第一話 喧嘩、売ります!
使い魔の森から帰って来てからしばらく経ったある日の昼食、イッセーが松田と元浜に至近距離でメンチを切られながら詰め寄られている
「おいイッセー、いまだに納得できないが、お前がアーシアちゃんと一緒に暮らしているから弁当の中身が一緒なのは分かる。しかしだ!今日のお前の弁当、何時もよりかなりトッピングが可愛らしくないか?」
「ああ、その通りだ!怒らないから誰が作ったのか言ってみろ!!」
「フッ、松田、元浜、知ってるか?アーシアのエプロン姿ってのは見ているだけで心からの安らぎを得られるんだぜ」
イッセーが何かを思い出すように告げる
それを聴いた二人は険しい目尻の端から瞬間的に涙を溢れさせながら勢いよく立ち上がった
「貴っ様!イッセー!もう許さんぞぉぉぉぉ」
「おい!怒らないって言ったのは何だったんだよ!?」
「そんな過去の事は忘れたな!それよりも貴様まさか、他にも色々してもらってるんじゃあるまいな!朝に起こしてもらったりとか!朝食の時に、あ・・・ア~ンしてもらったりとか!!」
するとイッセーは二人に対してヤレヤレといった感じで「何だお前ら?そんな事すらして貰った事も無いのか?遅れてるな」と挑発する
「ぬぅぅうん!やはり許せん!何故貴様らの周りに美少女が集まってるんだ!」
「イッセー!イッキ!俺たちにも一人くらい紹介してくれたって罰は当たらないと思うぞ!というか誰か紹介してください。お願いします!」
二人が涙を流しながら頭を下げてくるがバッサリと切って捨てる
「いや無理だろ。お前ら自分たちの評判が地の底で尚且つ有名だって事忘れてないか?」
そんなお前らでも問題ないとしてくれる女の子を紹介するとか難易度高すぎだろ
「勿論タダとは言わん!紹介してくれたら激レアな紳士の円盤を3点セットで貸し出そう!」
「分かった!ちょっと待ってろ!」
イッセーが即座に喰い付き、そして携帯で連絡を取る事少し・・・
「松田、元浜、一人今日にでも会ってくれるってよ。お友達も呼んでくれるとさ」
「おお!本当かイッセー!やはり持つべきものは頼れる友人だな!」
「それで?その子は何て名前の子なんだ?」
「・・・ミルたん」
おいイッセー、ちゃんと二人の目を見て答えてやれよ・・・
放課後、オカルト研究部は今日は表も裏もコレといった活動は無いようでまったりと過ごしている
そして今は部室に置いてあったチェスでイッセーと対戦中だ
朱乃先輩には負けて、祐斗とは引き分けに終わった―――せめて一勝はしたいな
俺とイッセーの隣にはそれぞれ小猫ちゃんとアーシアさんが座ってチェスの行方を見守っている。アーシアさんはイッセーを応援して小猫ちゃんは観戦しているといった感じだが・・・
「チェック!」
「だあぁぁぁ!負けた!」
コレで0勝2敗1分け。負け越した!
「イッセーさん凄いですぅ」
「フッフッフ!これでも最近は家で暇な時にチェスをやる頻度が増えたからな!以前までの俺と同じだと思って貰っちゃぁ困るぜ」
この野郎、天狗でもないのに鼻高々になってやがる
「ん?家でって事はアーシアさんとチェスしてんのか?それともパソコンで?」
「いや、ドライグを誘ってな」
「ドライグと!!?」
赤龍帝とチェス打ってんのコイツ!?
「はい。私もドライグさんと何度か打たせて頂いたんですが、とってもお強いんですよ!」
アーシアさんも!?―――驚いているとイッセーの左手の甲に緑色の宝玉が出現して当のドライグが会話に入ってきた
『チェスを実際にやる事になるとは思わなかったが、コレでも歴代の赤龍帝の中にはボードゲームにのめり込む奴も居たからな。自然と俺も詳しくなったりしたものだ』
「へぇ。そんな宿主も居たのか」
『最後には負けが続いてスランプに陥った時、全てを破壊し自滅したがな・・・』
「大迷惑掛けてんじゃねぇか!!」
イッセーが驚いているが、多分その人
そんな風に戦慄していると、小猫ちゃんが左腕に頭を預けてきた
「小猫ちゃん?」
軽く声を掛けてみるが、どうやら寝てしまっているみたいだ。昨日は例のごとく小猫ちゃんを召喚して遅くまで修行していたからな、疲れが溜まってたのかもしれん
因みに俺が小猫ちゃんを召喚している事は当然リアス部長にもばれていない
イッセーのお得意様でもあるミルたんだってアンケートの名前の欄に【ミルたん】と記入しているのだから偽名でも問題ないだろう
「あらあら、小猫ちゃんが殿方に寄りかかって寝息を立ててるなんて珍しい光景ですわね」
まぁ、これでも黒歌と一緒に一年の付き合いはありますしね
「くぅぅぅ!ガードの堅い小猫ちゃんにそんな風に寄りかかられるなんて、羨ましいぞイッキ!」
「あらあら、でしたら私が今度寄りかかって・・・いえ、何でしたら膝枕でもして差し上げましょうか?」
「本当ですか!?朱乃さん!?」
イッセーが驚き、その後すぐにその光景を想像したのかデレッとした顔をする
「朱乃、眷属を可愛がるのは私の役目よ。でもそうね、イッセーも初陣で堕天使を倒した事だし、ご褒美を上げなくちゃね」
「ご褒美!?」
イッセーのニヤケ面がより一層深まるが、そこでアーシアさんがイッセーの頬を引っ張る
「もうイッセーさん!私イッセーさんの緩んだ顔はあんまり好きじゃありません!部長さんも朱乃さんもイッセーさんを誘惑しないでください!」
「ふふっ、ならイッセー、さっきの話は無しね。私のご褒美は契約を一件でも取れるまではお預けにしましょうか」
「そ・・・そんなぁ!」
イッセーの嘆きと共にその日はお開きとなった
次の日の朝、教室に行くと松田と元浜が既に教室に来ていてどす黒い怒りのオーラを纏いながら待機していた
その後、程無くイッセーが教室に入ってきた瞬間に二人は息を合わせた全力のドロップキックを見舞い、イッセーを教室の外に吹き飛ばす
「なに?どうしたの?二人とも、随分と過激な挨拶の仕方だねぇ?」
イッセーも半ば原因は予想が付いているのか引き攣ったような笑みで返す
「ふざけるなよ、貴様!お前って奴は!なぁにがミルたんだ。どう見てもヘビー級の格闘家じゃねぇか!しかもそれがゴスロリ装備って何処の最終兵器だ!!」
「ほらでも、心は乙女だったろ?」
「心が乙女だろうが『漢女』と合コンできるかぁ!待ち合わせ場所に行った時、別格なのが5人、さらには追加で10人のピッチピチのゴスロリ集団に囲まれた俺たちの心境が貴様には分かるというのか!逃げ道なんて何処にも無かったんだぞ!!」
「延々とミルキーやら『魔法世界セラピニア』について語られるし!最近新しく入隊した魔法少女グループには欠かせないマスコットも紹介するとか言って近くの川に連れていかれて自分の事を『水の精霊、ウンディーネ』とか名乗る水浴びしてる格闘家とも引き合わされて、日付が変わるまで16人の変態共から逃げ出せなかったんだぞ!」
・・・ウンディーネさん、あの後ミルキー軍団のマスコットキャラクターになったの!?松田、元浜良かったな。気づけなかった様だし、知りたくも無いだろうがその水の精霊は女性型だぞ!
・・・黙っておこう
そんな朝の騒動も終わり放課後となった。廊下で同じ二年の祐斗が出てくるのを待ち、丁度彼が合流した際に旧校舎から強大な気配が漂ってきた
同じ場所にリアス部長と朱乃先輩に小猫ちゃんが居て特に気も乱れてないから敵という訳では無いのだろう・・・とすればあの人か
思わず旧校舎の方を見て固まってしまった俺を見て祐斗が声を掛けてくる
「イッキ君。急に固まっちゃったけど、どうしたんだい?」
「たった今、旧校舎に強大な気配が現れたんだ。部長たちも居るみたいだけど落ち着いてるみたいだし・・・祐斗、お前何か心当たり無いか?」
俺が知ってても可笑しいしな。俺の言葉に佑斗も旧校舎に視線を向けて気配を感じ取ろうと集中したみたいだが特に何も感じなかったようで首を軽く横に振っている
強大な気配と言っても別に周囲に振り撒いてる訳じゃないからな。どっちかと言えば静かで濃密と言った方が近いか
「凄いね、僕も感覚は鋭い方だけどこの距離では何も感じないよ。・・・それだけの気配の持ち主でこの学園にわざわざ来るという事は多分あの人だと思う。兎に角、僕らも部室に急ごうか」
そうして俺たちは少し小走りになりながらも部室に着きそのまま中に入る
そこにはやはりと言うべきか銀髪美人のメイドさんが居た
「グレイフィアさん!」
イッセーが既に彼女の事を知ってるという事はリアス部長は昨日の夜にイッセーの部屋に突撃かました後ですか・・・
「皆、揃ったわね。今日は部活を始める前に皆に話したい事があるの」
「お嬢様、宜しければ私からご説明いたしますが・・・」
「いいえ、私から話すわ。実はね・・・」
そこまで言いかけた所で部室の一角に突如として魔法陣が展開された
「・・・フェニックス」
祐斗が険しい表情でそう呟く
そして魔法陣に炎が巻き上がり一人のちょい悪系ホスト的な男が現れた
召喚されるたびに炎が出るなら乾燥した冬場とかに埃っぽい所に現れたら、粉塵爆発で吹っ飛んだりとかするんじゃないかな?・・・悪魔を召喚するなら人目のない所でって人もいるだろうし
変な方向に思考が寄っている内にキザッたらしく髪をかき上げたその男が話し始めた
「ふぅ、人間界に来るのは久しぶりだ。会いに来たぜ、愛しのリ~アス!」
コ〇スボイス!生〇ヤスボイスFOOOOOOO!!
「あの、此奴は誰なんですか?」
「兵藤一誠様。この方は純血の上級悪魔であるフェニックス家の御三男、ライザー・フェニックス様です」
俺が内心身悶えてる内にグレイフィアさんがイッセーの質問に答えている
「フェニックス家?」
「そして、グレモリー家の次期当主の婿殿。即ちリアスお嬢様の婚約者であらせられます」
「こ・・・婚約者ぁぁぁ!?」
イッセーの絶叫が部室内に木霊し当のリアス部長は嫌そうにため息を溢すのだった
アポなし突撃訪問だろうが無礼だろうが上級悪魔且つ婚約者が訪ねてきた以上は最低限でもおもてなししなくてはならないのが貴族社会
眷属と客人枠の俺は部室の隅の方で待機して部室の中央のソファーでリアス部長たちのやり取りを眺めている
「お茶ですわ」
「う~ん、いい香りだ。リアスの『女王』の淹れたお茶は美味しいなぁ」
ライザーはそう言うが朱乃先輩はニッコリと笑うだけで返事もしない・・・絶対に怒ってるな
当のライザーはリアス部長の隣に座り部長の不機嫌そうな顔を堪能しつつ体の各所を触りまくっているが、とうとうリアス部長も我慢の限界が来たようで「いい加減にして頂戴!」と立ち上がり一歩距離を取る
「前にも言ったでしょう。私は貴方と結婚する気は無いわ。自分の結婚相手は自分で決める!」
それに対しライザーも立ち上がりヤレヤレといった風に答える
「それは前にも聞いたがな。君の所のお家事情は意外と切羽詰まってるんだろう?俺もフェニックスの看板を背負って此処に来てるんだ。はい、そうですかと簡単に帰る訳にはいかないんだよ」
そう言いつつリアス部長の顎をクイッと掴んで顔を近づける・・・伝説の顎クイだが両者の間にあるのは桃色空間とは程遠い雰囲気だ
だがそれらを見ていたイッセーもついに切れたようで「おい、あんた!貴族だか何だか知らねぇがそれが婚約者のする態度かよ!」と噛み付く
確かに、俺にも仮にも九重という婚約者がいる身だし、目の前の男を同じとは思いたくはないな
ライザー戦に参加しやすいように俺も挑発しておくか―――小猫ちゃんは仙術を身に着けているとは言ってもそれで絶対に勝てると言える程ライザーは弱くない
殆ど一番最初のやられ役みたいな立ち位置だがプロのレーティングゲームでほぼワンマンプレイをしながらも実質無敗と能力は高い。もしも小猫ちゃんが仙術を使うという情報が入っていれば距離をとった砲撃戦になるだろうし向こうには魔力も回復できるフェニックスの涙もある
向こうが小猫ちゃんの事を知らなければ畳みかけるようにぼこぼこに(仙術で)殴ればリアス部長の勝利、そうでなければ向こうの勝利と今はまだ勝率は5割と言っていいからな
「イッセー、そう言ってやるな。今のやり取りで分かるだろう?あいつは誇り高いフェニックスなんかじゃなくて、ただの焼き鳥野郎だ。それに見てみろよ。あいつの前髪、何かひよこが乗ってるようにも見えないか?アレが本当の鳥頭ってな!」
挑発は効果抜群だったようで此方に殺気を飛ばしてくる
「何だ貴様らは!下級悪魔に下等な人間が上級悪魔同士の会話に入ってくるな!特にそこの人間!焼き殺されたいのか貴様は!」
やはり下等と見下す人間程度に馬鹿にされるのは許せなかったようでこの程度の挑発に容易く乗ってきた。ふむ・・・もう少し煽っておくか
「イッセー、祐斗、今日部活が終わったらオカ研男子部員で焼き鳥食べに行かねぇ?ほら、駅前に新しくオープンした、やき〇り貴族って店でさ」
あえてライザーを無視して会話を進める。ひよこの
「お!いいねぇ!あ~、腹減ってきた」
イッセーも乗ってきたな。祐斗は流石に苦笑しているだけだが
「・・・いいだろう。如何やらよっぽど俺様をコケにしたいようだな!この場でリアス以外全員焼き殺してやろう!」
「そんな事はさせないわ!もし私の可愛い下僕や部員に手を出すと言うなら、その前に貴方を消し飛ばして上げる!」
二人の魔力が高まり、あわや衝突するかと思われた時グレイフィアさんからストップが掛かった
「お納めくださいませ」
特にプレッシャーを放ったわけでも無いのにその一言で二人の魔力が鎮まる
「リアスお嬢様、ライザー様。私はサーゼクス様の命を受け此処に居りますゆえ、一切の遠慮はいたしません」
「最強の『女王』と名高い貴女に言われたら、流石の俺も怖いですな」
肩をすくめながらライザーが言う・・・恐がってるようには見えんがな
フェニックスの不死身を突破する方法の一つに魔王級の攻撃ってのが有るがグレイフィアさんはその魔王級だぞ?―――まぁ大戦後に生まれたであろうライザーはそんな規模の攻撃を受けたことも無いだろうから実感もなにも無いだけなのかも知れないが
「旦那様方もこうなる事は予想しておられました。よって決裂した場合の最終手段も仰せつかっております」
「最終手段?」
リアス部長が首を傾げながら言う
「お嬢様、あくまでもご自分の意思を貫きたいと仰るのでしたら、レーティングゲームで決着をお付けください」
「!!」
「フッ、そう言う事か、リアス!俺はもう何度も公式戦で戦ってるし勝ち星も多い。対して君はゲームに参加する資格すら持っていない・・・それでも俺と闘うのか?結果は見えてるがな」
ライザーの言葉に朱乃先輩からレーティングゲームに参加できるのは本来、成熟した悪魔だけと注釈が入る
「そう・・・そこまで私の人生を弄びたいっていうのね!いいわライザー!ゲームで貴方を消し飛ばして上げるわ!!」
リアス部長の返事にライザーはニマニマした笑みを浮かべた後で部室を見渡す
「リアス、確認しておくがお前の下僕はこの場にいる奴らで全てなのか?」
「だとしたらどうなの?」
「そこに居る人間は下僕にしないのか?」
「誘った事もあるのだけどね。人間としてやりたい事があるそうよ」
「フム・・・よしリアス!ソイツもゲームに参加させろ」
「な!?・・・何を言ってるのライザー!!」
「知っているだろう?俺の方は駒がフルに揃っている上に君はゲーム未経験。多少のハンデは付けてもいいだろう。それにその人間には俺様の事を馬鹿にした事を後悔させてやらなきゃいかん」
「ライザー!貴方は!」
心配してくれるリアス部長には申し訳ないが内心いい流れと思っているとライザーから先に声を掛けられた
「とは言え無理に出場させて直ぐに自主的にリタイアされても詰まらん。本人の意思確認は必要だろう―――で?貴様はどうする?しっぽを巻いて逃げるのか?」
「いいでしょう。戦ってやりますよ」
「イッキ!?」
「問題ありません部長。後は貴女の承認だけです。やらせてください!」
「部長!俺からもお願いします。此奴の強さは俺が保証します!」
イッセー、気持ちは嬉しいがお前にはせいぜい変態三人を撃退する程度の力しか見せてないぞ?
「・・・危険だと私が判断したら強制的にリタイアさせるわ。それでも良い?」
「はい!」
婚約パーティーで婚約破棄なんて不名誉な称号なんて要らないんですよ!
「話は纏まったようですね。ではレーティングゲームにて決着をつける。お二方、異存はございませんね?」
「ええ」
「ああ」
「では、ゲームの期日は十日後と致します。ライザー様も仰いましたが、その程度のハンデは有ってしかるべきかと―――ライザー様も本格的な修行をするのはお控え願います」
「バージン相手にそこまで大人げない真似はしないさ。経験者として優しく甚振ってやるよ、リ~アス♪」
「相変わらず品が無いわね。いいでしょう、その余裕、戦いが始まっても何時まで続いていられるか見ものだわ」
リアス部長の返事にライザーは小馬鹿にしたような笑みを浮かべる。自分が敗北する展開など欠片たりとも考えてないのだろう
「じゃあなリアス。次はゲームで会おう」
ライザーは転移で帰って行った・・・ライザーの眷属来てねぇじゃん!問題はないけどさ!
「では皆、私と朱乃はグレイフィアと詳細を詰めておくから解散して頂戴。追って連絡するわ」
そこで解散となったが英気を養うという意味も込めて家に夕飯は要らないと断りを入れ、イッセーや祐斗と共にや〇とり貴族に食べに行った・・・イッセーは親の仇に噛み付くようにして食べていたのは少し呆れたが―――そこまでしなくても良いのに
「そういう訳で明日から十日間ほどは連絡が取りづらくなると思うから終わったらこっちから連絡するよ」
あれから家に戻って今は黒歌と二人でイヅナに向かって語り掛けている
修行がどんな感じのスケジュール構成になるかは判らないし、今回のゲームはリアス部長の将来が掛かった試合でもあるからな
通信先の九重には悪いが暫くこちらを優先すると話してるところだ
≪うむ。そういう事では仕方が無いの。それに話を聞いているだけでもそのライザーという奴はいけ好かんのじゃ!イッキと同じ婚約者とは思えん!私は関係無いかもしれんが、私の分も含めてやっつけてやるのじゃ!≫
「そうねぇ、私も白音の恩人ではあるみたいだし?白音自身も戦うって言うなら応援位はしてやってもいいにゃ」
「応!じゃぁそろそろ切るな。お休み九重」
≪お休みなのじゃイッキ!それに黒歌殿!≫
「お休みにゃん」
明日からの修行でどれだけ皆がレベルアップするだろうか?
「まぁ頑張るしか無いんだけどな。お休み黒歌」
「ええ、お休みにゃん♪」
明日からの修行に備えてその日は少し早めに床に就く事にしたのだった
[Boss side]
冥界を治める四大魔王。現ルシファーの住まう魔王城の玉座にてその椅子に座れる唯一の人物であるサーゼクス・ルシファーは自らの眷属であり右腕たる『女王』のグレイフィア・ルキフグスからの報告を耳にしていた
「―――そうか。やはり思った通りになったようだね。全く、父上にも困ったものだ。リアスが大学を卒業するまでは婚約の話に口を挟まないと言っていたのに、それを無視して強引に婚約者を決めればリアスが反発するのは目に見えていただろうに」
サーゼクス・ルシファーの元々の名前はサーゼクス・グレモリー。リアス・グレモリーとは血の繋がった実の兄妹だ。これは彼がルシファー家に婿入りしたという意味ではなく、現在の四大魔王は初代四大魔王の家名から取った襲名制の為に名乗っているものである。それ故に初代四大魔王の直系の子孫の家名と現四大魔王の役職としての名前が混在している形となっている
四大魔王と書けばそれぞれの立場は対等のように聞こえるし実際ほぼその通りだがルシファーはその中でも代表として扱われる事が多い。日本で例えるなら総理大臣のようなものだ
好き勝手に強権を振るえる訳ではないが誰が一番かと問われればルシファーという事になる
「まぁ父上は早くリアスの子供の姿を見たかっただけなんだろうけどね。リーアたんの子供かぁ・・・生まれてくるのは姪っ子かな?それとも甥っ子かな?―――うむ。父上が急くその気持ちはよく判r"スパァアアンッ!!"」
冥界の代表たる魔王ルシファーの頭にハリセンが振り抜かれたかのような小気味の良い音が響く。常人ならば目にも映らぬ速さだったがこの場には現在サーゼクスとグレイフィアの二人しか居ないので下手人の特定は容易だ。というかサーゼクスの目にはちゃんと見えていた
一瞬だけ影がブレながらも先ほどから変わらぬ位置で鉄面皮を張り付けている自身の『女王』の様子に冷や汗を流しつつ"ゴホンッ"と一つ咳を吐く
「だがそれもリアスの幸せ有ってこそだ。しかし今の私は魔王だからね。リアスには自分の力で望む未来を勝ち取って貰わなくてはならない―――だが、ライザー君相手では正直厳しいところがある。新たにリアスが眷属にした赤龍帝も今はまだその力を扱い始めたばかりだと言うしね。グレイフィアから見てリアスの眷属はどうだい?直接その目で見たキミの意見を聞きたいのだが」
サーゼクスは魔王となった以上は実家との繋がりを不用意に強調出来ない立場だ。それ故にリアスの眷属の実力などもほとんど書類上でしか判別が出来ない
リアスの眷属の中で一番フェニックスの不死身に対抗出来るであろう小猫の実力にしたって以前出会ってからそれなりに時間も経過している有様だ
そこで腹心たるグレイフィアの意見を聞きたかった・・・なんだかんだ言って妹が心配なのである
「はい。リアスお嬢様のご眷属は皆、順調に実力を伸ばしているようです。私見ですが現状では正面からぶつかれば勝率3割未満。作戦次第で5割に近づけると言ったところでしょう」
「ふむ。予想以上に強くなっているようだね。私の見立てではそこから更に2割を引いた程度だと思っていたが、良いことだ。これは純粋に応援したくなってしまうね・・・無論、表立っての贔屓は出来ないが」
純粋でない応援として何をするつもりだったのか―――最悪婚約パーティーをぶち壊そうと考えていた
長年の付き合いから妹の為なら魔王の立場だって投げうちそうな主の考えをぼんやりと捉えながらもグレイフィアは報告の続きを行う
「しかしそれはリアスお嬢様の眷属のみの話です。リアスお嬢様のチームに助っ人として入った彼が居ればまた違ってくるかと」
「ああ、仙術使いの有間一輝という少年の事だね?リアスからの報告書でも優秀な術者と記載されていたが、グレイフィアの意見は少し違うようだね」
「はい。かの青年の力は最上級悪魔にも匹敵するものかと思われます」
その報告にサーゼクスは僅かに眉が上がる。人間より基礎能力が優れている悪魔であっても最上級に分類される力の持ち主は決して多いわけではない。それを人間のそれもまだ高校生がその領域に達しているというのは十分驚きに値する情報だ
イッキは普段は自身の気をコントロールして気配を抑えているが歴戦の魔王クラスである彼女に初対面という事もあって至近距離で観察されれば内に秘めた実力を完全に隠し通す事は難しかった
「リアスお嬢様の報告を見る限りでは実力を隠しているのかそもそも実力を出すだけの機会が無かったのかは判断し兼ねますが、今回の試合では態とライザー様を挑発している様子が見受けられました。少なくともリアスお嬢様の不利になるような真似はしないかと思われます」
「そうか。ならば今回の件で彼の事も少しは判るかも知れないね―――願わくばただの良き友人であって欲しいものだよ」
[Boss side out]
ライザーって本当にまじめに考えれば弱くは無いんですよね
あとミルキー軍団にマスコットです。やっぱり魔法少女には使い魔ですよねw