早朝トレーニングで俺とイッセーの家の地下トレーニングルームの統合空間でオカルト研究部と黒歌にレイヴェルが集まると最初に白音がリアス部長に名前の件を切り出した
それを聞いたリアス部長は白音の事を抱き締めて目尻に涙を溜めて喜んでいる
「そう、分かったわ。もう小猫と呼べないのは寂しいものが在るけれど、貴女が新しく一歩を踏み出そうとしているなら主の私にとってこれ以上の幸福は無いわ。これから宜しくね、白音」
「はい、リアス様」
抱き合う主従の姿に皆微笑ましい視線を送るか、もしくは釣られて涙ぐんでいるかだ
「ああ、何て美しい光景!愛は何時だって偉大だわ!アーメン!!」
イリナさんとかも何か祈ってるしな―――そのまま他の皆と改めて『白音』の名前で呼ばれている光景を見ているとリアス部長が近づいて声を掛けてきた
「昨日までのあの娘はレイヴェルを意識してか表情が硬かったけどまさか一日であそこまで変わる何てね。男の甲斐性って云うのでも見せたのかしら?」
「ええ・・・まぁ・・・」
頬を掻きながら曖昧に返す―――抱き締めて、キスして、告白しましたよ。流石に恥ずかしいから言わないけど
「うふふ♪今度女子トークの機会が在れば白音に詳しく聞いてみましょうか♪」
「か・・・勘弁して下さい・・・」
ああ、でも女子トークの場に突撃する訳にもいかないから多分数日中には揶揄われるかもな
その後朝のトレーニングも終えてから朝食の席では両親にもかくかくしかじかで小猫から白音に名前が変わると伝えてレイヴェルは一度向こうの学園の手続きなども踏まえて冥界に転移して行った
とは云え昼過ぎ辺りには帰って来るとの事だったので普通に送り出す
「では行ってまいりますわ。お昼は向こうで済ませて参りますので私の事はお気になさらず」
「分かった。行ってらっしゃいレイヴェル」
「行ってらっしゃい」
「またにゃん♪」
そうして彼女は冥界に転移して行った
「さてと、私は新しく開発中の術式の研究でも進めるとしてイッキと白音は如何するの?」
「・・・修行の続き・・・かな?買い出しとかは昨日ついでに済ませてしまったしな」
「なら、私も先輩と一緒に修行します。戦闘力はレイヴェルに勝ってると自信を持てるものですからね。簡単に抜かされたくはないです」
それから二人で地下のトレーニングルームに出向くと既に先客が居た
「やぁ、有間にこねk・・・白音じゃないか。そっちも特訓かい?」
ゼノヴィアが一人でデュランダルを構えて聖剣のオーラを高めていた
「やっぱり、すぐには呼び方は慣れないか?」
思いっきり小猫と呼び掛けてたしな・・・まぁ俺も何度か危うい所があったんだけど
「ふふ、そうだね。間違って呼んでしまったら済まないな」
「いえ、謝るような事ではありません。私は『小猫』の名前も好きですから・・・ただ、流石に統一した方が良いですからね」
白音がそう言うとゼノヴィアも「違いない」と軽く笑った
「私は今、ロキと戦った時に有間に色々指摘されたことを思い返していてね。如何するべきなのかと思案していたんだ」
あ~、何か色々言ったな俺。ゼノヴィア落ち込んじゃったけど
「だが結論が出たよ。ただでさえ今の私はデュランダルのオーラを扱え切れてないのだから、あの時のアドバイスを全て同時並行で鍛えるのは現実的ではないとね。だから私は取り敢えずパワーを極めようと思う―――細かい事はその後で良い!」
おおぅ!何という清々しくも真っ直ぐな脳筋宣言!祐斗が泣くぜ!
「それで良いんですか?ゼノヴィア先輩」
「いや・・・案外悪く無いかも知れないよ?扱える力の最大値が増えれば相対的に弱めの出力をコントロールする時に意識を割ける割合が大きくなるはずだし」
多分ね!というよりはそうだと信じたいだけかも知れないけど
「良し!もうすぐ京都への修学旅行だからな。少しでも力を付けなければいかん!有間!白音!いざ張り切って特訓だ!」
そうして少し珍しい組み合わせで修業に精を出すことになった
修行も終わり、昼食も食べて午後は流石にのんびりしようと思っていると転移陣の在る場所からレイヴェルの気配がしたので如何やら向こうの用事は済んだみたいだ
そのままリビングで待っているとレイヴェルがやって来た
「ただいま戻りましたわ」
「ん、お帰り」
「お帰りにゃん♪」
「お帰りレイヴェル。手続きとか問題無かった?」
「ええ、滞りなく済みましたわ」
それぞれが挨拶を交わして最後に冥界ではどうだったか聞くが心配するような事は無かったようだ
「それと・・・帰り際に実家の方にも寄りまして・・・その・・・両親にイッキ様との事は本当なのか?と聞かれましたので肯定しておきましたわ」
「ぐっふぅ!!」
マジですか!あの戦場の逆プロポーズの情報伝わってましたか!というか周りに居る女の子たちは普通にそういう事いきなり会話の中にぶっこんで来るよな!!
「えっと・・・それでご両親は何と?」
うん。やはりそこが気になる所だ。一応俺って人間だし猛烈に反対とかされたらどうしよう?説得の果てにどうにもならなかったら最終手段でレイヴェルを京都辺りに亡命させるしかないのか?
そんな風にちょっと悪い方向に思考が寄ってたらレイヴェルが詳細を語ってくれた
「お父様もお母様も長兄であるルヴァルお兄様も了承してくれましたわ・・・お父様はライザーお兄様とリアス様の婚約を強引に推し進めたのを反省してる様子でしたし、お母様はイッキ様ご自身の実力を高く買っておられる感じでしたわね。ルヴァルお兄様は自身が恋愛結婚していますから応援すると言ってくれましたわ」
何だかそれぞれの想いがあるみたいだけど認めてくれるのであれば良いか・・・でもそうなると何処か近いうちにあの伝説のイベント『娘さんを私に下さい!』をやらないとダメかな?黒歌、白音、九重の3人にはそういう事言う相手が居なかったし・・・考えてるとお腹痛くなってきそうだ
「あ~、それならライザーともう一人のお兄さんは?」
「次兄のリュゼお兄様は冥界のメディアで働いていまして家を空ける事が多いのでメッセージだけ送っておきましたわ・・・ライザーお兄様は相変わらず部屋に引きこもっていたので使用人か眷属が伝える事でしょう」
へぇ、もう一人のお兄さんは冥界のメディアに関わってるのか・・・おっぱいドラゴンとかにも一枚噛んだりしているのだろうか?
そんな事を思っていると家の外に一つの気配を感じ取った
「イッキ先輩・・・これは・・・」
「うん。ちょっと様子を見ようか―――レイヴェル、付いてきてくれるか?」
「はい。ですが如何したのでしょうか?」
見てもらった方が早いとだけ言ってレイヴェルの疑問には答えずにベランダから外に出る
気配は玄関の方から漂って来てるけどこっそり見るならこっちからだろう
そうして皆で気配を殺して回り込んでそっと玄関の方を見やるとそこには顔を青くして脂汗を流してブルブル震えているライザーの姿が在った
前に見た時と違って髪もボサついてるし無精ひげも生えているな
「な!?・・・お・・・お兄様!?何故ここに居らっしゃるのですか!?」
そんなこの場に居るはずのない兄の姿を見た瞬間、堪らずレイヴェルが飛び出して声を掛けるとライザーも此方に気が付いたようだ
というかライザーって今確か人間恐怖症で且つ俺の事を怖がってるとかレイヴェルも言ってたのによく人間界で且つ俺の家まで来れたな・・・生まれたての小鹿の方が今のライザーより生命力溢れている感じがするけどさ
「お・・・おお!レイヴェル。お前があの邪知に塗れた人間に誑かされてしまったと聞いてな。居ても立っても居られずに飛び出して来たのだ。さぁ気づかれない内に早く帰ろうレイヴェル。大切な妹をこのような悪の根城に置いておくなど父上や母上にルヴァル兄上も恐らくはあの人間に騙されるかもしくは何か弱みを握られているのかも知れんが心配するな。俺がお前を守ろう!こんな情けない兄だが妹を守るくらいの勇気は持たなくてはな」
ヤベェ!何か俺の事ボロクソに言われてるけどライザーが魔王城に突撃する勇者並みに魂を震わせてやがる!・・・そう云えばライザーの眷属の姿が見えないけど多分レイヴェルの嫁云々を聞いて一も二も無く飛び出してきたんだろうな
だがそれを聞いた当の本人は何とも形容しがたい複雑な面持ちとなった
引きこもりの兄が自分を想って四方八方トラウマの海とも云える人間界にまで来てくれた事は嬉しいのだろうが、ライザーの俺への評価がゼロどころかマイナスすらも突き抜けそうだからね
俺もレイヴェルの立場なら同じような表情をしたと思う
「(ねぇイッキ、ちょっと思いついた事が在るんだけど、こういうのって如何かにゃ?)」
成り行きを見守っていると声を潜めて黒歌が愉しそうに笑みを浮かべながら提案をしてくる
「(ええ・・・そんな事して如何するんだよ?どんな結果になるかまるで分らんぞ)」
「(でも、折角あれだけプルプル震えながらも此処まで来たんでしょ?ここでレイヴェルが『大丈夫』とだけ言って家に返しても引きこもりが治るとは思えないにゃ。だ・か・ら♪いっそ引っ掻き回してやるのにゃ♪———今こそRPGのラスボスになる時にゃ!)」
そう言って黒歌は俺をレイヴェルの方に有無を言わさず突き出した
ああもう!イイよ!やってやるよ!!破れかぶれだ畜生!!
「ち・・・違いますわお兄様!私が此処に居るのもイッキ様と婚約したのも全ては!ッツ!?」
そこまで発したレイヴェルを後ろから拘束して手で口を塞いだ
さぁいくぞ!ラスボスモードだ!(こんらん)
「よく来たな。ライザー・フェニックスよ。だがこの娘は我が妃となる運命なのだよ―――此処まで乗り込んで来たその気概に免じて貴様を我が城に招待しよう。もしも妹を取り戻したいと願うなら試練を乗り越えて再び我が眼前へと来るがいい!!」
そこまで言い放った所でこっそりとライザーの後ろに回り込んだ黒歌が仙術で一瞬で気絶させる
「あ・・・あの、イッキ様?コレは一体?」
「御免レイヴェル。正直俺もよく分かってない」
「ふふん!このお坊ちゃんが折角勇気を出しているんだから、どうせならそれを最後の一滴まで絞り出して貰おうっていうだけにゃん♪必死になって物事をこなせば精神的な不安とか割とアッサリ吹き飛んだりするものよ?」
そう言って黒歌はライザーを引きずって何時もの地下トレーニングルームに向かっていった
黒歌は幾らレイヴェルの兄と言っても赤の他人の為に自ら積極的に動くような性格はしていない―――都合よく目の前に現れた
いや、ちゃんとレイヴェルの利にも繋がるようにもしてるんだろうけど大半がノリと勢いだよね?
あれから黒歌とライザーの後を追ってトレーニングルームに入ると黒歌は何やらトレーニングルームの設定を弄っていた
すると程無くして悪魔城ドラキュラ的な不気味な城と周囲の環境が出来上がる
「それで、この後はどうするつもり何だ?」
「ちょっと待つにゃん♪実はさっきこの手の専門家に連絡を取ったからそろそろ来るはずにゃ♪」
専門家?そう首を捻ってるとトレーニングルームにイッセーを小脇に抱えたアザゼル先生が入って来た!
「悪の親玉たる俺の力を借りたいって?万事俺に任せとけ!!」
もう既に嫌な予感しかしねぇよ!黒歌も何て人に連絡付けてんだ!!
「ちょっとアザゼル先生!いきなり人の事問答無用で拉致って一体何々ですか!ってライザー!?何で此処に居るんだよ!?」
イヤ本当に何でだろうな?
そうしてアザゼル先生主導の下、ライザー立ち直り計画【その炎で闇を払え!復活の勇者・ライザー編】が始動した・・・もう如何にでもなればいい
[三人称 side]
ライザー・フェニックスが目を覚ますとそこはまるで見覚えのない城の玄関ホールだった。見渡すと後ろには重厚そうな黒塗りの巨大な扉が在り、窓の外に見える風景は植物そのものが黒みを帯びているかのようで正面にはこれまた巨大な階段が城の奥へ吸い込まんばかりの奥行きを感じさせる
もっとも財源の潤ってるフェニックス家に生まれたライザーにとってみれば城の大きさ自体は慣れたものなのだがいきなり知らない場所に倒れていたという事には不安を感じる
「おい!誰か居ないのか!?いや待て、そもそも俺は何故倒れていたんだ?確か最後に・・・そうだ!レイヴェルを連れ戻そうとしたらあの男、有間一輝が現れてそれからアイツは城に招待するとか・・・と言う事はまさか!?」
「そう、そのまさかだ!」
そこまで思考が至った時、被せる様に階段の上から声が降って来た
「貴様は!?あの時の赤龍帝か!?」
そこに居たのはかつてリアスとの婚約を掛けたレーティングゲームで忌々しくも自分を殴り飛ばした龍の帝王を身に宿した小僧だった
下級悪魔の分際で当然のように上に立ち、腕を組んで仁王立ちしているのが神経を逆なでする
「久しぶりだな、ライザー・フェニックス。俺・・・私は悪神に仕えるドラゴン。赤龍帝だ!えっと・・・貴様の大切な妹はこの城の一番奥で我が主と共に居る。この先に進みたければ先ずは俺・・・私を倒してゆくがいい!!」
先程からチラチラと手元にある紙(カンニングペーパー)を見ながら告げるイッセーに勇者ライザーは炎の翼を出す事で応える
だが、戦意を滾らせると同時に僅かに汗をかいているのが見受けられた
それもそのはず、かつてライザーはレーティングゲームで自分を直接打ち負かせた赤龍帝を心底恐怖したのだから・・・その感情は後に人間と有間一輝に向いたとは云え、一度トラウマになった対象への感情を完璧に取り払うのは難しい
しかし、だからと言って此処で引く訳にはいかないのだ!
彼は自分の前方に魔法陣を展開する
「さぁ来い!俺の眷属たちよ!あの忌々しいドラゴンを全員で八つ裂きにするぞ!」
彼が最初に頼ったのは自分の力ではなく眷属の女の子たちの力だった
流石はライザー・フェニックス。戦法としては間違ってないのだろうが勇者としては情けない限りである・・・彼が真の勇者として覚醒するのはまだ少し先の事なのかも知れない
だが彼の愛しの眷属を召喚する為の魔法陣は何の効果も現さないままに消えてしまった
「馬鹿な!?何故召喚出来ない!?」
「無駄だ。ライザー・フェニックス。この城には招待された者しか入る事も出ることも適わない。嘘だと思うのならその辺の窓でも破壊してみるといい」
もはやカンペ直読みの赤龍帝が告げる
促されたライザーは窓に向かって特大の火炎を投げつけるが在り得ない程に強力な結界でアッサリと自慢の炎がかき消されてしまった
堕天使の総督とウィザードタイプで三又に至った黒歌の二重障壁はたかがライザー如きに打ち破れる代物では無いのである―――この二人本気過ぎる
「どうした、ライザー?妹を置いて逃げるのであればそんな小者と戦う意味も無い。此処から逃げ出せるようにしてやろう・・・それとも、再び私に敗北するのが恐いのかな?」
「ッツ!!上等だぁ!下級悪魔の分際で上級悪魔の俺様に舐めた口を利くと如何なるか!今度こそその身に刻んでやるわ!!」
「いくぞ!ドライグ!」
『応!最後には態と負けろというのは気に喰わんがな!』
『Welsh Dragon Balance Breaker!!』
ドラゴンの赤と不死鳥の赤が空中で激突し、周囲を赫く染め上げた
「態と負けるとか関係無しにギリギリの戦いだったよ」
後にイッセーは語った。どれほど殴り飛ばしても立ち向かってくるあの時のライザーはシトリー眷属とレーティングゲームした時のサジほどの根性を感じたと
ともあれ赤龍帝を下し階段の奥に行くと先ほどの場所よりも更に一段と広い場所に出た
どうやら玉座の間らしく遠くに妹を攫い、他の家族にすらも知らぬうちに手を伸ばしていた邪知暴虐の王がそこに居た
アザゼルコーディネートの黒を基調とした軍服で少しだけ金の装飾があしらわれた中二病が頭を過ぎるスタイルだ。無論、生粋の貴族であるライザーはそんな事を思わないであろうことはイッキの僅かな救いである
そしてその膝の上には横抱きでドレス姿のレイヴェルが居た―――よく見ると有間一輝の腕の中で顔を真っ赤にして熱に浮かされたように彼の事を見つめている・・・何か怪しい術を掛けられたに違いない!
実際はイッセーとライザーが戦い始めた辺りからずっと何時ライザーが来ても良いようにイッキの腕の中でスタンバってたので初めてという事も相まって有頂天になってただけである
控室のモニターを見ていた白音は面白くなさそうだ。後で絶対膝の上に乗ると決意した
「レイヴェル!貴様妹に何をしたぁぁぁ!!」
当然そんな事など知らないライザーは先程まで赤龍帝と戦って疲弊していたなどと露ほども感じさせぬ炎を吹き出し絶叫する
「ライザー・フェニックス。良くぞ我が臣下を下して此処まで来たものだ・・・しかし、我が前に立つにはまだ足りない。最後にして最凶の我が下僕を見よ!」
ずっとレイヴェルと抱き合い、この訳の分からない雰囲気に中てられたイッキはもはやノリノリである。中二病には適齢期を過ぎても男を狂わす魔力があるのだ
広間の空中に巨大な魔法陣が展開され、そこから15メートル級の巨大なスーパーロボットが降って来た!全身から言いようのない真っ黒なオーラを迸らせている
≪フハハハハハ!コレは堕天使の技術力を持って作成したお助けロボ、マオウガーだ!サーゼクスに頼まれてな。世界に漂う悪意を吸収して原動力としている為エネルギーが尽きる事はない!とってもエコロジーな逸品だ!≫
ロボットの中から音声が響き渡る。どうやら堕天使の総督は乗り込んで直接操縦しているらしい
「何いぃぃぃ!?堕天使に・・・サーゼクス様だと!?既に三大勢力の内、堕天使と悪魔は奴の手に堕ちているとでも言うのか!?」
トラウマレベルの傷を負った彼にとってはどれほどの悪逆も『あの人間ならば在りうる』で片づけられてしまうようだ
≪後でグレイフィアに伝えておかなくてはならないわね≫
≪あらあら、ではお父様経由で副総督さんには此方から伝えておきますわ≫
≪で・・・でもチョットあのロボット乗ってみたいですぅ≫
偶々回線が開いていたのか二大お姉様と元ハーフヴァンパイアの声が聞こえてきた・・・どうやら騒ぎを聞きつけたオカルト研究部の面々が控室に集まっているようである
幸か不幸か今の通信が聞こえていなかった彼らはそのまま動き出す
≪さぁいくぜ、マオウガー!人間たちの憎悪からなる闇であの不死鳥の炎すら包み消してしまえ!ロケットパーンチ!!≫
マオウガーの片腕がライザーに向けられ、どす黒いオーラが集中するとライザーに向かって片腕が飛ぶが流石に予備動作が分かり易過ぎた為か避けられてしまい、玄関の方で盛大な爆発を起こした
「ギャァァァァァァァ!!?」
遠くで赤龍帝の叫び声が聞こえたのは気のせいであると信じたい
≪マオウガーのロケットパンチを避けるとはやるな!だが、俺のマオウガーの力はこんなものじゃねぇ!魅せてやるぜ、ゲームで鍛えた俺様の操縦テクってやつをよぉぉぉ!!≫
時折町中のゲーセンに在るダンガムのコックピットに乗って遊んでいる化学の先生は本日最高に輝いている。だが、先ほどのロケットパンチでメインアームを片方無くし、さらには的が小さいのも相まって中々攻撃が当たらないでいた。そして痺れを切らしてもう片方のロケットパンチを繰り出すがやはり避けられてしまう
≪チィ!おいイッキ!見てないで参戦しろ!部下のピンチだぞ!≫
「いやいや、最後に負けるべきとか言ってたのアザゼル先生じゃないですか。後、仮にも部下は上司に向かって『参戦しろ』なんて言わないでしょうに・・・まぁ良いです。細かい事を気にしたらダメなんでしょう。でもロボットの手助けを気弾でするのも味気ないのでちょっと趣向を凝らしましょうか―――システムコール!認証システム、対象、有間一輝!有馬家緊急時迎撃システムマニュアル操作。光力砲2門展開!ファイア!!」
彼が夏休み前にアザゼルに手渡された堕天使の技術の詰め込まれた家のマニュアルを先生に言われた通りキッチリ読み込んだ彼は自分の座る玉座の左右にメカメカしい砲門を出現させるとそこからレーザー(堕天使の光力)を撃ち放つ!
「何ぃ!?光による攻撃だと!?何処までも卑怯な人間め!妹の為、悪魔の未来の為!貴様は刺し違えても此処で倒さねばならないようだなぁ!火の鳥と鳳凰、不死鳥フェニックスと称えられた我が一族の劫火!その身で受け燃え尽きろォォォ!!」
そこに居る冥界の未来を背負って戦うライザーはもはや引きこもりなどでは無かった
彼のような若者が居るならきっと冥界の未来は明るいだろう
[三人称 side out]
「もう!お兄様ったらイッキ様の事を誤解し過ぎですわ!イッキ様は野心が強い方ではありませんので世界を裏から牛耳ろうと何てしていませんし、身内にはとってもお優しい方ですのよ!」
「し・・・しかしだなぁレイヴェル。やはり弱い人間などに・・・」
「イッキ様は最上級悪魔クラスの実力はお持ちですのよ?それに切り札も含めれば魔王級と言っても過言ではないかも知れませんわ」
「だが恋愛だと言うのであれば悪魔と人間では寿命の問題も・・・」
「イッキ様は不老長寿の薬を飲まれたとかで寿命も悪魔と同じく一万年はあるそうですわ」
「特別な生まれでも何でもないそうじゃないか・・・フェニックス家の者として家柄のつり合いという事も考えなくては・・・」
「ご存じですわよね?イッキ様は西日本を統べる妖怪の姫君の婚約者です。将来的には十二分につり合う相手ですわよ?」
戦いが終わった後、人間恐怖症は無くなったようだが、ライザーがなおも俺の事を扱き下ろしてくるのに怒ったレイヴェルがライザーが俺とレイヴェルの仲を認めようとしない発言を尽く切り捨てている
正直俺としてはこの兄妹のやり取りを聞いているのはかなりむず痒い気分だな
暫く言い争って・・・もといライザーが言い負かされているとガックリと項垂れた後、此方を睨みつけて近づいて来た
「やい、貴様!もしもレイヴェルを幸せにしなかったらその時はその魂の一片までも燃やし尽くすぞ!精々覚悟しておくんだなぁ!」
ライザーはそれだけ言うとさっさと転移魔法陣で冥界に帰って行ってしまった
「まぁアレだな。レイヴェルの為にトラウマを押してでも駆けつけてくれた事には変わりないんだし、理想的とはいかなくても良いお兄さんではあるんじゃないか?」
少なくとも身内にはね・・・リアス部長に取ってた態度はマイナスだけど、その辺りの変化も今後ちゃんと見受けられるようにはなっていくのかな?
「ふふ♪そうですわね。私もお兄様のあんなに必死になって戦う姿は初めて見ましたわ」
すると黒歌が後ろから抱き着いて来た
「ふふん!私の采配に間違いは無かったにゃん♪華麗な頭脳プレーに惚れ直してもいいのよ?」
「はいはい、黒歌には毎日惚れ直してるよ」
ぶっちゃけ偶々成功しただけだろうにこの悪戯猫は図々しい限りだな
「・・・・・・・不意打でそれはちょっとズルいにゃん」
後ろで黒歌がボソボソ言ってるけど俺何か変な事言ったかな?(←ノリノリスタイルが抜けきってない)
それからリアス部長に「ライザーの事、有難うね」と少し複雑そうな顔をしながらもお礼を言われたり、アザゼル先生がシェムハザさんに耳を引っ張て連行されるのを見送ったり、白音が俺の膝の上から暫く離れなかったりしながらも俺達2年生組は京都への修学旅行が間近に迫ってきていた
次回からはパンデモニウム編ですねwやっとアニメ4期に入っていけますww
途中フェニックス家の次男の名前が出てきますが公式じゃないのであしからずw
ただフェニックス家の子供って『ラ』イザーに『ル』ヴァルに『レ』イヴェルと皆ラ行で始まるので多分『リ』か『ロ』で始まる名前だとは思うんですよねw