転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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最終回になりませんでした。多分!多分次でエピローグ!


第十九話 国際、大会です!

リアス先輩たちの卒業式も終わり、続いて在校生組の終業式も終わったことで十日間に満たないほどの春休み期間となる。オカルト研究部も卒業旅行に繰り出し(黒歌とルフェイも参加)北海道から沖縄まで日本を縦断したのだ・・・まぁ転移を使って要所要所を回ったスピードツアーだったのでなんと一日で行程を消化してしまったのだが、時にはこういう慌ただしい旅行も良いのかも知れない―――その内『太陽を追いかけながら世界一周一日の旅』とか企画するかもな。白夜もビックリで時間感覚が可笑しくなりそうだけどね

 

旅行で特筆することが有るとすれば沖縄に行った時にゼノヴィアが何処かからシーサーを捕まえてきて「使い魔にする!」と言い出した事くらいだ―――本人(本狗)曰く名前は『ファイナル・デスシーサー』で階級は『四覇将』で二つ名は『彷徨大元帥』らしいけど設定が凝りすぎだろう・・・あれ?そういえば京都をよく下らない内容で荒らしてるペンタグラム伯爵も自分のことを『四覇将』とか名乗ってなかったっけ?もしかして知り合いだったり?・・・まぁいいか

 

因みにイッセーは卒業旅行が終わったその日のうちに眷属であるアーシアさんとゼノヴィアを連れて何処かのビーチで眷属との友好を深めに行ったみたいだ。どうせ今頃だらしない顔でオイル塗りとかのスキンシップに励んでいるのだろう

 

ならば俺はと言えば所謂家族旅行のまっ最中だ。メンバーは俺と黒歌に白音にレイヴェルに九重に俺の両親も含めた計七人で両親の仕事の事も考えて日本時間で休日に一泊二日で駒王町に帰る予定である

 

あの戦争で頑張った将来の嫁さんたちへと心配させた両親への労いも含めた旅行だな

 

・・・実を言えば九重にはストッパー的な役割も有ったりする

 

仮に九重以外のお嫁さんメンバーで何処かの旅館なりなんなりへ疲れを癒しに行けばここ一か月でかなり激しくなった夜のプロレスごっこ(意味深)を何処だろうと展開してしまいそうだったからだ・・・今回はあくまでもまったりとした旅行である

 

そんな俺たちが今どこに遊びに来ているのかと言うと周囲に何もない荒れ果てた荒野がただ広がる空間だ。しかしそんな場所でも九重などははしゃいで走り回っている

 

「おお!体が軽くて面白いのじゃ!まさか『月』まで来れるとは思わなかったぞ!」

 

そう。実は旅行に出かける上でどこに行こうか迷っていた俺はふと神の子を見張る者(マッドサイエンティスト)製の我が家は月まで行ける事を思い出したのだ

 

以前は自宅で宇宙旅行をする気はないと思ってたし事実その案は頭の中で却下したのだが丁度黒歌に「な~に考えてるのかにゃ?」と訊かれてその冗談のような内容を"ポロっ"と溢したら「それは面白そうにゃ!」とあれよあれよのうちに『自宅で月まで一泊二日計画(プラン)』が練られてしまったのだ・・・先ほどは何もない荒野だと説明したが実を言えば俺たちの後ろには少し前までは駒王町に鎮座してたはずの自宅が突っ立っている

 

・・・マジで来れちゃったよ自宅で月まで

 

ついでに言うとこの家が建てられた当初では多段ロケット方式で駒王町に戻るころには一番上の階しか残ってないはずだったのだが、各神話勢力と和平を結んで様々な技術を吸収・研究した神の子を見張る者(グリゴリ)は自宅のアップグレードを重ねていったらしく、自宅を切り離す必要は無くなったそうだ―――それに俺たちのように強いオーラを持つ者が搭乗していればエネルギーの肩代わりや補充も出来るらしい

 

なんだかんだで実力者が揃ってるからエネルギーを肩代わりした場合は時間と負担を無視すれば火星往復ツアーとか出来そうなのが怖いところだ

 

「・・・地球は青かったです」

 

白音が感慨深いといった面持ちで瞳の中に小さく映る地球を見つめて、誰もが知っているであろう有名な偉人のセリフを口にする

 

「ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリンの残した言葉ですわね。私も貴族として数々の宝石を目にしてきましたが、これを上回る青い宝石(サファイア)は見たことありませんわね」

 

・・・ごめんなさい、嘘言いました。ガガーリンのミドルネームとか知らんかったわ

 

でも歴史の教科書にも『ユーリイ・ガガーリン』としか載ってなかったし、別に良いよね?―――良いって事にしとこう

 

因みに俺たちは今は別に宇宙服とかは着ないでいる。自前で防御結界を身に纏ったりイヅナに結界を代行してもらったりしている訳で九重と両親は後者に当たる

 

空気に関しては自宅の空気を小規模転移陣で常に供給してるので問題なしだ

 

まぁ裏の世界はまだまだ初心者な両親は宇宙服も無しに外に出るのは流石に難易度高かったのかリビングの窓(宇宙空間にも耐えられる仕様)から外の様子を眺めてるようだ

 

「あれ?そういや黒歌は?」

 

九重は目の前で飛び跳ねてるし、白音とレイヴェルは適当な岩に腰かけていた俺の両脇に同じく座っているのだが黒歌の姿が見えない

 

「黒歌姉さまなら「折角月まで来たんだし『つきのいし』でも探すにゃ♪これで私も新たな進化を遂げるのにゃ!」と言ってスコップ片手に出ていきました」

 

「おいいいいい!!それダメなヤツうううう!!世界観狂っちゃうヤツうううう!!?」

 

『つきのいし』で進化出来るネコと言えばエネコ〇ロで説明文が『 マイペースで 自由気ままな 暮らしを 好む。気の向くまま エサを 食べたり 眠ったり しているので 1日の リズムが バラバラだ』な上に特性が『メロメロボディ』とか割と黒歌に合致してるけどさ!―――てかそれならもう既にエネ〇ロロじゃん!進化する必要ないじゃん!

 

すると丁度遠くの方から黒歌が手に何かを持ちながら小走りてこちらに向かってきた

 

「お~い、見て見て!こんなモノ見つけちゃったにゃ~♪」

 

掲げた手の中に納まっているのは夜空のように真っ黒な石のようでその中心には三日月のような紋様が刻まれており、なにか強いオーラが凝縮されていた

 

「そぉいッ!!」

 

認識した瞬間思わず俺はその石を黒歌から奪い取って遥か宇宙(そら)の彼方にぶん投げた

 

「あ~!いきなり何するのよイッキ!!」

 

「黒歌。埋め合わせなら幾らでもするからあの石だけはダメだ!多分あの石が有るとそこを起点にしてポケットに収まっちゃうモンスターとかが現れかねないから!」

 

怒る黒歌の両肩を掴んで必死に説得する。黒歌からすれば訳が分からない内容だったはずだが元々ただの拾った石で俺に貸しが出来るならと直ぐに興味を無くしてくれたみたいだ

 

良かった。まだ『E×E(エヴィー・エトウルデ)』がどうなったのかとか一応は判らない状態なんだしここで異世界ネタを新たに追加するのは拙いだろう

 

そうして心の中で汗をぬぐう俺だった

 

 

~暫く後の神の子を見張る者(グリゴリ)研究所~

 

「よぉシェムハザ。実は面白いもん見つけてよ、コイツを見てくれ」

 

「・・・アザゼル。貴方も総督を引退したと云ってもそれなりに仕事は有るのですからサボるのも程々にして下さい。それでこちらはまた妙な力を感じる黒い石ですね。黒曜石などとはまた違う質感だ。中央のマークは三日月ですか?これを何処で?」

 

「ああ、実は昨日人間界に隕石が降ったって情報が有ってな。丁度近場に居たからちょいと探してみたらコイツが見つかったって訳だ。面白れぇだろ?軽く調べたが大気圏突入したにも関わらずその形を保ってたみてぇだ。今からじっくり調べてその謎を全部解き明かしてやるぜ!」

 

「それは構いませんがその前に先月神の子を見張る者(グリゴリ)の予算が勝手に貴方名義で借りられた施設に大量に流れている痕跡を見つけたのですが―――」

 

「あばよ~、シェムハザアアアッ!!」

 

「待ちなさいこの横領常習犯がアアアッ!!」

 

それから数年後に『動物図鑑にも載ってない不思議な不思議な生き物』が召喚されたとかされなかったとかという事が有ったらしい

 

~暫く後の神の子を見張る者(グリゴリ)研究所(完)

 

 

それからは飽きるまで皆で月を歩いたり跳ねたりして探索したり地球を眺めたり地球の六分の一の低重力ボール遊びなどをして楽しんだ

 

夕飯として(夕方もなにもないが)一時的に家の屋上にも結界と空気を張り巡らせてBBQ(バーベキュー)をした後は天体観測用の望遠鏡を覗く・・・因みに食後のデザートとして月見団子が何故か用意された

 

「いやぁ望遠鏡で月を見ることはあってもまさか月から地球を見られるなんてね。一度で良いから月まで行ってみたいなんてのは大体の人が頭の片隅で一度は考える事だと思うけど、本当に感動してしまうね」

 

さっきから望遠鏡から目を離さない父さんが感無量といった感じにしみじみと言う

 

まぁ確かに今の時代表の技術でも月まで来ようと思えば来れるもんね。絶対に手が届かない話じゃないなら夢想くらいはするか

 

「ふふふ♪義父上(ちちうえ)殿もはしゃいでおるの。しかし気持ちは同じなのじゃ。イッキよ、何か他に面白そうな事は無いかの?」

 

俺に肩車する形で飛び乗って来ていた九重が更なる娯楽をお求めになった

 

「う~ん。そうは言っても月じゃ娯楽施設とかは無いからなぁ・・・これで遊園地みたいなアトラクションでも在れば月の重力下で普通とは違った感覚を楽しめたりもするんだろうけどさ」

 

お姫様のお望み(わがまま)は叶えてやりたいけど、どう足掻いても月は無人の荒野でしかないからな。今日明日はまだ良いけれど、次回また同じように旅行に来たら多分速攻で飽きると思う

 

それならば例のアレ(・・)で良いか?アザゼル先生じゃないけど折角なら性能テストも兼ねてみるか

 

しかしそれ単体だと面白さ半減だと思うしもう一工夫は必要か

 

≪黒歌、ちょっといいか?≫

 

≪にゃ?なんで態々念話を繋げてるのにゃ?≫

 

俺は黒歌に念話で俺の思いつきに対して確認を取ってみる

 

念話なのは九重へのサプライズ感を高めるための気配りというやつだ

 

≪それで・・・・・・・・(これこれこういう)訳なんだけど明日までに準備出来そうか?≫

 

≪にゃははは♪それくらいならお安い御用にゃ。それにそういうバカなノリは私は好きよ。ドーンと任せておくのにゃ!≫

 

黒歌がやる気になってくれたみたいなので九重には「明日のお楽しみイベントがある」とだけ伝えてお風呂を挟んでから何時ものメンバーに九重を加えてベッドで眠る事になった

 

お風呂は別々に入るという案は提案する前に女性人たちの無言の圧力で却下となったが九重も居る手前タオル装備で入浴だ。ただ月の低重力下でのお風呂は水の動きがゆったりと幻想的に跳ね回り俺たちはまたのぼせる寸前まで遊び惚けたのは良い思い出となった

 

次の日の朝(日本時間的な意味で)に久しぶりの九重のモフモフ尻尾を堪能しつつ窓の外に母星たる地球を風景として観賞するという贅沢な目覚めをした

 

因みに今回はベッドを上から覗いたとして左から順に黒歌、九重、俺、レイヴェル、白音の順だったな。今は会える回数の少ない九重が俺の隣なのは普通に決まって黒歌も「なら今回は九重を抱き枕にしようかにゃ?」と大人の対応(?)をして戦線離脱してくれたので残る白音とレイヴェルが真剣勝負(ジャンケン)の末にレイヴェルが勝利を手にしたのだ

 

まぁ起き上がって隣に視線を移せば白音は白音でレイヴェルに抱き着いているようだし、仲が良いのが見て取れるがな

 

皆寝顔は可愛らしいし、こういう穏やかな時間は素晴らしいものだ

 

今回は無駄に壮大に宇宙へ飛び出して月まで来てしまったけど次は京都で花見かな?去年の春とかは俺と黒歌だけだったけど、今年はそこに白音とレイヴェルになんだったら新旧オカルト研究部員も加えても良いだろう

 

白音たち一年生組は秋の修学旅行に先んじて京都に行く事になってしまうが、既に年明けに冬の京都へお参りに行ってるんだから今更だしな

 

それに秋の紅葉に染まる京都と桜の花びら舞う京都はどっちも見ものだ・・・他にも裏京都には霊脈の影響で一年中桜が咲き誇る狂い桜なんてのも在ったけど、態々春に見に行ってもあれだから今回はパスだな

 

そうして暫く未来の予定をぼんやりと考えてる。はてさて今年はどんな一年になるのか俺の識る原作のこの世界線はまだ完結してなかったけど、俺がやった原作ブレイクは少しはこの世界の運命(Fate)を良い方向に変えられたのかね?

 

少しだけ感傷的な想いに浸った後でゆっくりと息を吐く―――そうだ。元々大雑把にでも未来が分かっていたこの一年が変だっただけで普通は未来なんて分かる訳がないのだ

 

周りの皆に人間なのに神だ邪神だ言われてる俺だけど、俺としては寧ろ漸く読者(かみ)から登場人物(ただ人)に成り下がる事が出来た気もするな

 

俺はもう一度黒歌たちのあどけない寝顔を見渡して頷く

 

やる事は変わらない。俺の物語が完結するまで精々精一杯生きるだけだ。彼女たちと一緒にな

 

それから起きだした黒歌たちと一緒に朝食を食べた後はこの家に新しく搭載された機能であるロボットハウスで自宅を変形ロボにして月の裏側で黒歌の用意した幻術の敵性体を相手に一通り大暴れしてから地球へと帰還する事になった―――ゲームセンターとかに置いてある搭乗型ダンガムの遊具の超発展版みたいなものだ

 

九重はゲームでもこういうFPS的なものは触ったこともないのか最初のうちは操作に戸惑っていたが基本熱中して敵(幻術)を撃ち抜いていた

 

逆にこの家のゲーム帝王である白音は「お前は何処の名誉ブリタ〇ア人の枢木ス〇クだアアア!」と言いたくなるレベルでアクロバティックな近接戦闘も混ぜ込んで撃破数を重ねていった・・・白音なら人型ロボットで戦争する世界に生まれ変わっても生きていけるんだろうな

 

そうしてお昼前には地球へ向けて高速航行で駒王町に帰り始めて近づいてくる地球を眺めながらのディナーを堪能したら夕方前には無事に地上に降り立つ事に成功したのだった

 

「か・・・体が重いにゃ・・・」

 

「大体月に居たから無重力って訳じゃないし、一泊二日程度なら筋力的にはそこまで影響してないはずだけど、怠いな」

 

地上に舞い降りて庭先で地球の空気を吸い込んだ俺たちの第一声はそれだった。まだ普通の事である一倍重力に体というより認識(あたま)が付いてこないのだ

 

「堕落する時は一瞬です」

 

「良い意味でも悪い意味でも慣れとは怖いものですわね」

 

白音とレイヴェルも追従する。あれかな?一度クーラーを知ったら扇風機の時代には帰れない的な

 

「うむ。しかしやはりこうしてしっかりと地に足の着いてる感触の方が落ち着くのじゃ。向こうは終始フワフワし過ぎじゃったからのう」

 

九重はその場で軽く飛び跳ねて感触を確かめているらしい

 

そんな可愛らしい挙動を見守りながらも京都へ連絡を入れて九重のお迎えを寄こしてもらうように八坂さんに手配をお願いし、程無く地下の転移の間に移動した俺たちの前に転移の鳥居と九重のお迎えの狐の従者のお姉さんが二人現れた

 

「では皆、次は花見の席で会おうぞ。今年の桜の見頃は確か2週間後辺りじゃったからの」

 

まぁ俺と黒歌にレイヴェルは時間が取れるだろうけど、グレモリー眷属の白音はその辺り微妙だよな・・・いざとなれば久しぶりに悪魔の契約召喚カードで白音を呼び出す形で花見に連れていくとしますかね―――遊びじゃなくて仕事なら問題ないよね?ってやつだ

 

最後に九重が「またなのじゃ~♪」と大きく手を振りながら鳥居の奥に消えていく姿を見送った事で俺たちの『自宅旅行』は幕を閉じたのだった

 

 

 

次の日にイッセーの家に出向くと開口一番イッセーに「『旅行に行ってくる』とだけ伝えてお前が家ごと居なくなってたの本気でビビったんだからな!」と怒られてしまった

 

「大丈夫。問題ない。ちゃんとリアス先輩とアザゼル先生には行先含めて詳細を事前に伝えておいたから」

 

正面のイッセーの肩をポンポンと叩きながらそう告げる

 

流石に俺だって管理者だったり監督役だったりするあの二人に許可も取らないで自宅を月まで飛ばしたりしないさ

 

「知ってるけど!後でリアスに教えてもらったけど、もうちょっと位情報は周知しようぜ!」

 

はっはっはぁ!まぁ伝えなかったのは態となんだけどね、ドッキリ的な意味で

 

「心臓に悪過ぎだボケェェェェェッ!!」

 

イッセーの渾身の叫びが響き渡る

 

「あははは・・・でも旅行で月とかイッキ君は相変わらず話のスケールが大きいよね。それが出来てしまう神の子を見張る者(グリゴリ)の技術が凄いのかそんな冗談みたいな機能を実際に使ってみようとするイッキ君の度胸がずば抜けているのか判断がし辛いや」

 

いえいえ、俺だって最初は自宅で月まで行こうとか思ってなかったんですよ佑斗くん?

 

「ぼ、僕はハーフとは言え元バンパイアですし、月に降りたら強化されたりするんでしょうか?」

 

月面の吸血鬼は異形界にて最強!・・・とかは聞いたことないけど、どうなんだろうな?

 

「ああ♪でも月から眺める地球なんてロマンチックよねぇ♪」

 

「はいぃ!きっととても素敵な光景なんだと思いますぅ♪」

 

イリナさんとアーシアさんが遥か蒼き地球の様子を夢想してウットリとした表情になっている。これはイッセーたちの何時か行くデートスポットの一つに月が登録されたな

 

「あっ、皆さんそろそろ時間ですわよ」

 

部屋の中で別々に話し込んでいたメンバーがレイヴェルの一言に反応して一斉に視線をその場に有る大型テレビへと向ける。今日俺たちが集まっているのは冥界を含めた各勢力から全国同時配信で重大発表がなされると告知があったからだ

 

どんな事が発表されるのか色々と憶測が流れていたようだけど情報規制はしっかりしていたようで確定情報は流出したりはしてなかったな

 

それから冥界のチャンネルに繋げてあるテレビの記者会見場の映像にこれまた豪華な面子が映し出された

 

「お兄様にアジュカ様、ミカエル様。オーディン様にゼウス様にアザゼルまで・・・他にも各勢力の代表とも云える方々が集まっているわね―――ここまで盛大だとは思わなかったわ」

 

まだ内容は発表されてないがリアス先輩を始めとして皆がこれから彼らが語る内容が自分たちの想像以上のものだと理解した

 

因みに冥界の代表に魔王が二人居るのはアジュカさんがレーティングゲームの創始者という枠組みだからで、冥界の代表自体はサーゼクスさん一人という事なのだろう

 

≪皆様、お忙しい中よくお集まりいただきました。魔王の一人、サーゼクス・ルシファーです≫

 

全勢力へ向けた通信だからか軽い自己紹介を挟んでサーゼクスさんが切り出した

 

≪今から約半月前に巻き起こった邪龍戦役は各世界に大きな爪痕を残しながらも我々の勝利で幕を閉じました。しかし同時に多くの戦士や神々、そして少なくない一般人にも被害が出たのも目を背けてはいけない事実です≫

 

≪そこで前々から構想の在ったとある企画を亡くなった者たちへの葬礼祭及び戦勝祝いとして大々的に執り行おうという訳じゃ≫

 

≪ガハハハハッ!これぞ、その催しに最も相応しい武の祭典だ!種族、老若男女、立場を問わずバカ騒ぎの果てに最強の冠を奪い合う邪龍どもとの戦争にも負けない規模のケンカ祭り!≫

 

サーゼクスさんの言葉に杖を突いた眼帯で髭の長い老人である北欧神話のエロジジ・・・もとい北欧の主神オーディンが説明を引き継ぎ、更にはトーガを着た見るからに暑苦しい筋肉だるまたるオリュンポスの主神ゼウスが祭りの内容を告げる

 

≪行われるのは私の創り上げた冥界発祥のゲームです―――今ここに『レーティングゲーム国際大会』の開催を宣言致します!≫

 

アジュカさんの宣言と共にトップ陣の方々の後ろにデカデカと垂れ幕が下がり、記者の人たちの『おお~ッ!!』という感嘆の声とカメラのフラッシュが会場を埋め尽くした

 

ゼウス神の言からして今回の大会には普段はその力を大々的に振るう事のない神々ですらも参加可能だというのが判ったからだろう。まさしく史上初の規模となる祭典となる事は疑いようが無かったのだ

 

一緒にテレビを見ていた皆もこの大き過ぎるニュースに興奮を隠しきれていない

 

「―――国際の、レーティングゲーム大会!!」

 

「やっべぇ!噂自体は前から在ったけど実際に開催って聞くと鳥肌が止まらねぇぜ!」

 

『王』の二人は身震いしながら顔を輝かせて画面に見入っている

 

「レーティングゲームとの事でしたがルールはどうなるのでしょうか?悪魔の駒(イーヴィル・ピース)のシステムをこの大会でどのような形で導入するかで参加出来る選手の質や数が大きく左右されますわね」

 

レイヴェルの疑問の答えは新たに前に出た青み掛かった髪色の青年一歩手前の少年が答えた

 

≪やぁやぁ、僕はシヴァ、インドの破壊神さ。ゼウスやオーディンと違って普段引きこもってたから自己紹介を入れさせて貰ったよ≫

 

「ぬっ!インドのシヴァと言えば全勢力の神々の中でも最強と名高い神じゃないか」

 

「ゼノヴィアの言う通りね。でも、基本は何が有っても動かない不動の神だったはずよ。資料でもそのお顔は見たことも無かったわ」

 

さっきまで盛り上がっていた会場の記者たちもシヴァ神の登場に動揺しながらもその言葉を聞くためにすぐに喧噪を収めていった

 

≪今大会は悪魔たちのレーティングゲームを下地に置いてるけど、当然細かいルールには色々と違いが有る。この場でその全てを話していたら時間が足りなくなってしまうから詳しいルールの内容が知りたかったらこの記者会見が終わった直後に全勢力のインターネット、本屋の雑誌、新聞、テレビ、ラジオ、広告まであらゆる媒体を用いて大々的に告知する手はずとなっているからそちらを参照してくれ≫

 

イッセーがテレビから目を離さないまま部屋に置いてあるパソコンの電源を速攻で立ち上げた

 

だがまだシヴァ神の説明は終わっていないようだ

 

≪ただし、その代わりにこの場ではこの大会の優勝賞品について発表させて貰おうかな≫

 

この世界における真の最強を決めんとする大会の『優勝賞品』という情報に皆が固唾を吞む

 

≪今大会の優勝チームに与えられる賞品は『あらゆる願いを可能な限りに叶える権利』となる≫

 

その言葉に会場が静まり返っている様子が映る

 

如何やら頭が付いていかなかったらしい

 

≪ふむ。少し抽象的過ぎたかな?一応この上なく的確な言葉なんだが、補足しようか―――優勝したチームにはここに居る神々や魔王などの権能や各勢力が保有する技術、伝説のアイテム、財力を駆使して優勝した者たちの願いを叶えるという事だ。叶えられる願いに『世界に破滅などの混乱を齎すものは省く』と条項は加えさせて貰うがそれ以外ならば大抵の願いを叶えられると思ってくれて良い。そうなると疑問も浮かぶだろう。即ち叶えられる願いとは一チームにつき一つなのか?これはイエスでもあり同時にノーでもある≫

 

この説明には皆が首を傾げた。場合によりけりって事か?

 

≪『願い』という千差万別の曖昧なものを賞品とする関係上これに関しては詳しく言えなくてね。僕らでも叶えるのが難しい大きな願いならばチームで一つとなる場合もあるが逆に小さな願いならば複数叶える事も出来るって訳さ・・・一応この後告知されるルール説明の中に願いの例を幾つか載せておくからそれを参考にしてくれたまえ。勿論キッチリ事前に確認したければそれ専用の部署も用意してあるからそちらを利用してくれ―――ただ一つ言えることが有るとすれば、こうして各勢力のトップが集まって発表した優勝賞品で叶えられる願いの大きさがケチ臭いものになる事は無いって話かな?≫

 

成程ね。確かに本人にとっては重要な願いでも神々からしたら簡単に叶えられる願いとかも有るだろう。そしてどれだけの願いを叶えられるかもシヴァ神の言うように生半可では今テレビに映っている代表たち全員の顔を潰す行為だ

 

―――正しく『あらゆる願いを可能な限りに叶える権利』となる訳だな

 

≪出場選手の登録受付もルールの告知と同時に受け付ける形となる。実を言えばこの壇上に居るメンバーの中にも暴れたいと内心うずうずしてる者達も居るくらいだ≫

 

あ~、今テレビに映ってる方々とか本来なら隔離結界領域でトライヘキサと一万年ほどバトルするつもりだったんだもんな。その気持ちを大会で発散したい神とかも居るわけだ

 

≪それではルールの内容が気になって仕方ない人たちがテレビの前に溢れていると思われますので記者会見はここまでとさせて頂きます。どうぞ奮ってご参加下さい≫

 

サーゼクスさんが最後に会見を終わらせる挨拶をして彼らが出ていった処で映像はニュースキャスター達のスタジオに切り替わった

 

彼らが≪いやぁ、全くとんでもない内容でしたね~≫とかコメントをし始めているのを後ろに置き去りにして、皆がイッセーのパソコンの前に陣取ろうとしたり自室のネットを立ち上げに向かったりとグレモリー眷属とは思えないバラバラなバタバタ具合だ

 

暫くは皆が話にならない状態になりそうだし俺自身も腰を据えてルールを見たかったのでイッセーとリアス先輩に「もう帰ります」とだけ告げて帰宅する事にした・・・二人とも「おう・・・」とか「ええ・・・」と生返事だったから正気に戻った時に「あれ?イッキ達は?」とかやりそうだ

 

そうして調べたところ国際レーティングゲームの着目すべきルールは以下の通りだった

 

 

・『王』から『兵士』まで一チームの最大参加人数は16名で強力な使い魔には制限が入る

 

・『王』以外の選手は試合ごとに駒の役割を変更する事が出来る―――これは例えば悪魔の駒(イーヴィル・ピース)で『騎士』として転生した者を『戦車』としてその試合に登録した場合、試合のフィールドに入った時点で一時的にその駒の効果が『戦車』に上書きされる。また転生悪魔以外も一時的に登録した各駒の能力が付与される

 

・神々が参加する事が前提なので駒の制限が緩和されているが主神・戦神クラスともなれば『騎士』、『僧侶』、『戦車』の駒を二つ使用し『兵士』の駒も7~8個は消費する可能性が高い

 

・予選と本選に分かれており予選はレートを奪い合うポイント制なので勝ち星が決め手とは必ずしもならない(勿論全戦全勝出来ればそれが理想)

 

・本選は予選最終日の上位16チームのトーナメント戦で競い合う

 

・予選落ち、又は大会を途中棄権したチームのメンバーであっても本選出場チームに登録し直す事は可能(ただし制限在り)

 

 

細かいことまで言い出したらキリがないが大きくはこんなところだろう

 

正直トライヘキサ辺りの原作をぶっ壊したからこの国際大会が何時頃開催されるのかは予想が立て難かったがメンバー構成はある程度考えてあったから後は交渉次第だな

 

「ふふ♪イッキも珍しくやる気かにゃん?」

 

後ろから抱き着いてきた黒歌の相も変わらずなボリューミーな感触に意識を持っていかれないように努めて返答する―――え?今まで散々堪能してるだって?この先一万年は堪能する予定なんだから全然足りてないわ!

 

「具体的な願いとか決めてる訳でもないけどな。黒歌はどうだ?賑やかに暴れるのは好きだろ?」

 

「まぁね♪イッキが参加するなら私も出るし、仮にイッキが出ないならその場合白音はスイッチ姫のチームに入るだろうから便乗させて貰うにゃん・・・でも、出るんでしょう?」

 

俺の顔を横から覗き込む黒歌の瞳には好戦的な色が宿っている。なんだかんだ言っても黒歌の猫魈(ねこしょう)という種族は戦闘種族なんだよな・・・猫魈(ねこしょう)は大抵は女性みたいだが父親は他種族でもその子供は猫魈(ねこしょう)となるある意味逆オーク的な強靭な遺伝子みたいだけどそれでも数が少ないって云うのはもしかしたら戦いに突っ込む性格のせいだったりするんじゃないか?まぁ黒歌や白音レベルの実力で搦め手系の能力者が敵側に居ても俺の【神性】の加護がある程度弾くからよっぽどの事がない限りは大丈夫だとは思うけどさ

 

「だれが逆オークにゃ!」

 

「グハッ!?」

 

何時ものごとく心を読まれて至近距離となっていたその頭部による頭突きが突き刺さった。超痛い

 

「せめてサキュバスって言って欲しかったです・・・正直それも微妙ですが」

 

「今のはイッキ様が悪いですわね」

 

白音とレイヴェルもそれぞれルールは見終わったのか俺の部屋に入ってきて苦言を呈された

 

「いや、その、悪かったです・・・」

 

て言うか俺謝ってるけど口に出してないんだから失言も当然してないはずだよね。思考の自由とは何処に消えた?いや謝るけど!謝るけどさっ!!

 

「それでイッキ様がこの大会に出場なさるというのであれば当然私も出場したいですわ・・・メンバーは如何されるおつもりですの?」

 

「そうだな。先ず黒歌とレイヴェルは俺の『僧侶』枠として迎え入れたいと思ってる。態々他の駒の役割を任せる理由も今のところ見当たらないしな・・・で、問題は白音だな」

 

レイヴェルも大会参加には乗り気な事に内心安堵しつつもそう言うと俺たちの視線が白音に集中する。当の白音は複雑そうな表情で猫耳も少し垂れてしまっているな

 

「わたしは・・・」

 

白音がなにかを言い掛けるもそのまま止まってしまった様子を見て軽く苦笑する

 

「白音が悩むのも答えが出ないのも仕方ないさ。正直俺も、十中八九参加を表明するリアス先輩も白音は欲しい。だからこの後リアス先輩と俺とで白音争奪戦が始まるかな?―――ただ今回の大会は高い確率で一回やって終わりって事にはならないだろうから次回の大会の時は白音も俺とリアス先輩の内、もう一つのチーム選手として出場すれば良いさ」

 

そうすれば白音としてもどちらのチームに着いたとしても後ろめたさは感じないだろう。しかし折角なら記念すべき第一回大会は白音も一緒に出場したいから多少強引でもリアス先輩から白音を奪い取らせて貰う―――なに、布石はもう仕込んであるから大丈夫だろう

 

「―――と言うか自然と大会に参加するって決めちゃったけど黒歌たちは優勝した時の願い事になにか希望とか有るのか?」

 

「ん~?私はお祭りを楽しむ事がメインだから特にないわねぇ。白音とレイヴェルはなにか有るかにゃ?」

 

「・・・美味しいものが食べたいです」

 

おぅ、白音さんや。それは別に神々への願い事である必要ないよね?

 

「私もフェニックス家の者として望めば大抵のモノは手に入りますし、『願い』を使ってまでのものは無いですわね―――敢えて今欲しいものを挙げるならその・・・またイッキ様と二人でデートに行きたいという処でしょうか」

 

レイヴェルも微妙に庶民には出来ないお嬢様発言してるな―――あと後半部分声を潜めて顔を赤らめて言ってるところとかグッドです

 

まぁ結局神々へ願う内容じゃない訳だけど

 

「あ、良いわねレイヴェル。じゃあ私たちの望みはイッキと二人っきりデートと私たち全員でのデートに決定にゃ♪」

 

「いやそれ質問の趣旨ずれてるから。賞品として欲しいものの話だから・・・まぁ俺も一番の望みを訊かれたら『黒歌たちと一緒に幸せになる事』になるから神々の介入とか要らないんだけどさ」

 

態々『なんでも叶う権利』なんて使わなくても本当の望みには手が届く俺たちは十分幸運な立ち位置に居るんだろうな

 

「まっ、優勝賞品に関しては試合を進めていく内に見えてくるものも有るはずにゃ。取り敢えず今のところは私の分の願いの権利もイッキに預けておくわよ♪」

 

黒歌の意見には白音とレイヴェルも特に反論は無いようだった

 

「イッキ先輩はなんだかんだでお人好しですから結局は誰かの為になるような願いをする気もします。和平会談の時も黒歌姉さまの恩赦と佑斗先輩の昔の仲間の因子の事を頼んでましたし」

 

「それは流石に買い被り過ぎだと思うけどなぁ・・・」

 

そりゃ確かにあの時はそう願ったし他にも万能薬でもある『異世界のスッポンの生き血』もサイラオーグさんに譲ったりはしたけど、自分が明確に損するような選択は流石にしなかったとも思うぞ

 

「ふふふ♪ならばこう思えば良いのです。『情けは人の為ならず、巡り巡って己が為』―――これからのイッキ様は人脈と功績が多くある方が有利に働くのですから誰かに恩を売りつけるつもりで願いを使ってみるのも面白いかも知れませんわよ?」

 

恩や貸し借りの方を取る・・・ね。確かにこれからはそう言った方面にもちゃんと目を向けないといけないよな

 

win-winな関係かそこまで行かなくともギブアンドテイクを目指しましょうってね

 

ならば今回は恩を売るより先に取り立てる方から動いていきますか!

 

それから俺はまたイッセーの家に突撃してリアス先輩に「先日言い値で買うと言っていたのを貸し一つとしましたが、それで白音が欲しいです」と交渉しに行くのだった

 

ふっふっふ!原作知識のストックはもうほぼ無いけどレーティングゲームの国際大会が間近に開催される可能性も考えて『お姉ちゃん呼び大作戦』を売りつけていたのだとは流石のリアス先輩も思うまい。交渉もケンカもより多く布石を置いてる方が勝つんですよ

 

アザゼル先生から学んだ事だ。遊びにも全力を尽くせってね!

 

家に戻ってからも次々と通信を掛けていく俺の様子に黒歌たちの表情が引きつき始めていた事なんて知らないねぇ!

 

 

―――後日、大会の開会式が終わってから発表されたイッキのチームに好戦的な強者のチーム以外は戦慄したらしい

 




未来でポ〇モン使い魔ブームが到来したとかしなかったとか・・・
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