その場の全員が動けなかった・・・というか唖然としていた
いや、気持ちは分かるよ?俺とか一番の当事者だしさ・・・あ、オーフィスは解放されたみたいだ
「何が起きた!?いや、ゲオルク!どれだけ盗れた?」
「半分よりは多いが・・・精々六割強と云った処だろう。そっちのオーフィスは力を奪う際に幾らか無駄が出てしまったみたいだし、神輿に担ぐ事は十分出来るはずだ」
曹操とゲオルクのやり取りにアザゼル先生が反応する
「! そうか!お前たちは新たな『ウロボロス』を創り出すつもりだな?自分たちの言うことを聞く、傀儡となる『ウロボロス』を!―――いや、それよりもイッキ!お前『サマエル』を吸収とかして無事なのか!?突っ立ってねぇで返事しろ!」
アザゼル先生が声を掛けて来るけど正直答えられる余裕は無い
俺の中で憎悪、悪意、痛み、妬み、怒り等の『サマエル』の感情が俺の中の『器』にどんどんと溜まってきている感覚がしているのだ
ヤバイヤバイヤバイ!この感覚が『器』から溢れ出たら俺自身の精神が侵食される!
つーか【
もしかしてさっきの『第四秘剣・蜃気楼』でバッキバキにへし折りまくったのを怒ってんの!?いやいや、この神器は魔獣とかを封じたタイプじゃないから違うはずだ!・・・違うよね?
焦る俺だったが無情にも神の悪意は俺の許容限界を超えたらしい
「ぐっぶ!?ガハッ!!」
神の毒が俺の体を蝕みその場で血を吐いてしまった
さらには俺の体から瘴気が溢れ出るかのようにサマエルの呪いが滲み出る
ギリギリの処でイヅナを入れてあった竹筒は皆の方に放り投げられたけどコレは拙い!
「イッキ!」
「イッキ先輩!」
「イッキ様!」
皆が焦って俺の名前を呼ぶ声が聞こえるけど、黒歌たちの声が最初に耳に届くのは俺も意外と素直な奴なのかも知れんな
「コレは・・・興味深いが俺では移植した『右目』が在るから下手に近づけんな。ゲオルク、そっちは如何だ?」
「ダメだな。彼の神器にサマエルが飲み込まれてから完全にリンクが切れたようだ。送還も制御も出来そうにない」
ゲオルク!こいつ俺をこのままコキュートスに送るつもりだったのか!?マジで後でぶっ殺す!
そんな思考の中俺の体に魔力の縄のようなものが巻き付いて皆の居る場所に引っ張られた
如何やら黒歌の仕業のようだ
動けない俺を曹操達の近くに置いておけないとの判断だろう
皆の近くには着地したけど皆が近寄って来る事は無い
絶賛俺の体から呪いが溢れてるからな
と云うか着地の衝撃でまた血を吐いたし・・・いや、黒歌の判断はベストだったけど今の俺は少しの衝撃でもヤバい!
「イッキ様!せめて回復を!」
レイヴェルが懐からフェニックスの涙を取り出して近づけないから中身を飛ばすように俺の体に『涙』を振りかけようとしてくれたけど飛んで来た水滴は俺の体の周囲の呪いに接触した瞬間に黒く染まって回復の効果を無くしてしまった
コレだとレイヴェル自身の涙による治療も期待できないな
「そんな!?如何すれば!?」
レイヴェルが狼狽える中、曹操とゲオルクは勝手に話を進めていく
「ふむ。余りにも想定外だったな。まぁその様子では有間一輝は助からんだろう―――ゲオルク、オーフィスから奪い取った力は予定通りに本部に送られているんだな?」
「ああ、サマエルはあくまでも中継地点に過ぎなかったからな。有間一輝の中に力が吸収される事は無かったようだ。もっとも、そうなっていたら折角奪ったオーフィスの力も制御されない呪いの力で消滅していただろうがね」
「了解だ。さて諸君。今回は俺としても消化不良で終わってしまったからね。ヴァーリ、そして兵藤一誠。キミたちは殺さずに生かしておこうと思う。今代の二天龍は面白い成長をしているみたいだし、強者との戦いは俺も望むところだ。何時しかこの槍を脅かす程の存在となって俺の前に立ってくれ・・・英雄が挑むのは何時だって魔王か伝説のドラゴンだからね」
「随分と・・・舐め腐ってくれるものだな。曹操」
曹操の言い分にまだまだ調子の悪いヴァーリが低い声で吐き捨てる
「それはお互い様だろう?キミも赤龍帝を
「一度見ただけの術式だが、何とかなるだろう」
「そこで何とか出来ると云えるとは、流石はかの大悪魔、メフィスト・フェレスと契約を交わしたゲオルク・ファウスト博士の子孫だよ」
「先祖が偉大過ぎてこの名前を名乗るのもプレッシャーなんだけどね」
「聞いての通りだ。これから此処にハーデス配下の死神一行とジークフリートを呼ぶ事にする。俺個人はキミたちに生き残って欲しいがそれを死神達やジークフリートに強制する気はさらさら無い。逆境を生き延びてこそ戦う価値が有るというものだろう?宝探しの次は脱出ゲームだ。是非ともクリアを目指して頑張ってくれたまえ」
「待ちやがれテメェ等!!」
曹操とゲオルクが共に霧の中に消えていこうとするのをイッセーがドラゴンショットで阻もうとするが一歩向こうが早くこの場から消えていった
クソ!ヴァーリじゃないけど本当に舐めてくれるな!
「イッセー、曹操達は今はいい!イッキの方が問題だ!アーシア、曹操が居なくなったなら力は戻ってるだろうから遠距離回復を試してみてくれ!」
「は・・・はい!」
アーシアさんが癒しのオーラを送って来るが俺を覆う負のオーラがフェニックスの涙と同じく弾いてしまう
「それなら白音!私達二人で浄化をイッキに掛けるわよ!アーシアはオーラが薄まった箇所から何とか回復の力をイッキに届かせて!」
「はい!姉様!」
「分かりました!」
黒歌と白音のダブル浄化で負のオーラが薄まった箇所を目掛けてアーシアさんが癒しのオーラを飛ばしてくれた事で肉体的には幾らかましになったが傷も治らない・・・恐らく呪いで肉体が傷つくのと回復速度が拮抗してしまっているのだろう
十全に回復のオーラが届いてないみたいだしな
「わ・・・私も解呪の魔法を掛けます!」
そこにルフェイも魔法を掛けようとしてくれるがアザゼル先生から待ったが掛かる
「いや、恐らく解呪の魔法は意味がないだろう。今のイッキは呪いが外側から掛かってるのではなく、内側からにじみ出ている状態だ・・・正直、サマエルを飲み込んだイッキが未だに生きてるのが信じられんくらいだ。兎に角今は時間が欲しい。態勢の整ってない今死神どもの相手なんぞしてられん―――ルフェイ、お前は可能な限り強固な結界を張ってくれ」
アザゼル先生の頼みでルフェイは周囲一帯に結界を張り、結界の角などに術式を補強して結界の強度を底上げする為と言って離れていった
それにしてもそうですか、本来ならとっくに死んでますか
アザゼル先生の考察を聞いて体の中に渦巻く負のオーラを努めて無視して必死に頭を回転させる。中々思考が定まらなかったが一つの可能性に行きついた
サマエルを吸収したのは俺の神器、【
そして最初にサマエルを吸収した直後は俺の中の『器』とでも表現できる感覚のものに悪意が溜まっていくような感じがした
Fateのアンリ・マユはある意味で『この世全ての悪』そのものと云えるから『サマエル』の持つ『神の悪意』が俺の神器に惹かれるのはギリギリ理解できる
なら何で今の俺が単純な悪意の総量で云えば『この世全ての悪意』に及ばないと推測できる『神の悪意』を受け止めきれていないのか・・・【神性 C+】が原因じゃね?
アンリ由来の【神性】が悪意の受け皿としての機能を仮に持ってたとしたら最初の『器』=【神性】に悪意が溜まり切るまでの間俺が無事だったのも今この瞬間に俺がまだ死んで無いのも分かる気がする―――今俺の体に満ちているのは【神性 C+】で受け止め切れなかった、『器』から溢れた分の悪意だけって事になる・・・いや、十分死にかけてるんだけど
ならば俺もどこぞのA・U・Oみたいに【神性 A+】も有れば良いのか?あの人聖杯の泥を浴びて『この俺を染めたくばその3倍は持ってこい』とか言ってたし・・・いや、アレは別に【神性】そのものは関係無かったのかも知れないけどさ
何とか【
でも、ただ至るだけで良いのか?今の俺の中には膨大な負の感情が流れ狂ってるからそれを利用すれば
でも出来れば保険を掛ける意味でも【神性】にそれなりに特化した至り方をした方が良いだろう・・・上手くいくかは分からんが、引き上がった【神性】の感覚を感じ取りながら至ってみるか
イッセーの『
それでも『ギフト』の力はドラゴン由来だから黒歌と白音が浄化を掛けてくれているとは云え、出来るだけ強力な『ギフト』が欲しい!
「・・・イッセー、聞こえるか?・・・頼みがある」
正直体はボロボロだし頭が割れる様に痛いので掠れた声しか出ない
「ああ!どうした?イッキ!?何でも言ってくれ!」
イッセーが必死に心配する声を俺に届けてくれる
「リアス部長の胸を・・・・突いて・・・くれ・・・」
「『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』」
あ、目も霞んでるし耳鳴りも酷いけど皆が固まったのは何となく分かったぞ
「イッキィィィィ!?如何したお前!?ついにサマエルの毒がお前の頭を侵食したのか!?意識をしっかり保て!」
「そうよイッキ!今イッセーが私の胸を突いて一体どうなると云うの!?」
うん。当事者二人は色々と必死だな。でもそんな事よりさっさとして欲しい・・・大分意識が朦朧としてきたんだから
「何・・・なら・・・朱乃先輩の胸も・・・同時でも良い!」
そう言うとイッセーが鼻血を噴き出した
「グハッ!想像したら鼻血出てきた!いやでもイッキ!リアスも言ったがそれでどうするんだよ!?それにサーゼクス様も言っていたけど右の乳首と左の乳首、両方同時に押す為に腕は2本在るんだろ!?二人同時に押すのは確かに大変魅力的だけどそれじゃあ俺はリアスと朱乃先輩の右と左、どっちを押せば良いんだよ!!」
仲間が死にかけててもそういう処は妥協しねぇんだなお前も!
「なら人指し指と親指を限界まで開いて二人には胸の山頂を寄せて上げて貰え!二人の胸の柔軟性を考慮すればお前は四つの頂に同時に指が届くはずだ!」
アレ?何か俺今変な事口走らなかった?まぁいい、どうせ大した事じゃないだろう
「な!?・・・イッキ、俺は・・・俺はお前に何度教えを受ければ良いんだ?」
何かイッセーが感動してるような声音だけどそういうの良いから!
「それで高まった力で俺の【神性】に力を譲渡するんだ」
「【神性】に?い・・・いや、やっと真面で真面目なセリフを聞けた気がするぞ―――兎に角それでお前は助かるかも知れないんだな?リアス!朱乃さん!どうか俺にポチッと押させて下さい!」
「リアス!私は既に準備万端ですわ!!さぁ、早く貴女も胸を差し出しなさい!」
何処か遠くで朱乃先輩の凄くテンションの上がった声が聞こえた気がした。どうやらイッセーが二人に頼みこんだら間髪入れずに朱乃先輩が反応したようだ
「あ・・・朱乃貴女!思い切りが良すぎよ!」
リアス部長がツッコミを入れるが黒歌が痺れを切らしたようだ
「ああもう!さっさとするにゃスイッチ!もうイッキが限界に近いにゃ!」
「部長!早くして下さい!」
「これ以上待つようなら最悪朱乃様の
3人に急かされてリアス部長も覚悟を決めて胸を差し出す
「ああもう!分かったわよ!さぁイッセー、突きなさい!」
「ではお二人とも、いかせて頂きます!」
「ぃやん♡」
「ぁん♡」
イッセーの気合の入った声の後、二人の嬌声が聞こえたと思ったら莫大なオーラが直ぐ近くで爆発し、イッセーがすかさず俺に力を譲渡してくる
「いくぞイッキ!ダブルおっぱいの力をお前に託す!―――
『Transfer!!』
二人のおっぱいを突いて馬鹿みたいに高められた力が俺に贈られ、俺の【神性】にブーストが掛かると読みは当たったのか俺の体から瘴気が一時的に漏れ出なくなった
そして肉体的なダメージもアーシアさんの回復で治るがドラゴン由来の『譲渡』の力はどんどんと消滅していき、俺の【神性】も同時に削れていく
このままではまたさっきと同じになるのも時間の問題だからさっさと至るとしよう!
神の悪意に一時的に身を・・・と云うよりは心を委ねる
世界の流れに逆らうほどの感情の激流だってんなら十分過ぎるだろう
至る為にサマエルの感情利用したり、亜種になる確率上げる為にイッセーの『譲渡』を利用したりかなり他力本願だけど別に至れるんだったら何でも良くね?
ただ、この方法だと一時的に俺がバーサーカーになる恐れがあるのでその対策も必要だ
「【一刀羅刹】!それで
はい、そういう訳で強制気絶モードに入って至ると同時にぶっ倒れました
倒れる瞬間、黒歌の胸のクッションに受け止められたのは唯一の救いだったかも知れん
[黒歌 side]
サマエルの毒で死にかけてたイッキがスイッチで高まった赤龍帝の譲渡の力を贈られ、イッキが回復したと思ったら次の瞬間にはいきなり【一刀羅刹】で体中更に血まみれにして倒れてしまった
一瞬「
アーシアがイッキの【一刀羅刹】の怪我を治してから白音が仙術で体力の回復を図ろうとするので取り敢えず止めておいた
「待つにゃん、白音―――イッキが最後に意味も無く【一刀羅刹】を使ったとは思えないし、命の危機は脱したんだから体力の回復は後回しにしなさい」
「そう・・・ですね。分かりました・・・ですが本当にイッキ先輩が無事で良かったです。一時はどうなる事かと思いました」
まぁ確かにね。内側から負のオーラが滲み出てる以上は浄化も気休めよりはマシって程度だったし、私も白音も本気の浄化を使ってたから遠からず破綻してただろうしね
取り敢えずはイッキの全身が例によって血まみれなので魔力で服を洗浄して近くに在った長めのソファーにイッキを横に寝かせて頭の部分は私の膝の上に乗せる
掌をイッキの額に置いてイッキの体調に異変が起きないか様子を診ましょうか
「遠目にはイッキの神器にサマエルが吸収されているように見えたな―――イッキの神器にある名前、『アヴェスター』はゾロアスター教の聖典の名だ。
アザゼルがイッキの事聞いて来るけど何かあったかにゃ?
ん~?そう言えば出会って間もない頃に何か言ってたような
「確か『アンリ・マユ』由来の神器だって言ってたにゃん。それと「所詮は偽りだから『アンリ・マユ』であって『アンラ・マンユ』じゃ無いんだ」とも言ってたんだけど、如何いう意味だったのかは分からないにゃ―――イッキって味方相手でも中々能力の詳細とか語らないで情報の漏洩を避けるタイプだし、あの時イッキが口を滑らせたのもまだ小学生の時だったからだと思うしね」
(事実は黒歌に出会って舞い上がって口が軽くなってただけであるが、その事を黒歌は知らない)
「『アンリ・マユ』に『アンラ・マンユ』?どちらもゾロアスター教最大の悪神の名前の事だ。呼び方が少し違うだけで同じ存在の事のはずだぞ?『偽りのアンリ・マユ』とは如何いう意味だ?」
そう言えば私も出会った直後で特に興味も示さなかったから深くは聞かなかったにゃ
すると赤龍帝ちん・・・いえ、イッセーがアザゼルに質問してるわね
「先生。イッキの神器には、えぇと此処で言うと『アンリ・マユ』って神様が封じられているんですか?・・・と云うかそもそもどんな神様なんです?」
「そうだな。まずイッキの神器はその『アンリ・マユ』を始め、何かを封じたタイプの神器じゃない。以前夏休みにイッキの奴が
彼の言葉に皆が頭を悩ませてるけど如何やら此処で答えが出るような事柄では無さそうという事で丁度戻って来た魔法使いのルフェイに現状を聞く事にしたにゃ
「只今戻りました。その様子だとイッキさんの方は如何にかなったみたいですね。良かったです!・・・あれ?オーフィス様は何方へ行かれたんですか?」
「ああ、オーフィスはイッキが回復したのを見届けると「我、この周辺を見て来る」と言って颯爽と消えちまったよ。ルフェイの張った結界も在ったから取り敢えず問題無いと思うけど・・・それで結界の外の様子とかは確認できたか?曹操の奴は死神を呼ぶとか言ってたけどさ」
「はい。既にこのホテルは私の張った結界以外は死神の方々が沢山居る状態です。軽く探査魔法を飛ばしてみましたが現時点でも300は超えてるかと」
うへぇ・・・あの黒い集団がうじゃうじゃ居るとか一匹居たら30匹は居るっていうあの『G』を思い出してイヤ何だけど
「ハーデスの野郎、本格的に動き出したって訳か―――曹操が云うには力を削がれたオーフィスを捕まえる事は元々組み込まれた作戦のようだしな。向こうは事前に入念にオーフィス封じの術式か何かを用意してたと考えるべきだろう」
すると当のオーフィスが帰って来たわね
「オーフィス、体の調子は如何だ?」
「弱くなった。今の我、全盛期の二天龍より3回り程強い。それに、無限じゃなくなった」
「それは・・・弱くなったな」
「いやいやいや!全盛期のドライグやアルビオンより3回り強くてまだ弱いって価値観崩壊しそうなんですけど!?」
「そりゃ全勢力で最強だからな。二天龍の3回り程度なら三大勢力に加えて後一つか二つ他の神話勢力の力が加われば倒せるだろう。元が一匹で世界を同時に相手取れると考えれば十分弱まったと云えるさ。特に有限になってるのが痛いな。力が落ちたと云っても仮に無限のままなら世界相手に勝てはしなくても十分戦えたはずだからな―――しかし、英雄派が奪っていったオーフィスの力は今のオーフィスより1回りか2回りは強大なんだろう?考えるだけで頭痛くなってくるぜ」
確かに、力を割ってもなお世界の脅威とか笑えないわね
「そこまで差は無いはず。サマエルに力盗られてる間、我の力、『蛇』にして別空間に逃がした。今、それを回収してきた。だから、半分より少し盗られたくらい」
「!?そうか!曹操達がオーフィスの力がダウンしてたと云うのはサマエルによる力の変換効率が悪いのが原因じゃ無かったって訳か!ククク!英雄派め、オーフィスを舐め過ぎたな」
「ふぅん・・・でもこっちのオーフィスが有限って事は向こうの奪った力で創ろうとしてるオーフィスも多分有限って事よね?それって『蛇』の恩恵をもう新たに創るのは難しいって事なんじゃない?意味あるのかにゃ?」
「英雄派の奴らは『蛇』による強化に手を出さない方針みたいだからな。組織を纏められる圧倒的な強者の役割を果たしてくれれば最低限は問題無いって事何だろうさ」
そう言えばあの霧使いは『神輿に担ぐ』とか言ってたけど、何処までも他者を使い捨ての道具としか見てないのは気に喰わないわね
敵対者相手なら兎も角、仮にもオーフィスは味方でしょう?
何であれ全員揃った事で今後の方針を決めていく
オーフィスは力がまだ不安定な事に加えてこの結界が対オーフィス用に特化しているようだから脱出は難しいとの事だったので最低限外に中で起こった事を伝える為にミカエルともスムーズに連絡が取れるイリナっちにエクス・デュランダルが壊れたので修理が必要なゼノヴィアっちの二人がルフェイと一緒に転移で脱出する事になった
魔王側には英雄派が攻めてきたという連絡だけはイッキが伝えているはずだからミカエル経由でそっちにも直ぐに連絡がいくだろう
その際にルフェイがイリナっちに回収出来て無かった最後のエクスカリバーをフェンリルを仲間にするのに使ったからもう要らないという事で渡していた
エクス・デュランダルが更に強化できるみたいだけど、最大の特性である各種能力をゼノヴィアっちが使いこなせてないから強化と云っても今のところは微妙だと思うけどね
次にオーフィスを逃がすためにはこの結界をどうにかしないとダメって事で術者を倒すか結界の基点を破壊する必要があるって事で私とルフェイの魔法で詳しく探査するとこの疑似ホテルの屋上と2階のホール会場、最後に外の駐車場にそれらしき装置が見つかった・・・と云うかウロボロスの像とかこれ見よがし過ぎるけど、あの霧使いは多数の術式を使うみたいだしウロボロスの偶像というのも魔術的な意味を持たせているんだろう
駐車場の死神が一番数が多くて尚且つ霧使いの姿も確認できたからアソコが一番重要な基点のようだ―――スイッチ姫の提案でルフェイの結界が破れる直前まで全員の体力の回復に努めて開幕と同時におっぱいドラゴンが『真・僧侶』の2門在る砲門で屋上と2階ホール会場の装置を周囲の死神ごと一発退場して貰おうという作戦が採用された
本当は駐車場の霧使いと装置を一撃で破壊出来れば言う事ないんだけど
アザゼルや白龍皇たちも仙術で体内に巣くっていたサマエルの気を正常な気で体外に押し出すように吐き出させた上にルフェイが解呪の魔法をかけたのでアザゼルは大分持ち直したわね
流石にドラゴンの白龍皇とついでにファーブニルは直ぐに回復とはいかなかったみたいだけど回復に向かうようにはなったので感謝して欲しいくらいだ
作戦開始時刻まで今は後30分程、各々が回復に努めたり精神を集中させてたりする中で白音はアザゼルとあの白龍皇の治療の続き
二人とも流石に
アザゼルに関しては元々彼はドラゴンじゃないから作戦開始までに本人の体調はほぼ回復するだろうから問題無い
私はイッキの体力を回復中だ―――暫く経過観察して【一刀羅刹】の影響でオーラが弱弱しくてよく判らなかったけど、それでもイッキのオーラが変に乱れていたがそれも漸く治まって来たので回復させる事にしたのだ
イッキは結構血を流しちゃってるけど、それを踏まえても目覚めれば私達の中で3番目の強さになるからね・・・私とアザゼルに、もしかしたら『真・女王』とやらのイッセーも今のイッキ相手なら勝てるかしら?だとしたら4番目ね
それにしても、と膝の上のイッキの髪の毛を弄りながら思う
「イッキ・・・美味しそうになったにゃ~♪」
如何いう理屈かイッキの持つ【神性】にはサマエルの呪いを抑える効果が有ったみたいでイッキが
恐らく【神性】との親和性を高める形で亜種として顕現させたとアザゼルは言ってたけど今のイッキからはそれこそ神々と同等くらいの【神性】が感じられる
以前イッキに「さっさと至れば子種の質も上がる!」と言ったけど此処まで見事に要望に応えてくれるだなんてちょぉぉぉっと襲いたくなっちゃうわね♪
流石に今の状況がアレだし、初めてで寝込みを襲うだけならまだしも相手が気絶中というのは自分でも遠慮したい。途中でイッキが起きなかったら完全に独りよがりになっちゃうしね
そろそろ
あ、不味いわね。ちょっと口元が歪んで涎が垂れそうになってるのが自分でもよく分かる
すると私の熱の籠った視線の気配に気づいたのかイッキがゆっくりと目を開けたみたいだ
「えっと・・・お早う?」
イッキのそんな気の抜けた反応に思わずクスクスと笑ってしまう
「お早うにゃん♪イッキ♬気分はどう?」
「・・・ホテルの中で周囲に結界が張ってある状況じゃ無ければこのままもう一眠りしたいくらいだな。あと、膝枕の感触は中々に最高って事くらいか?」
あらら、まだ少しボンヤリしてるのかしら?普段のイッキなら恥ずかしがって言いそうにないセリフだと思うけど・・・まっ、後で揶揄うネタにするにゃん♪
でも、名残惜しいけど切り替えて行かないとね。作戦時間まで余り猶予はない訳だし
「イッキ、今の状況と今後の方針。軽く説明するにゃ」
そう前置きしてから説明と他の皆にイッキが目を覚ました事を伝える事になった
あと、近々絶対にイッキの事を襲ってやるにゃ!
“ビクッ!!”
そう思ってるとイッキがいきなり体を震わせた
「どうしたの?イッキ?」
「いや・・・何か悪寒がしたんだが・・・」
それはきっと気のせいにゃ♪
[黒歌 side out]
繋ぎ回みたいになったのでもう一話書きました