転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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第四話 三角、関係です?

俺と九重が今東京に居る事を告げたら電話向こうのイッセーから驚愕の声が聞こえて来る

 

≪おいおい!俺達今は奴らの創った疑似京都の中なんだぞ!?京都までは転移で来れるとしてお前この空間の中に入れるのか?≫

 

「そうだな。態々追い出されたって事は今回は絶霧(ディメンション・ロスト)で外からの介入が出来ないように、かなり強固に空間を閉じているだろうから無理やり入るのは難しいかもな―――でも、今回に限って言えば多分大丈夫だと思う。試してみないと分からんが侵入できるはずだから取り敢えずそっちはそっちで二条城へ向かってくれ」

 

 

≪・・・分かった。絶対に来いよな!≫

 

「ああ、流石に俺と九重が蚊帳の外のまま事件終了何て勘弁だしな」

 

第一目標は八坂さん救出だから俺達がたどり着く前にイッセー達が事件解決ならそれでも良いが、可能なら英雄派は一度ボコっておきたいしね

 

イッセーとの連絡を切った俺は視線を横に向ける

 

俺の向いた方向からは明らか此方に敵意を向けている男が一人歩いて来ていた

 

「よぉ。俺の事を覚えてるか?前に工場で戦ったんだが・・・もっともあの時は聖魔剣使いに1番にやられちまったんだけどな」

 

そう言ってくる男の顔をよく見て記憶を探る

 

「ああ!確か『手に持った石を!』の人だったっけ?」

 

「その通りだ!今の俺はあの時の俺とは違う!新たに目覚めた力でもってお前たちを・・・」

 

ご高説が始まったが付き合う義理も無いので足元を軽く踏みつけて転移で一先ず京都に向かおうとするが転移が発動しなかった

 

それを見た男は高笑いをする

 

「ハッハッハァ!無駄無駄ァ!この周囲には事前に転移封じが仕掛けられている―――全く、つれない事すんなよ。俺はお前らと戦って叩き潰したいんだからよ!戦う理由なら用意してやったぜ。この転移封じは俺を倒せば解ける仕組みになっている。京都に行きたきゃ俺を倒すしか無いって寸法だ!さぁ殺り合おうぜぇぇぇ!!魅せてやるよ、この俺様の新しい力を!バラァァァンス!ブレェェェェっえっぶぅぅぅぅぅ!!?」

 

「話が長い!」

 

何か無駄にキメポーズ(NINJA的な)しながら勿体ぶって禁手(バランス・ブレイク)しようとしていたので顔面にワンパン入れて気絶させた

 

当分起きないようにしておいたから後で回収してもらう事にしよう

 

「良し!じゃあ京都に行くか―――それと九重、よく覚えておけよ。実戦では敵の変身シーンを待つ理由何て基本は無いって事をな!」

 

「うむ。私から見ても隙だらけじゃったからの。英雄派とやらが皆コヤツのような間抜けの集団ならば苦労も少なくすむのじゃろうがな」

 

九重の感想を聞きつつ取り敢えず京都に転移して行った

 

 

 

 

[イッセー side]

 

イッキと連絡を取り合った後、襲い掛かる禁手(バランス・ブレイカー)に至った英雄派の構成員を倒して疑似京都の二条城の門の前に集まっていた

 

見ると既に祐斗たちやゼノヴィアやイリナも揃っている・・・ロスヴァイセさんは少し体調が悪そうではあるが恐らくホテルでイッキの治療を受けた為かそこまで酷くは無さそうだ

 

昼間のロスヴァイセさんは凄い事になってたからな

 

「イッセー君、アーシアさん。そっちも無事みたいだね。後はイッキ君と九重さんだね・・・イッキ君が遅れてるって事は何か足止めに特化した能力者をぶつけられたのかな?」

 

そっか、当然だがイッキの事情を知ってるのは俺とアーシアだけだもんな

 

「いや、皆。イッキと後九重はどうやら東京に跳ばされたらしい・・・俺も最初聞いた時は耳を疑ったよ。でもイッキにはこの空間に入れる当てが在るみたいだからアイツなら心配しなくてもその内来るだろうよ」

 

「そうか、成程ね。現状、イッキ君は此方側の最大戦力だ。敵は態々僕たちをこの空間に呼び寄せて戦いたいみたいだけど、イッキ君が居れば計画に支障が出かねないと踏んだんだろうね―――あくまでも計画の遂行が第一だと考えるべきだろう」

 

「だが、それは逆に言えば有間さえ居なければ私達がいくら足掻こうとも問題無いと奴らに舐められている証拠だ。ハッキリ言って気に喰わないな」

 

木場の考察を聞いてゼノヴィアが明らかに不機嫌な顔になる

 

ああ、俺も同じ気持ちだよ。実際に俺が悪魔になってからイッキの助けなしでまともに勝てたと云えるのってレイナーレくらいじゃないか?あの時はイッキも戦ってたけど、ぶっちゃけ単純に勝つだけなら俺以外の初期メンバーの内誰か一人が居れば勝てたと思うし・・・勿論、アーシアの救出も踏まえたらそういう訳にもいかなかったんだろうけどさ―――いい加減助けられてばかりから卒業しないとな!

 

俺も意気込んでいるとゼノヴィアが握っていた今までのデュランダルとは違う形の聖剣に目が行った―――天界に送っていたデュランダルが返って来たとはホテルで聞いてたけどアレが新しいデュランダルか

 

「ん?気になるか?ふふ!私もこの剣を早く振るいたくてウズウズしてる所だ」

 

舌なめずりでもしそうな顔で手にした剣を握るゼノヴィアはちょっとヤバい奴に見えるな

 

少しだけゼノヴィアの雰囲気に引いてると二条城に続く巨大な門が一人でに開門していった

 

「どうやら歓迎してくれてるみたいだな。良し!じゃあ行こうぜ皆!」

 

『おう!』

 

 

 

 

 

そのまま二条城の中に入って行くと前方に見える建物の上に曹操とジークフリート、それ以外にライトアーマーを身に付けた巨漢に同じくライトアーマーを着ている金髪の美人の姉ちゃんが居た

 

今の状況であの場に立ってるという事はあの二人も英雄派の中で幹部クラスなんだろうな

 

「此処まで一人も欠ける事なくたどり着いたか。キミたちに差し向けたのは英雄派の中でも中堅クラスとはいえ禁手(バランス・ブレイカー)の使い手である事には変わりない―――君たちは十分に強いよ」

 

昼間に戦った時にも薄々感じてたけど、こいつ等はディオドラのように完全に此方を見下しているのとは違って俺達に警戒している・・・いや、どちらかと言えば観察してるような感じだ

 

この手のタイプと戦うのは初めてで正直言ってやりにくいな―――だが、今はそんな戯言に付き合ってる暇は無いんだ!

 

「お前ら!八坂さんを何処にやったんだ!とっとと返して貰うぜ!」

 

それを聞いた曹操は視線を俺達とは少し外れた茂みに移した

 

するとそこから両脇を英雄派の構成員に掴まれた金髪巨乳の美女が現れた!突入前にイッキの携帯の写メで見せられた姿と同じ!

 

くぅぅぅ!!あんなおっぱい美人が義母になるとか羨ましいぞイッキ!

 

だが、すぐに異変に気付く。八坂さんは虚ろな瞳で明らかに意識が無い状態だった

 

聞いた話では九尾の狐である八坂さんの実力は魔王クラス。しかも京都の力を利用する場合に限り、一時的にそれ以上にすらなれるとの事だ

 

曹操とかなら兎も角、ただの構成員相手なら本来なら問題なく振りほどけるはずだからな

 

親友や知り合いの女の子の身内をそんな扱いをしていると思うと沸々と怒りが湧き上がって来る

 

だが曹操の奴は相変わらずの澄ました顔で肩を槍でトントンと叩くだけだった

 

「そう言われて『はい、そうですか』と返す訳にはいかないな―――言っただろ?我々のこれからする実験に協力してもらうとね」

 

よく言うぜ。『協力』って言葉の意味を辞書で引く所からやり直しやがれってんだ!

 

曹操は槍の石突きの部分を打ち鳴らすとそれが合図だったのか八坂さんが突如として苦しみ始めた

 

そして青白いオーラに全身が包まれ、どんどんとその光が膨れ上がり、光が収まった時にはフェンリルと同じかそれ以上にも見える九本の尾を持った狐の姿となった

 

「これが伝説の妖怪。九尾の狐!」

 

そんな場合じゃないと分かっているが放たれる荘厳な威圧感に見入ってしまった

 

ああ、確かにコレはフェンリルと戦ってる時のタンニーンのおっさん並みの威圧感だぜ

 

「九尾の狐は妖怪でも最高クラスの存在。そして九尾と深く繋がっている京都は都そのものが強大なパワースポットを生み出し、運用する為の術式都市だ。その力と九尾の狐を使い、この空間にグレートレッドを召喚する―――触媒としては龍王の方が適してるんだけどね・・・今回はそこまで用意できなかったよ。赤龍帝やヴリトラを使う事も考えたが、神器に封印されている状態では贄として活用するのは難しくてね」

 

こいつ等!俺やサジも必要と在れば拉致するつもりだったのか!

 

いや、それも重要だがそれよりもこいつは今なんと言った?グレートレッドだと!?

 

「何でグレートレッドを狙う!?あいつは次元の狭間を泳ぐだけの無害な存在のはずだろう!」

 

「その通り。だがこの世で唯一グレートレッドを敵視しているのが俺達のボスなものでね。故郷に帰りたいのに困っているそうだ・・・まぁ住んでる場所を突如として力づくで追い出されたら敵視の一つもするだろうね」

 

う゛・・・そう言われると完全に無害とは言えなかったかもな

 

「それで、グレートレッドをおびき寄せて如何するんだ?殺すのか!?」

 

だけどそれには違和感がある。最強と称されるオーフィスでも勝てないとされているのがグレートレッドなのだから、幾ら最強の神滅具(ロンギヌス)があるからって無謀過ぎないか?

 

「殺すのは難しいかもな。一先ずは捕らえてから逃げられるまでに出来る限りデータを収集するつもりだ。未知の存在を既知の存在にすれば攻略の糸口も見えて来るかも知れない・・・例えば、『龍喰者(ドラゴン・イーター)』がどの程度あの赤龍神帝に効果を及ぼすのかとかね」

 

龍喰者(ドラゴン・イーター)?———ドラゴン・スレイヤーとはまた別なのか?

 

「何だか知らねぇが、兎に角八坂さんは返してもらうぜ!」

 

そうだ。仮にグレートレッドがどうにかなってしまったら世界にどんな影響が出るのか予測がつかないと前にアザゼル先生が言っていた

 

何も起きないかも知れないし、何かが起きるかも知れない―――そんな曖昧で危険な可能性が在る以上、此奴らがグレートレッドを狙う事も許容する訳にはいかない!

 

「イッセーの言う通りだ。お前たちの行いと思想は世界の脅威となる。此処で屠るのが適切だ」

 

「ゼノヴィアの意見に賛成だね」

 

「私も同じく!」

 

ゼノヴィアを筆頭に剣士組がそれぞれデュランダル、聖魔剣、光の剣を構える

 

「全く、グレモリー眷属に関わると死戦ばかりだな」

 

後ろではサジが困ったように笑いながら頭を掻いている

 

「悪いな。俺も遠慮したんだけどコレが俺達の平常運転でさ」

 

「まっ、皆とダチの為ならしょうがないさ―――ヴリトラ、今日は暴れられそうだぜ!」

 

サジが気合を入れると同時にサジの手足に無数の黒い蛇が絡みつき、後ろには巨大な蛇の幻影のようなものが浮かび上がる

 

アレはロキ戦の時に見た復活したヴリトラの姿を小さくした感じだな

 

『我が分身よ、獲物はどれだ?あの聖槍か?それとも狐か?・・・それとも、全てを等しく燃やし尽くしてみせようか?』

 

おおう!随分と好戦的なセリフだな。というか喋れるのか

 

驚いているとすぐ傍から莫大な聖なるオーラが迸った―――見るとゼノヴィアが新しいデュランダルの切っ先を天に掲げて巨大な光の柱と呼べる状態にしていた

 

「先ずは初手だ。喰らっておけ!」

 

“ザッパァァァァァァン!!”

 

猛烈なまでの聖なるオーラの奔流が目の前に振り下ろされて曹操達を飲み込んでいく

 

その直後に目の眩む閃光と爆風が吹き荒れ、それが収まるとさっきまで目の前に在ったはずの建物というか、その後ろに見えていた二条城を敷地ごと巨大なクレーターに変えていた

 

当のゼノヴィアはスッキリした顔で汗を拭っている

 

「うむ。感覚を確かめる為に試運転も兼ねて振り下ろしてみたが問題無いようだな」

 

「いやいや!試し斬りの威力じゃねぇだろ!見ろよ!もはやMAP破壊兵器だよ!」

 

「ちゃんと威力は絞ったぞ?ふふふ!エクスカリバーと同化したデュランダルの威力はまだまだこんなものでは無いからな」

 

「な!?エクスカリバーと同化!?」

 

最強クラスの聖剣二つを同化とかどんだけ最強なんだよ!?

 

ゼノヴィアは新しいデュランダルが気に入ったのか聖剣の刀身を恍惚の表情で撫でている・・・傍から見たらヤバい奴だぞ?さっさと帰って来いゼノヴィア

 

「ああ、それで名前も付けた。エクス・デュランダルだ・・・まぁ、あの程度で倒せる相手ならば苦労も無いのだがな」

 

ゼノヴィアが視線をクレーターに向けると土の下から曹操たちが這い出てきた・・・ゾンビの登場シーンじゃねぇんだから

 

見た所無傷みたいだが、奴らが全身に薄っすらと紫の霧を纏ってるのが見えるから絶霧(ディメンション・ロスト)の力で防いだんだろうな

 

「いやー、いいね♪キミたち既に上位の上級悪魔の眷属と比べても遜色が無い。ディオドラ・アスタロトとのゲームの映像は見させてもらったが、その時と比べても明らかに強くなっている―――以前、シャルバやクルゼレイが取るに足らない雑魚と言っていたが、いずれ間違いなく足元を掬われていただろうね」

 

「まぁシャルバは掬われるどころか斬り落とされてたけどね」

 

「あっはっは!確かにアレは笑ったなぁ!組織内でも彼らは俺達人間を過剰に見下していたからね。英雄派の構成員の中ではあの動画の視聴回数が爆発的に伸びていたっけか?シャルバの頭が只管踏みつけられるだけの長時間耐久動画とかその日の内にアップもしていたな」

 

曹操とジークフリートが何だか楽しそうに喋っているけど動画をアップとかまた人間臭い事を・・・いや、奴らは人間なんだろうけどさ。調子狂うぜ

 

・・・と云うかイッキの奴思いっきりネタに使われてるじゃねぇか

 

「さて、戦う前に以前居なかった二人を紹介しておくか―――ジャンヌ、ヘラクレス」

 

「おう!」

 

「は~い♪」

 

曹操に呼ばれて新顔の二人が一歩前に出る

 

「この二人は英雄ジャンヌ・ダルクとヘラクレスの魂を受け継いでいる」

 

ッツ!英雄の子孫の次は英雄の生まれ変わりかよ!神滅具(ロンギヌス)といい、英雄といい、此奴らはビッグネームを安売りし過ぎだぜ!

 

「結界の外には堕天使の総督殿に魔王も居る。あまり悠長にし過ぎてもいけないな―――ゲオルク、実験を始めてくれ」

 

「了解だ」

 

曹操が声を掛けると俺達とは少し離れた場所に居たらしい眼鏡を掛けた赤いコートの男が周囲に無数の魔法陣を展開し始める

 

「ざっと見た限りでも、北欧式、悪魔式、堕天使式、白魔術、黒魔術、精霊魔術、中々多様な術式を扱うようですね。かなりの魔法の使い手です」

 

ロスヴァイセが固い声で云うが確かに魔法陣が重なり合って見えずらいが、多分今ロスヴァイセさんが言った以上の数の術式が煉り込まれているように見える

 

すると八坂さんの足元を中心にして巨大な魔法陣が広がり、八坂さんが雄たけびを上げた

 

もしかしなくてもアレって不味い状態じゃないか?

 

無理やり力を引き出されてるとしたら体にどれだけの負担が掛かっているか分からない!

 

「さて、後はコレでグレートレッドが来てくれる事を願うが・・・余興も楽しまないとな。ジークフリート、キミは誰と闘りたい?」

 

ジークフリートが両手に持った剣をそれぞれ木場とゼノヴィアに向ける

 

「ジャンヌ、ヘラクレス」

 

「なら私は天使ちゃんにしちゃおっと♪」

 

「となると俺が銀髪の姉ちゃんだな・・・赤龍帝はリーダー様に譲っておくか」

 

「有難う、ヘラクレス。おっぱいドラゴンは色々面白いと聞くからね。楽しみにしていたんだ」

 

こいつ等!マジで遊び感覚だな!

 

そして曹操が「そっちのヴリトラ君は?」とサジの方に意識を向けたその瞬間、高速回転する飛来物が奴らの後ろからヘラクレスと呼ばれた男の首筋に迫った!

 

“ギィン!!”

 

「なっ!!?」

 

ヘラクレスが驚いているがどうやら間一髪で曹操が槍で弾いたらしい

 

だがヘラクレスの首筋には赤い線が走って血が垂れている・・・恐らくあと少し深く切り裂かれていたら頸動脈まで達していたかも知れない!

 

そして弾かれた物が地面に突き刺さるとそれは見覚えのある歪で禍々しい赤黒い剣だった

 

役割を終えたからか光の粒子となって消えていくそれは間違いなくイッキの神器だ!

 

アイツ、間に合ったんだな!信じていたって言っても神滅具(ロンギヌス)の結界だから本当に入ってこられるのか実は結構不安だったんだ

 

まぁ挨拶替わりに暗殺から入るのはイッキらしいと云うか何と云うか

 

「・・・随分と早いご到着だ。ゲオルクの結界はそう容易く抜けられるものでは無いんだがな。隠れてないで出てきたらどうだい?」

 

曹操が剣が飛んできた茂みの辺りに声を掛けるとイッキがクレーターと曹操達を飛び越える形で俺たちの居る場所に跳躍してきた

 

そうしてイッキが放物線を描くように俺達の横に着地するのを見届けようとしたその瞬間、再び金属音が辺りに鳴り響いた!

 

慌てて曹操達の方を見るとどうやらまたイッキの神器がヘラクレスの首筋を両断しかけたみたいで曹操がそれを防いだようだ

 

「あ~、残念だな。曹操さえ居なければ今ので二人は殺れていたはずなんだけど」

 

その言葉と共にさっきイッキが飛び出したはずの茂みからイッキと九重が姿を現した!なら、今俺達の隣に居るイッキは!?

 

そう思うとそのイッキは風景に溶けるように姿を消してしまい、足元にはイッキの神器の片割れが刺さっていた———そうか!以前黒歌さんも騙したという幻術と神器の合わせ技で曹操達の眼すら欺いて堂々と二度目の暗殺を実行しようとしたのか!全くもってイヤらしいぜ!

 

本当に実戦では敵に回したくない奴だよ、お前はさ

 

そして今度こそ九重をお姫様抱っこして跳躍したイッキが俺達の傍らに着地した

 

「悪い。遅れたか?」

 

「そんな事ねぇよ。今から始める所だったからな」

 

イッキと九重も揃って漸く今回のフルメンバーだ

 

さぁ!殴り飛ばさせて貰うぜ英雄さん達よぉ!

 

 

[イッセー side out]

 

 

 

 

イッセー達と合流して九重をアーシアさんの傍に行くように促してイヅナに護衛を任せる

 

さり気にイヅナも一匹一匹の力は以前より増して上位の下級悪魔位にはなっているから曹操が直接狙ったりジークフリートの本気のグラムとかでも無い限りは一撃で守りが抜かれる事は無いはずだ

 

「九重、霊脈の力が八坂さんの体に負担を掛けているから少しでも良い、霊脈の力を散らす事に専念してくれ・・・それとあいつ等は俺とイッセーが受け持つから皆は八坂さんとあの魔法使いを頼む。繊細な作業をしてるって言うなら思いっきり邪魔してやってくれ」

 

「うむ!最善を尽くすぞ!」

 

その提案を聞いたゼノヴィアが少々肩を落とした

 

「出来ればジークフリートには昼間のリベンジがしたかったんだがな。この新生エクス・デュランダルの力をぶつけてやりたかったのだが」

 

「それは僕も同じだよ・・・でも、僕たちの第一目標はあくまでも八坂さんの救出だよ。私情を優先して八坂さんを助けられなかった何て事になったら一生自分を許せなくなっちゃうよ」

 

2人には悪いが此処は譲って貰おう

 

すると曹操が声を掛けてきた

 

「有間一輝、ゲオルクの施した結界をどうやって抜けてきたのか気になる所だね。良かったら参考までに聞かせてくれないか?」

 

「それに答える必要在るか?対策施されて終わりだろうが」

 

曹操も本気で質問した訳じゃ無かったのか肩を竦めるだけだった

 

まぁ今回はこの結界が『そもそも閉じ切って無かった』から入れたんだけどな

 

 

 

 

~少し前~

 

 

 

襲い掛かって来た英雄派を変身シーンの途中に殴り飛ばした後、俺と九重はすぐに転移で京都自体には舞い戻って来ていた

 

今は表の二条城の敷地の少し外の人目の付かない場所に居る

 

「のうイッキ。これから一体どうするつもりなのじゃ?まともな手段では入れんのじゃろう?」

 

「まぁな。でもこの結界は唯一外からの侵入を許している経路が在るんだよ・・・今、この京都中のパワースポットから二条城に向けて霊脈を通じて力が流れ込んできている。そして仙術の転移は霊脈の流れに乗って移動するものだ」

 

「おお!そのような簡単な・・・話で済むとは思えんのじゃが・・・」

 

一瞬だけ喜んだ九重だけど流石にすぐに問題点に気づく

 

「確かに相手もその点は分かってるはずだから霊脈の入り口には異物を排除するフィルターみたいなのが張ってあるはずだ。今も試しに軽く転移しようとして弾かれたから間違いないだろうな」

 

「では、それをすり抜ける策が在るのじゃな?」

 

「そりゃな・・・九重は俺達が最初に出会った切っ掛けになった土蜘蛛の事は覚えてるか?」

 

徐に片膝を突いて地面に右手を添えながら聞くと力強く返事が返ってきた

 

「うむ!勿論覚えておる!」

 

「その土蜘蛛の種族特性の『土隠(つちごもり)』は霊脈に隠れる力だ。今回はそれを真似してみようと思ってな・・・最も、様々な力の奔流とも云える霊脈に完全に自身の気を同化させるとなるとかなりの集中力が必要になると思うけどな―――そういう事だから九重。俺にくっ付いてくれるか?最初に九重のオーラを俺に合わせてから、霊脈にオーラに近づけていくからさ。違和感は在るかも知れないけど抵抗はしないでくれると助かる」

 

「了解じゃ!私の全てをイッキに預けるぞ。一緒に母上を助けに行くのじゃ!」

 

九重が俺の背中から首に手を回して抱き着いて来た

 

俺が集中できるようにこれ以上は喋らないつもりのようだ

 

その気遣いを感じながらも少しずつ霊脈の波動と俺たちの気を同調させていった

 

 

 

 

暫く集中していたのでどの程度時間が過ぎたのかイマイチ分からないがオーラを霊脈と同調させ切ったと感じた瞬間に転移を発動させ、奴らの創り出した裏京都の中に入る事に成功した

 

そのまま九重共々気配を消した状態で周囲を窺う

 

「・・・イッキよ。私の記憶が確かなら向こう側には二条城が在ったと思うのじゃが、私の記憶違いかの?それともあ奴らは二条城を再現しなかったのか?」

 

「いや、そんな事は無いみたいだぞ?」

 

最初に転移した場所から無くなった二条城の方に進んでいくと巨大なクレーターが見え、そこに英雄派の奴らが居るのが見えた

 

どうやらまだ本格的には戦ってはいないのだろう・・・予備知識が無かったら既に凄い激戦が巻き起こった後のように見えるだろうけどな

 

とはいえ折角都合よく後ろを取ったので挨拶替わりに1人か2人減らせないか試すとしますか!

 

 

 

 

~現在~

 

 

結局1人も致命傷にすら出来なかったんだよな・・・やっぱり曹操だけは別格なんだろう

 

ただ、九重が完全に霊脈と同調した感覚から以前より霊脈の掌握がやり易そうだと言っていたからプラマイゼロという事にしておくか

 

「それでイッセー、向こうはイッセーと戦いたいみたいだけど如何する?曹操を受け持つかそれ以外の3人を受け持つかだけど」

 

「元々アイツは俺をご指名みたいだからな。折角だし俺がアイツの顔面に一発入れにいくさ!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!』

 

イッセーが赤龍帝の鎧を纏って俺の横に並び立つ

 

だが今まで黙って聞いていた英雄派の奴らはイラついた表情だ

 

その中で一番体のデカい男が吼えて来る

 

「おいおい!不意打ちしか出来ねぇ弱腰野郎が随分と粋がってくれるじゃねぇか!たった一人で俺達全員を相手取るだと?それはつまり楽に死にたくないって事で良いんだよなぁ!?」

 

「曹操に守って貰わないと既に2回死んでた雑魚が3人程度なら問題ないと思うけど?」

 

確かコイツはヘラクレスだったっけ?禁手(バランス・ブレイク)しても素のサイラオーグさんに手も足も出なかった印象しか無いわ

 

Fateのヘラクレスは好きなキャラだったけどコイツはな・・・ぶっちゃけ正面から対峙しても威圧感も特に感じない気がするわ

 

当のヘラクレスは煽りの耐久値は【E】だったのか額に血管が浮き出ている

 

だがそんなヘラクレスを押しのけて強い視線を向けてきたのは金髪の娘だった

 

「まだ貴方には自己紹介していなかったわね。私はジャンヌでこっちで無駄に怒ってるのがヘラクレスよ。宜しくね―――私、前からどうしてもあなた達に逢いたかったのよ」

 

そう言って俺とイッセーと祐斗に視線を向けてきた

 

それを聞いたイッセーが何かに気づいたように叫ぶ

 

「何?・・・ハッ!?まさかそのお姉さんキャラで俺達3人を同時に食べちゃう(意味深)みたいなエロエロ年上攻めっ気属性だったりするのか!?」

 

んな訳在るかバカ野郎!!

 

ツッコミを入れる中、ジャンヌは俺達に質問をぶつけてきた!

 

「あなた達って誰と誰が受けで攻めなの!?」

 

・・・へ?

 

「私ね!駒王学園で出版されている『プリンス×ビースト』、『ビースト×ナイト』、『ナイト×プリンス』の三角関係ものも、攻守が逆転した『野獣兵藤×木場きゅん』、『木場きゅん×いっくん』、『いっくん×野獣兵藤』のシリーズも全て手に入れたわ!でもやっぱり現実の関係を知ると妄想が捗るのよね!———あ!大丈夫よ。例えあなた達の実際の関係を知っても他の作品への愛が薄まったりなんかしないから♡」

 

頬を紅潮させて瞳の中にキラキラと光る星が見えるレベルで好奇心を覗かせている世界でも有数の知名度を誇る聖女の魂を受け継いだ人物(腐)がそこに居た

 

駄目だコイツ!しかも駒王学園で出版されたとかシリーズとか言ってなかったか?

 

「・・・イッセー、俺が曹操と戦うからこっち側頼むわ」

 

「悪いなイッキ、俺は今最強の神滅具(ロンギヌス)相手と戦える事に心底感謝し始めてるんだ・・・いや本当にそっちと云うかその娘を相手取りたく無いわ」

 

イッセーが!女の子大好きのイッセーが美人との戦いを忌避してる!そんなに関わるのがイヤですか!・・・俺だってイヤだよ!!

 

ジャンヌは何時までも期待に満ちた瞳を向けて来るな!答え何て無いんだからさ!

 

こうしてイッセーへの提案も拒否され、テンション駄々下がりになりながらも全員がそれぞれの戦場に向かっていったのだった




『プリンス×ビースト』などのBL本は英雄派の入団試験の問題にも使われています(公式)

今回イッキは挨拶!(暗殺)な こんにちは死ね!みたいな登場でしたね・・・それで良いのか主人公ww
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