転生するのは2回目でした!?   作:T・紫

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今回は少し短めです!


反逆者の住処

ヒュドラを倒し、独りでに開いた扉の先に進むと、中は広大な空間に住み心地の良さそうな住居があったのだ。ここが反逆者の住処なのだろう。

 

3人で取り敢えず一階から見て回る。暖炉や柔らかな絨毯、ソファのあるリビングらしき場所、台所、トイレを発見した。どれも長年放置されていたような気配はない。人の気配は感じないのでどうやら維持管理は独りでにしてくれているようだ。

 

それから、二階で書斎や工房らしき部屋を発見した。しかし、書棚も工房の中の扉も封印がされているらしく開けることはできなかった。仕方なく諦め、探索を続ける。

 

3人は三階の奥の部屋に向かった。三階は一部屋しかないようだ。奥の扉を開けると、そこには直径七、八メートルの今まで見たこともないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。いっそ一つの芸術といってもいいほど見事な幾何学模様である。

 

しかし、それよりも注目すべきなのは、その魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影である。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。

 

その骸は椅子にもたれかかりながら俯いている。その姿勢のまま朽ちて白骨化したのだろう。魔法陣しかないこの部屋で骸は何を思っていたのか。寝室やリビングではなく、この場所を選んで果てた意図はなんなのか……

 

「……怪しい……どうする?」

 

「まぁ色々見て回ったきたが、どうやらこの部屋が地上への道の鍵っぽいしな、調べるしかないだろ」

 

「取り敢えず何あるかわからんから俺から魔法陣の中はいるわ」

 

「ん、気をつけて」

 

聖夜は魔法陣の中に足を踏み入れた。その瞬間、カッと光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げた。直後頭の中を探るような感覚がして、奈落に来てからの事が頭の中を駆け回った。

 

やがて、光がおさまると、目の前に骸と同じローブを着た青年が立っていた。

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」

 

そうして始まったオスカーの話は、聖夜が聖教教会で教わった歴史やユエに聞かされた反逆者の話とは大きく異なった驚愕すべきものだった。

いや、ある意味想像通りだと言うべきか。

 

それは狂った神とその子孫達の戦いの物語。

 

 

 

 

---------------

 

 

 

 

長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。

 

「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」

 

話を締めくくると映像はスっと消えた。同時に脳裏に何かしらが侵入してきた。多分オスカーが言っていた魔法だろう。

 

「割と重めな話しだったな…」

 

「あぁ、どえらい事をきいちまったな…」

 

「ん…どうするの?」

 

「どうするもこうするも先に飯にするべ」

 

「だな!腹減ったし、正直この世界の事なんざどうだっていい。元の世界に戻る方法を探すくらいしか考えてない」

 

「そういや、神代魔法ってのを覚えたみたいだ。ハジメとユエも立って覚えたらどうだ?生成魔法っぽいし、ハジメにとっては天職みたいなものだろ」

 

「マジかよ!これでアーティファクトも作れるんじゃないか!?」

 

早速と、ハジメが魔法陣の中に足を踏み入れると、

 

同じことを言いながらオスカーが現れた!

 

「おおぅ…台無し…」

 

「……錬成使わないけど…」

 

「まぁ、せっかくだし覚えたら?」

 

「ん……お兄ちゃんが言うなら」

 

 

 

その後ユエも魔法を覚え、戦闘直後で少し疲れていたが、台所を借りて夜食をつくり、3人で食べたあとに外にあった風呂でゆっくりと寛いでいた。

 

「はぁ……幸せ」

 

 とにかく今後の事について考えなきゃな…色々設備が整ってるみたいだし暫くは滞在でいいだろう。その間にハジメを少し鍛えて、装備整えるべきだな。

 

ちなみにオスカーの骸はユエが無慈悲にも畑の肥料にし、ハジメが身につけていた装飾品を根こそぎ奪い取った。

 

まぁ、そのおかげで、書斎を(物理で)空けた時に判明したのだが、どうやら3階の魔法陣がオスカーの身につけていた指輪に反応して地上にそのまま出れるらしい。

 

「どちらにしろ、暫くはここに滞在して、ゆっくりするべかぁ〜」

 




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