている。この後夕飯が有るんだからせめてその後にしろって

 

そんな姉のだらしない姿に軽くため息を吐きながらも先ずは白音が話題を振る

 

「トスカさん。新しい暮らしは如何ですか?祐斗先輩は兎も角、ギャー君なんかはトスカさんに怖い想いをさせたりしていませんか?」

 

「い、いえ!最初はハーフのヴァンパイアと聞いて戸惑っちゃったんですけど、段ボール箱に入ってる姿を見てたらなんか如何でもよくなっちゃって・・・紙袋を頭に被った時もイザイヤが事前に教えてくれていたので驚きはしなかったですし、それに同じヴァンパイアのヴァレリーさんも段ボール箱に入ってるのでヴァンパイアに対するイメージが崩れちゃったと言いますか・・・」

 

「ちょっと待った!ヴァレリーさんも段ボールヴァンパイアに為ってんの!?ギャー助が勧めたのか!?それともヴァレリーさんが真似したのか!?」

 

イッセーがついツッコミを入れた。気持ちは分かる。後者ならまだしも前者ならアウトだぞ!

 

「あ、えと、ヴァレリーさんはギャスパーさんに勧められたと言ってました」

 

アウトオオオオオ!!一体何を幼馴染にお勧めしてるんだあのバカは!

 

「あの、トスカさん。まさかヴァレリーさんは段ボールだけじゃなく、穴の開いた紙袋まで被ったりしてないですよね?」

 

俺もつい深堀して訊く事にした。ヴァレリーさんが紙袋被ってる姿とか見たくねぇぞ

 

「は、はい。今のところそういった姿は見た事はないです」

 

はぁ、良かった・・・なんで最初の質問からこんなに疲れなきゃいけないんだよ

 

「イザイヤは白音さんは妹のような人だと言っていました。良かったら白音さんから見たイザイヤの事を教えて貰えませんか?」

 

「はい。私にとっても祐斗先輩はお兄ちゃんのような人です―――そうですね。祐斗先輩は料理もお菓子作りもとっても得意なんです。祐斗先輩が眷属となってから日本での生活に慣れるまで私も一時期祐斗先輩と同じ部屋に住んでいたのですが、私が出来合いの物ばかり食べていたのを見かねた祐斗先輩が料理を作ってくれたんです」

 

そっか、その頃はまだ白音も黒歌との(わだかま)りが解消されてない時期だし、最近まで白音も料理出来なかったんだもんな

 

同じ部屋に住んでるなかで健啖家の白音のスーパーの弁当やらのゴミが積み重なっていく様子を見ていれば色々と心配にもなるか

 

毎日二人分じゃ済まない量の料理を作ってれば、祐斗が元々生真面目な性格だったってのも相まって短期間でも料理の腕は上がるわな

 

「あらあら、祐斗君の昔話ですか。私にとっても祐斗君は弟みたいなものですから、私の方からもお話いたしますわ。そうですわね。彼が眷属となって少ししてから皆で牧場に行ったのですが、その時の祐斗君は初めての牛の乳搾りに夢中になってしまって・・・あの頃はまだ仲良くなったばかりだったので自分がはしゃいでる姿を見られたのが気恥ずかしかったのか私達に見られているのを意識した瞬間に顔を赤くしてしまったんですのよ」

 

そんな風に祐斗の恥ずかしい過去話に花を咲かせているとリアス先輩に朱乃先輩、アーシアさんが席を立つ

 

「そろそろお義母さまたちも帰って来られる頃だから夕飯の準備をしてくるわね。用意が出来たら呼びに来るわ」

 

「あらあら、うふふ♪何時もより腕が鳴りますわね」

 

手伝いは無理か・・・幾らキッチンが広くても動ける人数は限られてるからな

 

黒歌と白音が居る分、人数分以上に用意する必要が有るけど流石に下手に手を出しても邪魔になりそうだ・・・仕込みの分だけでも魔力でパパっと時短するのだろうか?

 

その後、イッセーの両親とロスヴァイセさんが帰宅してから皆で食卓を囲む

 

「いやぁ、何時も以上に賑やかだねぇ母さんや」

 

イッセーのお父さんがビール片手にワイワイとした雰囲気を楽しんでいる

 

「そうねぇアナタ。今日は腕によりを掛けちゃったわ♪」

 

「母さんの料理は何時だって最高だよ。そうだ!折角だし今度は一度一輝君の御両親も誘ってみようか。将来悪魔のお嫁さんを貰う息子を持つ者同士、一度じっくりと話し合ってみたいものだ」

 

ブッハ!?今なんて言いました!?

 

兵藤家組以外が驚きで固まってるとイッセーが後頭部を掻きながら答えてくれた

 

「あ~、実は父さんと母さんには俺が悪魔に転生したって事とか話したんだよ」

 

「いや、お前そんなアッサリと・・・」

 

「そんな訳ねぇだろ。前にイッキが何時か両親にも打ち明けたいって言ってたのを聞いてから俺もここ数ヶ月はスッゲェ悩んでたんだぜ?でも思ったんだ。この先両親に打ち明けないでいたとしても危険度は大して変わりないし、何十年も先に両親と出会う度に魔力で見た目の年齢を変えていたら騙してるような気分になって、その時の俺はちゃんと父さんと母さんの息子として胸を張れるのかな?ってさ―――バカな俺にはそういうのは難しいんじゃないかと思ってよ」

 

親子で種族と云うか寿命が著しく異なる事からくる葛藤か・・・俺も余り人の事言えた立場じゃないけど

 

「はっはっは!なぁに、悪魔だろうがなんだろうがスケベでバカなうちの息子だって事実に変わりはないさ。それに悪魔の世界は一夫多妻も認められてるんだって?子供たちでサッカーチームを組める程どころかサッカーチームでのトーナメント戦だって出来そうじゃないか!」

 

それは・・・将来的には可能かも知れないけど、悪魔の出生率の低さを考えるとかなり先の話になるんじゃないか?転生悪魔は純血の悪魔同士と比べたら子供が出来易いらしいけど、それでも数百年は軽く掛かるだろう

 

まぁそれでもイッセーラヴァーズ全員の子供を合わせれば数十年以内に1チームくらいは結成出来るかもな

 

如何考えても内容が超次元なサッカーになりそうだけどね

 

 

 

夕飯を食べ終えた俺達は男女で別れてお風呂に入る。特大風呂も普通に複数有るからこそ出来る所業だ。お風呂好きには堪らないだろう・・・清掃とかの手間を考えなければ

 

悪魔とかの超常の存在なら魔力とかで浄化出来るけど、一般人は肉体労働で掃除しなきゃならないと考えると流石に厳しいと言える

 

「ふぅ・・・それにしてもイッセーも良かったじゃないか、両親に受け入れて貰えたみたいでさ」

 

広い湯船に肩まで浸かって一つの極楽を味わいつつ感想を述べる

 

「そりゃな。でもいざ話す時とか緊張しまくってたんだぜ?それに母さんは悪魔として危ない戦いも在るって聞いた時、すげぇ心配してくれてさ。そこら辺の事細かい説明やら説得やらで話の進行が一時期止まっちまったよ。今でも将来俺がレーティングゲームに出場する事にだって否定的・・・とまでは言わないけど賛成はしてくれなさそうでさ。俺の事を心配してくれるのが嬉しいやら申し訳ないやらで、今でも頭の中で結構グルグル回ってる感じだよ」

 

「そっか・・・何時か『D×D』の活動は兎も角、レーティングゲームの方は応援に来てくれるようになると良いな」

 

「ああ!つってもまだ俺達デビュー前なんだけどな」

 

「そうだね。僕はリアス元部長の下でイッセー君と一緒に戦いたいし、逆に『王』となったイッセー君の率いるチームとも戦ってみたい・・・悩ましい限りだよ」

 

肩を並べて戦いたいし、正面から殴り合いもしたいとか祐斗も割と熱血キャラだよな

 

「後はイッキ君とも戦ってみたいんだよね。だから今は噂程度だけど各勢力合同のレーティングゲームが始まるかも知れないというのには密かに期待しているんだよ」

 

「その時は容赦なく叩き潰してやるよ。俺がチームを率いるなら魅せプレイとか期待すんなよ?まぁ俺やイッセーが『王』として出場するならメンバー集めから始めないといけないんだけどさ―――黒歌とレイヴェルは良いとして白音はなぁ・・・もしもそのレーティングゲームが本当に開催されるとしてリアス先輩と白音を奪い合うところから俺の勝負は始まりそうかもな?」

 

勿論白音の意思が一番だけど、白音に選ばせるのもまた酷な気もするし、どっちに転んでもいいようにしないとな

 

「俺は如何なんだろうな?もしも俺が上級悪魔になったならアーシアとゼノヴィアは俺の眷属として付いてきてくれるって言ってたし、イリナも頼めば一緒のチームに入ってくれそうだけど流石に4人は少なすぎだもんなぁ」

 

「それを言ったらイッセー達が抜けたらリアス先輩の眷属も人手不足になるだろう。イッセーとか実質『兵士』8人分なんだし」

 

イッセーも祐斗もメンバーについて頭を悩ませている。まぁ今はメンバーに対する細かい規定とかも分かってないどころか始まるとさえ言われてない状況だもんな

 

俺?俺はもう大体のメンバーは決めている―――それもこれもトライヘキサが世界をぶっ壊さなければの話だけどな

 

ミルたんを引き込んだらほぼ勝利が確定するとは思うけど、それだけはダメだと俺の最後の良心が訴えている―――死んでも勝たなきゃいけないような理由も無いから別に良いんだけどさ

 

「ん?そういや祐斗は上級悪魔に昇格した時は自分の眷属とかなにか予定は有るのか?『D×D』に所属してる以上は功績も溜まるだろうし、他の勢力の目も有るから悪魔の上層部も転生悪魔って理由で昇格をそこまで渋れないだろ?」

 

イッセーもそうだが祐斗も普通に考えれば成人悪魔になる前には上級悪魔に昇格して悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を賜るだろう

 

「ああ、僕は悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を貰うつもりは無いよ。例え上級悪魔に昇格したとしても、僕はずっとリアス元部長に剣を捧げるつもりだからね。『王』として活動すると如何してもそちらにも時間を盗られちゃうからね」

 

二足の草鞋ってやつか?・・・少し意味合いが違うか

 

そんな風に考えてるとイッセーが驚いた声を出す

 

「え?悪魔の駒(イーヴィル・ピース)って受け取り拒否出来んの!?」

 

「拒否・・・と云うよりは保留が近いかな?申請すれば何時でも駒を受け取れる状態にする事は出来るんだよ。ほら、レイヴェルさんだって自分の眷属を持ってる訳じゃないだろう?」

 

言われてみればそうだ。レイヴェルだって上級悪魔のフェニックス家出身なのに駒とか眷属とかの話は聞いた事無いな。成程、上級悪魔なら(すべか)らく悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を持ってると云う訳じゃないのか

 

恐らく次期当主と言い方は悪いがそのスペア辺りまでは必須なんだろうけど、それ以外は眷属を持つか持たないか選べるんだな

 

でも多分これって主に転生悪魔に向けた制度だよな?

 

悪魔の出生率の低さを考えると今のフェニックス家みたいに4人も兄妹が居る方が珍しいはずだし

 

貴族悪魔は恋愛結婚よりも最初のリアス先輩とライザーのように義務的・政略的な結婚が多そうだから跡継ぎを一人儲ければ夫婦の仲とか別居するレベルで冷え込みそうだし、男漁りや女漁りで万が一子供が出来ても上級悪魔として扱って悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を渡す事とか無いだろうし・・・うわ、なんかドロドロした貴族社会の裏側まで見えてきた

 

そうして駄弁りながら泡の出るジャグジー風呂やらサウナやらを堪能した後で風呂から出たが部屋に戻ってもまだ女性陣は戻って来てはいなかった。ただその代わりにギャスパーとヴァレリーさんにルフェイが部屋で寛いでいた

 

「あ!イッセー先輩に祐斗先輩にイッキ先輩。皆さんが居ない間にお邪魔させて貰ってます」

 

ふむ。取り敢えず今は段ボールも紙袋も無いな―――良かった。ギャスパーは兎も角ヴァレリーさんが紙袋被ってたら真面に対応できたか分からなかったからな

 

「おう、三人ともいらっしゃい。俺らはもう飯も食ったし風呂も今入って来たところだけどそっちは大丈夫か?」

 

「は、はい。どの程度時間が掛かるか判らなかったので家の方で済ませてから来ました」

 

ギャスパーが軽く報告すると次にルフェイが立ち上がってペコリと礼を取る。何時もの水色魔女ルックではあるけど、とんがり帽子は流石に室内では被ってないで後ろに置かれている

 

「本日は居候の身でお茶会に招いて頂き有難うございました。私も先にお兄様やヴァーリ様方にご夕飯を用意してからこちらに来たので大丈夫です。軽くシャワーも浴びて来ましたので」

 

ヴァーリ達ェ・・・何時まで彼女に食事の心配をさせ続けるつもりだ?

 

「うふふ♪お邪魔してます。お城に居た頃と違って皆でお泊り会なんて楽しみです♪沢山の『声』に囲まれるのも久しぶりですね」

 

最後にヴァレリーさんが少しコメントに困る発言をしながらもニコニコ笑顔で楽しそうにしている

 

『声』って聖杯の影響で聞こえていた亡者の声ですよね?

 

そんなこんなをしていると女性陣たちもお風呂を上がったみたいで、全員が湯上りの美人度3割増し状態で部屋に入って来る

 

「あら、ギャスパー達も来ていたのね。これで声を掛けたメンバーが全員揃ったわね。それじゃあ本格的に騒いでいきましょうか!」

 

リアス先輩の号令の下、祐斗の作った各種お菓子やケーキ、市販の駄菓子などと共に祐斗を中心にした昔語り、テレビゲームにボードゲーム、トランプ等で遊んでいく

 

そうして祐斗の昔語りやここ最近の流行などの話題が尽きてきた辺りで桐生さんがイヤらしい笑い声を出し始めた

 

「ムフフフ♪ねぇねぇ、こういう時の定番と言ったらやっぱり恋バナよね?兵藤に有間君とかこ~んな綺麗どころと一つ屋根の下で、親も公認なんでしょ?ラッキースケベからプロレスごっこまで、ネタは豊富なんじゃない?・・・あ、木場きゅんとギャスパー君は除外で良いわよ。二人は恋愛方面では良くも悪くも普通そうだし・・・まぁギャスパー君とヴァレリーさんのおねショタネタが有るなら何時でも受け付けるけど♪」

 

遂にきてしまったかエロトークの時間

 

桐生さんが居る時点で何時か話題が振られるかもとは思ってたけど、恋バナ(エロトーク)とかせめて女子だけの時にしてくれませんかね?

 

ただ普通に除外された祐斗とギャスパーはそれぞれ首を捻っている

 

「ラッキースケベはまだ解るけどプロレスがなんの関係が有るんだい?」

 

「お、おねショタってなんですかぁ?・・・この歳でおねしょなんてする訳ないですぅぅう!」

 

うん。取り敢えずお前らはエロトークの舞台に上がる資格すらないのはよく分かったよ

 

意味についてはぐーぐる先生に訊いて来い

 

もしくはアザゼル先生でも可・・・オススメはしないけど

 

「エロと言ったらおっぱいだ!乳、尻、太もも!女の子のエロスを強く感じられる部分は多いけどおっぱいに勝る部位は無いね!尻派である歴代の白龍皇の先輩方と日夜答弁を重ねている俺だけど、この答えだけは不動だぜ!!」

 

「イッセー、それは単なるエロトークであって恋バナというオブラートにすら包まれてないぞ」

 

「うっせぇイッキ!だったらお前はどこが一番好きなんだよ!?この場の女子はエロトークにも寛容なんだから学園に居る時みたいに誤魔化しは無しだぞ!」

 

おい、そこに居るロスヴァイセさんが「そっだエロエロな話さ、わたす許容なんかしてねぇだ」とか言ってるのは耳に届いてないのか?

 

だがここで話に乗って来たのは以外にもゼノヴィアだった

 

「そうだな。私達は何時もイッセーの趣味趣向を研究しているが、偶には他の意見を聴くのも良いのかも知れん。多用は出来ずともアクセントとして他のエロを織り交ぜる事で何時もと違った攻め方が出来ると思うからな。もしかするとそれが子作りへの道を拓くかも知れないからな」

 

いや、ゼノヴィアは攻め方を変えるよりも時には一歩抑えた方が上手くいきそうな感じするけどな。イッセーはグイグイ迫られるとタジタジになっちゃうみたいだし

 

他の皆も興味というよりは面白がってる感じに俺の答えを待っている

 

「・・・答えなきゃダメ?」

 

「『ダメ!』」

 

畜生!即答された!

 

「さぁイッキ。お前はおっぱい派か?それとも尻派か?俺達二天龍の崇高なる議題だぜ!」

 

二天龍と一括りにしたらドライグとアルビオンが泣くぞ

 

そう思いつつも俺は俺の真実(こたえ)を述べる

 

「太もも派・・・かな?」

 

「な・・・まさかの赤龍帝(おっぱい)白龍皇(しり)邪神(ふともも)の三竦み・・・だと?」

 

お前最初に乳、尻、太ももの三択を出してたじゃねぇか!その中だったら太ももだよ!そこが一番チラリズムの割合が高い部位なんだから俺のチラリスト魂が魅力を感じやすいところなの!

 

「ふ~ん。そっかそっか、有間君は太ももなのねぇ。それで黒歌さんたちの太ももをベッドの上でケダモノのように舌を這わせて舐め廻してるって事か~」

 

おいそこのエロメガネ女子。なに訳知り顔で頷いてんだよ!

 

「男は皆オオカミってやつよね。有間君もオオカミに変身してるんでしょ?」

 

「そんな訳ねぇだろ!」

 

桐生さんの言葉を力を籠めて否定する。嘘じゃないぞ?俺の神器が亜種として至って無かったらオオカミに物理で変身してたかもな

 

「にゃはは♪私はイッキがケダモノでも構わないんだけどね♪(ネコ)白音(ネコ)レイヴェル(トリ)九重(キツネ)と揃ってるんだし、イッキもオオカミになればケダモノパーティーの出来上がりにゃ♪」

 

ケダモノパーティーってなんかイヤだなそのネーミング

 

そう否定すると桐生さんがメガネをキラリと光らせる

 

「成程分かったわ。有間君は同じケダモノになるよりも黒歌さんたちの調教師(ブリーダー)でいたいって事ね!彼女達に首輪を付けてあんな事やこんな事まで仕込むつもりなんでしょう!有間君のドSメーターが振り切れてるのが見えるわ!!」

 

そんなもん見ないで宜しい!

 

そうして暫く皆に弄ばされた後でやっと俺も解放され、深夜近くに男女で部屋を別れて眠りにつく

 

俺達はイッセーの部屋に布団を敷いて寝たけど、以前の家で冬場でも固いカーペットの上で毛布に包まって寝てた時とは比べるべくもない・・・そう感想を溢すと憐みの視線を向けられたけどな

 

翌日も常に全員一緒とはいかないが、買い物に出かけたり修行をする時にトスカさん達が見学に来たり祐斗の指導の下でお菓子作りに励んでみたりと土日も遊び倒した

 

そうして迎えた日曜日の終盤にトスカさんが意を決してリアス先輩に話し掛ける

 

「あの・・・リアスさんから見たイザイヤの事を私にも教えてくれませんか?お二人が出会った時からの事を!」

 

如何やらトスカさんがリアス先輩を避けてしまっていた一番の理由は復讐に駆られてた祐斗の過去を、その時の様子からして全部知っているリアス先輩に聴いてしまうのが恐かったかららしい

 

白音や朱乃先輩やギャスパーも祐斗の話題を出すとしても当然明るい話ばかりだ

 

それでもトスカさんは大切な仲間である祐斗(イザイヤ)の怒りに囚われた過去もキチンと全て知りたいのだとこのお泊り会の間に決心が着いたようだ

 

「ええ、勿論よ」

 

リアス先輩もそれを了承し、全てを話し終えた時にトスカさんが涙目になりながらも頭を下げる

 

「イザイヤを助けて頂いて、ありがとうございました」

 

涙声になりながらもお礼を述べるトスカさんをリアス先輩も優しく抱きしめる

 

「貴女こそ、生きていてくれて、本当にありがとう」

 

こうして親睦を深める為のお泊り会は無事に終了し、トスカさんもそれからは俺達の家によく遊びに来てくれるようになったのだった




イッセーが両親に打ち明けましたけど、原作の人型ドラゴンという訳でもない彼は打ち明けるハードルがやや下がってる感じです
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