「「「・・・・・・・・・」」」
グレイフィアさんのライザー・チームのリタイアアナウンスが流れてイッセーに佑斗とアーシアさんは虚無の瞳になっている。小猫ちゃんもやれやれとばかりに首を横に振っているな
「そ・・・想定通りの結果(リタイア)で想像以上の戦果(リタイア数)だったわね・・・」
大丈夫ですかリアス部長?口元引くついてますけど・・・
今回の作戦は神のシステムと親和性の高いであろう俺の持つ【神性】を
【神性】を何故持ってるかの説明のために【
原作における最強の元エクスカリバー使いとされるエヴァルド・クリスタルディが『祝福の聖剣で高めた力で聖書の朗読を聞かせてやってもいい』と言っていたのを参考にさせてもらったのだ
ライザーの『女王』は生き残ったみたいだし、もしも【神性】ではなく『祝福』の強化だったら『戦車』位は生き残ってたかもしれないな
「では、次の一手はどうしますか?部長?」
佑斗たちが稼働するのにまだ少し掛かりそうだったので俺の方からリアス部長に今後の行動の指示を仰ぐ事にする
「そうね・・・ライザーはリタイアしなかったとはいえライザー自身も残りの眷属も今はかなり消耗しているはずよ。此処は一気に攻め入りましょう。時間を掛けてライザーに回復される方が厄介だわ」
「全員でですか?リアス部長は結界のある本陣に待機した方がいいのでは?」
「いいえ、私も出るわ。あまり認めたくはないけれど今の私よりライザーの方が地力が上。下手に距離を置いた所でライザーが不死性を活かして貴方たちを振り切って決死の特攻を仕掛けないとも限らない。なら、お互いをカバーできる同じ戦場で後衛と指揮に徹した方がまだ安全と言えるわ」
あらら、敷設した結界やトラップが無駄になっちゃったかな?
「基本は祐斗と小猫が前衛、朱乃が中衛、私とアーシアは後衛でイッキは私とアーシアの護衛に着きなさい」
「あの部長・・・俺は?」
「イッセーは力を限界まで引き上げたばかりだから最初は後方で待機、状況を見てから改めて指示を出すわ」
「了解しました!」
リアス部長の指揮の下、朱乃先輩と合流しつつ全員で新校舎を目指す。すると新校舎と旧校舎の間にあるグラウンドに当のライザーとその眷属が顔を青くしながらも待っていた
「驚いたわねライザー。そんな状態なのだから守りを固めてある本陣で待ち構えているものだと思っていたのだけれど・・・」
確かに、今は少しでも回復するのを待ちたいはずだよな?何故ここに?
「フンッ!お前のようなバージン相手に本陣にトラップなんて態々仕掛けるまでもあるまい?これは余裕と言うものだよ!・・・うっぷ!!」
吐きそうになってんじゃねぇか!本当に何で出てきた!?
「ああ、なるほどね。トラップも結界も張ってないから正直時間稼ぎにもならない。だからせめて此処を決戦の地とすることでイッセーのプロモーションを阻止するのが狙いね?」
「これでも俺様はプロなんだ!貴様の考えなどお見通しなんだよ!」
おお!凄いな!最悪の体調不良の中でそこまで頭を回したのか!?
「こちらの初手は読めなかったみたいだけど?」
「あんなものを読める悪魔が居てたまるかぁぁぁ!!」
ライザーが渾身の力で叫び、その場に居る殆ど全員が頷いた
「もういい!ユーベルーナ!レイヴェル!さっさとこのガキどもを叩き潰すぞ!」
「了解ですわ、ライザー様」
「私も今日は早く帰って眠りたい気分ですわ・・・」
ライザーたちがそれぞれ身構える
「朱乃は『女王』、祐斗とイッセーは『僧侶』、小猫はライザーを相手にして、ただし深入りは避ける事!私は小猫のサポート。それぞれ自分の敵を倒したらライザーとの戦いに参戦しなさい!」
「「「了解!」」」
お互いに邪魔にならないように少々距離を取り、戦いが始まった
[イッセー side]
俺と木場の相手の『僧侶』は如何にもお嬢様といった淡いピンクのドレスを着たブロンドの髪を左右で巻いている美少女だった
ライザーの公式戦の試合はいくつか部長が入手できたものを見せてもらったが正直この子が戦ってる姿を見た事がない。後、他に分かった事といったらあの焼き鳥野郎は俺の敵であり、俺の目指すハーレムを作ってる奴だって事だ!
だって眷属全員美女、美少女なんだぞ!?俺もハーレムを目指しちゃいるが、他人のハーレムなんか見たくないんだよ!あいつ余裕ある時なんてゲーム中でも眷属のおっぱい揉んでるんだからな!・・・やはりあの焼き鳥野郎は俺の敵だ!間違いない!
「イッセー君、気合が入ってるね。キミなら女の子相手に戦うのは遣り辛いんじゃないかとも思ったんだけど・・・」
木場が剣を構えつつ俺に問うてくる
「ああ、確かに遣り辛いけど、俺はどうしてもその後に控えるライザーの野郎をぶっ飛ばして遣りたいんだよ!」
「そうだね・・・僕も同じ気持ちだよ」
何!?木場もライザーの野郎のハーレムを妬んで?・・・いや、流石に違うか
「ああ!さっさと終わらせようぜ!」
意気込んで改めて相手の『僧侶』と向き合った所で呆れたように声を掛けられた
「確かに今の私は万全とは言い難いですが、それでも貴方方二人相手に負ける程、私は弱くありませんのよ?」
凄い自信だな・・・それともハッタリか?訝しんでいるとその子はライザーの物と同じ炎の翼を纏って浮かび上がった―――これは!?
「私の名はレイヴェル・フェニックス。ライザー・フェニックスは私の兄ですの。当然私も不死、負ける道理はありませんわ」
不死だって!?いや!それも驚きだけどそれよりも!
「あいつ!自分の妹を眷属にしたのかよ!?」
「『世間には近親相姦に憧れる奴もいる。俺様は妹萌えじゃないけど、形だけでもハーレムに加える事に意義がある』・・・だそうですわ」
私にはよく分かりませんわとヤレヤレと言った風に首を振るレイヴェル
「あの焼き鳥野郎本当に変態で馬鹿なのかよ!?・・・妹をハーレムに加えたいってのは理解できるけど!」
「出来るんだ・・・」
「・・・気持ち悪いですわね」
うるせぇ木場!あと君もそのセリフは遠回しに兄の事をディスってるからね!?気づいてる!?
「しかし不味いね・・・フェニックスを倒すには魔王級の攻撃を加えるか何度も倒して相手の精神をへし折る必要があるとされている。僕もイッセー君も基本的には地上戦タイプ。空中戦も出来なくはないけど空を戦場とするフェニックスでしかも『僧侶』となれば遠距離タイプだろうし、短時間で倒しきるのは難しいかな?」
・・・確かに木場の言う通りだ。
合宿で山の大半を吹き飛ばした時も上級悪魔でも上位の攻撃力といった評価だったしそれでは彼女は倒せないかもしれない・・・しかしそうか、精神をへし折る・・・ね
「イッセー君、僕らの目的はあくまでもライザー・フェニックスを倒す事だ。彼女を倒すのに時間が掛かってしまうというなら僕が彼女の足止め、君は小猫ちゃんの援護に回った方がいいと思う・・・部長の了承を得よう」
「いや、待ってくれ木場。その前に一つ試したい技がある。合宿中に俺が編み出した必殺技だ。木場、たった一撃で良い、俺があの子に触れられる隙を作ってくれないか?」
「へぇ、あのフェニックスにも通用するかもしれない技となると興味があるね。了解したよ、なら挟み込む形で動いてくれるかい?」
「おうよ!ヨッシャ!早速行くぜぇ!」
二手に分かれてレイヴェルって子を中心に左右に陣取るとそこで木場は持っていた剣を投げ捨ててしまった
「おい木場ぁぁぁ!いきなり何やってんだ!?」
「あら、もう降参ですの?潔いのは良い事ですが少々せっかち過ぎるのでは?」
「なに、今すぐ見せてあげるよ。
木場が地面に手を置いてそう叫ぶと木場の前の地面に大量の剣が咲き誇り、その剣の先端部分にある穴が物凄い勢いで空気を吸収し始めた。これは一体!?
「コレが僕の
木場も
「うぉぉぉぉ!!」
叫びながら跳躍し、彼女に手を突き出す
「しまっ・・・!」
此方に気づいたようだがもう遅い!俺の掌底は彼女の肩を捉え彼女に魔法陣が浮かび上がった。一瞬でしかも小さかったから彼女は気づいていないようだが・・・
「・・・?何ですの?今ので攻撃のつもりだったのかしら?だとしたらお笑い種ですわ」
訝しんでいるみたいだが直ぐに見せて、もとい!見てやるよ!
「っふ!今ので条件は整った。魅せてやるぜ、俺の必殺技!
俺が指を鳴らすのを合図にして彼女の着ている服が全て粉々にはじけ飛んだ
おお!この子着やせするタイプか!俺と同じくらいか少し年下に見えるが何とも豊満なお胸!
「有難うございました!!」
つい現実で叫んじまったぜ。今の内に最高画質で脳内保存、脳内保存!
「い・・嫌ぁぁぁぁぁ!」
何が起こったのか分からずに数秒ほど固まっていた彼女も段々と理解が追い付いて来たのか顔だけでなく全身を真っ赤に染め、叫びながらも体を出来るだけ隠して戦場から遠ざかって行った
≪ライザー・フェニックス様の『僧侶』リタイア≫
ふむ。どうやら自主的にリタイアしたみたいだな。戦線離脱してくれれば御の字と思っていたんだけど、貴族のお嬢様には少し刺激が強かったかな?何はともあれ
「やったな、木場!」
苦笑しながら此方に歩いてくる木場にそう言うと「イッセー君はもう少し自重を覚えた方が良いと思うよ」と返されてしまった・・・良いじゃないか、勝ったんだから
”ドドオォォォン!!”
何であれ勝利は勝利。小猫ちゃんの加勢に向かおうとした所で二つの爆発音が聞こえてきた
≪ライザー・フェニックス様の『女王』、リタイア≫
良し!朱乃さんも丁度相手の『女王』を倒したみたいだ。爆発の片方は朱乃さんか!これで残るはライザーだけだとそちらの戦場に目を向けると少々疲弊している様子のライザーとそれ以上にダメージを受けている小猫ちゃんが居た
どういう事だ!?ライザーの奴は戦う前から吐きそうにしている位体調が悪かったのにグレモリー眷属最強の小猫ちゃんを相手取って何で寧ろ体力が回復しているんだよ!?
「行こう!イッセー君」
「ああ!」
そうして俺と木場、朱乃さんがライザーとの戦場に集結した
「部長!」
俺たちが集まると部長も気が付いたようで「皆、無事だったのね!」と声を掛けてくれた。しかし、今はそれより気になる事がある
「部長、何でライザーの奴があんなにピンピンしてるんですか?正直、小猫ちゃんだけでも勝てそうと思ってたんですけど・・・」
早速だが部長に疑問を投げかける
「それは・・・アレよ」
そう言って部長が指さす先に地面に落ちた小さな小瓶が目に入った。蓋が開けられ、中身はもう無いみたいだ・・・アレは一体?
「アレは『フェニックスの涙』と呼ばれるフェニックス家が製造しているどんな傷も体力も瞬時に回復するという秘薬よ」
「なっ!!?そんな物ゲームに持ち込んでいいんですか!?」
俺の叫びに返事をしたのは小猫ちゃんと砲撃戦をしていたライザーだ。小猫ちゃんは近接タイプだしライザーとは相性が悪いのだろう、攻めあぐねているように見える
「はっはっは、リアス!フェニックスであるこの俺と戦うと言うのに自分の下僕に『涙』の事を伝えていなかったのか?まったく想定が甘いなぁ!これだから貴様はバージンだと言うのだ!」
「そうね・・・確かにこれは私の想定ミスよ。でもこれで貴方の眷属は全員リタイア、対して此方は一人も欠けていないわ。貴方こそ観念したらどうなの?」
そうだ。今のこの状況、ライザーは圧倒的に不利なはずだ。それなのに奴はまだ余裕な様を崩さないのは何でだ?
「観念?この俺様が?もっと状況をちゃんと見るんだな。俺様に有効打を与えられるのはそこの猫又娘だけ。リアス、お前も時々援護していたが俺様にとっては少々鬱陶しいという域を出ない。それが3人増えた所で戦局に大きな違いは出ないさ。貴様らが全滅するのが早いか遅いかの違いでしか無い」
ッチ!言ってくれるぜライザーの野郎!小猫ちゃん以外は眼中に無いってか・・・いや、イッキも仙術使いだよな?ばれてないって事は温存してるのか?―――そうか!俺たちが合流するのを待ってたのか、状況が見えてないのはどっちだろうなライザー!
「小猫!一旦下がってアーシアの回復を!朱乃と祐斗でライザーを牽制して頂戴。イッセーは力を溜めて、皆プランBで行くわよ!」
「「「「「了解!」」」」」
事前に幾つか決めていた作戦の一つ、俺の『譲渡』の力を皆に分け与えるプランB!その時が来たら一気に決めさせてもらうぜ!
それから朱乃さんは雷と氷の魔力、木場は氷の魔剣や空気を吸い込む魔剣で炎も吸収したりとライザーの技や動きを封じるタイプの攻撃で時間を稼いでいく
すると俺の
『これは戦闘中の適正な倍化が完了したという合図だ』
「そんな便利機能があるのかよ!?」
『お前も神器も日々成長している。お前の望みを実現してくれたのさ』
成程な。確かにこれなら倍化の時間の短縮にもなるし俺の体に掛かる負荷も軽減される訳だ
小猫ちゃんも既に回復し終わったみたいだしこれならイケる!
「皆、行けるぜ!」
「イッキ!貴方は気弾でライザーが近寄らないように弾幕を張りなさい!イッセーはその間に皆に『譲渡』を!」
「はい!」
部長の指示の下イッキがライザーに気弾を大量に放っていく
ライザーも仙術使いは小猫ちゃんだけと思っていたのか面食らって数発くらい、その後はバリアを張って凌いでいるみたいだ
「
『Transfer!!』
すれ違いざまに朱乃さんと小猫ちゃん、木場に赤龍帝の力を譲渡する
複数に譲渡する時は一つ一つの効果は8割に落ち込んでしまうが複数という事を考えれば決して悪い数値じゃない!
力を譲渡された朱乃さんがイッキの気弾で動けなくなっていたライザーに極大の雷撃を放ち、堪らず地面に落ちる
そこにすかさず木場が縦横無尽にライザーの周りを走り回り斬撃を放つ・・・よく見えなかったけど氷や雷、爆発などあの一瞬で様々な属性の魔剣で切りつけたらしい
「ガッハッ!!」
ライザーも流石にあの連続攻撃は効いたようで堪らずに膝を付く、そこに止めとばかりに懐に入った小猫ちゃんの仙術を纏った渾身のボディーブローが突き刺さった
小猫ちゃんの渾身の一撃が決まり、ライザーが倒れ伏す
もう動けないようだがまだリタイアはしていない。近くにいた小猫ちゃんの他に木場と朱乃さんがダメ押しの攻撃を加えるべくライザーに近づいて行く
「部長。勝ちましたね!これで婚約は破棄ですよ!」
俺がそう言うと部長も勝利を確信したのか少しホッとした様子で「ええ、そうね」と返してくれた・・・しかし次の瞬間極大の『炎』が吹き荒れ、3人が吹き飛ばされてしまった
「朱乃!?祐斗!?小猫!?」
「・・・ッ!何でだよ!?何んでお前がまたピンピンしてるんだよ、ライザー!」
それに対しライザーの野郎は懐から空となった小瓶を取り出した―――アレは!?
「先ほどは想定が甘いと言ったが、今度は詰めが甘いぞリアス。フェニックスの涙は一試合の中で二つまでの使用が認められている事くらい、お前も知っているだろうに。一体いつから俺の持つ『涙』が一つだけだと錯覚していた?本当はユーベルーナとレイヴェルに『涙』を持たせていたのだが、あの二人が最初にリタイアしなかったのは僥倖だったぞ」
「そんな!?」
「皆さん!今、回復します!」
部長の驚愕と同時に吹き飛ばされた三人の所へアーシアが走っていくが、それをみすみす見逃す程ライザーは甘くなかったようだ
「させるかぁぁぁぁ!!」
ライザーの叫びと共にまた炎の塊が倒れている三人に放たれ、炎の柱に包まれる
「ッちぃ!雷の巫女め、まだ動けたか!咄嗟に障壁を張ったようだな!」
ライザーが忌々しそうに言うが確かに炎に包まれながらも三人のリタイアアナウンスは流れない。良かった!一先ずは無事か!でもこのままじゃ駄目だ
疲弊している朱乃さんと回復したばかりのライザーでは先に朱乃さんの魔力が尽きてしまう!
「やいライザー!テメェの相手はこの俺だ!」
「んん?貴様か。最初に出会った時は魔力も殆ど感じないただのクズだと思っていたが、まさか
・・・妹萌えじゃ無いってあの子は言ってたけど、流石に怒ってたか?
だけどなライザー!そこに可愛い女の子のおっぱいが在るならば!漢にはやらなきゃいけない時ってのがあるんだよ!
「そんな事関係ねぇ!俺があの
胸張って言えるね!間違いない!!
「ハッ!下級悪魔の貴様には似合いの下賤な技だ!」
「何!?」
「態々自分でひん剥かないと女の裸を見れないのか?俺様クラスともなれば女の方から自主的に脱いでくるし、触らせて来るのだぞ!」
「なん・・・だと!?」
そんな・・・そんな羨ましい事をしてやがるのか此奴は!?
「それにもうすぐだ。このゲームが終わればリアスのあのデカい乳を俺の物にできる!貴様は精々指を銜えて見てるんだなぁ!」
「ふっざけんなぁ!リアス・グレモリーのお乳は俺のもんだぁあああ!!何時か絶対にあの素敵なおっぱいを揉んで!摘まんで!弾いてやるんだよぉぉぉ!!」
「ハッ!そこで終いか赤龍帝!俺様はそこに加えてリアスの胸を吸って!捏ねて!突いてやるぞぉぉぉ!俺様は勝てばそれが叶うが貴様はどうだ?下級悪魔が主の胸を好きにできると本気で思っているのか?リアスだって貴様のような奴には触らせたくは無いだろうよ。なぁ!そうだよなぁリアス!」
「え!・・・えええ!!此処で私に振るのかしら!?」
部長が驚いてるし、直ぐ隣ではイッキが呆れている上にアーシアはオロオロしているがそんな事今は関係ない!!
「部っ長ぉぉぉぉぉ!此処で曖昧な返事なんて要らないです!俺とライザー、どっちに部長のおっぱい指定席、ミューチケットもとい
俺とライザーの
色々してあげる?そんな胸湧きたつ日本語が在っただなんて!?俺が戦慄しているとアーシアまでもが叫んできた
「部・・・部長さんばっかりズルいですぅ!私もイッセーさんが勝ったら色々しますぅ!」
な!?まさかの倍プッシュだと!?アーシアがそんな事言うなんて、一体何時からそんな大胆な子になったんだ!?
俺の脳裏に二人のおっぱいを筆頭に様々なおっぱいが駆け巡る
もう少しで手が届くんだ。俺の未来には夢と希望とおっぱいが光輝いているのが見えるぜ!
『Boost!!』
するとライザーと言い争っている間に俺の引き上げられる力の限界値で停止していた
『
「応!いくぞライザー!」
『Explosion!!』
パワーアップの限界まで高めた力を固定させた!単純に戦うだけならば
『そうだな、相棒はパワーアップしたばかり・・・30秒程で力を使い果たすと思え』
「それだけ有れば十分だぁぁぁ!!」
俺の拳がライザーの顔面を捉えて遥か後方に吹き飛ばす。しかし今の俺には此奴が吹き飛びきるのを待ってやれるだけの余裕が無いんだ!
吹き飛んでるライザーに走って追い付き鳩尾に今度は飛び蹴りをかますと建物の中に壁を破壊して中に入っていく
「しめた!!」
更に後を追ってライザーが壊した壁の穴から中に入り宣言する
「プロモーション『女王』!」
吹き飛んだ先が『新校舎の中』だった事を恨むんだなライザー!
フラフラと立ち上がろうとしていたライザーに反撃のスキを与えないためにも呼吸すらも忘れて殴りまくる!
全力のアッパーカットをみまったライザーが再び壁を突き破り天高く浮かび上がる。俺はそのライザーのさらに上空を陣取り、下に居るライザーに左手を突き出す
「これで終わりだライザー!ドライグ、残りの力全部持っていけ!ドラゴン波ならぬドラゴンショットォ!!」
俺の放った魔力砲がライザーを地面に叩きつける
土煙が立ち込めてライザーの姿は視認できないが少しするとライザーの姿が見えてきた
手足をプルプルと震わせながらも確かに立ち上がろうとしている
・・・いいぜ。こうなりゃとことん戦ってやる!そう思い近づき再び倍化しようとすると『Burst!!』と今まで聞いた事のない音声が聞こえ、全身の力が抜け血まで吐いてしまった
「いっ痛・・・なん、だこりゃ?」
『お前の体が限界を超えたのさ。元々限界まで高めていた所にプロモーションの力を加えただろう?こうなるのも必然と言える』
そんな!?ここまで来て!?
『止めを刺せなかったのは残念かも知れんがもうあの小僧は戦えんだろう。対してお前の仲間は健在、これはお前の勝利だ』
「ち・・・がう!」
何とか声を絞り出しライザーと同じようにふらつきながらも立ち上がる
部長が言ったんだ。『俺が』ライザーを倒せたなら色々してあげるって!
「イッセー!!」
部長が血相を変えて近寄ってくる・・・そうか、よく見れば部長たちが居た場所の近くまで戻ってたみたいだ
「部長、大丈夫です。今、ライザーの野郎をぶっ飛ばしますから」
「そんな体で何を言ってるの!?待ってて!私が今すぐにライザーを消し飛ばして」
そこまで言った部長の腕を掴みとめる
「やらせてください!!」
俺の熱い想いが伝わったのか部長も魔力を仕舞い「分かったわ」と返してくれた
一歩ずつライザーに近づいて拳を振り上げていく。ライザーの方は立ったは良いもののそれで精一杯らしく防御の姿勢も見せない
「お・・・お前!分かっているのか?この婚約は悪魔の未来のために必要で、重要な事なんだぞ!お前のような下級悪魔がどうこうして良い物じゃないんだ!」
「・・・政治だとか血筋だとか、難しい事は分からねぇよ。でも、一つ確かな事がある!お前と一緒に居たら部長が笑えないんだよ!俺はリアス・グレモリーの笑顔を守る!お前を殴る理由はそれだけで十分だぁぁぁ!!」
放たれた拳がライザーの顔面を捉え、仰向けに倒れた奴の全身が光に包まれる
≪ライザー・フェニックス様、リタイア。よってこのゲーム、リアス・グレモリー様の勝利です≫
そうか・・・勝ったのか
ライザーと同じように仰向けに倒れかけたところを部長が支え、抱きかかえてくれる
ボンヤリした目で周囲を見渡すと朱乃さん達も居る。良かったライザーを倒した時、いや、その前からか?朱乃さん達を包んでいた炎の檻は消えていたみたいだ
「有難う。有難うイッセー」
そう言って笑いかけてくれた部長の笑顔は確かに俺の見たかった笑顔だった
「・・・私、イッセーの家に住むわ!」
んん?今なんと?
「アーシア!負けないわよ!」
「部・・・部長さんが相手でも私も負けるつもりはありません!」
何か二人の間に火花が散ってる!?でもまぁ良いか。そんな風に感じながら意識を落としていった
[イッセー side out]
・・・終わったか。途中何度か介入しなくちゃいけないかと危惧したけど、そうならずに済んで良かったと言えるかな
今回の戦いはあくまでもグレモリー家とフェニックス家のお家騒動だし、実戦という訳でも無いのだから眷属でもない俺が全部片づけるのはそれはそれでリアス部長の体裁に傷を付けるからな
実戦ならば、出だしの一発(聖言)も一節だけ唱えるなんて事しないで聖書の初め、第一章第一節から順番に敵が全滅するまで朗読してやれば良かった事を考えればアレでもかなり手加減した訳だしな・・・
まぁライザーが『涙』で二度目の復活を果たした時はダメかと思ったが・・・いつの間にか婚約を掛けた戦いと言うよりはおっぱいを掛けた戦いになってた気がするけど
でも今回は余裕を持って半ば観戦に回ってたけど順当に行けば次はコカビエルとの戦い
流石に次からは余裕なんて無くなるだろう・・・というかここら辺からこの世界はインフレが酷いしな
「まぁ今は勝利を喜ぼうか!」
先は先、今は今と割り切って行こう
・・・というかイッセー、結局リアス部長にフラグは立てるんだな
リアス部長もスイッチ姫の道を今、歩み始めたんですね・・・頑張ってください!!
リアスの性格的にイッキを前面に押し出した指揮を執るとはどうしても思えなかったので後半は大人しくして貰いました
というかイッセーのギフトの効果が尽きるまで延々と聖書を読めばそれで全滅だから本当に手加減したんですよ?ライザー達には感謝して欲しい位ですねww
次はやっとコカビエルという強者らしい強者が出てくるから特典も使っていけそうです。此処まで長かった!