転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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ちょっと遅れてしまいました


第十六話 戦後処理と、新たな仲間です?

邪龍軍団及びトライヘキサとの戦いに終止符が打たれてから数日、俺達は戦後処理でてんやわんやして過ごしていた

 

裏方担当のスタッフさん達がここぞとばかりに馬車馬の如き仕事量で圧壊されそうになっているのに比べたら『D×D』のような戦士組はまだマシだったけど、リアス先輩とかは自身の縄張りである駒王町の一般の人々への対処とかは完全に裏方に任せる訳にもいかなかったようなので疲れた様子だった

 

俺や黒歌なんかは『D×D』の中でも比較的身軽に動けるからか地方に赴いてテロリストの拠点潰しとかを請け負ったりもしたな・・・トライヘキサとの戦いで色んな世界が大きく揺らいだ事に変わりは無いのでそれに触発されて計画性もないような木っ端テロリストが各地で散発的にヒャッハー!してたのでプチっと潰す作業だ

 

スタッフ総出で一般人への隠蔽工作とかしてる中で暴れられるとか面倒極まりないので早々にご退場願う訳だ

 

勿論各地にはそこに常駐する裏側の軍やら警察的な組織も居るけどトライヘキサとの戦いは文字通りに世界規模だったから馬鹿共の出現率も相対的に跳ね上がったんだよな

 

まぁこのクソ忙しい時に余計な仕事を増やすテロリストなんて各勢力の対テロ組織の人達の神経を逆なでする行為なので世界各地でテロった次の瞬間には過剰なまでの蹂躙劇が繰り広げられたみたいだけど、犯罪者に慈悲は無しで良いだろう

 

ただまぁ偶々俺が出向いた場所では初手で思いっきり邪気を纏った状態で近づけば降伏勧告するまでもなく敵さん方が「うわぁぁぁ!邪神が来たぞ~!!」とか「うぇへへ♪もう終わりだ~♪」とか戦意喪失したり気が狂ったように笑ったりその場で意識を手放す奴もいた

 

誠に遺憾である。あの戦いでオーフィスの力を発現させた影響で俺の【神性】が【A+】から【A++】に引き上がった事で邪人モードも準邪神モードみたいな感じになったから下級程度のゴロツキテロリストには少し刺激が強かったかも知れないがな!

 

今の俺は単純なオーラ量だけを見るなら魔王クラスの約四倍ってとこだろう・・・比率としては正と邪の気が1:3って感じだ

 

以前シトリー眷属と模擬戦した時に俺の邪人モードを観たセラフォルーさんが原初の悪神並みのオーラに感じると言っていたけど、今の俺は彼らにどんな風に見えているのか・・・まぁザコ相手ならこうして無血開城出来るんだから(物理面では)とっても優しい力だよね?

 

とはいえ今のままでは圧倒的格下を強制的に戦闘不能に陥らせる程度の効果しか無いし、もう少し効果の高い『邪邪風風』は味方が完全に周りに居ない状況じゃないと使いづらいから邪気の別の運用方法とか無いものかね?そんな事を考えてると上級悪魔程度の力を持ったテロリストが震えながらも此方に魔力弾を撃ち出そうとしてるのが見えた

 

一人だけレベルが違うから多分コイツは用心棒的な立ち位置だったんだろうけど、あの邪龍戦役ではノーマルの量産型邪龍も上級悪魔程度の力が有ったし、それらを羽虫をバーナーで炙るように殲滅した後だからコイツ一人が歯向かったって如何だって話なんだが・・・まぁ一応量産型邪龍よりは強そうだけどね

 

「ふむ。待てよ?試してみるか」

 

普通に倒しても良かったのだがふと思いついた事が有ったので魔力弾を向けられた状態で顎に手をやって思案顔になると、舐められていると感じたのかテロリストの悪魔が渾身の魔力弾と云うか魔力砲を撃ち出してきた

 

「この人間風情がッ、見下してんじゃねぇぞオオオッ!!死ねぇぇぇぇぇえええええ!!」

 

迫りくる魔力砲を敢えて避けずに正面から喰らった俺は額から僅かに血を流す

 

微かとはいえダメージを負った俺の様子に目の前の悪魔は気を良くしたようにはしゃぎだす

 

「は・・・はは!ハハハハハハッ!!なんだよ、そのオーラは見せかけだけで実際は大した事もねぇハリボテ野郎だったのかよ!」

 

男はまだ周囲に諦めたかのようにして残っていた他のテロリスト達に檄を飛ばす

 

「オメェ等!ボサッとしてねぇで魔力を溜めろ!一斉攻撃でアイツをぶっ殺すぞ!そうすりゃ俺達の組織に一気に拍が付く―――あの戦争の時のような力は今のアイツには無ぇみたいだが、今此処で殺しちまえば一躍俺達は神殺し(ゴッド・スレイヤー)として闇の世界のトップランカーの仲間入りだぜ!!」

 

力こそ正義な裏の組織で一番の実力を持っていたであろう目の前の男の言葉と俺が少しとは云え血を流してる様子に意気消沈していた他のテロリスト達の瞳に希望の光が灯り始め、それぞれが炎や氷、単純な魔力弾など自身が得意とする力をチャージする

 

てか俺って一応人間だから殺しても神殺しの称号は得られないんじゃないかな~?

 

「撃てぇぇぇえええええええッ!!」

 

呑気な事を考えていると男の号令と共に一斉に俺一人に様々な攻撃が突き刺さり、爆炎に包まれる。しかしそれだけでテロリスト達の攻撃は止まずに彼らが息切れする事で(ようや)く爆心地の様子が把握出来るようになってくる

 

そんな攻撃の嵐に晒された俺はと言えば全身にかすり傷を負った状態だ

 

「う~ん。もうちょっと調整が必要だろうけど、初めてならこんなもんかな?」

 

今は僅かに血を流しちゃったりしたけど、もう少し練習を重ねれば『薄皮一枚程度の傷』を敢えて受ける事も出来るようになりそうだ―――例え小さくても傷は傷。さらに脆弱な人間の肉体はその程度の傷でも放置したら治るのに一週間は掛かる

 

「なにをぶつくさ言ってやがる?クックック!その全身ボロボロの状態で後何回俺達の攻撃に耐えられるかな?」

 

周囲の皆さんが反撃もしない俺の様子に恐怖より欲望が(まさ)ったのかニヤついた表情を浮かべていらっしゃる・・・ボロボロつっても表面だけでこの程度ならアーシアさんの治癒が無くても自力で回復出来る程度なんだけどな

 

てかダメージを受ける為にオーラを抑えてるから邪気の圧力も減ってるせいも有るんだろうが、ちゃんとお礼はしないとね

 

俺は全身に『報復』の能力を使う時の青白い刺青を浮かび上がらせる

 

「まっ、自業自得ってやつだぜ?―――【歯止めの利かない復讐者(アンリミテッド・アヴェンジャー)】」

 

「『!?アアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!?』」

 

俺が能力を発動させると同時に俺に攻撃を加えたテロリスト達が同時に発狂し始めた

 

俺が神器を禁手(バランス・ブレイカー)に至らせた時にタナトスに一度だけ使用した【歯止めの利かない復讐者(アンリミテッド・アヴェンジャー)】は全勢力満場一致で禁止令が出ているサマエルの呪いを相手に流し込むという特性の為に以後の使用を禁じられた

 

だけどこの能力の本質はあくまでも相手に『呪い』を流し込む事だ・・・サマエルの力なんて所詮は後付けの物でしかない訳だしね

 

邪気を扱えるようになった今ならば、サマエルの呪いではなく『この世すべての悪』を相手に直接流し込む事も出来ると思ったのだが、上手くいったみたいだな

 

今回のようにザコ敵相手に使う技じゃないけど、強敵にも十分効く上に『邪邪風風(フィールド効果)』と組み合わせたり使い分けたりすればかなり使い勝手が良くなるだろうな

 

「よし!折角テロリスト(モルモット)は沢山居るんだし、今の内に出来るだけ汚染(とっくん)していくか!」

 

・・・後日聞いた話だと俺が捕まえたテロリスト達は尋問で「有間一輝を呼ぶぞ?」と(ささや)くと拷問の必要もないくらいに口が軽くなったらしい

 

裏方のスタッフの負担まで軽減出来るとか思っていた以上に有効みたいだからこれからも使って行こうと思う・・・中には発狂して廃人になった奴も居るみたいだから敵に合わせた手加減をもう少し見極めないとダメだけどな

 

 

 

そんなこんなで数日間は前線組の俺達ですら色々慌ただしく動き回った訳だけど、後は裏方に任せて通常業務と云うか日常に戻って良いよとお偉いさんたちにも指示されたので今はイッセーの家に集まって休息しつつここ数日の皆の仕事やら愚痴やらを言い合っていた

 

そして丁度今俺の活動を報告したところだ

 

「・・・イッキ。お前は悪魔か?」

 

「・・・この一年で何回同じ事聞くんだよ?悪魔はお前だろう?」

 

「種族の事じゃねぇよ!もっと概念的な意味で訊いてんだよ!」

 

対面のソファーから勢いよく立ち上がったイッセーが吼える・・・行儀が悪いからヤメロって。開封したポテチの中身が飛び跳ねそうだったじゃねぇか

 

それにしても人の心の在り方を概念という括りで線引きし、定義付ける事が出来るか否かか・・・中々難しいテーマだな

 

「・・・イッキ先輩はもう邪神で良いと思います」

 

「にゃははは♪まっ、それが一番しっくりくる答えよねぇ」

 

「イッキ様は今まで出来るだけ目立たないように動いている節もありましたが、今回の件で世界の認識は最早邪神や『D×D(ディアボロス・デウス)』、そしてイッキ様のおっしゃっていた『この世すべての悪(アンリ・マユ)』で固定されつつありますからね」

 

黒歌達としては別に気にしてないのか『もう邪神で良いんじゃね?』という方向性のようだ

 

「そうね。私もここ数日は各地の報告を聴いて指示を出したりするのが主だったけど、時々『邪神が〇〇(どこどこ)を壊滅させた』とかいう報告が幾つか在ったわね」

 

そこにリアス先輩も何処か面白がった顔で追加情報をくれる。別に聞きたくは無かったですよ

 

「いやいや、リアス先輩。別に邪神や悪神って云うのは他にもそれなりに居る訳ですし、なんでそれが俺個人を特定するワードになってるんですか?」

 

「あらあら、うふふ♪簡単ですわ。イッキくん以外の各神話の邪神さまや悪神さまがテロリスト相手に大暴れする理由なんて在りませんもの。今の時期は邪神(イコール)イッキくんで伝わりますのよ?」

 

時事ネタかよ!つぅか俺はあくまでも人間だって!

 

「『いや、それはない』」

 

「異口同音にツッコマないでくれません!?泣きますよ!?」

 

て云うか皆して要所要所で心を読んで来るけど、この世界の創造主って実はサトリ妖怪だったりしないよね!?―――「全ての生命には私の血が流れている」的な感じでさ!

 

それから皆の話を聞いてみたところによれば大体グレモリー眷属とシトリー眷属のどちらかが人間界及び駒王町で動き、もう片方が冥界で動く事が多かったらしい

 

冥界を始めとしてトライヘキサの襲撃を受けた各神話世界は人間界よりも先に攻め込まれた分被害も大きかったらしく、悪魔の名門であるグレモリーとシトリーの次期当主が復興に欠片も顔を見せない訳にもいかなかったようだ・・・まぁ二人が拠点としているこの町に直接的な被害とかが無かったのも一因だろうけどね

 

他に敢えて挙げるとしたらアーシアさんや白音なんかの治癒・治療が出来る二人は基本冥界の病院関係で動き回ってたりしたらしく、レイヴェルも実家でフェニックスの涙の精製に追われたようだ

 

アーシアさんが傍に居る事で忘れ勝ちだけど本来治癒の力は裏の世界でも希少だからな。種族関係なく回復出来る力なら尚更だ

 

そう言う意味では仙術も種族とか関係無しに治療も出来るけど、怪我の治療ならアーシアさんの広範囲回復(サークルヒール)で十分なので白音は主に邪龍との戦いで体に邪気や毒素が溜まってるのを抜き取ったり、体力を消耗してる人に活力を与えたりとアーシアさんの手の回らない所を補っていたようだ

 

次にレイヴェルの・・・と云うよりはフェニックス家も今回の戦争でフェニックスの涙が世界中で品薄になったから再配給に奮戦してるらしい

 

コチラは大規模戦争が終わった後なので今すぐ治療に使う訳ではなく、万一に備えてストックしておきたいといった感じだな

 

お陰でフェニックス家の財政が滅茶苦茶(うるお)いそうだが反対に涙は枯れそうだ

 

・・・そう言えば昨夜にライザーから通信が有って(半分は自慢話だった)レイヴェルが正規のフェニックスの涙を精製する時に最初の2~3回程『無色の涙』を流すのを失敗したと「珍しい事も有るもんだ」と感想を溢していた―――きっとレイヴェルは涙を流すのに条件反射でナニカ(・・・)を思い出して雑念が入ってしまったのだと思うけど、ライザーは気づいて無かったみたいなので相槌だけ打っておいたな

 

黒歌?彼女は後方で回復よりも暴れる方が性に合ってるから俺とは別の地方でテロリストたちを毒霧の海に沈めてたみたいだ

 

元々黒歌は『D×D』発足前からアザゼル先生とかから時折暇つぶしに敵性施設の破壊活動のアルバイトとかもしてたみたいだから、それと変わらないな

 

「ふふ♪なんにせよ皆お疲れ様。まだ暫くは忙しさも残るでしょうけれど、緊急且つ重要な案件で呼び出される事はほぼ無くなるはずよ。一先ずは一段落といった処かしら?」

 

リアス先輩がグラスに注がれたジュースを軽く掲げて俺達を労う・・・リアス先輩が持ってるとただのリンゴジュースが高級シャンパンに見えるから不思議だ。しかし肩の力を抜いた様子のリアス先輩とは裏腹にイッセーはどことなくソワソワした雰囲気だ

 

「いや、一段落と言うには俺としてはまだデカイ案件が舞い込んで来たばかりで落ち着かないんですが・・・」

 

「そうね。イッセーには上から上級悪魔昇格の話が降りてきたばかりだものね・・・でもそれを言うなら私や朱乃達だってイッセーの式が終わったら卒業式が控えてるのよ?」

 

そう。如何やら今までの功績にプラスして今回の戦争の戦果と劇的なパワーアップが合わさってイッセーに上級悪魔昇格の話が来たらしい。しかしイッセーとしてはどうにも腑に落ちないといった感じに首を捻っている

 

「そうですけど俺の場合急すぎて頭が付いて行かない感じがして・・・それになんで昇格の話が俺だけなんですかね?皆だって滅茶苦茶強くなったし邪龍も倒しまくってたから功績なら十分だと思うんだけど・・・?」

 

まぁグレモリー眷属ってアーシアさんは別枠として今や全員が最上級クラスの力は有るもんな。寧ろそれ以上の実力者の方が多いというインフレ具合だ。そんな中でもイッセーだけが上級悪魔に昇格出来る理由か

 

「まっ、有名税みたいなもんだろうな」

 

「如何いう事だよ?」

 

「サーゼクスさん達としては冥界への明るいニュースとしてヒーローである『おっぱいドラゴン』が昇格するって話を特別なスポットを当てて冥界に発信したいんだろう。多分だけどイッセーが昇格した後で1年以内には他の皆も順次昇格していくんじゃないのか?」

 

要するにイッセーの昇格の話をより特別感満載のマスコミ垂涎(すいぜん)なイベントにしたいのだ

 

「ええ、イッキの答えで概ね合ってるわ。実は既にゼノヴィア、ロスヴァイセ、アーシア、ギャスパーへの中級悪魔昇格の話も来ているの。上級悪魔と違って中級悪魔への昇格はそこまで騒がれる類のものじゃないから普通に通知が届いたわ。ただ上級悪魔・・・すなわち新たな『王』の誕生は先ずはイッセーだけに絞りたいみたいよ」

 

「きっと魔王様方は冥界に舞い降りた新たな『D×D(ディアボロス・ドラゴン)』を象徴的なものにしたいんだろうね。もう一人の『D×D(ディアボロス・ドラゴン)』である白龍皇と併せて超越者の領域に至った今代の二天龍、冥界(ここ)に在りってね・・・まぁヴァーリに関しては彼はもう北欧の主神のオーディン様の養子だけど冥界では『ルシファー』名が持つ力は未だに健在だからね。リゼヴィムの時は悪い方向にそれが働いたけど、今の彼ならば少なくとも悪い使い方はしないだろうから」

 

リアス先輩の説明に祐斗の考察が続く

 

寧ろヴァーリが権力を使う姿が想像出来んな。精々旅が好きだから悪魔領の中で立ち入り許可が必要な所に入る時に使ったりする程度か?・・・それ以外の場所だったら今まで通りコッソリ侵入するんだろうけどさ

 

それにしてもこれでグレモリー眷属は全員が下級悪魔から脱する訳か・・・まぁ中級悪魔昇格の試験に今挙げられたメンバーが落ちるとは思えないしな

 

それどころか試験自体が免除されてるかも知れんな。実際イッセーの昇格は確定事項みたいだし

 

・・・貴族出身ならそれだけで上級悪魔の肩書は生まれつき付くし、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)も幼少期から貰えるんだからその辺りの融通は幾らでも効くんだろうな

 

「はぁ・・・それにしても上級悪魔とか目標にしてたから嬉しいっちゃ嬉しいけど、こうして目前に控えると不安だな。眷属集めとかって募集の張り紙でも作れば良いのか?それともリアスみたいに出会いを大事にゆっくり決めていけば良いのかな?」

 

イッセーのボヤキを聴いたゼノヴィアは床下のクッションの上であぐら座りのまま腕を組んで思案顔になる

 

「う~む。正直ポスターで広く募集するのは今のイッセーだと選定が大変だと思うぞ?元々の『おっぱいドラゴン』の知名度に加えてあの戦場でアポプスを倒した事もそうだが、映像には顕現したドライグの姿も残っているみたいだからな。そんなイッセーの眷属になれるかも知れないとなればそれこそ冥界以外の全勢力からだって人員が集まるだろう・・・俗な言い方だが、誰だって勝ち馬に乗りたいという気持ちは有るさ」

 

「そうねぇ。ダーリンの眷属になるのってもうそこら辺の新米上級悪魔の眷属になるのとは一線を画しているものね」

 

権威を笠に着る事のみを目的にセクシーポーズで眷属入りを迫る人とか居そうだな。この町に居るうちは相手側にサーゼクスさん達に相当顔が効くようなコネクションの持ち主くらいしか来れないだろうけど、イッセーの方から募集を掛ければその限りじゃないもんな

 

「う゛っ・・・確かに募集とかを掛けるならせめてもうちょっと後にするよ。でも、俺がそうならイッキは如何なんだよ?トライヘキサをぶっ飛ばした張本人だぜ?」

 

俺にも配下とか眷属とかの話が来るんじゃないかって事か?でも、それは無いな

 

「いやぁ、それは無いなイッセー。俺って一般人で部隊とか持ってる訳じゃないからな」

 

「オメェみたいな一般人が居るか!如何考えても逸般人だろうがッ!!」

 

俺は激昂するイッセーを(たしな)めるように続ける

 

「いや、現実をしっかり観ろよ。俺って生まれは一般家庭で裏との繋がりは無いだろう?次に現在所属してる『D×D』はリーダーと副リーダー以外は基本は一隊員に過ぎないから『D×D』内における部下ってのも造れない。最後に京都を束ねる八坂さんの娘の九重の婚約者と言う立場も別に部下が必要って訳でも無いし、正式に九重と結婚するまでは実質的な影響力を無視すればギリギリ一般参加の『D×D』の隊員って事になるんだよ」

 

思えば『D×D』の中で俺と黒歌だけはやろうと思えばかなり融通を利かせられる立ち位置に居るんだよな・・・俺の場合油に浸したタコ糸に火をつけてその上に立つくらいの不安定さだけど

 

「まぁ色々言ったけど、要は俺の場合は学生生活が終わるまでは部下とか仕事とかとの関りは最低限で済ませられそうって事だ。イッセーが権力やら配下選びやらで慌てふためくさまを悠々と見物させてもらうぜ」

 

てか俺達って高校生の内からガッツリと働き過ぎな訳だけどな

 

俺はイッセーに見せつけるように無駄に優雅にワイン(ぶどうジュース)を口にしてリラックスモードに入るがそこで生粋の貴族であるリアス先輩とレイヴェルが首を横に振る

 

「―――甘いわね」

 

「はい、甘いですわね。イッキ様は名声の持つバイタリティを低く見積もり過ぎですわ。それこそ自腹を切ってでもイッキさまの配下という肩書が欲しいという方は出てきますのよ?」

 

なにそれ?給料も払わなくて良いって事?それ最早従属契約を結んだ使い魔の領域じゃん

 

この駒王町に来れる程の権力を持った相手がそんな扱いを自ら望むなんて流石に物好き過ぎて居ないだろうよ(フラグ)

 

「イッセー、貴方もよ。普通の上級悪魔であっても眷属以外に臣下や従者を雇う事は常識の内よ―――私の場合はグレモリー家の使用人達がそれに当たるわね。上級悪魔になる事できっと今までとは違う側面からそれを感じる事も増えていくでしょうけれど、私で良ければ何時でも相談に乗るという事だけ心に留めておいてね」

 

「は、はい!」

 

イッセーがリアス先輩に返事をしている横でレイヴェルもグっと近づいて俺の眼を覗き込んでくる

 

「イッキ様もですわ。そう言った話でしたら私や八坂様がお力になれると思いますので頼ってくださいな。眷属こそ持っていませんが、これでも人を使うのは貴族の娘として慣れていますのよ?」

 

「分かった。その時が来たら頼らせて貰うよ」

 

近くに寄ったレイヴェルの頬を軽く撫でながらそう返すとその俺の手を取って体温を感じるように目を閉じて甘えて来る・・・ああもう、可愛いなぁ

 

「あらあら♪私達もレイヴェルちゃんに負けていられませんわね♡」

 

俺達の様子に感化されたのか朱乃先輩がイッセーに大胆に抱き着き、それを切っ掛けに女性陣が俺とイッセーのそれぞれに引っ付いて来た!

 

暫く揉みくちゃにされた後は解散してそれぞれの家に戻り数日ぶりに全員揃ってベッドに入ると黒歌がもう我慢できないとばかりに息を荒くしながら這いよってきた。既に発情期モードを発動させてるらしく、普段の倍は艶っぽい

 

「ねぇイッキ・・・たった数日お預けくらっただけなのにもう気持ちが抑えきれないのにゃ。ここ最近はずっとイッキに虐められてたから体が覚えちゃって・・・女としての本能もそうだけど、イッキの【神性】が上がった事で猫又としての本能も刺激されてヤバかったのにゃ」

 

黒歌の縦の瞳孔が完全に開いている。そして今度は白音も既に半裸になり掛けながら近づいてきた

 

「―――イッキ先輩。発情期を仙術で抑えるのは体に良くは無いんです。赤ちゃんを作る訳にはいかなくても、私達の体が錯覚(・・)するまで付き合ってくれませんか?」

 

グッハ!?なにそのエロイ言い回し!?何処で覚えてきたんですか!?

 

「イッキ様。配下の話も大事ですが、今度一度将来の『家族』の話も致しましょう?」

 

―――その夜。俺は再びケダモノと化した・・・もう珍しくもないけどな!

 

 

 

後日、俺とイッセーにそれぞれ客が来たらしく駒王町の地下空間で出会う事になった

 

燚誠(いっせい)の赫龍帝。兵藤一誠殿!」

 

「邪悪なる者の覇者たる有間一輝殿!」

 

「「私/(それがし)めを貴方さまの臣下にして頂きたい!!」」

 

俺達はそれぞれ目の前で頭を下げている大物相手に口元を引きつらせる事になるのだった

 

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