ありふれた転生…じゃない!?
あぁ……くそ……こんな所で死ぬのかよ……折角人より優れていたから良い人生を送れると思ってたのに……………………つか、空から急に車が降ってくるとか何だよそれ。
こうして、俺、
「で?此処どこよ?」
目を覚ましたら、藺草の香る畳が敷き詰められたいかにも和風な部屋。そして目の前にはそれはそれは綺麗な土下座をするご老人。
ふぁっ!?
「ちょ、ちょ、ちょ、何してるんですか!?顔ををあげてください!」
「2回目じゃ……」
「へ?」
「お主がこの部屋に来るのは2回目なのじゃ」
「え?どういう事ですか?俺この部屋に見覚えなんて一切ないんですけど……」
ここで思い出すのは、先程の
「……推測するに、俺はさっき急に上から降ってきた車に押し潰されて死んだ筈。ならばこの場所は死後の世界って事でおーけー?」
「確かに、お主は先程車に押し潰されて死んでしまった。見事なまでの即死じゃったよ。じゃが此処は死後の世界ではなく厳密には神の間というところじゃ」
「えーと、それで?何で俺はこの神の間にいるんですかね?」
「それは………………………儂が寝ぼけて殺してしまったからじゃ……」
えーと大体話が読めてきたぞ。つまり俺はこの人に殺されて此処にいると。そして2回目と言うことは前にも殺されたことがあってこの部屋を訪れていると。だがしかしそんなの記憶には無い。
ということはだ。俺はこのご老人もとい、神様に記憶を消されてあの世界に戻ったということか。
「本っ当に申し訳ないっっ!!」
此処まで来れば後は芋づる式にこの謎は解けるぞ!さっきも言った通り前にも俺は神様にうっかり殺されてしまっているのだろう。だがしかしあのちょっとどころかかなりスペックの高い体は目の前にいる神様にお詫びとして貰ったものなのだろう!そしてそして、また死んじゃったけどお詫びを貰って生き返らせてくれるというところまで読めたっ!!
ならばこそ俺が言う言葉これしか無い!
「気にしないで下さい!少しも怒って無いですよ!うっかりなんて誰にでもある事です!ましてや一回二回なんて大して変わりませんよ!」
「許してくれるのかっ!………いやはや有難い。まさか、1度生き返らせてるから歪んでしまった魂がこの世界の輪廻に戻すことも出来ないからこの世界でもう2度と生き返ることが出来ないのに許してくれるとは……なんと器の大きな若者じゃ!」
「くぁwせdrftgyふじこlp!?!?!?」
おのれ謀ったな!?………………あぁどうしよう俺の輝かしいバラ色の人生が音を立てて崩れ去ってゆく……。折角神韋聖夜の人生設計No.2を考えていたのに…神は死んだ…。
というか、俺本当にどうなるの?
「あの、俺はこれからどうなるんでせうか?」
「勿論、転生してもらうぞい?」
「へ?でも生き返れないって……」
「確かに
いやっふぅーーーー!
来た!これで勝つる!神は俺のことをまだ見捨てていなかった!今目の前にいる彼が神だけど!というか死因が彼だけど!
「いやはや申し訳ないのぅ……ところでお主ライトノベルは好きかね?」
「そりゃあもう大好物です!」
そう。この俺神韋聖夜はオタクなのである。極度の。
「実は次の転生先は『ありふれた職業で世界最強』の世界なんじゃよ」
「え?死ぬ未来しか見えないんですけど……転生してすぐに死後の世界は流石に気が滅入ります。はい。」
「安心せい。前殺してしまった時のお詫びと転生特典に加えて、今回分もお詫びと転生特典を追加するぞい」
あ、それなら安心ですね。
「ところで前回のお詫びと転生特典って何だったんですか?」
「えーと、確か…お詫びに逆廻十六夜並みのスペック、転生特典にありとあらゆる武術武器術を直ぐに習得出来るほどの才能じゃな!」
「何そのチート……あれ?そのスペックなら俺死ななかったんじゃ…」
「ギクッ!」
口でギクッっていう人初めて見たよ……というかまたあなたなんですね……
「いや、そのなちゃんと授けたのじゃぞ?………………30でそのスペックに至れるように」
「そこは直ぐ渡してくれよっ!!」
まぁいいか……次の世界に行けるし……というか転生特典結果というかかなり強力だし……あれ?これって責めるとこなく無い?むしろ感謝すべきだよなぁ!
ありがとう神様!俺次の世界に行ったら女の子とイチャイチャ出来るように頑張るよ!
「ふむ、流石だなお主。そこまでポジティブに考えられるとは!しかも感謝を忘れぬとは何とも好青年であるな」
あれ?俺今口に出してた?結構恥ずかしいこと口走って……
「儂は神様じゃぞ?心を読む事くらい当たり前に出来るわい」
「エッチ!」
「何で乙女になっておるのじゃ……まぁ良い……それで、お詫びと転生特典はどうするのじゃ?」
「あ、それなら原作知識を消してください!」
「へ?それだけ?もっとこうあるじゃろ、ものすんごいのとか…」
「それで良いんです!1人だけ原作知識なんてあったらズルしてるみたいで嫌なんです!」
本音である。確かに知識はあった方が良いのだろう。しかし逆廻十六夜のスペックを既に頂いているのだ。これ以上は贅沢と言うもの。
「フム、何とも謙虚な若者じゃ……あいわかった。では転生特典はどうするのじゃ?」
「実はこの名前結構気に入ってるんです。だから転生後もこの名前のままにして欲しいです!」
「わかっておったが、何ともまぁ欲のない若者じゃ……人間なぞ欲の塊と思っておったがこういう者もおるのじゃな……」
そうそんなんで良いのだ、死因はたしかに神様なのかもしれない。だがしかし特に未練があるわけでもない元の世界よりも新しい世界で楽しむというのは、これ以上のない贅沢なのではなかろうか。しかも逆廻十六夜のスペックを持って。
「よし、儂の独断と偏見によって今決めた」
「へ?」
「お主には転生特典以外に、この力を授けよう。」
刹那、俺の脳裏にあるセリフが浮かんで来た。……というかなんて禍々しいワード……。
「どうやら上手く行ったようじゃの。どれ、試しに言ってみぃ」
「は、はい、えっと…『求ルハ言霊。繰リ返サレルハ悲劇。止マヌ阿鼻叫喚。幾星霜ノ時ヲ経テ産マレシ、キボウヲ以ッテ、此ノ惨劇ニ終止符ヲ撃タン』【禁忌の獄】」
そう言った次の瞬間目の前が
赤、赤、赤、赤。見渡す限り地獄のような光景が広がっていた。黒い人のような影がいろんな方法で殺されている。そこら中でそんな光景が続いてる中。宙に浮かぶとても大きく真っ赤に染まった月が不気味にその存在を主張していた。
「あ、あのこれは?」
「大体どういう世界か分かったのでは無いかの?」
そう、この世界を作った原因である俺が1番よく知っていた。
あぁそうだ、この世界は…
「思い出したかの?」
さっきの世界の前の世界。俺が平和を望んだ世界である。
思い出した。あの世界で神様が殺してくれて、俺は望んだのだ。次生まれるのは平和な世界がいいと。
「お主には酷な光景じゃったの……あれは運が悪かったただそれだけじゃ……儂から言えるのはよく我慢した…それだけじゃ……」
だがしかし、過去は過去。今を生きる、(いや死んじゃってるけど)俺にとっては全て終わった事。両手で頰をパンパンッと叩いて気を取り直す。
「それでこの光景がどうして力に?」
「当時は忌々しいだけじゃったろうがセリフにもあったろう?言葉を求めた…と。」
あぁ成る程つまりは此処で俺が望んだ事を口にするとそういう……
「こいつはお主にとっての切り札となるじゃろう。効果はお主が望んだ相手を此処に引き摺り出すことが出来る固有結界じゃ。本来なら固有結界なぞただの心象を写すだけのみすぼらしいものじゃが、お主のこれは一味違うでの」
これは俺にとっても成長する為に忘れてはならない光景である。
「さて、そろそろ転生させるとするかのぅ」
「あの、色々とありがとうございました!次の世界で俺は一生懸命に楽しく生きますね!」
「なんかお爺ちゃんと孫みたいじゃの……」
神様は嬉しそうに笑う。
「そういえば神様は何てお名前何ですか?」
「儂?儂は、ディオニュソスと言われておる」
「ディオニュソス様ですね!じゃあおじいちゃんって呼びますね」
「ウワッハッハッハッ!……まるで本当の孫のようじゃ!では聖夜よ、行ってらっしゃい。」
「行ってくるね!」
足元が光だし、和室の部屋から俺、神韋聖夜の姿はかき消えた。
「聖夜よ、そのうちまた会えるでな」
「あ、そういえば他のラノベ小説やゲームの世界に召喚される様になるのを伝えるの忘れてた……まぁ召喚させるの儂だし聖夜ならそのうち自力で移動出来るようになるか。その為にありとあらゆる才能を習得出来る身体にしたしのぉ……まぁ良いか」
この神様最後の最後まで抜けているのである。
取り敢えず次回からありふれに入ります!一応ありふれ世界のヒロインは雫で決定です故。場合によっては増えるかも……,。
読んでくださったありがとうございます!誤字がありましたら気軽に仰ってください!