転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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第二話 カオスな、授業参観です!

「冗談ではないわ!」

 

プール掃除をした日の翌日の放課後、オカルト研究部の部室にてリアス部長が苛立ちを隠しもせずに吐き捨てていた

 

「堕天使の総督が私の管理する町に潜入して、あまつさえ営業妨害していただなんて!それに、私の可愛いイッセーに手を出すなんて・・・万死に値するわ!!」

 

どうにも昨日はあの後イッセーのお得意様から呼び出しが掛かり、そこでイッセーにアザゼルさんが自分の正体をばらしたようだ。ついでに三大勢力のトップによる会談がこの町で執り行われる事を告げたらしい

 

因みにアザゼルさんはイッセーを喚ぶ度に十分以上の対価を支払ってたみたいだけど、ここで言う営業妨害は金銭的な話じゃなくて『人の欲望(ねがい)』を叶える悪魔としての活動に対してかな?

 

「部長。この町でトップ会談と言うのは本当なんですか?」

 

「ええ。私も先ほど聞いたばかりだけど、間違いないそうよ」

 

「コカビエルの一件は三大勢力のトップを動かすには十分な刺激があったと言う事か・・・」

 

祐斗にリアス部長、ゼノヴィアはそれぞれ難しい顔で今後事態がどう動くのか考えている

 

「それにしてもアイツ・・・俺に態々接触してきたって事はやっぱり、俺の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を狙って来たのかな?」

 

「大丈夫よイッセー。例え堕天使の総督にだって貴方の事は絶対に渡さないわ」

 

リアス部長が不安そうにしていたイッセーをその胸に抱きかかえる

 

「ぶ・・・部長ぉぉぉ♡」

 

先ほどまでの不安な様子は何処へやら、今のイッセーの頭は煩悩(おっぱい)で埋まっているようだ・・・というかおっぱいに埋まっている・・・か?

 

「随分と賑やかみたいだね。何かのイベントかな?」

 

そんな中突如として部屋に響いた第三者の声と共に部室に転移魔法陣が展開され、そこからグレイフィアさんともう一人、リアス部長によく似た顔立ちの紅い髪の美丈夫が現れた

 

「な!?お・・・お兄様!?」

 

「え!?部長のお兄様って事はこの方が魔王様!?」

 

いきなり現れた悪魔のトップの一人に驚愕を表すもリアス部長に朱乃先輩、祐斗と小猫ちゃんはその場で膝を突き、イッセーも慌てて見様見真似で同じく膝を突く

 

しかし、未だに魔王の前で立ったままの俺とアーシアさんとゼノヴィアにイッセーが声を掛ける

 

「3人とも!魔王様だぞ!まずは部長たちに倣った方が良いって!」

 

「いいやイッセー。アーシアさんとゼノヴィアは兎も角、俺は人間だからその必要性は無いんじゃないか?此処が冥界だって言うなら兎も角、日本だしね・・・」

 

俺の言葉を聞いて、アーシアさんは慌てて、ゼノヴィアは取り合えずといった感じで膝を突こうとしたがその前に待ったが掛かった

 

「彼の言う通りだよ。それに、今の私はプライベートで来ているんだ。皆、楽にしてくれたまえ」

 

そうしてサーゼクスさんは直接の面識の無かった新眷属のイッセー、アーシアさん、ゼノヴィアと順番に挨拶を交わしていった

 

「・・・そして、キミが有間一輝君だね。コカビエルの一件ではキミには特に世話になったようだね。それに、ライザー君とのレーティングゲームもそうだ。あの作戦を考えたのはキミなんだって?リアスにも良い勉強になっただろう。兄として礼を言わせてもらうよ」

 

現代日本人の一人として彼の在り方は親しみを感じやすくて良いな・・・それにしてもあの作戦(冒涜的な聖書の朗読)を純粋?に褒められるとは思わなかったよ

 

「この町に住まう者の一人として、彼らの友人として、出来る事をしたまでです」

 

「うむ。それは心強い限りだ。これからもリアスたちと仲良くしてくれると私も嬉しい」

 

「はい!」

 

「・・・それよりもお兄様、どうして此処へ?」

 

一通りの挨拶の終わりを見計らってリアス部長がサーゼクスさんに疑問を呈す

 

「リアス・・・私はこの学園の理事も務めている。当然このような物も私の下へ届くという訳だ」

 

そう言って彼は懐から一枚の安っぽい紙を取り出した。そこには『授業参観のお知らせ』とデカデカと書かれている

 

「な!?まさかお兄様!?」

 

「安心しなさいリアス。父上もこの日の予定を空けるため当主の仕事は最優先で処理したと仰っていたよ」

 

「お父様まで!?・・・お父様はまだしもお兄様は魔王なのですよ?私のような一悪魔を特別視するような事が在ってはなりません!それに、お仕事はどうなさるおつもりですか!?」

 

暗に仕事を盾にサーゼクスさんの授業参観参加を拒否しようとするリアス部長

 

「はっはっは!可愛い妹の為ならば私も父上と同じく先に済ませて置ける魔王の職務など敵ではないと言う事さ!それに、一応コレは仕事でもあるのだよ!」

 

コレがdxd名物の一つのシスコンか―――激務と言われる魔王の仕事を前倒すって色々大変だったろうに・・・主にグレイフィアさんが

 

「仕事?・・・ですか?」

 

「うむ。この町で行われる三大勢力のトップ会談をこの駒王学園で執り行おうと思ってね、その下見も兼ねているのだよ」

 

皆が驚愕に彩られるが当然だよな―――普通、学校でトップ会談とか訳分からんし・・・

 

「な・・・何故この学園なのですか?」

 

リアス部長がサーゼクスさんに当然と言える疑問を溢す

 

「この学園には様々な『力』が渦巻いている。魔王の妹であるリアスやシトリー嬢、赤龍帝に聖魔剣使いにデュランダル使い。更にはエクスカリバーに白龍皇、コカビエルに原種のケルベロスにそれを倒した人間の有間君。これらは決して『偶然その場に集いました』で片づけていいものではないのだよ。何かしらの強い因果が有るのではないか?・・・とね。まぁその辺りはその内答えが出るだろう」

 

そこで一旦言葉を切り、その後少しだけ困ったような笑みを浮かべた

 

「しかし、今は少し別の問題があってね」

 

「問題・・・ですか?」

 

「ああ、魔王の仕事を終わらせたとは言っても、それもつい先ほどの事でね。本当はもっと早くこちらに来たかったのだが、こんな遅い時間になってしまったのだよ。人間界のホテルというのは今からでもチェックイン出来るものなのかな?」

 

・・・そんな心配をするくらいならリアス部長に連絡を入れて明日の朝早くにでも来れば良かったのに・・・一刻も早く妹に会いたかったんですね

 

「そう言う事でしたら良かったら俺の家に来ませんか?部長もいらっしゃる事ですし・・・」

 

「イッセー!?」

 

「それは素晴らしい!是非ともお邪魔させてもらうよ」

 

その後、反対しようにも仮にも魔王で兄のサーゼクスさんを拒否する理由など思いつかなかったリアス部長が憂鬱そうな顔を浮かべながらその日は解散となった

 

これからイッセーの家で『リーアたん自慢』が炸裂するかもと考えると・・・ご愁傷様です

 

 

 

 

 

 

翌日の早朝、仙術の鍛錬をしていると学校からとある奴の気配が漂ってきた

 

「うげっ!!」

 

「・・・急に変な声を出して、どうしたのかにゃ?イッキ?」

 

「黒歌も学校の方の気配を探知してみれば分かるさ」

 

何事かと声を掛けてくる彼女にそう返し、少しして黒歌も「うへぇぇ」といった感じの反応を返す

 

「あの白トカゲ、何であんな所に居るのかにゃ?」

 

戦闘狂(バトルジャンキー)みたいだし、赤龍帝のイッセーにでも会いに来たんだろ・・・」

 

先日戦ったからって俺にも興味を持ったなんて事は無いよね?

 

「ふ~ん。それならイッキは今日は少し早めに学校に行くにゃ!」

 

「は!?」

 

何で態々自分からエンカウントしに行かないといけないんだよ!?

 

「あの白トカゲは堕天使の首輪付きなんでしょ?流石に今の時期の早朝の学校で事を起こすとは考えづらいけど、万が一赤龍帝ちんと話が拗れたら恐らくはその場に駆けつけてるグレモリー眷属・・・白音にも危害が及ぶかも知れないにゃ!だ・か・ら!行ってくるのにゃ♪」

 

「いやいや!俺この間戦ったばかりだぞ!?むしろ俺が行くことで話が拗れたりしない!?」

 

「その場合、被害を被るのはイッキだけで済むにゃ♪転移の術式は忘れないようにね♪」

 

万が一の場合はヴァーリを連れて何処ぞでバトれと仰いますか・・・

 

信頼・・・されてると取って良いのかな?色んな意味で涙が出そうだけど・・・

 

そんなこんなで黒歌にさっさと学校に送り出された―――恐らく大丈夫だとは思うけど、胃がキリキリと痛い感じがする

 

 

 

 

 

 

学校まで歩いて行くと校門の所に案の定ヴァーリが居た・・・分かってたけどね

 

「やあ、有間一輝」

 

「応、ヴァーリ。一応聞くけど何で此処に居るの?」

 

「くっくっく!そんな嫌そうな顔をしないでくれよ。今日は戦いに来た訳じゃない。アザゼルにも暫くは大人しくしろと言われているしね・・・今日はキミじゃなく、俺の宿敵たる兵藤一誠に会いに来たのさ」

 

「そうかよ・・・朝から熱烈なラブコールだなイッセー」

 

そう言いながら僅かに首を後ろに向けると左腕を抑えているイッセーが居た。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)がアルビオンに反応しているのだろう

 

「気持ち悪い事言うんじゃねぇよイッキ!それでそいつは何なんだ?」

 

「こうして会うのは二度目だな兵藤一誠。俺の名はヴァーリ。白龍皇、バニシング・ドラゴンだ」

 

「テメェが!?あの時の!?」

 

そして未だに神器の力の高まりを抑えきれないイッセーが痛みに顔をしかめ、気が逸れた瞬間にヴァーリはイッセーの額に指を突き付ける

 

この状況で俺もただ見ているだけという訳にもいかないのでヴァーリの後ろから彼がイッセーに何かした瞬間にその隙を突いてその首を飛ばすといった感じにその首筋に殺気を向ける

 

一瞬視線がこちらを向いたが最初から言ってるように戦う気は無いのかそのままイッセーに語り掛ける

 

「無防備だな。今のキミは守られている事にすら気づいていないのだろう・・・例えば俺がキミを魔術的なもので操った場合・・・」

 

ヴァーリの物騒な言葉でイッセーが大きく後ろに下がり、同時にヴァーリの首に聖魔剣とデュランダルが突き付けられる

 

「冗談はその辺りにして貰おうか」

 

「ここで二天龍の戦いを始めさせる訳には行かないんだ」

 

体勢だけを見れば圧倒的に有利なはずの祐斗とゼノヴィアだが間近でヴァーリのオーラに中てられた二人は緊張で汗が滴っている

 

「ふっ、止めておいた方が良い。恐怖から剣先が震えているぞ?だがそれを恥じる事は無い。実力差を感じ取れるのは強い証拠だよ」

 

二人の顔を交互に見ながら言葉を続ける

 

「今日は戦いに来た訳じゃない。いくら認識阻害を掛けていてもそんな剣を持ち続けていれば効果も薄まるぞ?表の人間の騒ぎになっても良いのなら、そうして居てもらっても構わないが?」

 

祐斗とゼノヴィアは不利と悟ったのか剣を仕舞い、イッセーを庇う形で前に立つ

 

そして丁度その後ろにオカルト研究部の残りのメンバーも出そろった

 

「兵藤一誠。キミは世界で何番目に強いと思う?」

 

「なに?」

 

「俺たちに宿る赤い龍と白い龍は世界の中でもトップ10に入る強者だった。キミがその身に宿しているのは本来それだけの力を秘めている・・・兵藤一誠は貴重な存在だ。十分に育てた方がいいぞ?リアス・グレモリー?」

 

「・・・白龍皇。貴方が堕天使と繋がりを持つ以上、必要以上の接触は・・・」

 

今は一応冷戦状態に近いとは云え三大勢力は数千年規模で争い合ってきた間柄だ。それ故に本人たちにその気が無くとも実力・知名度の有る者達の接触は周囲が勝手に騒ぎ立てて大きな諍いにすら発展し兼ねない。リアス部長がヴァーリに苦言を呈そうとするが当のヴァーリは気にする素振りもなくリアス部長の言葉を途中でぶった切った

 

「過去。二天龍に関わった者はろくな生き方をしなかったらしい。貴女はどうなるんだろうな?」

 

「私はイッセーと一緒に居て、不幸と思った事は一度も無いわ!」

 

「それは結構、しかしドラゴンは力を引き寄せる。その奔流に浸かりながらもそう言い続けたいのであれば力を付ける事だ。今のキミたちは余りにも弱いからね。そこの塔城小猫でも、ギリギリ足りてないだろう」

 

あ・・・やべ!真正面から愛する眷属全員弱い認定されたリアス部長がブチ切れてる!!

 

「・・・言ってくれるじゃないの。今という時期で無かったら消し飛ばしていた所だわ!」

 

「それは楽しそうだ。是非とも心躍る戦いがしたいものだね。だが、今のキミたちでは無理だ。キミたちは今後の成長を期待するとして、今一番興味があるのはキミだよ、有間一輝」

 

リアス部長たちから視線をこちらに投げてくるヴァーリ

 

「あの日。俺たち二人きりで過ごした、長くも熱く燃え滾るようなあの夜をもう一度味わいたいものだ・・・今度こそは最後までコトを進められるといいな・・・」

 

・・・言い方ぁぁぁぁぁ!!コイツ態とか!?態となのか!?いや多分天然なんだとは思うけど!後、返事を待ってるのか俺の方をジッと見つめるの止めて!?ほら!さっきまで怒りと不快感で一杯だったリアス部長がもはや表現し難い目でこっちを見てるから!!

 

思わずフリーズしてしまった俺を返事をする気が無いと思ったのかヴァーリは「またヤり合える日を楽しみにしている」と言い残し去って行ってしまった

 

恐る恐る皆の方へ顔を向けると・・・

 

「イッキ・・・貴方そんな趣味が・・・?」

 

「イッキお前、もう俺に近づくなよ・・・」

 

「あらあら」

 

「・・・不潔です」

 

ほら皆じりじりと俺から距離を取ってんじゃん!

 

「「「・・・・・・?」」」

 

アーシアさん、ゼノヴィア、祐斗の教会出身者は分かってないみたいだけど・・・有難う。キミたちの無垢な魂は今の俺の癒しだよ・・・染まらないでくれよ?

 

それから何とかヴァーリとは如何わしいアレコレがあった訳では無くてコカビエルの時に襲われてガチバトルしただけと弁明した

 

何故その事を今まで言わなかったのかと聞かれたが、コカビエルの一件のせいですっかり忘れていたと少々苦しいながらも言い訳をした

 

一応俺には特にコレと言った報告義務的なものは無い為その日の部活終わりまでずっと正座で居続けるという罰で済んだけど・・・特にやる事が無くなっても家に帰るでもなくチェスのトーナメント戦とかやり始めた時にはやっぱり結構怒ってるんだなとは思ったが

 

「自業自得です」

 

返す言葉もありません・・・・

 

 

 

 

 

授業参観当日、既に教室の後ろには親御さんたちが立っていて、中には高級そうなカメラやビデオを撮っている人もいる・・・俺の両親も居るな―――父さんもこの日の為に有休を取ったらしい

 

気恥ずかしいが邪険にする事も無いので良しとしよう・・・今日の授業参観は英語の授業だったが多分アレなんだろう・・・今でもハッキリ覚えている作中屈指の迷シーンの一つだったからな

 

そして授業が始まり、皆にある物が配られて先生が説明に入る

 

「え~、では今配った紙粘土でそれぞれ好きな物を作ってください。生物でも人工物でも自然でも何でも結構です。そういう英会話も在るのです」

 

・・・ねーよ!どう聞いても可笑しいわ!!

 

多分この可笑しな状況ってこの学園に満ちる『力』による誤作動かなんかなんだろうな・・・

 

グレモリー眷属やシトリー眷属以外にもチラホラとこの学園には異能者とか人外とかの気配がするし、今日が特に可笑しいのって多分そこに加えてグレモリー家当主(恐らく最上級悪魔クラス)、グレイフィアさん(魔王クラス)、セラフォルーさん(魔王クラス)、サーゼクスさん(超越者クラス)が集ったせいじゃないか?

 

改めて思うとこの保護者一覧がヤベェ!他勢力にケンカを売るには十分過ぎる戦力だよね!?

 

そんな中で皆工作を開始する。『力』の影響を受けてないはずのアーシアさんやゼノヴィアなんかは「日本の英会話は奥が深いな」「はいぃ!」とか言ってたけどそうじゃ無いからね!?・・・これは後で訂正しておくべきなんだろうか?

 

だが、理由はどうあれ今はこの紙粘土こそが俺たちの英会話なのだ!折角の機会と思って全力で取り組む事にしよう!

 

始めは猫や狐にしようかとも思ったが紙粘土では白猫黒猫の差を付けられないし、狐だけというのも少しアレかなという事で一つ、先日破れた俺の願望を形作る事にした

 

今や集中すれば筋肉の筋1本1本にまで意識を巡らせる事の出来る俺は記憶を頼りに素早くかつ正確に紙粘土を変形させていく

 

暫くして出来上がった作品に満足して手を止めると周りから驚きの声が聞こえてきた

 

「イッキ、それはもしかしてケルベロスか!?」

 

「何コレ!?毛先の1本1本まで作り込んでない!?口から洩れ出る炎に今にも飛び掛かりそうなこの躍動感!!」

 

ふぅ!思わず本気を出してしまったな・・・さらばペットのケルベロスよ。俺の未練をここに置いて行こう

 

妙な達成感に浸っていると別の場所からも声が上がった

 

「イッセー!お前のそれグレモリー先輩の裸体だと!?」

 

「うそ!リアスお姉様!?すっごいソックリ!!」

 

イッセーも目を閉じてこねくり回している内にリアス部長を再現したらしい・・・こっちは全神経集中してやっとだったのにコイツは無意識に創りやがったんだよな・・・

 

その後、もはや授業そっちのけで競りが始まりそうになったが授業終了のチャイムが鳴り、その場はお流れとなった

 

 

 

 

 

どの学年も授業参観は午前に日程が組まれていたので昼休みの今はオカルト研究部でそれぞれどんな感じだったのか軽く報告し合っている

 

「へぇ!モデルが私というのは少し気恥ずかしいけど、よく出来ているわね」

 

「あらあら、細部まで拘り抜いて作られていますわね・・・今度私のも作って貰おうかしら?」

 

「・・・イッキ先輩。まだあの犬の事諦めて無かったんですか?」

 

小猫ちゃんがジト目だ

 

「いや・・・何方かと言えばコレは・・・決別の意思表示?」

 

「・・・なら良いです」

 

・・・どうにか許しは貰えたみたいだ

 

因みにアーシアさんは使い魔のラッセーを、ゼノヴィアはデュランダルを作っていた

 

祐斗の教室は英語では無く数学だったようで先生がルービックキューブを配り、その解き方を解説していたらしい・・・紙粘土英会話より関連性があると言えるのかな?(混乱)

 

「先生はパフォーマンスとして9x9面のルービックキューブを凄い早さで解いていってたよ」

 

それは・・・地味に凄いな

 

 

 

♪~♬~♬~♫~♩~♪

 

『ぅぉぉぉぉぉぉ!』

 

 

そんな中、遠くの方から明るくリズムの良い曲のようなものと腹の底に響くような重低音が聞こえてきた

 

「あら?なんだか騒がしいわね・・・?」

 

「これは・・・体育館の方でしょうか」

 

言われて体育館の方に仙術の探知を飛ばすと既に百人規模の人たちが集まっているようだ

 

気になったので皆で体育館に向かって歩いて行くと中の人たちの熱気がドンドン高まっているのが感じられる

 

そしていざ中を覗くと、遮光カーテンは全て締め切られており薄暗く、集まっている多くの男子が時に奇声を上げ、時にカメラのフラッシュを焚き、壇上の一人の美少女に熱い視線を送っている

 

そんな大衆の視線を独り占めしているアイドルさながらの美少女は七色のスポットライトをその身に浴び、足元にはこれまた七色のスモークが立ち込めている

 

「みんな~♪応援ありがとね~♡それじゃあサービスでもう一曲♪歌っちゃうぞ♬」

 

『うおおおおおおおおお!!』

 

・・・直接見るのは初めてだけどアレってセラフォルーさんだよね!?魔王少女様だよね!?アレ?原作ってこんな感じだったっけ?もう17年も前の記憶だから細部が曖昧な部分も結構あるけどもう少し控えめじゃなかったっけ?―――少なくともこんなゲリラライブじゃなかったはずだと思うんだけど・・・?

 

しかし彼女が歌い出す前に騒ぎを聞きつけたのか生徒会のサジが現れステージの上にズカズカと歩を進める

 

「お前ら何を騒いどるんだぁぁぁ!!ライブは終わりだ!解散しろ!!解散!!」

 

そんなサジに対して観客と化していた生徒たちがブーイングを飛ばすがサジも引く訳にはいかないのだろう、そんな生徒たちを叱り飛ばす

 

「公開授業の日にいらん騒ぎを起こすな!まだ父兄の方々はいらっしゃるんだぞ!こんな所見られたら我が駒王学園の品位が疑われるわ!!分かったら解散しろ!!」

 

だがもはやそんな正論では収まらないのか先ほどよりもブーイングの圧が増していく

 

だがそこに新たな人物がやって来た

 

「サジ。何事ですか?問題は速やかに解決するよう言っておいたはずですが?」

 

「会長!」

 

「ソーナちゃん☆」

 

生徒会長の登場に流石に一瞬静まり返った体育館に壇上の二人から声が掛かる

 

「お・・・お姉様!何で此処に!?いえ!何をやっているんですか!?」

 

普段から冷静沈着な生徒会長の混乱する様に加え『お姉様』発言に群衆が騒めく

 

『(お姉様?・・・って事はあの魔法少女は会長の!?)』

 

『(でも確かに言われてみれば方向性こそ違うものの顔立ちは似ているような・・・?)』

 

『(ハァ・・・ハァ・・・巨乳の姉と虚乳の妹の姉妹丼・・・イイ!!)』

 

『(会長があんなに取り乱しているの初めて見た)』

 

・・・一部なんか凄くダメな発言も混ざってた気がするが

 

「もう☆ソーたんは私が前々から魔法少女に憧れてるって知ってるでしょ?何でも最近この駒王町を中心に日本全国・・・時折海外でも魔法少女の集団の目撃情報が入っているのよ♪その人たちは溢れるミルキーパワーで困ってる人たちが居れば颯爽と現れて人助けをしているんだって☆」

 

何だか凄く頭を過ぎる集団が居るんだけど気のせいだよね?ミルたん達が既にワールドワイドで活躍しているなんて事は無いよね?・・・ミルたんは既に異世界に進出してたか

 

「私も魔法少女を志す者として負けてられないって言うのと、是非とも一度交流を深めてみたいからこうして布教活動に勤しんでいれば何時か会えるんじゃないかな?って思ってね☆」

 

「お姉様。私はこの学園の生徒会長を任されているのです。身内だとしても・・・いえ、身内だからこそ余計にそのような活動も格好も、容認できません!!」

 

「そんな!ソーナちゃん☆もし上手くいけばそのまま『魔法少女 マジカル☆レヴィアたん』に特別ゲストとして招こうと思ってたんだよ!?ソーナちゃんにそんな事言われたらお姉ちゃん悲しい!私の夢なんだから!!」

 

「知りません!それもこんな生徒たちの前で!もう!お姉様のおたんこなすぅぅぅ!!」

 

「あ!待ってぇぇぇソーナちゃぁぁぁん!!」

 

「か・・・会長ぉぉぉ!お待ちください!!」

 

そうして消えていったシトリー姉妹・・・とサジ

 

体育館に集まっていた生徒たちも主役(ミルキー)も特別ゲスト(生徒会長)も居なくなった為、自動で解散していった・・・というか

 

「晒しものにされたソーナ会長が不憫すぎるんだけど・・・」

 

「あの部長。確か会長のお姉さんもサーゼクス様と同じく・・・」

 

「ええ。先ほどの方が現四大魔王の一人、セラフォルー・レヴィアタン様よ・・・ソーナの事も心配だし、一度追いかけましょうか。小猫、二人はどっちに行ったか分かるかしら?」

 

「はい。今は旧校舎の前に居ますね」

 

「成程。あそこは授業でも使ってないから人気も無いしね・・・では行きましょうか」

 

なんというか、サーゼクスさんは一応場を弁えている節があったけど、セラフォルーさんは完全にシスコンを天元突破させているんだな・・・実際見るとマジでソーナ会長の苦労がしのばれる

 

 

 

 

 

旧校舎の前に着いた頃には進行方向の先からソーナ会長の声が聞こえてきた

 

「本当にお姉様は!授業参観の時もそうです!応援団旗なんて教室に持ち込もうとしないで下さい!!それにあの時は恰好はまともだったではありませんか!―――それなのに少し目を離しただけでそんなコスプレなどをして!」

 

「・・・ソーナの所も大変だったようね」

 

確かに、団旗って狭い教室内で持つ物じゃないだろうに・・・いや待てよ?ソーナ『も』?

 

「因みにリアス部長の所はどんな感じだったんですか?」

 

「・・・お父様はグレモリーの粋を集めて作ったとかいうバズーカみたいなビデオを、お兄様は同じくカメラを回していたわ」

 

開発費に軽く億単位で金が飛んでそうだな

 

「グレイフィアさんは?」

 

あの人ならそんな二人を諫めそうな感じがするんだけど?

 

「・・・グレイフィアはお兄様の隣でレフ板を構えていたわ―――彼女、何時もお兄様やその周囲(四大魔王)のボケに振り回されている反動なのか時折突拍子も無くボケに回るのよ」

 

それは・・・グレイフィアさん流の心の休息なのだろうか?

 

そしてリアス部長はソーナ会長をフォローする為に「お久し振りです。セラフォルー様」と声を掛ける―――サジ?姉妹の間でオロオロしてただけですよ?・・・まぁこの件でサジに出来る事は多分無いだろうし、仕方が無いんだけどね?

 

「あ!リアスちゃん☆おひさ~!元気してましたか☆」

 

「はい。お陰様で、セラフォルー様もお変わりないようですね」

 

「うん☆あ!でもでもリアスちゃん☆聞いて聞いて!ソーナちゃんったら今日の事黙ってたんだよ!もう、お姉ちゃんショックでぇ!思わず天界を滅ぼそうとしちゃったんだよ!」

 

冗談だとしても少なくとも頭を過ぎるくらいはしたんだろうな・・・イッセーも「本気か嘘か全く分からん」と呟いてるし

 

「!  ねぇリアスちゃん☆あの子がドライグ君?赤龍帝が悪魔の側に付くだけなら兎も角、悪魔に為ったっていうのは初めて聞くわ☆」

 

「はい。私も彼が赤龍帝だと分かった時は驚いたものです。イッセー、ご挨拶なさい」

 

「は、はい!!初めまして。兵藤一誠と申します。リアス・グレモリー様の『兵士』をやらせて頂いて貰っております。―――ほら、ドライグ!お前も挨拶しろ!」

 

『・・・相棒。昨日もそうだったが何故俺様が魔王如きに一々挨拶しなければならないんだ。二天龍の名はそう安くは無いのだぞ?』

 

「わ!馬鹿お前!ドライグが前に「偶にはこういう関係も悪く無い」って言ってたから態々気を利かせてやってたのに!・・・すみません魔王様。コイツ恥ずかしがってるみたいで」

 

『適当な事を言うな!!』

 

「うんうん。よろしくね二人とも☆私は魔王のセラフォルー・レヴィアタン。『レヴィアたん』って呼んでね☆」

 

キメポーズをキメる彼女の圧に押されながらもイッセーも何とか返事を返す

 

そしてイッセーに向けられていた視線が次は此方を向いた

 

「この【神性】、キミが例の仙術使い君だね☆キミが居なかったらソーナちゃんも怪我しちゃってたかも、助けてくれて有難う☆」

 

セラフォルーさんはそうお礼を言ってきた。それに対して「どういたしまして」と返すがもし本当にソーナ会長が怪我なり最悪死亡なりしていたらどうなってたんだろう?

 

「―――その時はコカビエルちゃんはこの世からもあの世からも居なくなってんだから☆」

 

・・・シスコンパワーで心を読まないでくれませんか!?後、満面の笑みなのに目が笑ってないですよ!絶対零度ですよ!!

 

「あ!イケナイ☆もう直ぐサーゼクスちゃんとこの町の観k・・・下見を兼ねた軽い打ち合わせが有るんだった!むぅぅぅ。ソーナちゃん☆名残惜しいけどお姉ちゃんもう行くね!」

 

その言葉に希望を見出したのか精神力が切れていたソーナ会長に僅かに活力が戻る

 

「いえ、お姉様。私の事はお気になさらず。仕事ならば仕方ありません・・・ええ!これは仕方のない事です!」

 

「うん☆お姉ちゃん頑張ってくるよ♪また後でね(・・・・・)ソーナちゃん☆」

 

「はい。行ってらっしゃいませ・・・後で?」

 

「大丈夫☆ソーナちゃんの雄姿はバッチリ撮ってあるから☆仕事が終わったらソーナちゃんのお家で上映会だよ☆」

 

その言葉が止めになりソーナ会長に僅かに戻った活力は吹き消えてしまった

 

「じゃ~ね~☆ソーナちゃぁぁぁん♡」

 

「会長!?戻ってきて下さい会長ぉぉぉぉ!!」

 

フリーズしてしまったソーナ会長だったが同じ苦しみ(リーアたん上映会)がこの後に控えているリアス部長が「大丈夫よソーナ。貴女は一人じゃないわ」と言って抱きしめ、事情を察したソーナ会長が無言で抱きしめ返す・・・多分この二人は今まで幾度となくこうして友情を深めていったんだろうな

 

 

 

 

リアス部長とソーナ会長がまた一歩友情を深めた翌日、リアス部長が部員たちに一つの連絡事項を告げた

 

「皆、昨夜に魔王ルシファー様より命が下ったわ。私の最後の眷属にしてもう一人の『僧侶』の封印を解くわよ」

 

どうやらギャスパー・ヴラディとのご対面らしい




実際、セラフォルーって授業参観はどんな感じに『参観』してたんでしょうね?やっぱりミルキー?
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