冥界を震撼させた魔獣騒動が終わって少し経った
実は魔獣騒動の事後処理を終わらせて深夜に家に帰宅したその日が中間テスト初日だった事には普段優雅な振る舞いを心掛けている二大お姉様方さえも笑顔に陰りが見えた位だ
オカルト研究部の全員が昼過ぎにテストが終わって家に戻った時に次の日のテスト勉強よりも睡眠を優先した事は仕方のない事だっただろう
これが科目の多い期末テストだったら何て考えたくはない
それでテストが全て終わった時に善神・ハーデスと出会ったり、サーゼクスさんの息子であるミリキャスが悪魔の仕事の見学に来てついでに護衛という名目で遊びに来たサーゼクスさんの眷属である『騎士』の沖田総司さん、『僧侶』のマグレガー・メイザースさん、『戦車』のスルト・セカンドさん、『兵士』のベオウルフさんと出会って最後に彼らが帰る時にイッセーがスルトさんに主に合わせて成長する魔法の帆船の『スキーズブラズニル』を渡され使い魔にしていた・・・因みにサーゼクスさんの眷属は残るは『戦車』のバハムートさんらしい
何時か出会ってみたいものだ
そう言えば主のオーラを糧に成長する使い魔って処は俺のイヅナと似ているな
今はまだラジコン程度の大きさだがその内帆船として相応しいだけの大きさに成長するだろう
それとイヅナだが俺が
魔獣騒動の時に沖田さんがやっていたという一人百鬼夜行にはまだ届かないけどね
そんなこんなで冥界の一件以来、特に事件もなく過ごして居た時に部室で冥界式人生ゲームとか云うのをやっているとイリナさんがふと思いついたであろう事を口にした
「ねぇねぇ皆。オーフィスちゃんのお社って用意するべきなのかしら?」
「お社?」
イリナさんの突然の提案にイッセーが返す―――他の皆も興味が惹かれたのか皆がイリナさんと人生ゲームを見つめていたオーフィスに視線を移す
「うん。だって仮にも・・・と云うか正真正銘の龍神様な訳じゃない?だから、そういうのが有っても良いんじゃないかな~?ってね」
もっともな意見とも云えるけど天使のイリナさんが異教の神を祀るとか言い出して良いのか?・・・いや、オーフィスはどの神話体系にも所属してないフリーの神様ではあるか
「古来よりドラゴンは力の象徴として色んな地域で『龍神』として祀られる事が多いです。特に東洋タイプの龍にはその傾向が強いですね」
白音がドラゴンと『龍神』に対して補足する。一般的な人間にしてみれば下位のドラゴンでも神と崇めるのに十分過ぎる迫力があるだろうからね。裏の世界から見ればドラゴンの神と云えばオーフィスとグレートレッドの二匹だけだけど、表の世界から見れば『龍神』の肩書を持つドラゴンはそこそこ居るって事だろうな
「円環を表すウロボロス・ドラゴンと云えば東洋タイプの龍のイメージが先に来るよな」
オーフィスのドラゴンとしての姿ってのは一度見て見たい気がするな。やっぱり東洋タイプか?
「ねぇオーフィス。お社、欲しい?」
そんな中、リアス部長が丁度ソファーの隣に座っていたオーフィスに声を掛ける
当のオーフィスは無表情のままユラユラと頭を左右に振っている。如何にもこの仕草は考え事をしている時の仕草らしいがリアス部長はその可愛らしい挙動を見て微笑む
「嫌な事は否定する傾向の強いオーフィスが直ぐにダメと言わないって事は興味は有るみたいね。でも、悪魔の私達がお社のような神聖なものを建てるというのは流石に難しいかしら?イリナの教会側は基本的にドラゴンを敵視してる宗教だから教会寄りのものを建てる訳にはいかないわよね」
「う゛ぅぅぅ、そう言われると少し厳しい・・・かな?」
「そういう話なら八坂さんの方に相談してみましょうか。神社・仏閣などの扱いなら八坂さん経由で幾らでも伝手が利きますからね。日本式なら龍神を祀るのは割と普通にある事ですし」
「そうね。ならお願いできるかしら」
頼まれた俺は善は急げという事で早速イヅナで連絡を取る
≪イッキ!何時もの通信以外で掛けて来るとは珍しいのう。何か在ったのかの?≫
最初に繋げたのは九重だ。イヅナは基本的に九重と一緒に居るようになっているみたいなので通信を繋げると最初に九重が出るんだよね
イヅナの分身には余裕があるから八坂さんにもイヅナの分身を渡しても良いんだろうけど、多分それをやると九重が拗ねてしまいそうなのでこのままで良いという事にしている
最も、流石にイヅナだけでなく八坂さんに直接繋がる通信術式のチャンネルはあるけどな
必ずしも九重が八坂さんの傍に居るとは限らないからだ
ともあれ急ぎの用事とかでもない限りは八坂さんへの用事でも先ずは九重に連絡を取る形になっている。まぁ通信越しでも上機嫌になる九重の事を想えばこの程度は手間の内に入らないだろうさ
≪ああ、実は今イッセーの家に人間界を知る為にお忍びで居候しているドラゴンの子供が居るんだけどさ。何でも実はかなり高位のドラゴンの血が流れてるみたいでそれなら此処は一つ『龍神』としてお社を建ててみようって話が持ち上がったんだよ。それで京都を束ねる八坂さんから伝手なりアドバイスなり貰えたらなって話になったんだ・・・八坂さんは今は忙しいか?それなら時間を改めて連絡するけど≫
そう聞くとイヅナの通信先から九重とは別の声が聞こえてきた
≪いいや、必要ないぞイッキ殿。今日は仕事が少し早めに終わったのでな、九重と一緒に居ったのじゃ。先ほどの件も聞いておったぞ。この屋敷にも社の管理の専任の者達がおるし、今は年明けの仕事の下準備くらいしか仕事が入っておらんからその者達を派遣出来るじゃろう≫
おお!流石は神社・仏閣の宝庫である京都のボスはそこら辺の人材に事欠かないみたいだな
まさか此処でいきなり八坂さんが通信に出るとは思ってなかったのだが、折角なのでリアス部長を始めとした修学旅行のメンバー以外が八坂さんと挨拶する
「初めての挨拶がこのような形で申し訳ありません」とか≪プライベートな通信なのだから気になさる事はありませんよ≫とか大体そんな感じの挨拶を皆が終える―――と云うか魔王とまでいかなくともそれなりに忙しいはずの八坂さんが早めに仕事が終わるとは珍しい
≪ふふふ、最近イッキ殿のお陰で外交関係の仕事の話が付き易くなっておるのじゃよ≫
「俺がですか?」
≪うむ。イッキ殿が冥界の地形を何か所も塗り替えてその上ハーデス殿もあの有様に為る様に裏で糸を引いたじゃろ?それで少々反抗的な者達などは押し黙るようになったのじゃよ。下手に反抗すればどんな方向からイッキ殿が尊厳を壊しに来るかと肝っ玉の小さいのは恐々とするようになったのじゃ。勿論、一部の者達だけじゃが屁理屈を重ねて無駄な時間を使わせるのだけが得意な奴らが口を閉ざせば私も早めに仕事を済ませられるのじゃよ≫
わぁお、完璧にペリー外交じゃん。俺が黒船役じゃん
まぁ八坂さんの話ぶりからして向こうが勝手に恐れてくれてるみたいだけどさ
「・・・イッキ先輩の『オール・エヴィル』のキャラが少しずつ現実を侵食してます」
白音がボソッと呟くけどなに?俺って各勢力に悪意の塊とか思われてんの?
≪さて、話がズレてしまったがお社の事であったな。そのドラゴンの子は赤龍帝殿の家に住んでいるらしいがお社もそこに建てるのかの?≫
そうなるかな?オーフィスはおいそれと俺とイッセーの家と後はオカルト研究部以外には余り外出出来ない事になってるし
リアス部長に目配せすると「それで構いません。そうですね、屋上が結構場所が余っていますし、そこが良いでしょう」と返された
此処で自然とイッセーではなくリアス部長に答えを求める辺りイッセーのヒエラルキーの低さが普段からにじみ出ているのが分かるというものだ
≪ならば余り本格的な社を建てる訳にはいかぬであろうな。聖なる気が高まり過ぎるのは悪魔の住居に置くには少々問題があるじゃろう・・・となれば後は材料じゃな、御神木とまでいかずとも霊木の類が何処かに余っておれば良いが流石に調べてみんと分からぬからのう≫
あ~、確かにそこら辺の木を切り倒して造るとか一般人目線なら兎も角俺達からしたらお社というよりはお社の模型的な感じになっちゃうか―――霊木・・・ねぇ・・・
「八坂さん。コレって使えませんか?」
そう言って取り出したのは俺の木刀、『洞爺湖』ないし『星砕き』だ
それを転移で向こうのイヅナの前に送る
≪これはまた・・・見事に神気の宿った木刀だのう。もしやイッキ殿はまた【神性】が上がったのかの?≫
「ええ、神器が
「いやイッキ!木刀一本でどうやって社を建てるだけの木材を確保するんだよ?ミニチュアの社でも建てるつもりなのか?」
「イッセー、俺は自然の気を操る仙術使いだぞ?木刀を大木に成長させる事だって出来るさ」
流石に植物として既に死んでいる木刀を生き返らせる訳ではないが強引に大木の形に持っていくことなら可能だ。コレで御神木クラスの木材ゲットである
後に聞いた話だとこの方法で名の在る御神木の木を量産して全国で使うなんて事は出来ないらしい。正確には出来るけど同一の木から造られたお社が複数あるとその繋がりから御利益や加護が分散してしまうようだ
安産祈願のお祈りをしに行ったらその祈りの力が別の神社の交通安全とか家内安全などにも流れてしまう感じ?そんな事になったら神様でも信者の願いを管理できないとの事だ
流石に世の中そんなに美味い話は無いみたいだな
まぁ今回はオーフィスの小さなお社に使うだけの話だから問題無いんだけどね
木刀も素振りに使ってるだけだから無くなっても適当にまた買えば良いし
≪うむ。コレならば申し分ない素材となり得るの。寧ろ主神を祀るレベルじゃろう。最後に神事を執り行う者じゃが―――九重、お主が往くか?≫
≪! はい♪見事私がそのお役目、果たしてきます!≫
おお、九重の声が弾んでるな。こっちに遊びに来られるのが嬉しいのだろう・・・と云うか仕事半分遊び半分か?
≪では、今度の週末に九重と職人の者をそちらへ向かわせるからの≫
「はい。ご相談に乗って頂き、有難う御座いました。八坂さん。またな、九重」
≪うむ♪週末を楽しみにしておるぞ。またなのじゃイッキ、皆の衆!≫
そうして迎えた週末。俺達は今兵藤家の転移の間に居る
イッセーの家の屋上にお社を建てる都合上材料とかを運ぶのにこっちの方が良いからだ
因みにアザゼル先生は『第三百十六回堕天使幹部麻雀大会』があるとかで居ないけどな
あの後改めて九重たちがやって来る時間とかその他細かい打ち合わせの連絡が有ったのでそれに合わせて皆で転移の間に集まってると魔法陣が輝きだして鳥居が現れ、その鳥居の中心の空間が歪んでそこから九重と御付きの妖狐のお姉さんが二人現れた
「お主達!久しぶりじゃ!この間、若しくは夏以来じゃのう」
「ええ、久しぶりね。今日は来てくれて有難う」
最初にリアス部長が挨拶したのを皮切りに皆がそれぞれ挨拶の言葉を口にするがレイヴェルだけはやや緊張気味か?そう言えばレイヴェルと九重が直接会うのはこれが初めてになる訳か
「こうして直接お会いするのは初めてなりますわね。レイヴェル・フェニックスですわ。将来イッキ様を共に支える者同士、仲良く出来れば幸いですわ」
レイヴェルは貴族然としたしっかりとした挨拶を交わす
「うむ。イッキが選んだのであれば間違いないじゃろう。それと、そのように固くなる必要はないのじゃ。私の正妻という立場は表向きのものじゃし、実質立場の差は在って無いようなものじゃ。私達が仲良くしないと、イッキが悲しむでな」
「ふふ、そうですわね。では改めて宜しくお願いしますわ。九重さん」
「うむ♪此方こそ、宜しく頼むぞレイヴェル殿!」
レイヴェルも最初の緊張も解れて九重と笑顔でやり取りしてるな
「おいイッキ。何で九重はあの歳であんなに嫁力が高いんだよ?」
「そこは文化と教育の違いじゃないか?貴族のレイヴェルも結構似た所在るしな」
まぁコレが大奥とかだと正妻の座を巡るドロッドロのドラマとかがイメージに湧くけどさ
全員ヤンデレの奥さんに囲まれる生活・・・うん。多分その内物理的にも精神的にも穴が開くわ
それに比べて目の前の金髪美少女同士の笑顔の会話の何と微笑ましくも尊い事か
そんな少しズレた感想を抱いているとレイヴェルとの挨拶がひと段落した九重がオーフィスに目を向けた
「そちらの者が龍神として祀りたい者で間違いないかの?赤龍帝を除けば他に龍の気を持つ者はおらんようじゃが」
「ああ、この娘の名前はフィス。仲良くしてやってくれ」
丁度オーフィスの隣に居たイッセーがそう紹介する―――流石に無限の龍神の名前でそのまま紹介する訳にはいかないので対外的にはフィスという名前になったのだ
フィスなら愛称と言っても違和感ないからな
「うむ。私は九重!フィス殿、宜しくなのじゃ!」
「ん、宜しく」
オーフィスに駆け寄って無邪気な笑みを見せる九重にオーフィスも薄っすらとだが笑みを浮かべる。悪意や気遣いなどの感情が一切無い交流は初めてなのだろう・・・ルフェイが居たか。まぁアレはちょっと暴走気味な感じがするけどな
それから先ずは皆でイッセーの家の屋上のどの辺りに社を置くかを決め、お付き兼職人のお姉さんたちが間取りに合わせた設計図を決める
設計図と云ってもある程度規格があるので事前に何枚か用意して最適なのを選ぶだけだが
そうして次に地下のトレーニングルームに移動する
此処ならば作業スペースに困る事はない
「ではイッキ。立派な木を頼むのじゃ!」
「応!皆ちょっと離れててくれ」
九重に促されて木刀に仙術を流し込む―――別に地面に生やす必要は無いので最初から横向きに巨木に変えていく
そして十分な大きさになった処で仙術を止めた
「これ位で足りますかね?」
職人のお姉さんに聞くと問題無いと言われたので手を離すとゼノヴィアが前に出た
「良し、最初に切り分けるのは私の役目だな」
ゼノヴィアがその手に持っているのは何時ものデュランダルではなく特殊儀礼を済ませた剣だった。コレが人間だったらノコギリとかじゃないとダメだけど裏の世界の住人なら大木を切り分けるなら剣で一刀両断にした方が早いからだ
そうして職人のお姉さんの指示通りに切り分けるとそれぞれが与えられた役割と図面通りに木を加工したり屋上でお社の土台を造ったりしている
勿論職人芸が必要な細かな作業となれば全面的に頼るしかないのだが、それ以外の肉体労働は可能な限り俺達が引き受ける形だ
最初はノコギリなどの工具も全て聖なる気を纏っている特殊な物であった為に聖剣使い組以外の悪魔の皆が扱えないという問題も在ったがロスヴァイセさんが北欧の元同僚にその手の事に詳しい人が居たらしく、悪魔が持っても平気となる術式を教えてもらい無事に持てるようになった
九重は妖怪だけど平気だったみたいでそこまで気が回らなかったらしいけど、妖怪って本当にその辺り曖昧な所あるよな―――狐は神として祀られる事が多いけど、その辺りが理由か?
と云うか神聖なる工具は聖剣の親戚なんだな・・・言われてみれば分からんでも無いけど、何だか変な感じだ
ともあれそれからは皆で一日掛かりの作業をして木材の切り出しと加工、土台造りなどを大凡終わらせた。鳥居やしめ縄などはまた別の専門家の手がいるらしく外部発注で明日届くらしいので今日の作業は終わりだ―――仮に今から頑張って造れても夜中になってしまうのでお社のお披露目には適していないからね
それから夜は九重の歓迎会として皆で俺の家に集まった
イッセーの家よりは婚約者の俺の家に泊まる方が自然だろう・・・寧ろ此処で九重が態々隣のイッセーの家に泊まるとか俺達は気にならなくても周囲から見れば昼ドラ展開を妄想出来そうだ
九重が俺の両親にお姫様らしい丁寧な挨拶を交わす―――最初狐耳と尻尾を仕舞うのを忘れたまま挨拶に赴こうとしたのは慌てて止めたけどな
とはいえ巫女服はそのままだし、丁寧な挨拶も相まって両親も京都の良いとこのお嬢様程度の認識はしたみたいだし今はそれで良いだろう・・・将来的にはちゃんと紹介出来るのだろうか?
大所帯を前に母さんが張り切って作った夕食を美味しく頂いたら皆で俺の部屋に向かう
大人数だがリフォーム後の自室は馬鹿みたいに広いので問題無しだ・・・ゲームとかも有るしね
暫く雑談やトランプ、大乱闘するテレビゲームなどをして過ごしていると九重がオーフィスを連れて部屋の外に行き、少しすると二人は駒王学園女子の制服を着て戻って来た
「イッキ!如何じゃ?制服じゃぞ!」
「可愛いぞ九重。フィスも似合ってるな」
駒王学園の制服は普通にデザイン性高いから美少女が着ると絵になるよな
それ以前に女の子が新しい服を見せに来たなら先ずは褒めないとね
「でも、その服は如何したんだ?」
「うむ。コレは通販で手に入れたものじゃ。今この服は冥界の若い女人の間で流行っておるそうじゃぞ。母上に頼んで買って貰ったのじゃ!」
「あらあら、うふふ。如何やらレーティングゲームでグレモリー眷属とシトリー眷属が毎回この制服を着てバトルに臨んでいる事から人気に火が付いたようですわ。今や冥界では学校の服というよりは私達のバトルコスチューム兼コスプレ衣装みたいな扱いになっていますの」
「マジですか朱乃さん!?俺達の制服がそんな扱いに!?」
イッセーが驚いてるけど俺もビックリだ。流石は今まで娯楽の少なかった冥界、一度波に乗れば浸透するのも早いようだ。フィスが着ているのは予備の分か?
「じょしこーせーになったら駒王学園に入学すると既に母上と話しておってな。何時かこの制服がピッチリと似合う女性に成長してみせるぞ!」
「! 九重は駒王学園に来るつもりなのか」
「その通りじゃ!駒王学園は異形の者や異能者の受け入れ態勢も整っておるようじゃし、何よりもイッキの通っている学園には興味があるからの・・・それにイッキの家に下宿させて貰えればJKの魅力でイッキに迫ればイチコロじゃろうと母上も言っておったしの」
何時もの事だけど何を吹き込んでんの八坂さん!?
「いや、ほら・・・それを言うなら同じ条件の白音やレイヴェルにも俺は手を出してない訳だし」
「そこは母上が『九重が高校生になる頃にはあの3人には手を出しているはずじゃからの。そうなればイッキ殿も心のタガが外れておるはず―――押せ押せでイケるはずじゃ!』と言っておったから問題ないのじゃ!」
「おお有りだァァァ!!マジで何を吹き込んでんの八坂さん!?将来の俺の周囲と心情を何処まで計算に入れるつもりだ!?そもそも娘にする話じゃねぇだろ!!」
それに万が一子供が出来たら九重の貴重な高校生活が潰れてしまう・・・大丈夫だ。俺はちゃんと理性を保てるはずだ
「その頃には私達に手を出しているだろう事は否定しないんですのね、イッキ様は」
「私たちはイッキ先輩の将来のお嫁さんだからある意味当然」
そうですよ!今だって本当に最近皆に甘えられるとそれだけで理性が跳びそうな位には限界なんだから少なくとも高校卒業したら黒歌には手を出すと思う―――そうじゃないと俺の脳みそがその内蕩けて溶けると思うからな!
少しダメな方に開き直ったりもしたが夜遅くになったので皆それぞれの家(大半はイッセーの家)に戻り、明日また作業の続きをする為にイッセーの家に集合となった
お風呂に入ってサッパリした処で(風呂は複数あるので女性陣は大浴場で俺は個室風呂に入った)部屋で待ってると黒歌たちが入って来る
風呂上りと云うのはそれだけで魅力度3割増しに見えるから不思議だ
そんな中、今回は九重も一緒に入って来た
「ふふふ~♪コレでイッキとイッキの婚約者が全員集合の水入らずじゃな。皆と一緒に寝てみたいとは前から思っておったのじゃ♪」
そう言えばロキと戦う前にそんな話もしてたっけな。その後すぐにレイヴェルの告白が重なった訳だけどさ
それからはベッドですぐに寝るという訳では当然なく、冥界での騒動の事とかを中心にした話で盛り上がったり以前白音が希望した九重の白音へのお姉ちゃん呼びで白音のテンションが上がったりしている内に疲れた九重が自然と寝息を立てた処で皆揃って眠る事となった
翌朝、朝食を食べてからイッセーの家に集合してお社を建てる作業も終盤に入る
木材同士を組み合わせる基本的に釘とかを使わない造りとなっている文字通りの組み木仕様なのでどんどんしっかりとした社の形となっていき、土台の上に固定。他の場所で造っていたという人一人通れるくらいの鳥居としめ縄も設置した
コレで後は神事を執り行えば完成かと思ったが職人のお姉さんが箱と模型を持ってきた。如何やら余った木材で造ったらしい
箱の方は賽銭箱で入れたお金はオーフィスのお小遣いの一部となるそうだ
そして模型と云うか像は赤い龍と白い龍だった
「オー・・・じゃなかった。フィスに像を置くなら何が良いかって聞いたら龍の赤いのと白いのっていうものですから。日本式のお社だけどフィスの要望は二天龍って事でしょうから像も西洋タイプのドラゴンで彫って貰ったのよ」
言われてみれば確かに龍じゃなくて竜の方だな。それらを設置するとオーフィスが赤い方の像に近寄ってペチペチと叩く
「グレートレッド?倒す?」
「ペチペチしないでぇぇぇ!!それ俺やドライグの事みたいだから俺を倒さないでくれぇぇぇ!!っていうか自分で要望出したんだよね!?」
「・・・冗談」
オーフィスの無表情の冗談発言にガックリと項垂れるイッセーだった
最後に九重が神聖な力が高まり過ぎないように略式ではあるが神事を執り行いお社は完成した
「何だか・・・こうして改めて見るとかなりの神気が漂ってるよね。聖なる波動じゃないから僕たちでもダメージは無いけど自然と背筋を伸ばしちゃいそうだよ」
「まぁそれはイッキと違ってお社が気配隠蔽とかする訳ないからにゃ」
ああ、俺が普段隠してる分が垂れ流されてる訳ね。俺よりは【神性】は低いだろうけど隠してない分強く感じる訳だ
「今さらだけどさ。コレってお社にお祈りしてもイッキにお祈りした事になったりしない?」
「それは大丈夫じゃ。あくまでも信仰を受けるのはこの社の主であるフィス殿だけじゃし、そもそも木刀に宿った時点でイッキの【神性】とは別物じゃからの」
「うふふ、折角ですし完成記念に皆でフィスちゃんにお祈りしてみませんか?」
イッセーの懸念に九重が答えた処で朱乃先輩が提案して俺達が初参拝客となる事になった
・アーシアさんの願い
「世界が平和でありますように」
「平和・・・世界の平和、どこからが平和になる?」
哲学的!
・白音の願い
「成長期が早く訪れて欲しいです」
「蛇・・・飲む?」
変身じゃなくて成長だから!
・ゼノヴィアの願い
「女子力を高めたい」
「エクス・デュランダルを極める」
破壊力の先に女子力は在りません!
・朱乃先輩の願い
「お料理がもう少し上手くなれたら嬉しいですわ」
「我も嬉しい」
願われる側の願望混じってますよ
・レイヴェルの願い
「背がもう少しだけ欲しいですわ」
「牛乳を毎日飲む」
ある意味一番無難だな
・イリナさんの願い
「クリスチャンの私が龍神に願ってもいいのかしら?」
「ミカエルより我の方が強い」
ちょっとドヤってませんか、龍神様?
・祐斗の願い
「えっと、悪魔の仕事が沢山舞い込みますように」
「・・・ZZZZZZZZZZZZZZZ・・・」
祐斗は不憫キャラ
・ロスヴァイセさんの願い
「彼氏かお金が欲しいです」
「残念」
それは如何いう意味の『残念』ですか?
・ギャスパーの願い
「え、えっと、女子力じゃなく男子力を身に付けたいですぅ」
「ミルたん」
そこに在るのは腕力だよ・・・と云うかミルたん知ってんのかい!
・九重の願い
「願いは沢山あるが、京都が平和であれば問題無しじゃ!」
「お社を有難う」
加護を頼むぞ、龍神様
・リアス部長の願い
「アーシア程規模が大きくはないけれど、この町が平和なら良いのではないかしら」
「町の平和は我が守る」
物理!?
・黒歌の願い
「イッキが私の事を襲って欲しいにゃ~♪性的に♪」
「クラスビースト変貌薬」
何で知ってるの!?
・俺の願い
「黒歌の攻めが少し緩和しますように」
「賢者の薬」
両極端!そして本当に何で知ってるの!?
最後にイッセーがお願いをしようとした処で屋上にアザゼル先生がやって来た
「くぅぅぅ!徹夜の麻雀明けの朝日は目に染みるぜぇ」
如何やら麻雀大会は夜通し行われたみたいだ
「お!それが連絡にもあった龍神のお社か、中々立派な出来じゃねぇか。流石は九尾の姫さんだな、九重。良い仕事してるぜ」
褒められた九重も「当然じゃ!」と嬉しそうに胸を張っている
「先生、結局麻雀大会は誰が勝ったんですか?」
「バラキエルだよ。アイツの麻雀にも表れる御堅い戦略が最終的に勝ちをもぎ取りやがった」
そりゃあ一日中麻雀してたら堅実に打つ方が勝率上がるでしょうよ
「それで、見たとこお前らは祈ってたって処か。なら俺も龍神の御利益ってのに祈りを捧げてみますか―――え~、先ずはシェムハザがプライベートでも頭が柔らかくなりますように。バラキエルが堅物を止めますように。天帝がムカつくんで箪笥の角に足の小指をぶつけますように。ミカエルが無駄な仕事までこっちに押し付けて来るから天界ごと堕ちますように。それでなくとも可愛い天使、特にガブリエル辺りが堕ちてきますように」
何とも俗な願いをふんだんに盛り込んで祈るアザゼル先生だが近くに居たイッセーは最後のガブリエルが堕ちるというワードを聞いて変な妄想でもしてるのかだらしない顔になる
「先生!俺も一緒に祈ります!天界一の美女が堕ちて堕天使的エロ衣装に身を包むとか最高に見て見たいです!」
「おお~、分かってるじゃねぇかイッセー。堕ちたてのガブリエルとかきっと永久保存版の魅力に溢れていると思うぞ」
そんな馬鹿な会話をしている二人の頭上が急に曇っていき、天から雷が降り注いだ
「「ぴっぎゃあああああああああああああああああああああ!?」」
オーフィスは不思議そうに首を捻ってるから今のはミカエルさん辺りからの抗議だったりするのかな?何にせよ黒焦げになった二人を余所にお社は完成したのだった
お社が完成した後は九重が帰る夕方までショッピングに出かけたりオーフィスと九重がお互いの服を着てみたい(巫女服とドレス)との事から服を交換し、そのままオーフィスに与えられた部屋にルフェイが大量に揃えていた色んな服を着て二人のプチファッションショーみたいな感じになったり(八坂さんに写真を後で送ったら喜ばれた)九重が俺達の模擬戦風景を見て見たいとの要望に応えて何時もの練習風景を含めて観戦して貰ったりした
俺の狐火とイッセーのドラゴンブレスがぶつかり合った時なんかは遠くで九重のテンションの上がる声が聞こえたので楽しんで貰えたようだ
そんな風にしてるとあっという間に九重が帰る時間となりお土産も持たせて今は転移の間だ。既に九重たちの背後には転移の鳥居も出現している
「皆、この二日間は本当に楽しい時間であった。お世話になりました」
ペコリと頭を下げる九重にオーフィスが近づいて行く
「また、我と遊んでくれると嬉しい」
「うむ!私とフィス殿は友達じゃ。また遊ぼう!」
最後にお互いの手を取り合って笑顔を向け合う二人
これからもちょくちょく二人が出会える機会を作れたらいいな
取り敢えず、イヅナで九重と話す時とかはオーフィスも呼ぶ事にしますかね
そんな事を思いつつ九重が帰るのを見送ったのだった
そう言えばフリードがミルキー軍団に加わった事でレーティングゲームのフルメンバーの16人となりましたね・・・ウンディーネは使い魔のマスコット枠ですしww