転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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二話同時です。一話前からお読みください




第十五話 特典、解放です!

俺はトライヘキサがこの決戦の為に用意された空間に吸い込まれるのと同時に専用の術式で結界の中に入った。そしてトライヘキサの封印が破られる前にオーフィスの無限の特性の加護で俺の【神性】を『この世すべての悪』を受け止められるまでに拡張・強化する

 

本来であれば脆弱な人間の肉体の俺がオーフィスの力なんて発現させたら次の瞬間破裂してしまう・・・ヴァーリが覇龍(ジャガーノート・ドライブ)負担(リスク)を魔力で受け持っていたように闘気で同じ事が出来ないかとも考えたけど闘気はそこまで万能じゃない。さっきもサイラオーグさんがレグルスの力を解放すると同時に血を吐いてたようにな。てかイメージすれば大体の事が叶う魔力が便利過ぎるんだよ

 

毎日お参りしたりお菓子を献上したりでオーフィスの力を借りる了承を得た俺がどうやってその無限の力を扱うのかだが、俺の中の究極の龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)のサマエルの力を使う事にした

 

簡単に言えばオーフィスの力を使った時の反動の流れを操作して魂の奥のサマエルの居る部分にダストシュートしてしまうという訳だ。反動と言えどもドラゴン由来の力ならば消し去る事が出来る。先程イッセーの中の制御不全に陥ったオーフィスの力の残滓も俺が抜き取って俺の中のサマエルに消させたのだ・・・サマエルはゴミ箱と化したのだ

 

トライヘキサの二度のブレスを敢えて喰らって体の調子を確かめた俺はこの端が何処に在るのかも判らないくらいに広大な結界空間全体にすら行き渡るくらいに邪気を振りまいていく・・・味方が居ない時ならフィールド効果の『邪邪風風』も遠慮なく使えるってもんよ!

 

トライヘキサがブレスが効かないならば接近戦とばかりに距離を詰めて来るのを俺からも近づいて殴りかかる―――だが巨体の癖にオーラゴリ押しで圧倒的な速度を出したその拳を避け切れずに殴り飛ばされてしまった

 

今の一撃で遥か遠くまで飛ばされた俺に追撃でブレスを放ちながら再度接近するトライヘキサの懐に潜り込んで殴り返すとその巨体が僅かに後退する

 

「う~ん。やっぱり単体で世界とケンカ出来るトライヘキサ相手じゃ幾ら戦いに向いている邪気つっても単純なオーラ量の差が出るな」

 

聖杯と生命の実で耐久値とHPを爆上げしてるはずだから尚更にな

 

独り言ちていると目の前のトライヘキサから困惑するような気配が伝わって来た

 

今の俺のオーラはトライヘキサの半分以下

 

それなのにトライヘキサの攻撃がもう何度も直撃しているにも関わらず、防御も碌にしてない俺がケロリとしているのが不思議でならないんだろう

 

だから俺はトライヘキサに裏のカラクリについて教えてやる事にした・・・何故そんな俺らしく無い事をしようとしてるのかと言えば、外のお偉いさんたちが結界内の様子を見て万が一この邪神モードともこの世すべての悪(アンリ・マユ)モードとも云える形態の効果が無かったり破られたりした場合に、各勢力のVIPだけが知っているという極秘の作戦を発動させると言う都合上、どうしたって俺とトライヘキサの戦いは中継されるからだ

 

それならばどうせなら首脳陣だけでなく文字通りに全国ネットで中継して貰おうと思ったのだ

 

理由としては将来俺が嫁に貰う黒歌達の中でも今回は特に九重とレイヴェルの為だな。二人ともそれぞれ妖怪と悪魔の世界では由緒正しい良家のお嬢様だからやっかみが酷そうなのだ

 

超常の存在は基本脆弱な人間を下に見る傾向が強いから人間(おれ)との婚約・結婚に陰口を叩いてくる奴らが沢山出て来るだろう・・・夏休みに京都の妖怪の問題は粗方片づけたけど日本の妖怪組織って結構バラついてるからね。そんな奴らの口を事前に紡がせる布石になる訳だ

 

そして俺にトライヘキサの攻撃が通らなかった理由は今の俺が『この世すべての悪』―――すなわち悪性の頂点(・・・・・)となっているからだ

 

俺の持つ【神性】はFate時空由来。そしてあの世界における善性の頂点の一柱として描かれた神であるケツァルコアトルはアニメでこう言っていた―――「善き力で私を倒すのは難しい」と

 

同じように今の俺は悪しき力では傷一つ付かないのだ!

 

「そう言う事だからよ、トライヘキサ。俺を倒したかったら光の勇者か正義のヒーローでも連れて来るんだな!」

 

言葉がどれだけ通じているかは判らないけど指を差しながらビシッと決める・・・あれ?なんか今地上の皆さんが一律に変な顔をしている様子が目に浮かんで来たんだけど、気のせいだよね?

 

気を取り直してトライヘキサを見つめ直す・・・正直ここまでだと状況は五分に近いが、ぶっちゃけトライヘキサの方が有利だ

 

何故なら俺の攻撃もトライヘキサの攻撃も決定打にはならないからだ・・・まぁ今の俺ならトライヘキサのタフネスチート具合を考えても一万年も掛けないで倒しきれるだろうが、それは俺が不眠不休で動けたらの話だ

 

少なくとも丸一日や二日程寝ずに戦っても倒しきれないだろうし、俺が疲れて眠っちゃたりしたら折角与えたダメージも回復しちゃうからな

 

俺が寝ている間に邪神モードが解けたら一瞬で塵にされるし、そうでなかったとしても俺の邪魔が入らない内にせっせと結界破壊に勤しめばいい

 

コイツを逃がしてしまえば実質俺の敗北だ。そうなればアザゼル先生たちの極秘作戦(隔離結界領域)に頼る事になってしまう

 

だから悪いがトライヘキサよ。こっから先は血で血を洗う互角の熱い勝負とかそんなちまちまとした戦いを演じる気は毛頭ないんだよ!

 

俺は懐からアザゼル先生に頼んで作ってもらった神の子を見張る者(グリゴリ)謹製のビー玉くらいの丸い物体を取り出すとそれをそのまま呑み込んだ・・・金丹を飲んだ時と違って今回はちゃんと水も用意したぜ(仙術で)

 

「待たせたな、トライヘキサ。これより―――世界の半分(この世すべての悪)をお前にくれてやる」

 

ドラゴンでクエストしてる世界の大魔王なセリフを吐く俺がなにか仕掛けて来るのが判ったのかトライヘキサはブレスにパンチに尻尾ビンタと様々な攻撃手段で俺を近寄らせまいとする

 

だけど元々が巨体のトライヘキサと小さい人間の俺という構図なのだ。幾度か俺の事を捉え切れなかった攻撃がそのまま隙となり俺は七つの首の生えてる首元辺りにタッチする

 

「悪いなトライヘキサ。さっきは世界の半分つったけど少し訂正するわ。俺の最後の必殺技は威力200%計算なんでね!―――【じばく】!!!」

 

俺が唱えると同時にもはや規模が大き過ぎてどれ程の範囲に広がっているかも分からないレベルの爆発が巻き起こった

 

恐らくだが今の一発を地上で放とうものなら地球が(かじ)られたリンゴのように抉れるだろう

 

至近距離でその爆発を喰らったトライヘキサは全身がボロボロに炭化して首も2~3本消滅しているような状態となっている

 

「まっ、やっぱ直ぐに回復するよな」

 

そう。それだけのダメージを負ったはずのトライヘキサは見る間に体をアホみたいな勢いで修復させてしまったのだ

 

そして七つの首の計十四個の瞳が明確に俺に対して怒りの感情を籠めた眼光で射抜いてくる

 

今までは『敵』と見なしながらも存在力の差からこちらの事を格下にしか思ってなかったのだろうが、攻撃が効かない上に大ダメージまで受けたから認識を改めたようだ

 

七つの首が口元にまたしてもブレスを溜める。しかし今までバラバラに撃っていたものと違い中心に在るドラゴンのような首を他の六つの首が囲うようにして全てのブレスを一つに纏める

 

まるで小さく圧縮された太陽がそこに在るかのような膨大な熱量が収束する・・・恐らくは最低でも魔王クラスの力でも無ければこの場に立つ事すら出来ないはずだ

 

それ以下であれば焼かれて死ぬね、アレは

 

そんなトライヘキサ渾身の火球は放たれる直前に一気に人間一人の半身を飲み込む程度の大きさにまで圧縮された

 

"ピィィィィィィッ!!!"

 

かの『黙示録の皇獣(アポカリプティック・ビースト)』の攻撃とは到底思えないような目の前のたった一人の人間を殺す為だけに圧縮に圧縮を重ねた余計な破壊すらも生み出さないレーザー砲は闇の世界に一本の光の線を奔らせた。先程の俺の【じばく】が地球を抉る攻撃なら今のトライヘキサの攻撃は地球を容易く貫通する攻撃だろう

 

「・・・今のがお前の精一杯(切り札)って事で良いか?」

 

まぁ俺には関係ないんだけどな。裏の世界じゃ感情を籠めた攻撃ってのは中々馬鹿に出来ない威力の向上を齎すが、選んだ(チョイス)した感情が悪かったな

 

「怒りってのも一つの負の感情だ。それで高められた攻撃なんて俺にとっては意味が無い。怒りというならせめて義憤の念を抱いてから出直しな」

 

無傷の俺がゆっくりと距離を詰めるとトライヘキサが僅かに後退した。それを見た俺は自分の口元が"ニチャアアッ"と弧を描くのを感じる

 

ああ、それで良い。ただ俺に感情の無い木偶人形のように破壊されるだけでは足りないんだ

 

お前が俺に恐怖心などの負の感情を強く抱いて心と体が弱れば弱る程に、俺が周囲に撒いた邪気は魂の深奥まで徐々に侵していく

 

ここからはアザゼル先生たちにも話してない事だけど、そもそもとしてトライヘキサを倒した後、目の前の獣が復活しない(・・・・・)などと誰が決めた?

 

俺達が今まで散々相手取って来た邪龍達を筆頭に魂レベルでしぶと過ぎる連中はこの世界には多く居る。ましてやトライヘキサは聖杯と生命の実という伝説のアイテムで強化されてるときたもんだ

 

仮に原作通りに各勢力の首脳陣が一万年掛けてトライヘキサを倒しきったとしても数千年どころか数百年も経たない内に復活を果たしても可笑しくは無いんだ

 

それに時間を掛けて封印の術式を編み出してもトライヘキサの存在が皆が知る所となった以上は何時か第二のリゼヴィムみたいな無駄に力と行動力だけは有るバカが現れるだろう

 

幾ら各勢力で封印してもトライヘキサの封印の監視に常に世界中の戦力を結集させ続ける事なんて出来ないしね・・・万が一を考えれば対トライヘキサ特攻術式をもっとトライヘキサを直接的に研究して編み出した方が良いのだ。その為には如何すれば良いか?その答えは『トライヘキサを使い魔(ペット)にする』―――これだ。モルモットにしてしまえば研究も捗るだろうからな

 

他にも異世界の邪神の勢力とやらが居る様に次元世界単位で見た場合、そいつらが何時かこの世界に侵略戦争を仕掛けて来ないとも限らない。その時にトライヘキサという頼れる戦力(にくかべ)が居るか居ないかで交渉一つ取ってもかなり違いが出るだろう

 

・・・俺は邪龍戦役後の原作の世界を識らない。だから何が起きても対処出来るようにトライヘキサなんて大きな力をただ消滅させるなんて真似はしたくないのだ

 

勿論今後二度とトライヘキサの力を使う時なんて来ない可能性も有るが、全勢力が管理するトライヘキサの最後の手綱を握るのは俺だ

 

別に戦力も権力も欲してる訳じゃないけれど、平穏に暮らすにも力ってのは必要なんだよ・・・順当に考えて残りの寿命一万年。それを見据えた行動をとるのがこの世界で生きるって事だろう

 

「―――だからさ。悪いがお前の心がポッキリ折れるまで、俺に甚振(いたぶ)られてくれよ」

 

≪ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!≫

 

トライヘキサ的に答えはNOらしく、俺に殴りかかって来るのを片手を前に突き出して止める。拳の衝撃波だけで空間そのものが大きく(たわ)むが、ブレスのようなエネルギー系の攻撃だろうが質量攻撃だろうが『悪』に属する以上は俺に届くことは無い

 

「そうだよな。今のお前は俺に多少の恐怖心を抱いてくれてるようだけど、一発喰らわせた程度じゃ絶望というには足りてないよな」

 

恐怖というのはそれを抱く者にとって害を及ぼすかどうかだ

 

それは物理的なダメージかも知れないし、精神的なダメージかも知れない

 

だからもしも圧倒的強者であろうとナニカ(・・・)に対して欠片でも恐怖を抱くなら、その瞬間そいつは『無敵』ではなくなるのだ

 

次に一口に恐怖と言っても強弱がある。立ち向かい、振り払える恐怖と反抗する気力すら湧かない絶対の絶望だ―――トライヘキサが俺に立ち向かって来るのはまだ俺を『如何にか出来る』という希望が有るから

 

「その間違い(きぼう)を今此処で根こそぎ摘み取ってやろう」

 

俺とトライヘキサの視線が交差した時、ニッコリ嗤って告げてやる

 

「【じばく】」

 

俺の言葉と共に極大の爆発が巻き起こり、またしてもトライヘキサの体が半分以上吹き飛んだ。しかし、巨体であるにも関わらず数秒も有れば全回復しそうな勢いで体の欠損が修復し始める

 

「【じばく】」

 

本日三度目の【じばく】。自滅技を使いながらも爆発の中から普通に現れた俺の眼の前にトライヘキサの爪による攻撃が迫る―――打撃が駄目なら斬撃だと自分の体の修復を待たずに攻撃してきたようだがその爪が態々届くのを待ってやる必要も無い

 

「【じばく】」

 

俺の近くまで迫っていた腕ごと爆散したトライヘキサは最早下半身と尻尾の一部しか残ってない。そして頭も再生してない状態でも本能なのか俺に向かって尻尾を叩き付けようとしてくる

 

「【じばく】」

 

トライヘキサが『ずつき』を―――

 

「【じばく】」

 

『けたぐり』を―――

 

「【じばく】」

 

『かみつく』を―――

 

「【じばく】」

 

『たいあたり』を―――

 

「【じばく】」

 

『のしかかり』を―――

 

「【じばく】」

 

『ほえる』を―――

 

「【じばく】」

 

・・・『にげる』を

 

「―――(ようや)く『わるあがき』を止めてくれたんだな。なら、これで仕上げだ」

 

俺に背を向けたトライヘキサを逃がさないようにゼロ距離に迫る

 

知ってるか?邪神(ラスボス)からは逃げられないんだぜ?

 

俺は胸一杯に空気を吸い込むと言霊を乗せながら一気に吐き出した

 

「【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】【じばく】ッ!!!!!!」

 

最初の10発くらいでトライヘキサの肉体は完全に消し飛んで丸く光る核のようなモノが露出したのでそこに張り付いて連続で【じばく】する―――【じばく】でどんどんと弱らせつつも邪気の泥を懇々(こんこん)と流し込むのも忘れない

 

―――何故全エネルギー消費技の最後の特典である【じばく】をこれ程までに連発出来るのか

 

その答えは先程呑み込んだ球体に在る。アレには俺が【じばく】を発動させると自動で専用の空間に溜め込んだフェニックスの涙を適量放出する効果が有るのだ

 

そのフェニックスの涙ことレイヴェルの涙を装置に溜める為、この一ヵ月でそりゃあもう大量に涙を搾り取る事になった。普通は涙なんて容易く流せるものではないのだが、世界を救う為にもレイヴェルには毎日号泣レベルで涙を流して貰う必要が有ったからだ

 

具体的に言えば天界式ドアノブの神の子を見張る者(グリゴリ)バージョンの色んなお部屋でレイヴェルがしっかりと俺を意識して涙を流せるように色々凄い事をする事となったのだ。その部屋の中でレイヴェルが流した涙は自動で回収、保存出来る機能を取り付けてな・・・まぁそうなれば当然エロ猫(黒歌)も黙ってるはずもなく、白音も看過は出来ないと便乗してこの一ヵ月は例の『クラスビースト変貌薬』にお世話になったりもした

 

そういえば最初にアザゼル先生の紹介でバラキエル(ドM)さんと女幹部のベネムネ(ドS)さんの心得講座と役立つサポートアイテムを丁寧に説明してくれたサハリエル(マッドサイエンティスト)さんの講座が在ったな~(遠い目)

 

具体的な手段については皆さんのご想像にお任せするが、兎に角俺はレイヴェル(と、便乗した黒歌と白音)を()かせて、()かせて、()かせて、()かせて、()かせて、()かせたのだ・・・最初に提案した時の黒歌達のドン引き具合や白音の久々の「サイテーです」は今でも鮮明に思い出せる。

なお、この準備の内容については可能な限りで秘匿して貰っています、はい

 

まぁでも当のレイヴェルも『クラスビースト変貌薬』の話題が最初に出た時から「ちょっと早い」と言うだけで割と乗り気だった・・・のだと思う

 

この一ヵ月は結構寝不足にもなったけど、黒歌達は可愛かったとだけは言っておこう・・・と云うか白音も「サイテーです」と言いつつちゃっかり参戦してくる辺りはやっぱり黒歌の妹なのかもな

 

トスカさんと桐生さんがお泊り会した時に桐生さんが「有間君のドSメーターが振り切れてるのが見える」って言ってたの、ぶっちゃけ確信持ってただろうしな

 

なんにせよこの戦いが終わったら今回に関してはレイヴェルを中心に全力で甘やかす所存です

 

頼み事とか有れば全部叶える気概で望ませて貰うわ。いやマジでな

 

ともあれそんな感じに非常に合理的に俺の普段なら使えねぇ【じばく】を決戦仕様に昇華させたのがこの惨状という訳だ

 

連続した【じばく】で露出したトライヘキサの核が悲鳴を上げるような気配を色濃く漂わせる

 

「じゃあなトライヘキサ。復活した際には俺のところに服従のポーズを取りに来いよ」

 

最後に一言添えてから俺の邪気が魂の奥底まで浸透しきった次の瞬間、トライヘキサの核は砕け散ったのだった

 

これが後に『邪龍戦役』と呼ばれた大戦争において、世界中の人々の悪意の力がこの星の未来を勝ち取った瞬間であった

 

因みに俺はこの戦いの後でイッセーやヴァーリ達の新たな名である『D×D(ディアボロス・ドラゴン)』と同じように悪神―――『D×D(ディアボロス・デウス)』なんて呼ばれるようにもなった

 

なお「俺一応人間なんだけどなぁ」という本人の主張は誰も耳を貸してくれなかった

 

・・・畜生!

 

 

 

[Boss side]

 

世界の()を見据えて世界の行く末を見届けていた破壊の神と悪魔の王は静かに中継されていた映像を切った

 

「いやぁ、これは流石に予想外だったかな?まさかかの獣を封印するでもなく斃してしまい、さらにそれを成したのが人間だなんてね・・・まぁ彼はもう(がわ)以外は既に人間を逸脱してるけど、悪魔を逸脱してるキミなら親近感でも湧いたりするのかな?」

 

「いいえ、私もサーゼクスも彼とは逸脱の度合いに差があり過ぎて比べる気にもならないですね―――しかし、面白い結果だとは思います。超常の存在が暴れまわる今回の戦いで一番の手柄を上げたのが有間一輝なら2番目もまた人間なのですから」

 

「あの聖槍使いくんの事かい?まっ、全ての戦場から偽物の赤龍帝軍団を消し去ったからね。戦いがもっと長期になっていれば今代の二天龍がその座に着いてただろうけど、(いくさ)の規模に反して直ぐに決着となったからね」

 

「しかしそれでも決して安い被害だとは言えません。各神話世界から人間界まで、その地図から勢力図まで書き換える必要が有るでしょう」

 

「まぁね。消滅した神々も中には居るけど、彼らと次に会えるのは何千年後かな?―――ははっ、僕ら神々も邪龍がしぶといなんて愚痴を言える立場じゃなかったかな」

 

「三大勢力が和平を結んだ時にアザゼル元総督殿が言っていたそうです。『神が居なくても世界は廻る』と―――しかし世界を円滑に(・・・)廻す為には、やはり神は必要だと思いますね」

 

「キミたちは神と敵対してたはずの悪魔や堕天使まで一丸となって聖書の神(アイツ)の死を擬装し続けてきてたからねぇ。傍から見てたら滑稽(こっけい)だったよ・・・さて、神が人間界にまだ必要だとしても今回は彼らが識るには早すぎる情報が多く流れ過ぎた。世界中の人々の記録や記憶を改竄する必要が有るだろう」

 

「ええ、それに関しては直ぐにでも各勢力の神々からの同意が得られるでしょう。三大勢力(われわれ)も天使や堕天使と連携を取りつつ最大効率で仕事を回していかないといけません」

 

「ふふ、聖書陣営は広いからね。勢力が縮小している今のキミらは暫くてんてこ舞いだろう?」

 

「そうですね。今日から最低数日は書類の山が私の敵となりそうです」

 

「―――さて、結局のところリゼヴィムと邪龍。少なくともアポプスとアジ・ダハーカについてはかの地についての情報をある程度掴んでいたって事なのかな?」

 

「そのようです。まぁトライヘキサを見つける事も出来た聖杯です。おそらくはそこからアクセスしたのでしょう。私も神滅具(ロンギヌス)を介して接触を図っていますからね」

 

「此方からは僅かずつしか情報を得られていないのに対して向こうはアッサリとこっちに干渉して来ちゃうんだけどね。そっちのおっぱいドラゴンが今度は直接加護を賜ったみたいじゃないか」

 

「今の処彼を介せば精霊神とやらの陣営とは話し合いの席には着けそうなのは幸いですがね・・・場合によっては彼を『E×E(エヴィー・エトウルデ)』への親善大使に任命するかも知れません」

 

「彼が交渉事に向いているとは思えないけど、なんでかな?悪いようにはならない気がするよ―――しかし、将来『E×E(エヴィー・エトウルデ)』の善神レセトラスとやらの陣営と接触する時が訪れるなら、当然邪神メルヴァゾアの陣営も此方の世界にやって来れるという事だ。しかも如何やら僕らにとっての招かれざる客の方が先に到着する見込みの方が強いんだろう?」

 

「そうですね。アグレアスにリゼヴィムが残した異世界に関するデータが有りました。如何やら彼は偶々連絡の繋がった異世界の邪神たちに罵詈雑言を吐いた上でこの世界の座標と転移術式に関するデータを一方的に送信していたようです」

 

「―――異世界と戦争が出来るなら、自分から異世界に行こうが、向こうが攻めてこようが関係無かったって訳だ。まったくあのテロリズムの塊は本当に場を引っ掻き回す才能だけは一級品だったよ。死んでも尚、これほどの問題を残してくれるんだからね」

 

「相手も邪神と言えど、有間一輝に任せる訳にもいきませんからね」

 

「当然だとも。そもそも彼のあれ程大規模で見境の無い破壊技が使えたのは、我々が事前に専用の戦場の用意とトライヘキサを封じて連れていけるだけの準備が出来たからだ。有間一輝だけでは異世界の邪神に対する防波堤にはなれても勝利する事は難しいだろう・・・文字通りにこの星ごと【じばく】するなら両軍が敗者となる引き分けには持ち込めるかも知れないけどね」

 

「そうならない為にも我々は戦力を整える必要が有ります。異世界の邪神の陣営がリゼヴィムが送ったデータを解析し、次元の壁を突破するまでに掛かる時間はアザゼル元総督と私のベルゼブブの研究機関が試算した結果、約30年後だと予測されています」

 

「―――短いね。僕たち超常の存在からしたら、瞬き程の時間でしかない。となればやはりあの案は実行に移すべきだろうね。一部の者達だけでは足りない。『戦争(ゲーム)』は『駒』が揃ってこそだ。世界中の強者を育て上げるお祭り、『レーティングゲーム国際大会』・・・僕も一枚噛ませて貰おうじゃないか。何時だって強者は闘争の中でしか生まれないものだからね」

 

[Boss side out]




イッキ「もっとも尊敬する忍びは卑劣様です!」(連続一点集中爆破的な意味で)

いや~、イッキは一体何をやったんでしょうねぇ?レイヴェルを膝の上に乗せてホラー映画やラブロマンス映画でも見て感動泣きでもさせてたんでしょうか?(すっとぼけ

あと、国際レーティングゲームに関してはちゃんと書くつもりないのでご承知下さい。異世界の問題自体は次回辺り書くと思います
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