転生特典が自爆技ばかりなんだが?   作:風馬

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第二話 龍神と、お泊り会です!

「お茶ですわ」

 

オーフィス達をVIPルームに案内し、朱乃先輩が緊張しながらお茶とお茶菓子を出す

 

オーフィスは無表情で出された紅茶を飲み、ルフェイはニコニコと上機嫌だ

 

おっぱいドラゴンのファンの彼女にしてみればアイドルのお宅に訪問してるようなものなのだろう

 

朱乃先輩がお茶を淹れている間にイッセーに色紙を渡してサイン貰ってたし

 

フェンリルはルフェイに寄りそう形で欠伸をかましているな

 

それ以外の皆は大体は緊張や警戒で表情が硬い

 

そんな異様な雰囲気の中でアザゼル先生とイッセーはひそひそ話をしている

 

ぶっちゃけ相手にも聞こえてるだろうが気にする相手じゃないので良いんだろう

 

「(それで、一体何を話せば良いんですか?『龍神様と楽しい楽しいトークショー!』とか俺、出来る気がしませんよ!)」

 

「(奴はお前に興味を持ってるみたいだからな、兎に角質問されたら返せ。アイツを知る事が出来る良い機会なのは確か何だ。安心しろ、アイツ個人はグレートレッド以外に敵対するような事は無いはずだ。もしもコイツが本気で世界と敵対する気が有るなら禍の団(カオス・ブリゲード)なんてまどろっこしい真似しなくてもたった一匹で世界を滅ぼせるんだ―――ソイツと話し合える機会なんて貴重ってレベルじゃねぇんだよ。兎に角良いお茶会になるように気張れや!)」

 

「(先生!責任重大過ぎてマジで泣きたくなってきました!)」

 

そんな風にイッセーが世界の命運を握らんとする会話に挑まんとする中で俺はと云えば代表として席に座っているイッセーにアザゼル先生、あとリアス部長達の後ろで他の眷属の皆やイリナさんと一緒に立って待機してる処だ

 

祐斗とか何か在ったら何時でも飛び出せるように重心が僅かに爪先に寄ってるな

 

黒歌は適当に椅子を引っ張ってきて座って眺めてるけどさ

 

まぁ俺も今は両隣に立っている白音とレイヴェルの頭を撫でている処だったりする

 

二人とも『私が頭を撫でて貰うんです!』と譲らないままだったので二人同時という事でその場を治める事になった・・・頭を撫でるのに腕二本は早々使わないしね

 

あ~、二人とも幸せそうに目を細めている姿を見てると和むわ~

 

そんな緊張感の欠片も無いぽわぽわ空間を展開してたら祐斗が苦笑しつつも話しかけてきた

 

「(イッキ君は余り彼女の事を敵視してないよね?如何して何だい?)」

 

「(三大勢力の会談の時にヴァーリの奴も言ってたろ?『禍の団(カオス・ブリゲード)』の連中が勝手に引っ付いてるだけだって―――それにあの様子からしてテロリストの連中に『ああしろ、こうしろ』と命令を下した事とか無いんじゃないか?まぁ後はどれだけ気を張ってたところでオーフィスがその気なら俺達が認識する前に全員叩き伏せる事も可能だろうから警戒する意味無いかなってさ・・・情けない理由だけどな)」

 

常に【一刀修羅】を発動し続ける事が出来れば反応は出来るだろうけどそんなの無理だしね

 

だが、祐斗は少し不満顔だな

 

「(それは詰まり、相手にもされてないって事だよね?)」

 

「(飾らずに云えばそうだ・・・悔しいと感じるなら結局強くなるしか無いぞ?強さがものを言う裏の世界じゃ特にな・・・神クラス程度の力が有れば抵抗くらいは出来るようになるだろうさ―――それとも、今の強さで満足しておくか?)」

 

まぁ抵抗と云っても何人かを逃がす為に囮になるとかそういうレベルだろうけど

 

「(それは嫌だね。今日の夜の修行、早速だけど模擬戦に付き合ってくれるかい?)」

 

「(ああ、良いぞ。俺も最低でも神様くらいは倒せる力は欲しいからな)」

 

この場に居るのがオーフィスだから良いものの、もしもオーフィス並みの強者が少しでも悪意・敵意を持っていたのならそれだけでどんな不利な条件を呑まされるか分かったもんじゃない

 

対等な交渉なんて大抵は武力が付き物だしな・・・どこぞの黒船ペリーさんみたいにね

 

「(あらあら、『最低でも神様』とか、現時点でも上手く能力がハマれば神を相手に相打ちには持っていけそうなイッキ君が言うと説得力が違いますわね)」

 

そうは言うけど、出来れば真面に勝ちたい処ですよ

 

一々共倒れしてちゃ世話ないですからね

 

「え~と、それで・・・俺に何を聞きたいんでしょうか?」

 

おっ、向こうも話し合いが始まったみたいだな

 

引き攣った笑顔のイッセーが話を切り出したぞ

 

それに対してオーフィスは飲んでいた紅茶をテーブルに置いて答える

 

「ドライグ、天龍止める?」

 

簡潔過ぎて正直なにも伝わらない質問にイッセーの引き攣った笑顔が硬直する

 

そして咄嗟に答えあぐねている彼にオーフィスは特に気にした様子もなく続けて問う

 

「宿主の人間、今までの宿主と違う成長してる。我、とても不思議。ヴァーリも違う成長してきている。不思議。だから聞きたい。ドライグ、何になる?アルビオンも何になる?天龍止める?」

 

するとイッセーの左手の甲に緑色の宝玉が現れてドライグがそれに答える

 

『分からんよ、オーフィス。コイツが何になりたいのかなど俺には分からん。恐らく、アルビオンもそこは同じだろうさ・・・だが、俺の今回の宿主が面白い成長をしているのは確かだ。そして俺は分からないからこそ、その成長の先を見て見たいとも思っている』

 

それを聞いたオーフィスは次の質問に移る

 

「・・・二天龍、我を『無限』、グレートレッドを『夢幻』として『覇』の呪文に込めた。何故?我もグレートレッドも『覇』では無い」

 

『最初から強い存在に『覇』の何たるかなど分かるはずも無い。お前とグレートレッドは得ようと思えば路肩の石を拾うかのように『覇』を得る事が出来る・・・別次元の強さを誇るお前とグレートレッドが『覇』に興味を抱けないのは頷ける話なのだ―――俺は今まで『覇』以外の力を高める事に気づけなんだ。お前は如何だ、オーフィス?この世界に現れたお前は、この世界を如何感じた?何故、次元の狭間に帰りたいと思ったのだ?』

 

「質問、我もしたい。ドライグ、違う存在・・・乳龍帝になる?乳を押すと天龍から違う存在になる?乳を吸うと天龍超えられる?ドライグ、乳を司るドラゴンになる?」

 

聞いてる分には噛み合ってるような噛み合ってないような変な感じのする会話だったが最後の『乳を司るか?』という問いにドライグの宝玉が不安定にチカチカと明滅する

 

『ぬうぉぉぉぉぉぉ!!コイツにまでそんな事を云われるのか俺はぁぁぁ!?ハァッ!ハァッ!相棒!鎮静剤だ!薬を!俺を薬漬けにしてくれぇぇぇ!!』

 

ドライグ、完全に精神がイッちまってるヤク中のセリフだぞそれ!

 

イッセーも最近になってドライグがアザゼル先生に見つけて貰ったというドラゴンカウンセラーの先生(玄奘三蔵法師)が処方したという精神を鎮静化させる薬を慌てて左手の宝玉に塗る

 

「お、お、お、お、落ち着けドライグ!?ほら、薬だ!ゆっくりと深呼吸しろ!」

 

『カヒュー、ヒュー、ヒュー、ヒュー、ヒュー、ヒュー』

 

「ドライグぅぅぅ!?蟲の息になってんぞ!深呼吸だ深呼吸!———なぁオーフィス!ドライグは実は今とっても繊細な時期なんだ!胸に関する話題は暫く控えて貰っていいか?頼むよ!」

 

イッセーが追加の塗り薬を宝玉に擦り付けるように塗りたくりながらドライグに乳の話題は禁句(タブー)にしてくれと願うとオーフィスは無表情ながらも首をコテンと傾げて不思議そうな雰囲気を出しつつも了承した

 

「よく分からないけど分かった。代わりに我、ドライグとその宿主の事、見ていたい」

 

ドライグも乳に関する話題が来ないというのが意識の片隅にでも聞こえていたのか今は『スーハー!スーハー!』と呼吸も戻りつつあるようだ

 

そしてオーフィスの提案にアザゼル先生が補足する

 

「まっ、元々それも願いの一つでな。悪いが数日だけでいいからコイツをこの家に置いてやって貰えないか?ただ見るだけなら良いだろう?」

 

「う~ん。試験が近いんでそれの邪魔さえしないで貰えるなら俺は構いませんよ」

 

「そうね。イッセーがそう言うなら私も構わないわ」

 

こうして最強の龍神様のお泊り会が決定した

 

 

 

 

 

 

あれから数日、今日も皆でイッセーの家に集まって勉強会をしているのだが、教科書や参考書、ノートと睨めっこしている皆の視線は時折部屋の隅へチラチラと向かっている

 

そこにはオーフィスが居て、先日の宣言通りに只管こっちに視線を向けてるのが気になるようだ

 

確かにアレは例え最強の龍神という肩書が無かったとしても気になるわ

 

当のオーフィス自身は出されたお茶菓子を食べたりはするけど特に自分から動いたりはしないのだが周囲はわりかし別だったりする

 

魔法使いのルフェイはフェンリルと一緒に兵藤家の地下の一室を間借りしているみたいなのだが、時折オーフィスを膝の上に乗せてニコニコしてるしアーシアさんとかも追加の紅茶やお茶菓子を出したりしているし、イリナさんもトランプに誘ったりしたらしい

 

因みに俺もルフェイ・ペンドラゴン監督の『オーフィス・ファッションショー』に参加を求められたので一応出ておいた

 

彼女曰く「オーフィス様にファッションの道を示せたのはイッキさんのお陰なのでぜひ一度ご意見を頂きたいのです!」との事らしいが別にオーフィス自身がファッションに目覚めてる訳では無いと思うのだが・・・一応以前の変態ゴスロリでは無い以上は多少は意識してると言えるのかな?

 

話を聞きつけた黒歌や白音にレイヴェルも「面白そうだから」、「心配だから」と参加を表明して最終的には体格の比較的近い白音やレイヴェルが私服を持ち寄ってオーフィスに着せてたけどやっぱり女の子はファッションに関心を持つ子が多いのだろう

 

あと、ルフェイに『ウロボロス・メモリアルver.1』というオーフィス写真集も進呈された

 

売りに出すつもりは無い激レア品らしいがコレを俺にどうしろと云うのだろう?

 

取り敢えず『だいじなもの』として異空間にはしまっておいたけどさ

 

そして今はオーフィスの隣に黒歌が座っていたのだが「ねぇねぇイッキ!見て見て♪」とテンション高めに声を掛けられたので黒歌とオーフィスの方を向くと"ピコピコ"と動く黒い猫耳が『二対』存在していた―――片方は当然黒歌の猫耳でもう片方は猫耳を生やしたオーフィスだった

 

声を掛けられたのは俺だけど他の皆も気になったのか俺と一緒に視線を向けていたが表情が固まってしまっているな

 

無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)って姿形を自在に変えられるって言うじゃない?だからちょっとお願いして猫耳生やして貰ったんだけど、どう?黒髪猫耳!私とイッキの間に子供が出来たら多分こんな感じになるんじゃないかにゃ?猫魈(ねこしょう)の子供って大概は女だしね♪」

 

立ち上がってオーフィスの脇下に手を入れて持ち上げ、俺の方に近寄ってから"ズイっ"とオーフィス(猫耳ver)を突き出してくる黒歌・・・そんな人形みたいに扱わなくても

 

とはいえ黒髪美少女に猫耳が付いているのだ。確かに可愛いと言える・・・言えるのだが

 

「ダメだな」

 

「え?」

 

速攻でNOを突きつけると自信満々だった黒歌の表情が一瞬で崩れた

 

「猫耳を付けるならちゃんと尻尾も付けなきゃダメだろう!?猫又って普通の猫よりもよっぽど尻尾はアイデンティティなんじゃないのか!?やり直し!!」

 

「いやそっちぃぃぃぃぃ!!?イッキお前絶対にツッコミを入れる場所を間違えてるよ!?」

 

何を言うイッセー!大事なポイントだろうそこは!!

 

「にゃん・・・だと?まさか人間のイッキに猫又系妖怪のチャームポイントについてダメ出しを貰う日が来るなんて、地味にショックにゃん」

 

「そんな・・・折角昨日ひっそりと通販サイト『konozama』で狐耳カチューシャを購入致しましたのに・・・っく!狐の付け尻尾も買わなければイッキ様にお披露目できませんわ!」

 

黒歌は項垂れ、レイヴェルは秘密の計画が頓挫したらしい

 

「いやいや!レイヴェルの気持ちは嬉しいけど耳や尻尾の有無で優劣を付けたりなんてしないから大丈夫だって!」

 

逆に考えるんだレイヴェル!唯一ケモ耳を持ってない自分は希少価値何だって!・・・うん、口に出して言いたくは無いなコレは

 

だけどこのままではレイヴェルが変な方向に進んでしまいそうだし、一度ちゃんと話し合うべきか?あくまでもコスプレ程度に意識を留めて置かないとその内拗れて不死鳥の翼と狐耳(+尻尾)のコラボレーションなんて事になり兼ねん

 

その程度なら外見上はごった煮に目を瞑れば可愛いの範疇だけど、実質合成獣(キメラ)だよね、それ!

 

「我、尻尾生やしてみた」

 

おおっとぉ!黒歌が追加の要望を出したのかオーフィスに尻尾が生えたぞ!

 

ただでさえドラゴンっぽく無かったのにもはや完全に猫又ですね!

 

「ほらほら♪コレ見たら赤ちゃん作りたくなってこない?白音たちの事が気にかかるなら今夜こっそりと抜け出して二人でホテルに泊まったら朝までフルコースにゃ♪」

 

「抜け駆けは禁止ではありませんでしたか黒歌さん!それに寝る前にイッキ様が【一刀修羅】を使ってなかったら直ぐに分かりますわよ!」

 

「子供・・・赤ちゃん・・・ねぇ、今度はそのまま白色に成ってみてくれませんか?」

 

黒歌も白音も種族柄か子供というワードの押しが強いな!

 

「はぁ・・・なんだかイッキたちを見ていると警戒しているのが馬鹿らしくなってくるわね」

 

「あらあら、うふふ♪しかし赤ちゃんですか―――オーフィスさんは黒髪ですし、この場の女性で黒髪なのは黒歌さんと私だけ・・・私とイッセー君の間に娘が出来てもあんな感じになるのかしら?そう考えると私もちょっとこの後イッセー君を襲いたくなってしまいますわね♪」

 

「ダメよ!イッセーは私のものよ!」

 

「あらあら♪イッセー君が目指すのはハーレム王ですわよ?『正妻』という立場はリアスに譲るとしても他の事柄まで譲歩するつもりはありませんわ・・・例えばイッセー君の初めてとか♡」

 

学園の二大お姉様が両者の間に火花を散らしながら牽制しあっているな―――前からそうではあったけどサイラオーグさんとのレーティングゲームの後にイッセーがリアス部長に告白してからちょっと密度が増した気がする

 

「だ・・・ダメですぅぅぅ!イッセーさんを最初に好きになったのは私何ですよ!私にだってその権利くらいは有るはずですぅぅぅ!!」

 

「いや待てアーシア。お互いに初めてだとぎこちなくなってしまう事も在ると桐生も言っていた。片方がリード出来る方が良いだろう―――アーシアの思い出が素晴らしいものになるようにイッセー、先ずは私で女に慣れろ。その経験を活かしてアーシアに優しくしてやるんだぞ?」

 

「ああ!何て素晴らしい自己犠牲の精神!主よ、悪魔に堕ちてしまっているけど如何かゼノヴィアにも慈悲と祝福をお与えください!」

 

でもそんな女の戦いに教会トリオも参戦(?)する・・・だいぶこの場が混沌に満ちてきたな

 

「あはははは、イッキ君もイッセー君も女性関係は苦労しているね。黒歌さん達なんか無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)をお人形扱いじゃないか。まさかこんな光景が見られるとは思わなかったよ」

 

「折角話合える機会が有るならコミュニケーションを取らないと勿体ないだろう?打算的な事を言えば仲良くなれればテロ活動が抑制されるかも知れないってのも在るけどね・・・祐斗、お前も手作りケーキでも作ってやったら如何だ?お菓子作り得意だったよな?」

 

「う~ん。そうだね。試験が終わった後で機会が残っていれば一度作ってみるよ。最強の龍神が僕のお菓子を如何思うのか・・・是非とも感想を聞いてみたいしね」

 

そんな感じに少しずつオーフィスの居る環境でも皆ある程度はリラックスしながら勉強会は続き、遂にイッセー達の中級悪魔昇格試験の日が訪れた

 

 

 

 

 

 

試験当日の朝、イッセーの家の地下にある転移魔法陣のある部屋に皆で集まっている

 

受験組は直接試験会場に転移して残りのメンバーは試験会場近くのホテルで待機、昼頃には試験は終わるそうなのでぶっちゃけほぼ合格確定の皆の打ち上げパーティーをホテルのレストランでする予定だ―――オーフィスがイッセーの事を観察するという願いを叶える為に試験会場に直接同行させる事は出来なくともせめて試験会場の近くで気配だけでも追えるようにとの配慮も含まれている

 

それと打ち上げが終わった後はサーゼクスさんの所にオーフィスを向かわせたいというのもある様だ―――オーフィスも「イッセーが行くなら我も行く」と了承?してくれた

 

「俺はてっきりグレモリー領に転移してから車か何かで向かうものだと思ってました。直接転移出来るにしてもそういう形式ばった感じで移動するのかなって・・・ゲームの時とかそうでしたし」

 

「ある意味原因はそのゲームに在ると云えるかもな。お前最終試合でリアスに告ったろ?魔王の妹で名門グレモリーの次期当主と人間からの転生悪魔で下級悪魔で冥界の人気者なおっぱいドラゴンの恋愛ネタとなれば冥界のメディアが黙ってる訳ねぇだろう?暑苦しいマスコミ連中にチヤホヤされながら試験会場まで行きたいというなら止めんぞ」

 

「いえいえ!マスコミにチヤホヤとか激しく遠慮したいです!」

 

確かに、少なくとも『チヤホヤ』なんて可愛らしいものじゃ無いだろうな

 

「今、冥界ではお二人の事が身分を超えた真剣恋愛として貴族、平民を問わずに話題となっているそうですわ。幸い、リアス様もイッセー様も元々の人気が高かった為か肯定的な意見が大半を占めていますわね・・・血筋を重んじる『古き悪魔』の派閥の方々は否定的だそうですが・・・」

 

まぁ、流石に冥界全てが最初から味方って事は在り得ないか

 

「俺とリアスが付き合うのに否定的な人達ですか・・・『そんなの関係無い』って言いたい処ですけど色々と圧力とか掛けてきたりするんですかね?面倒臭いなぁ。他人の恋愛事情にまで首突っ込まないで欲しいですよ」

 

「確かにな。俺も九重との婚約を反対する奴らは居たけど、全員心が折れるまで叩き潰してやったら黙ったぞ?最後には『アニキ』とか呼ばれるようになったしな」

 

「えええええ!?京都でイッキの事を『アニキ』って呼んでた奴ら結構居たよな!?皆スゲェお前の事慕ってるように見えたけど叩き潰した奴らだったの!?恐怖心が一周回って崇拝とか忠誠とかに置き換える事で心の安定図ってるだけじゃねぇのかそれ!?」

 

「むっ、失敬な!俺は皆の心を折ってその後八坂さんと一緒に意識を誘導しただけで、心が壊れて狂っちゃうほどには磨り潰したりはしてないぞ?」

 

狂人と化してしまったら絶対に制御が難しいからむしろマイナスになっちゃうだろうからね

 

「ああ~、そう云えば京都で英雄派を捕らえる大包囲網を敷いてる時に一部の妖怪が滅茶苦茶に張り切って戦果を挙げてたけどあいつ等の事か『アニキの敵は俺らの敵だぁぁぁ!』とか『ヒャッハー!九重ちゅぁぁぁん!』とか叫んでたから多分そうだろう」

 

ああ、うん。間違いなくソイツ等です

 

と云うか何時の間にか世紀末要素付与されてません?・・・いや、そう云えば元から結構そういう鱗片が見えてた気がするわ

 

「まぁそういう訳だからイッセーも邪魔する奴らは全員、暴力で解決できるぞ!」

 

「いやいやいやいや!それをやったらダメだって事くらいは俺でも理解できるぞ!むしろ何でお前が暴力で反対派に不満も残さずに解決出来たのか意味が分からねぇよ!」

 

「イッセー、コツは露見しても問題無いように相手から攻めさせる事と相手が心の底から味方になってくれるまでマウントを取り続ける事だ!」

 

『俺は!お前が!改心するまで!殴るのを止めない!!』・・・的な感じ?

 

某神父様も『暴力程効率の良い指導はこの世に存在しないぞ~』とか言ってたから少なくとも間違ってはいないはずだ

 

まぁ流石にそんな方法が毎回使える訳無いし、もしもイッセーがトチ狂ってそれを実行しようとしたら止めるけどな

 

そうしていよいよイッセー達が転移する時間になったのだが当のイッセーは視線をキョロキョロと辺りを見渡している

 

「ギャスパーは見送りに来てないのか?アイツがこの手のものをサボるとは思えないんだけど、もしかして風邪でもひいた?」

 

「いや、ギャスパーの奴は一足先に神の子を見張る者(グリゴリ)の研究施設に一人で向かったぞ」

 

「ギャー助が!?一人で!?」

 

「ああ、バアル戦の後で俺に泣きついて来てな―――『もう皆さんの足を引っ張る事の無いように強くなりたいんです!皆を守れるくらいに強く!』ってよ。今までずっと引きこもりで今でさえ対人恐怖症が治り切ったとは云えないアイツが一人で神の子を見張る者(グリゴリ)の門を叩いたんだ。生半可な覚悟じゃないだろう・・・今頃、自分の中に眠る力を引き出そうと頑張ってる頃だろうさ」

 

「そうですか・・・よっしゃ!アイツが頑張ってるってんなら俺達も昇格試験には全力中の全力で挑まないとな!」

 

「イッセー、気合を入れるのは良いけど実技の試験はお前禁手化(バランス・ブレイク)するの禁止な」

 

「は!?いきなり何を言い出すんだよイッキ!?」

 

「お前サイラオーグさんとのゲームで素の状態でも上級悪魔にギリギリ届くか届かないかくらいにはなってるんだよ・・・例の『NEW BorN』でな。そんなお前が禁手化(バランス・ブレイク)したら実技の内容が試験官との戦いだったりせずに受験生同士の戦闘とかなら下手したら一撃で相手が死ぬぞ?お前が宿している赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)は本来、神様だって屠れる力何だって事を自覚しろ・・・ドライグ、イッセーがやり過ぎそうになったら諫めてくれないか?」

 

『良いだろう。中級悪魔の試験を受けるのは普通は中級程度の実力のはずだからな。今の相棒なら『トリアイナ』を使わなくとも相手は死ぬだろう』

 

よしよし!ドライグが見張っててくれるなら最悪だけは避けられるだろう

 

最後まで納得いってない感じのイッセーだったが全員で応援の言葉と共に送り出し、俺達も魔法陣に乗って試験会場である冥界のグラシャラボラス領に在るホテルに転移した

 

 

 

 

 

 

 

 

転移した先の高級ホテルの割り振られた部屋に向かう途中でゼノヴィアがふと切り出した

 

「中級悪魔か。悪魔の上層部の頭の固さを考えても学園を卒業するまでには私も中級に昇格しそうかな?ふふふ、悪魔としての格が上がると云うのは元教会の信徒として想像するだけでも未だに妙な感じがするね」

 

「まぁゼノヴィアが悪魔に転生してからまだ3ヵ月くらいしか経ってないんだからしょうがないとも思うけどな。それを言ったらアーシアさんも似たようなもんだし・・・そう云えばアザゼル先生ちょっと良いですか?」

 

「ん?どした?」

 

「今少し気になったんですけど中級悪魔の昇格試験には実技が有るんですよね?その場合アーシアさんのような完全サポート特化の人って如何なるんですか?」

 

アーシアさんとか以外でも完全に研究者として成果を上げてる人とか如何してるんだろう?

 

「ああ、そういう場合は事前に申請しておけば別途で実技の試験を受ける事が可能だ。その分、普通の実技よりは採点基準が高めに設定されているが、今のアーシアでも回復力の一点突破で合格基準は満たせるだろう・・・ただ、上級悪魔となれば少し違う。上級悪魔は自らの眷属を守る立場でもある故に、最低限の戦闘力は求められる」

 

成程、中級までなら最悪戦闘力は要らないんだな

 

「はうぅ・・・流石にそれだと私には無理そうです」

 

「いや、別にそんな事は無い。一口に戦闘力と云っても色々ある。アーシアは相手を傷つける攻撃魔力は苦手かも知れんが、例えば防御結界の応用で相手を閉じ込めたりと云ったような相手を無力化するタイプの手法でも構わないからな・・・もしくは強力な使い魔と契約を結ぶ事で戦闘力の補強を行うのも良い。魔物使い(テイマー)だって立派な戦闘手段だ。強力な魔物の類は契約が難しい場合が多いが、お前さん確か気難しいとされる蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)と契約していたな?」

 

「はい!ラッセーくんと言います!」

 

「上級悪魔になるには最低でも数年は必要だと思うから『上級悪魔昇格』という一点のみを見つめればそいつが育つのを待てば良いんだが、出来れば即戦力となる使い魔がもう一体くらいは欲しい処でもある―――実戦では何時もイッキの使い魔がアーシアの守護に回ってるがコイツはグレモリー眷属じゃない。グレモリー眷属はイッセーが『兵士』の駒を全部使用しているから数が少ないからな。イッキやイリナが居ない場合だとただでさえ少ない前衛を中衛か、敵が強敵なら完全にアーシアの守護に回さないといけない・・・一度、使い魔用の強力な魔物をピックアップしてみるか。案外すんなり契約できるかも知れんからな」

 

確かに、サイラオーグさんとのレーティングゲームで最後にアーシアさんが壁役となる魔物を率いてリアス部長のサポートに回っていればゲームの内容はまた違ったものになってたかも知れない

 

レーティングゲームの度にアーシアさんに俺がイヅナを貸し出すとか反則も良い所だし・・・と云うかイヅナは契約主の力量で力が上下するから一時的に主を変更しようものなら壁役の機能をその時点で失うしな

 

それから数時間、特にやる事も無く、かと言ってオーフィスの傍を離れすぎるのも問題という事でアザゼル先生が態々ホテルの部屋にまで持ち込んだ大乱闘するゲームや相手を甲羅やバナナで嫌がらせしながらゴールを目指すレースゲームなどにオーフィスを誘いながらも時間を潰していき、お昼近くになるとイッセー達の打ち上げの為に貸し切りにしておいたレストランに向かった

 

・・・ホテルのレストランを貸し切りとかサラッとやるよな

 

ともあれ予定ではそろそろ試験も終わる頃だろう

 

まぁアザゼル先生は主役の到着を待たずして既にビールを一杯大ジョッキで呷ってるけどな

 

少しするとイッセーから『試験終わったんで今からそっちに合流します』と連絡が入り、程なくしてイッセー達がレストランに入って来た

 

「イッセー、朱乃、祐斗、白音、お疲れ様―――試験の出来は如何だった?」

 

「はい!ペーパーテストも手ごたえは有りました!空欄も殆どありません!」

 

「・・・『レヴィアたん』一期の敵幹部の名前は分かりませんでした」

 

「あはは、確かにそれは僕も解らなかったなぁ」

 

「あらあら、私も『おっぱいドラゴン』に関する問題は細かいところも解けたんですけどね」

 

・・・それはテストの問題として起用して良い内容なのか?

 

リアス部長も「それは仕方ないわね」と苦笑しているな

 

「実技の方は如何だったんだ?イッセー?」

 

「ああ、ドライグの奴俺に『Boost』一回分しか許可をくれなくてさ・・・ただ、それでも普通に勝てちゃったんだよな。隙を突いて殴ったら対戦相手が壁際まで吹っ飛んじまったし、他の皆も似たような感じで力を抑えた上で余裕で勝利って感じだった―――まさかこんなにも俺達の実力が上昇してるなんて全然実感無かったよ」

 

『当然だ。相棒は悪魔になってから敵も味方も強大な力を持った者達ばかりと接していたからな。強者に鍛えて貰ったり、強敵との連戦に継ぐ連戦―――相棒は強くなったが、そうだと自覚出来ないのは仕方のない部分がある』

 

「う゛ぅぅ・・・確かに俺って基本的にボコボコにされてるよな。勝てても辛勝とかだしさ―――ハァ、まだまだ強くならないとな」

 

「イッセー君、特訓なら幾らでも付き合うよ。少し前にもイッキ君と神クラス程度の実力は欲しい何て話してたしね。イッセー君も如何だい?イッセー君の夢の一つが最強の『兵士』なら僕も最強の『騎士』になりたい―――ひとまずの目標に据えるには良いと思うんだけど?」

 

おお!祐斗も大分豪胆な発言をするようになったな

 

「お前ら俺の知らない処でそんなトンデモナイ事話してたのかよ!?でも良いかもな!俺には神をも恐れさせたっていうドライグが宿ってるんだ。神クラスは通過点としてゆくゆくは天龍の力を全部引き出せるようになりたいぜ!」

 

『ククク!楽しみにしているぞ、相棒』

 

「ったく、お前らは三人とも破格だな。神クラスってのも実際に手が届きそうだからこそ、そんな発言が出来るんだろうよ」

 

アザゼル先生、ちょっと呆れ顔が入ってませんか?

 

「・・・僕はその点では一番恵まれていると思います。直ぐ近くに少しでも気を抜けば置いて行かれてしまうイッセー君に常に明確に先に居るイッキ君が居ますから、特訓にも身が入ります」

 

「そうだな。俺もテクニックタイプの木場との模擬戦はとってもタメになるし、もうそろそろイッキにも勝てちまうかもな!」

 

お?言ったなコイツ

 

「どうかな?俺も最近幾つか手札を増やしたぞ?お前ら相手に実はコッソリ練習もしてたし、俺に勝ちたかったら先ずはその引き出しをこじ開けてみろよ」

 

前にサイラオーグさんとの模擬戦(バップルファイト)の時にやり始めたのが形になって来たしな

 

「・・・お前また何か変なの編み出したんじゃねぇだろうな?前の『置く』斬撃みたいに」

 

さ~て?如何かな?

 

「くくくくく!リアス、お前の眷属は将来神クラスを複数有するチームになるかも知れんぞ?他の眷属も将来的には最上級悪魔クラスにはなりそうだしな・・・レーティングゲーム王者の道が見えてきたんじゃないか?」

 

「そうかも知れないけど、今の私たちはまだまだよ。そこで慢心してしまえば王者への道何て開けないわ。私も含めて眷属全員で強くならないとね」

 

リアス部長が決意を新たにしていると"ぬるり"とした感触と共に周囲に霧が立ち込め、その場に居る全員が異空間に転移した・・・俺以外

 

「またこのパターンかよ!!」

 

曹操達って一度戦った敵のデータを収集して次で勝つ!みたいな連中のはずだよな!?京都で俺とは戦ってるんだから今俺だけが結界から弾かれたのって絶対にただの嫌がらせだぞ!

 

取り敢えず俺は『結界に入るまでの僅かな時間』にサーゼクスさんへの緊急通信(正確にはグレイフィアさん直通)で皆が結界の中に閉じ込められたと簡潔に報告だけは行ったのだった




猫耳オーフィス・・・イイ

ルフェイの『ウロボロス・メモリアル』はどんどん続編を出していく予定ですw
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