転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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最近筆が乗ってる気がします


第12章 進級試験とウロボロス
第一話 獣と、ドヤ顔です!


[アザゼル side]

 

 

グレモリー眷属とバアル眷属のレーティングゲームが終わってから数日と経たない間に俺のところにヴァーリからのプライベート回線での連絡が入った

 

「何!?それは本気で言っているのか?」

 

今此奴が語った事が本当だとするならば色んな意味で世界情勢が塗り替えられる事態にすらなるかも知れんぞ!

 

≪ああ、彼・・・今は彼女か―――彼女はそれを望んでいてね。俺としても興味深いから便宜を図りたいのさ≫

 

「お前さんがただのお人好しで動いたりはしないだろう。ロキの時にフェンリルを連れ去ったように今度も何か企んでるのか?」

 

≪相変わらず鋭いな。いや何、彼女を狙う者が居るのは何時もの事なんだが・・・今度は身内から出そうなものでね。そろそろ炙り出したいんだよ≫

 

曹操か・・・グレートレッドにも通用するかも知れないものを本当に持ってるなら、オーフィスを標的の一つに定めても可笑しくはないのかもな

 

そんでコイツは最強の聖槍の持ち主とガチで戦いたいからさっさと敵対したいと・・・相変わらずのバトルマニアっぷりだよ―――何処で教育を間違えたんだか

 

さて、俺もヴァーリの提案には思うところが在るが如何動いたものかね?

 

 

[アザゼル side out]

 

 

 

 

 

 

夜、今俺達はイッセーの家のVIPルームに集まっている

 

何でもイッセー、祐斗、朱乃先輩、白音の中級悪魔昇格に関する通知が正式に届くとの事で俺や黒歌にレイヴェルも殆ど身内みたいなものだから折角なので顔を出す事にしたのだ

 

それで訪問して来たのはサーゼクスさんにグレイフィアさん。後は俺達と云うかこの場合はグレモリー眷属の顧問という事でアザゼル先生だ

 

「先日も伝えたように、イッセーくん、木場くん、朱乃くん、白音くんの四名は数々の殊勲、そして先日のレーティングゲームの戦いぶりを評価されて中級悪魔への昇格の推薦が出る事になった」

 

サーゼクスさんは一旦言葉を切って推薦組の顔を見渡してから続ける

 

「その昇格も殊勲の内容から推し量れば本来、上級悪魔への昇格が妥当なのだが、昇格のシステム上、先ずは中級悪魔への試験を受けてもらう事になる」

 

「上役の連中が五月蠅いらしくてな。飛び級は認めないんだとよ・・・まっ、大方最近若手が昇格できるだけの殊勲を上げまくってるから飛び級まで認めたら自分たちの『上級悪魔』って肩書が圧迫されるとでも思ってんだろう」

 

アザゼル先生の明け透けな言い分にサーゼクスさんはちょっとだけ困った顔だな

 

しかし聞いてる分にはアザゼル先生の説明は分かり易くて有難い

 

「だが悪い事ばかりでもないさ。お前らの殊勲・実力などを見ればどれだけ引き延ばしたとしてもそう遠くない未来に上役連中も上級悪魔への推薦を出さざるを得ないだろうからな―――お前ら、中級悪魔へ昇格したならすぐに上級悪魔になるものとして備えたりしておけよ」

 

「中級悪魔への昇格の話でも驚きなのに上級悪魔ですか・・・でも備えって具体的に何をすれば良いんですか?」

 

そりゃいきなり『上級悪魔への備えをしろ』と言われても困惑するか

 

「そうだな。先ずは自分の眷属を持てるようになるから転生させたい奴とかに目星を付けたり、悪魔の仕事をする上で自分の事務所も必要になるだろう・・・後は主の悪魔ともなれば現場に赴くよりも眷属の仕事を書類で管理・提出したりするデスクワークが多くなるな。ぶっちゃけお前らが中級悪魔の試験で落ちるとは思ってない・・・イッセーのペーパーテスト以外はな・・・リアス、此奴らが中級悪魔になったなら取り敢えず書類仕事のやり方だけでもちゃんと教えておけよ。事務所とかならどうとでもなるからな」

 

「先生今凄く不穏な事言いませんでしたか!?俺、ペーパーテストで落ちちゃうの!?」

 

「試験の内容は実技、ペーパーテスト、レポート提出の三つになる・・・実技はお前らの実力なら欠片たりとも問題無い。レポートもその場でテーマを与えられて書くんじゃ無くて事前に用意するものだから割とどうとでもなるんだよ。で、最後のテストだが中級の試験だから正直そこまで難しくないから他の3人は少し勉強するだけで余裕だ・・・だがイッセーは悪魔に為って日が浅いからな。基本と少しの応用が入った問題ばかりだがイッセーは先ず基本を叩き込むところから始めなきゃならん―――サーゼクス、次の試験は何時になるんだ?」

 

「うむ。来週の週末が一番近い受験日となるね」

 

滅茶苦茶余裕が無いな・・・こりゃイッセーは勉強漬け決定だわ

 

「来週!?急すぎません!?それって・・・あの・・・もしも試験に落ちちゃったりしたら推薦取り下げですか!?」

 

「いやいや、それは無いから安心したまえ。一度推薦を受ければ何度でも受験は可能だ。推薦を受けた者がよっぽどの問題を起こさない限りは推薦が破棄される事はない―――悪魔に為ったばかりのキミがこの手のもので不安になるのは仕方のない事だとは思うが私はキミが見事、試験を突破すると信じているよ」

 

爽やかにプレッシャー掛けますねサーゼクスさん・・・九分九厘は本心なんだろうけどさ

 

「はい!ご期待に沿えるよう、全力で試験に挑ませて頂きます!」

 

イッセーも魔王のサーゼクスさんにそこまで言われては引き下がれないと感じたのか敬礼のポーズを取って勢いよく返事をする

 

「うむ。期待しているよ―――さて、木場くんと朱乃くんと白音くんは如何かな?一応試験を受けないという選択肢はあるけどね」

 

いやぁ、流石にこの雰囲気でそれを選べる猛者は居ないでしょう

 

当然と云うか3人とも『推薦有難うございます!頑張ります!』的な事を丁寧に伝えてリアス部長が自分の眷属の昇格(一応まだ推薦)に嬉しくなって抱き着いた

 

「イッセー、祐斗、朱乃、白音。昇格推薦おめでとう。私は本当に眷属に恵まれているわ」

 

それを皮切りに他の皆が口々に称賛の言葉を送る

 

それが一通り終わった処でロスヴァイセさんが新しい話題を切り出した

 

「一息ついた処で私は一度ヴァルハラに戻ろうと思います・・・この間の試合では私の至らなさから皆さんにもご迷惑を掛けてしまいましたので防御魔法を中心に使えそうな魔法を出来る限り習得してから戻って来る予定です」

 

「まぁねぇ、ロセっちがそっちも覚えてくれないと魔法の講義が進まないにゃ」

 

「う゛ぅ・・・しかし実際黒歌さんのおっしゃる通りです―――ヴァルハラでは攻撃魔法の単位だけ湯水のように習得して半ばゴリ押しに近い形でヴァルキリーの試験に合格出来てしまいましたが、それが此処へ来てこうもアダとなるとは・・・」

 

そうは言うけどヴァルキリーの試験ってのが簡単なものとは思えないし、それをバランスの悪い一能突出で突破するんだと思えば凄い事だよな

 

「まっ、実際今のグレモリー眷属の火力なら大抵の敵は防御やカウンターも虚しく吹き飛ばされるだろうさ―――お前らが出会ってきた強敵が異常なだけだ。とはいえロスヴァイセが防御・サポートの魔法を覚えるのは良い事だ。リアスたちは今魔法を習ってるんだろ?ロスヴァイセの強化はそのままグレモリー眷属全体のサポート面の強化に繋がるからな・・・リアスはこの件の許可はもう出しているのか?」

 

「ええ、自ら伸ばしたい点が在るなら断る理由は無いわ・・・私達も魔法をもっと覚えたいしね」

 

「では、早速ですが出発したいと思います。ああ、それと学園の中間テストの問題は既に作成しておきましたのでご心配なく」

 

「ああ!そうだ!中間テストも在るんだった!」

 

イッセーの奴、軽く絶望してるな・・・実際キツいか?

 

「アザゼル先生。飲めば1週間は頭が良くなる薬とか無いんですか?試験後にアッパラパーな感じになっても良いんで」

 

「ああ、在るぞ」

 

そう言って懐から小瓶を取り出したアザゼル先生

 

在るんかい!冗談のつもりだったのに!

 

「・・・因みに具体的にどんな薬何ですか?」

 

「コイツの名前は『賢者の薬』だな。コイツを飲めば強制的に『賢者タイム』に入る事が可能だから勉強も捗るだろう・・・元に戻れるかの保証がないのが難点だけどな」

 

なんて恐ろしい薬何だ!人間を欲に堕とすのが使命とも云える堕天使の作る薬とは思えない!

 

「元々は強力な媚薬を作成する研究過程で偶然生まれた副産物みたいなものでな・・・かと言って色欲を消し去る薬とか堕天使的に研究しようと思う奴は居なくてな。副作用も改善されないまま取り敢えず取って置かれてたんだ・・・飲むか?イッセー?」

 

「誰が飲むかぁぁぁぁ!!」

 

「そうよアザゼル!イッセーから色欲を抜いたら一体何が残るというの!?」

 

リアス部長、何気にヒデェな・・・ドライグは残るか?

 

「あらあら、エッチじゃないイッセー君何て想像出来ませんわねぇ」

 

「ああ、女にがっつかないイッセー何てイッセーの形をしただけのナニカだろう」

 

皆がイッセーの事を如何認識してるのか分かるな。何と云うかメガネキャラはもはやメガネが本体で肉体はメガネ置きに過ぎないとかそういうレベルの言われ方だ

 

そんな中で黒歌はアザゼル先生に近寄って行く

 

「ねぇねぇねぇねぇ!さっき言ってた『強力な媚薬』って言うのはもう完成してるのかにゃ?だったら売ってくれない?」

 

「お!毎度あり!一口に媚薬って言っても種類が有るぞ?どんなのをお望みだ?」

 

何買おうとしてるの!?そして何を売ろうとしてるの!?

 

「そうねぇ、イッキが一瞬で『理性蒸発』する位のヤツが良いにゃ♪」

 

「そうか、一服盛る気だな?それならコレだ!『クラスビースト変貌薬!』コイツを飲ませりゃそこに居るのは有間一輝という一人の人間じゃねぇ!ただの一匹の・・・獣だ!」

 

「買ったにゃ!」

 

「買ったじゃねぇぇぇ!!」

 

「買ったじゃありません!!」

 

俺が黒歌を、ロスヴァイセさんがアザゼル先生の頭をひっぱたく

 

ついでにロスヴァイセさんはアザゼル先生の取り出した媚薬をひったくった

 

「何しやがる!返せ!」

 

「返す訳ないでしょう!貴方は今教師の立場でも居る事をもっと自覚して下さい!」

 

真面目なロスヴァイセさんとしては学生(俺)に降りかかる魔手は見逃せないのだろう

 

「にゃ~、痛いにゃイッキ!」

 

「うっせぇ!一服盛ろうとしたんだからこれ位で済んで良しと思え!」

 

「でもぉ・・・興味はあるでしょ?」

 

興味は・・・・・凄く在るから困ってるんだよ!

 

思春期の男子を舐めんなよ!・・・と云うか『クラスビースト変貌薬』って俺を七つの人類悪の一つにする気かよ!

 

いや、それを飲んでもFateのキアラみたいに為れるとは思わないけどさ!

 

「大丈夫です。黒歌姉様が変な事しないように私達も見張りますから」

 

「そうですわね。そういうのはもうちょっと後にした方が良いと思いますわ」

 

白音とレイヴェルもフォローしてくれるみたいで・・・って、レイヴェルのセリフはかなり危ないぞ?自覚有るか?

 

取り敢えずはツッコまないでおこう

 

そうして満場一致で可能な限りイッセーの勉強のフォローをするという形でその場の話は纏まった辺りでその場は解散となった

 

 

 

 

 

 

数日後、家では悪魔の勉強、学校では普通のテストに向けた勉強を放課とかの短い時間も全部消費して勉強に費やしているイッセーは早くもグロッキーである

 

テスト勉強があるからって悪魔の仕事も中断とかは出来ないだろうしね

 

夏季休暇やレーティングゲームの日とか悪魔業をお休みする場合は事前に悪魔召喚カードに『休業のお知らせ!』的なメッセージが表示されるそうだ・・・誠に便利である

 

「ほらイッセー、この問いの【元72柱のウァプラ家の司るものを答えよ】の答えは『獅子』じゃなくて正確には『グリフォンの翼を持った獅子』だぞ。『獅子』を司る家は他にあるからこれだと採点で〇どころか△も貰えねぇよ―――サイラオーグさんのレグルスのイメージが先行し過ぎだ」

 

「だぁぁぁぁぁ!!何でイッキの方が悪魔業界に詳しくなってんだよ!?俺一応夏季休暇辺りからグレモリー家の人達に勉強教えられて、それ以降もちょくちょくぶちょ・・・リアスや朱乃先輩にも教えて貰ってたんだぞ!?勉強し始めの時はお前俺より知識無かったのに何で問題集を何度か読み込んだ程度のお前がもう俺を追い抜いてんだよ!?」

 

イッセーの家で連日開かれる勉強会で今はリアス部長に朱乃先輩にアーシアさんが軽い夜食を作ってるから俺がイッセーの勉強を見ていたらいきなりキレられた

 

「そうだな・・・【一刀修羅】で体を流れる電気信号を感じ取り、仙術で生体電気を操る事で脳の中のシナプスを人工的に強化し、記憶力の向上を図ってだな」

 

「お前自分の肉体にどんな改造を施してんだよ!?恐えぇぇよ!どんどん人間離れしていくなお前!その果てに何処に辿り着くつもりだよ!?ロボットか!?」

 

いやいや、脳みそ位鍛えないと緻密な肉体制御って難しいんだよ

 

心臓の強弱を付けたりとかも自律神経を制御しないと操れないしな

 

結局肉体を統率しているのって脳な訳だしさ・・・と云うかいつも使ってる脳のリミッター解除も似たようなもんだろうに

 

「・・・白音も仙術使いとして同じ事が出来ますの?」

 

「黒歌姉様でも無理・・・肉体操作に関してはイッキ先輩の技量は異常です」

 

「イッセー、仙術は特定の分野を極めていくと勉強が得意になる―――此処、テストに出るので覚えておこうな!」

 

「絶対に出ないね!そんな問題出た日には思わず試験問題をその場で破り捨てちまうぜ!」

 

そんな風にちょっと馬鹿な事を話しているとリアス部長達がサンドイッチを作って持ってきた・・・成程、確かにアレなら手早く軽く摘まめるな

 

ただ、リアス部長達の後ろからアザゼル先生も一緒に入って来たけど何で?

 

「夜分にすまんな。実は明日、この家に客を招きたくてな・・・リアスの許可を得に来たんだ」

 

「明日とはまた急ね」

 

「ああ、日程を合わせるのに苦労してよ・・・かなり訳アリでな」

 

普段のおちゃらけた態度が鳴りを潜めてるアザゼル先生の様子に皆も何時になく真剣な話だと気づいたのだろう。誰が来るのか難しい顔で考えてるな

 

「お前らはその客に確実に不満を漏らす。下手したら出会い頭に速攻で攻撃を叩き込みかねない位にはな」

 

「ヴァーリ達とかですか?それともまさか曹操達だ何て言いませんよね?」

 

イッセーが恐る恐ると云った感じに問いかける・・・曹操のお宅訪問は遠慮したいな

 

「ヴァーリチームというので半分正解と云った処だな。だがそれだけじゃない・・・詳しい事は今言っても仕方ないんだ。明日直接会って貰うのが一番良い―――俺からのお前らへの願いは兎に角攻撃も敵対もしないでソイツと話をしてやって欲しいって事だけだ・・・頼む」

 

皆が頭を下げるアザゼル先生の姿に驚きつつ、そこまで言うならとリアス部長も了承の意を返す

 

「有難う―――明日の朝にまたソイツを連れて此処に来るから集まっておいてくれ・・・ああ、それと云い忘れてたが朱乃、例の件だがバラキエルは了承したぞ」

 

「父が・・・分かりました。私もこのままではいけませんものね。魔法で短所を補う以外にも長所も伸ばしていかなければ、いずれ足手纏いに成り兼ねませんもの」

 

朱乃先輩がアザゼル先生の言葉に強い表情で答える

 

流石にアニメ版以降の細かい所は曖昧だけど、バラキエルさんとなると雷光の特訓か何かかな?

 

アザゼル先生が帰った後、皆明日の訪問者が気になりつつも意識を何とか切り替えて夜遅くまで勉強していくのだった

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、敵対心を抱く訪問者が来るとの事で朝練も基礎練習だけに留めて指定された時間にイッセーの家のリビングで待機しているとチャイムが鳴らされた

 

イッセーの御両親に関しては偶々今日は朝早くから出かける予定となったと云う様に通勤してる会社とかの仕事内容を弄ったらしく、後日、無意識下で迷惑を掛けたお詫び代わりにマッサージ店や商店街などの無料券や割引券が偶然を装って渡される事になるらしい

 

そうしてこの家の代表としてイッセーが玄関の扉を開けるとそこにはちびっ娘黒ゴスロリの龍神様が佇んでいた

 

着ている服は今回もちゃんと真面なドレスだ←此処重要!

 

「ドライグ、久しい」

 

「オ・・・オ、オ、オ、オーフィスぅぅぅぅぅ!!?」

 

広い玄関なのでイッセーの後ろにも皆で待機してたのだが、最強の龍神様且つテロリストのトップの登場にそれぞれが一気に臨戦態勢に移行する

 

ふむ。やはり此処は一つ俺が緊張を解した方が良いかな?

 

「ほらイッセー、挨拶されたんだからちゃんと返せよ。社会の常識だぞ?久しぶりだな。俺の事は覚えてるか?」

 

「有間一輝、覚えてる、久しい」

 

だがそこで隣に居たイッセーに肩を掴まれて形容しがたい瞳で見られた

 

「いやいやいやいや!イッキお前順応早過ぎだぞ!最強の龍神様相手に何を普通に挨拶かましてんだよ!俺達コイツと絶賛敵対中何だぞ!?」

 

「でもイッセー、アザゼル先生がアレだけ云うほどの相手となるとオーフィスと、あとは精々コカビエルとロキくらいだろ?超法規的措置で封印処理されたそいつらがやって来る事とかも考えてたし(言い訳用に)予想の範疇だよ」

 

まだ皆はハーデスとは明確に敵対してないしね―――消去法で考えたらその3人くらいだろう

 

「・・・昨日、家に帰ってからイッキ先輩にその可能性を示唆されてまさかとは思いましたが本当に無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)が訪問してくるとは思いませんでした・・・流石に今回ばかりは外れていて欲しかったです」

 

一応昨日寝る前にその事が話題に上ったので心の準備が出来るようにさっきイッセーに言った感じの事を伝えておいたので白音に黒歌にレイヴェルは最低限の警戒で済んでるな

 

黒歌に関しては元々彼女もアウトローだったからか忌避感も特に感じて無いみたいだし

 

「ほらほらお前ら、何時までも玄関前でたむろしてないで中に入ってくれよ」

 

オーフィスと一緒に居たアザゼル先生が中に入るように促すがリアス部長とか滅茶苦茶目線を鋭くしてるな。それでも俺やイッセーのやり取りを挟んだためか深く息を吐いて気持ちを整えている

 

「アザゼル、最初に二つだけ聞かせて頂戴。今回の事は魔王様方や天使長ミカエルも知らない、貴方の独断なのよね?・・・そしてその上でこれが平和の為にも必要な事だと判断したのね?」

 

リアス部長の質問にアザゼル先生は頷いて答える

 

「ああそうだ。この事はミカエルやサーゼクス達も知らないし、俺は今回の会談の為に現在進行形で様々な機関・組織を騙している・・・それでもコイツの願いはもしかしたら禍の団(カオス・ブリゲード)を内部崩壊させられる一手になるものかも知れないと思っている―――改めてお前らに謝り、願う。どうか此奴の話だけでも聞いてやってくれないか?」

 

昨日に引き続き頭を下げるアザゼル先生の真剣な姿に皆も大分毒気が抜かれたみたいだ

 

「俺は構いません。先生の事を信じます!」

 

イッセーはまた熱い返事だな

 

「私も先生には何時も世話になってるからな・・・今すぐデュランダルで斬り掛かるのは今回は我慢しておこう」

 

真っ二つにしてもダメージほぼゼロだと思うぞ?

 

「ミカエル様に黙ってオーフィスを・・・でもでも、それが世界の平和に繋がるかも知れないなら此処は静観するべきなのかしら?」

 

天使長に隠し事でも邪な想いが無ければ堕天はしないか・・・翼も点滅もしてないし

 

「実際、戦って勝てる相手じゃありませんからそれが一番なのかも知れませんわね」

 

「最低限の警戒だけはさせてもらいますよ」

 

朱乃先輩と祐斗が只管常識人なご意見だね・・・この二人が居なくなったらグレモリー眷属のストッパーが居ない気がする

 

・・・朱乃先輩も時々暴走してるからやっぱり祐斗だけが安パイだな

 

「イッキさんとも普通に挨拶していらっしゃいましたし、それほど怖い方ではないのかも知れません・・・最終的な判断はイッセーさんとリアスお姉様が決めるべきなのでしょうが、私は大丈夫だと思います」

 

「うぅぅ・・・ぼ・・・僕はちょっと怖いですぅ・・・傍らに段ボール箱を常備しても良いですか?何時でも逃げ込めるように」

 

自分の意見も言いつつ判断は委ねると・・・眷属として見るならアーシアさんが一番無難なのかもね・・・ただしギャスパー、テメェはダメだ!龍神相手に段ボール箱のハニカム構造じゃ到底太刀打ちできんぞ

 

「イッキ様が彼女相手でも普通に対応なさるなら、私も将来の妻として同じだけの度量を持たなければいけませんわね」

 

「右に同じ」

 

御免。白音にレイヴェル。ぶっちゃけ訪問客が誰か99%分かってたから驚かなかっただけだわ

 

「ん~。もしかしたらこんな感じになるのかにゃ?」

 

黒歌は何を言ってるんだ?

 

まぁそんな感じに皆の複雑ながらも肯定する意見を聞いてリアス部長も訪問客を受け入れる事を決めたようだ

 

「分かったわ。祐斗が言うように最低限の警戒はさせて貰うわよ・・・それで?家に上げてお茶でも淹れれば良いのかしら?」

 

「ああ、そうしてくれ―――兎に角話をするだけで良い。それと昨日もヴァーリチームが来ると言っただろう?先ずはオーフィスだけでもと思って先に会わせたが・・・来てくれ」

 

アザゼル先生が一瞬通信魔法陣(光力陣?)で何処かに連絡を取ると目の前に魔法陣が展開して京都で出会った水色のとんがり帽子とマントを着た魔女っ娘と大型犬くらいの灰色の狼が現れた

 

間違いなくフェンリルだ。以前よりも威圧感が大分小さいけどそれでも下手な神クラス程度は有りそうだな・・・その上で牙は健在だな

 

牙単体に絞って気配を感知する分には以前と変わってる感じがしない

 

「ごきげんよう、皆さま!ルフェイ・ペンドラゴンです。京都ではお世話になりました。こちらはフェンリルちゃんです。宜しくお願いします♪」

 

元気の良い感じの挨拶と共にペコリと頭を下げて挨拶をする

 

そしてもう片方のフェンリルの方はと云えば俺の前まで歩いてきて渾身のドヤ顔を俺に向けてきた・・・しかし、俺には何のことだか分かるぞフェンリル!

 

「お前、肩の角無くなったのか!!」

 

フェンリル、ドヤ顔である。ドヤ顔にドヤ顔を足してドヤ顔を盛りつけたようなドヤ顔だった。そこまで気にしてたと思うとちょっと言い過ぎたかも知れん・・・いや!アレで正しかったんだ!

 

「フェンリルちゃんの肩の角は神・ロキさんが設計したものでしたので私の魔法で幻術を掛けて一時的に見えなくする程度は出来たんですが戦闘でフェンリルちゃんが全力のオーラを発すると幻術も解けてしまって・・・どうするのが良いのか悩んでいたら膝の上に乗っていたオーフィス様が少しだけ姿を変えられる蛇を創って頂けたんです!」

 

おお!神喰狼をイメチェンするには無限と混沌と虚無を司る存在が必要になるのか!

 

随分と高い整形代だな!

 

思わず目の前の上機嫌なフェンリルを撫でようと頭に手を伸ばしたら"バクッ"と喰われてしまった

 

「痛ってぇぇぇぇぇ!!」

 

噛み付きやがったぞ、このワン公!

 

「あ!大丈夫ですよ♪今日この家に訪問して有間一輝さんが居ると知ったフェンリルちゃんはこの日の為に『問題無い噛み付き方』として相手に怪我をさせないギリギリの絶妙な噛み付き加減を沢山練習してましたから♪・・・美猴さんで」

 

どうやら俺はフェンリルには個人的に嫌われてしまったようだ・・・・畜生!

 

あと美猴、ご愁傷様・・・練習の過程で全身に包帯巻く破目になってるかも知れんが俺の知ったこっちゃ無いだろうさ

 

「話・・・したい」

 

そんな中でオーフィスはポツリと意見を溢す

 

「お茶の準備をして話を聞いてやってくれ・・・此奴を此処に連れて来るために俺はあらゆる勢力を騙しに騙してるんだからよ・・・下手を打ったら俺の首が本当の意味で飛んじまうんだ」

 

アザゼル先生に促されてオーフィス、ルフェイ、フェンリルをお客として家の中に招き入れ、部屋に向かう途中で黒歌が慰めて来る

 

「まぁまぁイッキ、前に戦った時の好感度で言えばイッキが私達の中で一番低いのは予想できる事にゃ。むしろアレはイッキが悪かったわよ?」

 

確かに前回戦った時はフェンリルは俺だけ只管に狙って来てたけどさ―――アレだけのドヤ顔で上機嫌なら問題無いと思っちゃったんだよ

 

「い・・・イッキ様!頭を撫でたいなら私の頭を何時でも撫でて下さいな!」

 

うわ!レイヴェルも随分と可愛い事言うな!しかしそこに白音が割って入って来た

 

「レイヴェルじゃ獣耳が付いてない・・・少しでも近い感覚を得るならイッキ先輩は私の頭を撫でるべきです」

 

「白音の理屈だと私の頭でも良いのかにゃ?偶にはそういうのも悪く無いかもね♪」

 

「そんな!そう云えばイッキ様のお嫁さんの中で私だけ獣耳を持っていませんでしたわ!」

 

レイヴェルは何をそんなに絶望的な表情を浮かべてるの!?

 

でも確かに言われてみれば四分の三が獣耳だったな!

 

「イッキ様!獣耳が無ければイッキ様に頭を撫でては貰えませんか!?偽耳では駄目ですか!?それで良いなら今日中にでも猫耳か狐耳のカチューシャを買ってきますわよ!」

 

レイヴェルもそんな涙目で迫ってこないでくれよ!

 

「別にそんな事しなくても幾らでも頭は撫でてやるから、そんな必死にならなくても良いって!」

 

獣耳カチューシャのレイヴェルは・・・まぁ一応見て見たい気はするけどさ

 

「イッキお前もうちょっと緊張感持てよォォォ!!つーか、さっきからイチャコラしやがって羨ましいぞ畜生ォォォ!!」

 

少し騒ぎ過ぎた為かイッセーに怒られ(?)ながらもVIPルームに辿り着いたのだった




獣になる薬にケモ耳に獣(狼)な感じでお送りしましたw

フェンリルの使ったオーフィスの蛇はあくまでもイメチェン用で戦闘力が上がったりはしません・・・というかフェンリルが蛇で強化とかクロウ・クルワッハより下手したら強くなるんじゃ?
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