転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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前回最後に海に行くと書いたのにそこまでたどり着けませんでした。次回!次回こそは海編を書きたいです!

最初の方の投稿が文字数少ないものが多かったので統合出来る所は統合しました(3/30


第五話 桃と、おっぱいです!

京都から転移で家に帰ってきた俺だったがまずはアザゼル先生にメールを送る。一応オカルト研究部の合宿という名目で家を出たから自分だけ先に帰宅するのは不自然だからな

 

メールを送ると直ぐにアザゼル先生から直接電話がかかってきた

 

≪おーう、やっと帰って来たのかお前。あの後別れてから直ぐに『暫く連絡取れません』ってメールだけ一方的に寄越しやがって・・・≫

 

京都に着いてから直ぐに結界の中でしたからね

 

「あははは、すみません。でもお陰で京都の用事もひと段落しましたから」

 

≪何やってたのか聞いても良いのか?≫

 

「詳しくは言えませんが・・・あえて言うなら百鬼夜行大戦したり、百鬼夜行引き連れてカチコミしたり、モフモフしたりしていましたね」

 

≪悪りぃ、サッパリ分からん。まぁいい、なら今から迎えに行くから神の子を見張る者(グリゴリ)に来てもらうぞ。お前さんの能力を一度ちゃんと調べておきたいしな。でないとお前さんを鍛えるにしてもアドバイスの一つも出来やしねぇからよ≫

 

その後すぐにアザゼル先生が俺の家の前に転移して来た

 

「よ~し、荷物はちゃんと持ってるな。なら早速行くぞ!ホレ、この腕輪を付けておけ」

 

「何ですかコレは?」

 

「そいつはお前さんが冥界で無事に過ごす為の腕輪だ。冥界の空気は人間にとっては毒だからな。仙術で防ぐ術式もあるみたいだが一々そんな事するのも面倒だろう?」

 

「有難うございます。でもそもそも俺は冥界で過ごす術式を持っていないですから・・・今度黒歌に教えてもらいますかね」

 

今までは冥界に行く用事なんて何も無かったからな。黒歌は冥界では手配犯だったから近づきたくも無かっただろうし

 

「ああ、そうしとけ。グレモリー眷属と一緒に居るなら今後冥界にはそれなりに赴く機会もあるだろうからな。万が一その腕輪が現地で壊れんとも限らないからよ」

 

確かにな。戦闘の余波で壊れましたなんてのは勘弁だ。そして腕輪を付けてアザゼル先生と共に冥界に転移して行った・・・まさか最初の冥界がグレモリー領ではなく堕天使領とはね

 

たどり着いた先は近未来的なデザインの巨大な建物だった

 

恐らくは研究施設の一つなのだろう

 

「そう言えばアザゼル先生。他の皆は今はどうしてるんですか?」

 

施設の中に入りながら皆の近況を確認する

 

「あいつらは今グレモリーの領地でそれぞれ俺が与えた修行の課題に取り組んでる所だ。もっとも小猫は完全に黒歌に一任してるがな。時々俺も修行の進歩状況を見に行ってるが皆この短期間で成長してるぞ。まぁお前さんも成長してるみたいだがな。ったく、若い芽は本当に成長が早いもんだぜ。———実は明後日には若手悪魔の間でレーティングゲームを執り行う事になってな、あいつらの初戦の相手はシトリー眷属だ。だから修行は取り敢えず今日までって事になる。夜には魔王主催のパーティーに参加して明日は体を休めると共にシトリー戦のミーティングを行い、深夜零時にはゲーム開始だ」

 

おお!まだ生徒会メンバーとは戦ってなかったのか、コレはちゃんと観戦しないとな

 

「レーティングゲームは以前ライザーとの戦いで一度参戦しましたけど、俺はこの先出場する機会はなさそうですね。ゲームが始まる前に皆の激励に行っても良いですか?」

 

「ああ、その方が良いだろうな。———そういやライザー・フェニックスとのレーティングゲームの映像は俺も見させてもらったが笑わせてもらったぞ!あんなに笑ったのはイッセーの奴が禁手(バランス・ブレイカー)に至った時以来だ!」

 

「いやそれ割と最近じゃないですか」

 

「な~に、笑いが多いってのは良い事だ。さて、着いたぞ。此処でお前さんの神器と後あのよく分からん能力を測定するからな。そっちの扉から入ればすぐに専用の服が在るから着替えてそのまま奥に入れ」

 

促されてそのまま扉の奥に行きそこに在った病院で着る服に似た物に着なおして一見何もない白い部屋に入る

 

≪よ~し、準備はいいか?早速始めるぞ≫

 

アザゼル先生の声が通信で入り俺の周りに何十もの魔法陣が展開される

 

≪その魔法陣でお前のバイタルやらなにやら測定していくからな。まずは神器を出せ≫

 

言われて神器を展開し、そのまま待機したり気を巡らせてみたり、用意されたネズミに『報復』の能力を発動してみたりしていった

 

≪よし。一先ず神器のデータはこんなもんで良いだろう。次はお前さん固有の謎能力だな。ちょっと別の場所に転送するぞ≫

 

神器のデータを一通り収集したらしいアザゼル先生がそのまま俺を別の空間に跳ばす―――跳ばされた先はこれまたシンプルなデカいだけの空間だ

 

≪そこはレーティングゲームと同じ仕様の疑似空間だ。じゃあ先ずは『じばく』とやらだな。ホレ、とっとと爆発しろ≫

 

「あの・・・『じばく』ってかなり痛いんですけど・・・そんな気楽に・・・」

 

≪特にその『じばく』が扱い辛いから検証して欲しいっつったのはお前だろう?愚痴言ってないでさっさと“ボカン”とイっちまいな≫

 

むぅ、確かに頼んだのはこっちだったからな。今のは俺が悪かったか・・・

 

「ではいきます!『じばく!』」

 

気合を入れて叫ぶと辺り一面を吹き飛ばす爆発が巻き起こり、俺自身は全身から煙を上げながら地面に倒れる。どういう冗談(ギャグ補正)なのか口の中からも蒸気機関車みたいに煙を吐いてるしな。というか相変わらずメッチャ痛い

 

大音量でキーンとなってる耳にアザゼル先生からの通信がくぐもってる感じに聞こえてきた

 

≪お~い、生きてるか~?実際に目にするとスゲェ威力だな。これを至近距離で喰らったコカビエルには今更ながら同情するぜ。よし!じゃあもう一発イっとくか≫

 

「ゴホッ!もう一発って、割と今でも大ダメージ何ですけど!?」

 

≪心配すんな。それ位のダメージならもう一つ重ねた所で死にはしねぇよ。連続で発動できるかの確認だ。文句言ってねぇで『じばく』しろ『じばく』≫

 

クソ!何時か機会が在ったら今回の件の逆恨みも込めてぶん殴ってやる!

 

「・・・・・『じばく』」

 

掠れた声で再度『じばく』と唱えたが幸いというべきなのか再発動はしなかったみたいだ

 

結局その日はその後何度か『じばく』させられた

 

「色々試してもらったが『じばく』の威力は基本一定のようだな。どうにもお前さんのオーラの最大許容量から得られる推定破壊力を2倍の値で計算するようだ。せめて爆発の範囲がどの位に及ぶのかを確認できる補助具をこっちで作っといてやるよ」

 

「あ・・・有難うございます」

 

今は実験の最後に【一刀修羅】を使ってグロッキーになりながら疑似空間に入ってきたアザゼル先生と話している

 

「まぁ今日はお疲れだったな。ベッドに運んどいてやるから今は寝とけ」

 

お言葉に甘えて眠る事にした

 

 

 

 

 

[アザゼル side]

 

 

 

「寝ちまったか」

 

【一刀修羅】とやらの反動で深い眠りについてるコイツはちょっと警戒心無さすぎじゃねぇか?仮にも俺は胡散臭いとされている堕天使の長なんだがな・・・ってグレモリーの列車の中で爆睡してた俺に言えるこっちゃ無かったか

 

そんな事を想いながら光力でイッキを浮かせてコイツ用の部屋に運んでいき、道すがらイッキの能力について考察する

 

コイツの持ってる三つの能力はそのどれもがただの人間が持っていたとしても大した脅威にならないような能力ばかりだ。だがコイツ自身の基本スペックを練り上げる事によってそのどれもが強力な能力に変貌している

 

【じばく】とやらなんてそこら辺の男子高校生に使わせても精々表の世界の手榴弾くらいの威力にしかならんだろうし、まさかヴァーリの覇龍(ジャガーノート・ドライブ)と渡り合うとかそんな人間がうちに居るもう一人の神滅具(ロンギヌス)使い以外に居るとは思わなかったしな

 

そう、神滅具(ロンギヌス)だ。もしもイッキの奴が何かしらの神滅具(ロンギヌス)や伝説のアイテムを所有していたというのならそこまでの驚きはなかったがコイツは正面から理不尽(ドラゴン)を打ち破ってみせた。グレモリー眷属の奴らもそうだがコイツの成長も想像するだけでも面白そうだ

 

未知の可能性ってのはこの歳になっても心が躍るもんだからな

 

「神の居ない世界で、お前さんらはどんな風に世界を廻すのかね?」

 

どうか面白可笑しい世界にしてくれよ?期待しておくぜ

 

 

 

[アザゼル side out]

 

 

 

朝起きたらアザゼル先生がグレモリー眷属のシトリー戦の前のミーティングにグレモリーの屋敷に行くから一緒に来いと言われた

 

そうして転移でたどり着いた先は豪邸というかお城だった・・・Fateのアインツベルン城とかならタメ張れるんじゃないか?まぁグレモリーは領地だけで日本の本州くらいはあるらしいからこっちの方が断然上なんだろうけど

 

仮にも同盟相手の堕天使の総督のお出迎えなのでメイドや執事の方々がズラリと並んでいるがアザゼル先生は「一々こんなに出迎えなくてもイイっつってんだがな」と愚痴を溢していたが流石にそれは無理でしょうに・・・

 

代表としてグレイフィアさんが近づいてくる

 

「お待ちしておりました。アザゼル様、イッキ様———イッキ様。御当主様もイッキ様に是非とも挨拶したいと仰っておられましたが、今は所用で外出しております。昼食の折には戻られますので宜しければご同席頂けますでしょうか?」

 

わぁお!名門貴族との挨拶!・・・・とはいえグレモリー家の気風ならコレが普通なのかもな。それに俺が九重の婚約者という情報は既に広まってるだろうし、お堅く考えるならむしろ気楽に来てしまった俺の方が問題なのかもね。そこら辺のさじ加減も少しは勉強しないとダメかな?

 

グレイフィアさんの言葉に了承の意を示してそのまま彼女の案内で皆の集まってる部屋に案内してもらう

 

「「よぉ、来たぞお前ら」」

 

俺とアザゼル先生の声がハモる・・・アザゼル先生ならこんなノリで入室すると思いましたよ

 

「アザゼル先生!それにイッキも!先生は兎も角イッキは何で此処に居るんだよ!?」

 

イッセーが驚愕しながらも質問してくる

 

「京都での用事が済んだから昨日は神の子を見張る者(グリゴリ)で色々神器とかのデータを採って貰ってたんだよ。そしたらアザゼル先生からグレモリー眷属とシトリー眷属のレーティングゲームをやるって聞いてな、応援に来たんだ。俺は眷属じゃないけど同じオカルト研究部だしな。それとリアス部長、お邪魔してます」

 

イッセーへの返答と最後にリアス部長に挨拶する

 

「ええ、歓迎するわイッキ。と言っても今夜のゲームが終わったら明後日には帰る予定だからあんまり歓待は出来ないけど・・・」

 

少し残念そうな表情のリアス部長だけど2泊も泊めてもらえるというのは庶民感覚では十分な歓待なんですけどね!う~ん、やっぱりこういう所はお嬢様だよな

 

それから皆がそれぞれの修行の成果を確認し合っている。小猫ちゃんは黒歌の使う魔力・妖術・仙術をミックスさせた術式を中心に鍛えたらしく、三つの内二つまでなら問題なく混ぜられるようになったようだ。三つ同時は出来なくはないが制御に全神経を使わなくてはならないようで実戦ではまだまだ使い物にならないらしい

 

そして最後にイッセーが報告している

 

「現状禁手(バランス・ブレイカー)になるには40秒ほど掛かりますね。その状態も維持するだけなら2時間はいけますけど全力戦闘なら1時間持たないかもしれません」

 

おお!詳しくは覚えてないけどけっこう強くなってない?

 

「成程、短期決戦(ブリッツ)方式ならそこそこには使えるくらいにはなってるようだな。とはいえ、出来れば10秒以内には至れるようになった方が良い。元が弱いお前はそれだけの時間が在れば倒せる奴はごまんと居るからな。報告は以上か?」

 

「いえ・・・例のヴァーリから移植した白龍皇の『半減』の力も試してみたんですけど一応発動はしました。ただ成功確率は一割以下で成功しても失敗しても寿命が削れるので頼れる力とは言い難いです」

 

「まぁそうだろうな。そもそも相反するドラゴンの力を取り込むなんざその場で死ぬ方が普通といえるだけの無茶だ。ましてやそれを使いこなそうというのは、それこそ覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を使いこなすよりも難しいかも知れん」

 

すると話を聞いていたゼノヴィアがイッセーに疑問を溢す

 

「イッセー。成功率一割以下と言っていたが今までに何回その力を試したんだ?それだけ検証したという事は相応に寿命を削ったという事になるぞ?」

 

「「「!!!???」」」

 

リアス部長と朱乃先輩にアーシアさんが特に大きく反応する。祐斗たちも今のを聞いて鋭い視線をイッセーに向けている。イッセーも『余計な事を言った!』といった表情だ

 

「い・・・いや~。検証は必要でしたし、それにもしかしたら寿命が削れるって言っても大したことないかも知れませんよ?流石に俺も多用する気は無いですし、大丈夫ですよ!」

 

だがそんな理屈で皆が納得するはずもなくイッセーに迫っていく

 

「イッセー!私より早く死ぬなんて許さないわよ!」

 

「あらあら、流石にその力の代償を詳しく知る事も無いままでは使用を許可したくありませんわね・・・いえ、そうでなくとも使って欲しくありませんが・・・」

 

「イッセーさん!死んじゃイヤですぅぅぅぅ!!」

 

「イッセー君。流石に僕もそれは見逃せないかな?」

 

「そ・・・そうですよ!どれだけ寿命が削れてるのか分からないって事はも・・・もしかしたら明日にでもイッセー先輩は永遠の眠りに!!」

 

「イッセー!私との子供もまだ出来ていないのだぞ!それに例え子供が出来てもやはりイッセーには生きていて欲しいぞ!2人目、3人目とこさえたいしな!」

 

ギャスパーがさりげにヒデェ予測を立ててるな

 

だが寿命の問題なら今の俺(・ ・ ・)ならある程度分かるかも知れん

 

「イッセー、俺がお前の体・・・寿命を診てやるからこっちに来い」

 

え?俺がイッセーの所に行けば良いって?それは無理だ。何故なら今俺の膝の上には小猫ちゃんが座っていてソファーの後ろからは黒歌が首筋に抱き着いて来ているんだもの・・・この猫又姉妹サンドイッチから俺は動けないんだよ!

 

黒歌は「イッキ成分補充にゃ~♪」と言ってたし、小猫ちゃんは座る前に「黒歌姉様が恋人になったのなら私ももっと積極的にならないと何時かおいて行かれてしまいます」とボソボソと呟いていたし・・・別にそんな事も無いのだが、二人にはイヅナを通して京都での大まかな顛末は話してあるから触発されたのかも知れない

 

初めの内は恥ずかしがっていたが暫くすると完全に背中の俺に体重を預けてきているのが凄く可愛いが・・・もっとも流石に今はイッセーの寿命の方が気になるのか前のめりになっているけど

 

「うっせえええ!!久しぶりに会ったと思ったらそんな滅茶苦茶羨ましい光景を見せつけてくれやがって!お前は敵だ!敵の施しを受ける気なんてねぇんだよ!!」

 

別に見せつけてる訳では無いのだが・・・そして正直に言おう。皆の前でこうしているのはかなり恥ずかしい!最初の内は抵抗しようともしたのだが黒歌は「イヤにゃ♪」と却下されたし、小猫ちゃんはウルウルした瞳で「ダメ・・・ですか?」とか言ってくるんだもの!無理だってコレを拒否するのは!

 

「イッセー、我が儘言ってねぇでちゃんと診てもらえ―――つーかイッキ、お前さんは寿命なんて診れるのか?」

 

「俺もただで京都に出向いてた訳では無いって事ですよ。実は色々あって寿命が一万年くらいに増えましてね。以前までとの生命力の差異から推し量って魂の寿命に関する部分を感知できるようになりました」

 

コレは俺が自身の生命エネルギーを把握するのに長けた仙術使いだからこそ把握出来た項目だ。とは言えあくまでも推し量れるのは寿命の最大値だけ、病気や事故とか不衛生な生活を続けた場合とかまでは分からないが―――それと実はもう一つ嬉しい誤算もあったのだがそれは今は関係無いからな

 

「イッキ先輩、寿命が延びたんですか!?」

 

小猫ちゃんが驚きながら振り向いて此方を覗き込んでくる

 

「ん?ああ、そうだよ。でも詳しい話は追々ね。今はイッセーの寿命についてだ」

 

そうして普段自分が美少女4人に囲まれている事を棚に上げたイッセーがぶつくさ言いながらも俺の前に立ち、その胸元辺りに手を当ててイッセーの生命力・・・魂までに意識を集中させていく

 

「ん~。確かにイッセーの寿命が不自然に減ってるな。イッセー、白龍皇の力は何度試したんだ?誤魔化しは無しだ」

 

「13回だな。11回目で発動してその後試しに2回やっても発動しなかったから」

 

成程、発動率1割以下ってのはそういう根拠か・・・にしてもよくやるよ

 

「イッセーの寿命は大体4%くらい削れてますね。ザックリですが一回の発動で30年くらいは寿命が削れる感じですか」

 

4%というと大した事ないようにも思えるが元が一万年だから既に400年分くらいは削れている事になる。もしもこの先今のままで白龍皇の力を戦闘で使っていこうとすれば1000年2000年の寿命程度一瞬で無くなるだろう

 

それを聞いたアザゼル先生も難しい顔をしながら「流石にそれはリスクが高すぎるな。しかも成功率1割以下ならなおさらだ」と言い、他の皆も同様の意見の様子だ

 

そんな中でイッセーだけは納得できないみたいだ

 

「そんな・・・でも俺は弱いです。ドライグにも歴代でも最低の素質だって言われてます。ヴァーリみたいな強敵と戦っていくなら例えそんな力でも俺には必要な力なんです!」

 

「とは言ってもな・・・イッキ、お前さんの仙術で治療とかは出来ないのか?」

 

「・・・一応出来ると思います」

 

「ホントか!?イッキ!」

 

イッセーが“ずいッ”と顔を近づけて来る―――近い近い!!

 

不自然に減っているを仙術で補填してやれば一応寿命の回復は可能だろう。もっとも仙術で扱う生命エネルギーはその根幹ともいえる魂のエネルギーに比べたら薄味だ。少なくとも今の俺では丸一日掛けても一年分の補填がせいぜいだろう

 

「何だよ。もっと手っ取り早く回復とか出来ねぇのか?」

 

「贅沢言うな!多少なら俺が治してやっても良いがバカスカと自分の寿命を削るような馬鹿野郎なら治療してやらんぞ!」

 

すると背後から抱き着いていた黒歌が会話に割り込んできた

 

「ん~。一応手っ取り早い回復は出来なくはないのよ?」

 

「マジですか!黒歌さん!!」

 

へぇ?そんな方法があるんだ

 

「と言ってもやってあげる気は無いけどね。房中術って言うんだけど知ってるかにゃ?」

 

そっか房中術か・・・って却下だよ却下!!小猫ちゃんもちょっと俯いて顔を赤くしてるし、朱乃先輩も「あらあら」と困った顔をしてるしな!・・・で、当のイッセーは「房中術?」と首を傾げている。何で性欲の権化とまで呼ばれているお前が知らないんだよ!

 

「私たちのような気の扱いに長けた者が性的に一つになる事でより深い所で相手の気を操作したり、分け与えたりする事が出来る術にゃ♪でも私はイッキの恋人だし白音も誰が好きかは言わなくても分かるわよね?」

 

黒歌がそう言うとイッセーも諦めたのか「ええ、まぁ」と返すが頭の中では房中術治療を妄想しているようでだらしない顔をしている

 

「アザゼル先生!俺に可愛くって房中術治療を施してくれる女の子を手配してください!」

 

絶対に此奴目的と手段が逆転してやがる

 

「魂の治療が出来るレベルで仙術が扱えてその上可愛いとか見つかる訳ねぇだろ。そこの猫又姉妹がダメだった時点でその道は絶たれてるんだよ・・・それとも性的に一つになる事が条件ならイッキとでも合体するか?正直オススメはしないがな」

 

「「ふっざっけるなぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

何とんでもない事口走ってくれてんだこの未婚総督は!?こじらせたか!?

 

「いやなに、俺がオカルト研究部の顧問になったからか学園の女子たちに時折質問されるんだよ。イッセーとイッキと祐斗のカップリングはどうなっているんですか?ってな。教師として学生の質問には答えてやりたいじゃねぇか」

 

そんな所で教育者魂発揮しないで下さい!!

 

イッセーと二人でひとしきりアザゼル先生を罵倒した所で本題に戻る

 

「結局、イッセーの寿命を気軽にどうにか出来る方法は無いって事か」

 

まぁそうだな。まともな手段じゃ無理だろう・・・なら、まともでない手段だったら?イッセーなら正直リアス部長のおっぱいでも吸わせておけばなんか乳力(ニューパワー)的な謎パワーで回復しそうではあるが、流石に今の段階でそんな不健全な提案をしたくは無いし、かと言って他に・・・

 

そこまで考えた所で一つ思いついた事があった。正直この考えも大概だが試す程度なら良いだろう

 

「リアス部長ちょっといいですか?」

 

リアス部長に声を掛け、とある物を取ってきてもらう―――少し経ってから部屋に帰ってきたリアス部長は箱を持っていた

 

「部長。その箱は?」

 

アザゼル先生への不満でぶつくさ言っていたイッセーは俺が頼んだ内容を聞いてなかったみたいで質問し、リアス部長は箱をテーブルに置いて蓋を開ける事で答える―――その中に入っていたのは

 

「お・・・おっぱい!」

 

無駄に瑞々しくて艶めかしい、おっぱいとしか形容できない果実が合計6つ入っていた

 

「イッセーの使い魔の竜子は夏休みの間はグレモリーとシトリーの合同研究グループの所で預かってもらっているのよ。実だけでなく竜子本体も研究しておきたいと言う事だったからね・・・それと、この実の名称も決定したそうよ」

 

へぇ!名前決まったんだ。以前パ〇の実と言ったら祐斗にダメ出しされたけど・・・

 

「ピー(チチ)よ」

 

「ぴ・・・ピーチチですか?」

 

「・・・ピー(チチ)よ」

 

何だろう・・・同じ言葉のはずなのに何かが違う―――するとアザゼル先生が関心したように顎に手を当てて意見を述べる

 

「成程な。その果実の形状は一見おっぱい以外にも桃のようにも見える。だからピーチと乳のふたつを合わせてピー(チチ)という訳か。果汁もたっぷり詰まっているようだし、ただ噛り付くだけでなくその先端を軽く噛んで吸い付けばそれはまるで疑似授乳・・・・」

 

アザゼル先生が只管味わい方を考察しているのを余所においてピー(チチ)の一つをイッセーに突き出す

 

「ほら、喰え。この実がどういう過程で実るのかは知ってるだろう?お前なら多分イケるって」

 

「いや何がだよ!!」

 

「つべこべ言わずに食え!」

 

「もぉが!!」

 

イッセーの口にピー(チチ)を突っ込み、すかさずイッセーのオーラを精査していく

 

「・・・マジか。半分は冗談だったのにマジでイッセーの失われた生命力(寿命)が回復していってる!おらイッセー!さっさと全部飲み込め!」

 

イッセーの寿命が回復してるという話に皆が驚いてるが気にせずその回復の度合いを調べていく。結果としてピー(チチ)一個で約100年の寿命が回復するのが分かった―――ヤベェよコイツ、おっぱいの力の変換効率が1を足したら100になるくらいの頭の可笑しい数値をたたき出してるよ

 

ともあれイッセーの無理に減らした分の寿命はピー(チチ)で回復出来る事が実証された

 

何時しかザトゥージさんが『使い魔は主の足りない部分を補ってこそ』と言っていたが、この二匹のおっぱいドラゴンは本当にベストコンビなんだな

 

そんな中イッセーは何かを考え込むようにジッと残りのピー(チチ)を見つめていたが

 

「どうしたイッセー?」

 

「んぁ?ああ、いや、何でもねぇよ」

 

「?」

 

ともあれイッセーは白龍皇の力を使う事の許可を得られたのだった

 

 

 

 

 

 

それから俺と黒歌は別室で皆のミーティングには参加しなかった。アドバイザーのアザゼル先生は兎も角一応グレモリー眷属の初の正式なレーティングゲームだし、相手のシトリー眷属だって内心では応援したからね。遠慮する事にしたのだ。今回は純粋に観客としての立場で応援しようと思う

 

「にゃ~♪イッキも少し見ない間に大分力を付けたみたいね。それに寿命の方も延ばしてくるなんて八坂っちには感謝しないとにゃ~♪」

 

今はソファで黒歌が俺の右側に座り腕に引っ付いてきている―――何処とは言わないけど二の腕が埋まってますよ黒歌さん!

 

「色々あったからな。一応修行がメインじゃ無かったけど、内容はほぼ修行だったし。黒歌自身はどうだったんだ?」

 

「にゃ?私?私はずっと白音の修行をみていたから基礎力の向上くらいだったにゃ。前々から練習していたあの技(・ ・ ・)の為にも必要な事だったしにゃ」

 

「そっか」

 

それでも十分前よりオーラが洗練されているのが分かる。俺の感知能力も上昇しているようだ。修行で四方八方の攻撃をいなすのは目では追い付けないから気配感知がメインだったからな。多分今なら目隠ししながらでも普通に戦えると思う

 

それから時間があったので折角だから黒歌に人間が冥界でも過ごせる術式を習っている中グレイフィアさんから昼食の用意が出来たと告げられ、一旦皆もミーティングを切り上げて全員で昼食を取る。その際リアス部長の両親のジオティクスさんとヴェネラナさんに「リアスが何時もお世話になっている」と言われて恐縮したり、ピー(チチ)が新しいグレモリー(とシトリー)の収入源になりそうだという所でもお礼を言われた。確かにリアス部長を説得したのは俺ですけどね・・・

 

そうして夜、ゲームに赴く皆にエールを送り俺と黒歌はグレモリー家のシアタールームで観戦する事となった

 

結論から言えばグレモリー眷属の勝利であったが終始シトリー眷属の戦略に翻弄されている感じだったな。皆基本的に原作よりもいくらか強いからもっと一方的になったりするんじゃないのか?とも思ってた感は否めないけど考えてみれば小猫ちゃんの成長に触発されてリアス部長が鍛えたなら、ソーナ会長も当然鍛えてるはずだからな。派手な変化こそないが基礎力は両陣営とも原作以上だったのかも知れん

 

「にゃ~、青臭い戦いだったにゃ~」

 

「確かに最後の『王』同士の一騎打ちとかは堅実とは言えなかったけど、まだ青春を謳歌する学生なんだしアレはアレで良いんじゃないか?リアス部長たちからしたら試合に勝って勝負に負けた感じかも知れないけどさ」

 

「何だかその意見はちょっとジジ臭いわよ?まぁでも得られるものが多そうな試合ではあったにゃ」

 

「・・・乳語翻訳(パイリンガル)も?」

 

「・・・何の事だか分からないにゃ」

 

エロに寛容な黒歌でもイッセーの披露した新技はアウトだったらしい

 

因みにイッセーを倒したサジは今回のMVPとしてサーゼクスさんから直々に表彰されたようだ

 

 

 

 

 

翌日、グレモリーの人たちに見送られて人間界行きの列車に俺も乗せてもらい一緒に帰る。一度乗ってみたかったから嬉しい限りだ

 

そんな中でイッセーは宿題相手に格闘していたが・・・夏休みも10日切ってるからね

 

「畜生!木場もイッキも余裕で茶ぁ飲みやがって!お前らは宿題は終わらせたのかよ!?」

 

「「貰ったその日に終わらせたよ」」

 

「ハモッてんじゃねぇ!嫌味か!?」

 

俺は苦手なモノから先に食べるタイプなんだよ。宿題が残ってると心のどこかでそのことが引っ掛かって十全に休みを満喫できないからな

 

イッセーの宿題をしている姿を肴にして和気藹々と過ごし、やっと人間界に到着した

 

列車から降りるとそこには一人の優男の外見をした悪魔の青年が立っていた

 

「アーシア・アルジェント!やっと見つけた!」

 

そう言いつつアーシアさんに近づいてくる

 

「あ・・・あの?」

 

困惑しているアーシアさんに構わず優男は続ける

 

「忘れてしまったかな?・・・無理もない。あの時僕は顔は殆ど隠れていたし、とても落ち着いた状況では無かったからね。でも、この傷は覚えてないだろうか?」

 

そう言って大きく胸元をはだけさせてかなり深い傷跡を見せる

 

「! その傷は!まさか!?」

 

「思い出してくれたようだね。僕はアスタロト家次期当主。ディオドラ・アスタロト。キミに命を救われた悪魔だ。あの日からずっとキミに言いたかった事があるんだ」

 

アーシアさんの前に膝まづき彼女の手を取ってその甲に軽くキスをする

 

「な!なにしやがんだテメェ!」

 

イッセーの叫びを無視して真っ直ぐにアーシアさんを見つめるディオドラ

 

「僕はキミに恋をしてしまった。キミを迎えに来たんだ―――どうか僕の妻となって欲しい」

 

アーシアさんに求婚するディオドラ・・・落ち着け俺、原作で此奴がどれだけのクズでもきちんと裏を取らなければダメだとレイナーレの時も思った事じゃないか・・・結果は黒だったけど

 

ディオドラ以外、不穏な空気が漂う中で俺は今後どう動くかを考えていくのだった




一応今回はちょろちょろと伏線とか意味深な言動とかを意識して書いてみた回でした

ピーチチ食べたらイッセーが女体化とかするかも!とかも思ったんですが原作でアザゼルが性転換銃を造ってったんでネタが被るのでやめましたwww

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