【完結】異世界転生したら合法ロリの師匠に拾われた俺の勝ち組ライフ   作:ネイムレス

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まさか1000を超えるとは思っていなかったので大変うれしいです。


第二十三話

 少年はその日決意した。この気持ちを師匠に伝えようと。

 

「師匠!! 結婚してください!!」

「……断る!」

 

 少年の決意、粉砕! 第一部、完!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 第二部開始。

 少年は失意のズンドコに叩き落とされた。この悲しみはしばらく収まる事を知らない。思わず両膝と両手を床に突いて、がっくりと項垂れる。何故、何故こんな事に。失意……、圧倒的失意!

 

「何で私がそんな面倒な事を……。そう言うのは若者同士でやって居ればいいの。私はアナタのお世話で精一杯だもの、結婚なんてしたいとも思わないわね」

 

 あ、これ告白とすら思われてない奴だ。少年の心に追い打ちが入った。

 しかし、挫けるばかりではいられない。こうなったら怪我の功名として事態を受け入れ、まずは師匠の認識から変えて行かなければならないだろう。結婚してもらうには、結婚をしても良いと思える意識改革が必要なのだ。

 後の事は置いておいて、少年は反証に乗り出した。

 

「異議あり! お世話してるのってどう考えても俺の方ですよね。炊事洗濯飯の世話まで、完全介護状態じゃないですか。よって、俺の世話で精一杯と言うのは、師匠が結婚しない理由には成りえません!」

「ううっ!? そ、それは……、そうだけど……。れ、錬金術の授業があるじゃない! 別に何にもしてないわけじゃないんだから、そんな言い方しなくても……」

 

 普段と違って凄く弱気な師匠。結婚したい。その為にも少年は、更に師匠の心の檻を責めて行く。

 

「師匠の昔の知り合いも皆、結婚したり結婚してたりするんでしょう? 師匠だって結婚しておいた方が良いんじゃないですか? ほら、黒百合さんとか特に……、色々と言われたんでしょう?」

「うぐっ!? あ、あのクソ女……。自分の方が先に結婚したからって、ネチネチネチネチ嫌味をぉぉぉぉ……。ハッ!? イケナイイケナイ……」

 

 チッ……。中々しぶといな。少年は最早、畏敬も糞も無かった。

 次は何をしてやろうかと考えていると、師匠はフードを被って気持ちを切り替え仕事モードに。師匠としての威厳で押し通す気か、なかなかする事が狡いな師匠!

 だが、少年は不敵に笑って見せた。甘い、その程度では甘いぞ師匠!

 

「こほん……。私は今までもこれからも自由で居たいんだ。結婚なんて物はな、孤高の錬金術師には――」

「仕事モードの口調で押し切ろうたって、そうはいきませんよ師匠。俺は今回、真剣に話しているんですからね」

「あ、あれ? ぐぬぬ……、弟子が生意気すぎる……」

 

 師匠の威厳ある声にも少年には全く動揺は無い。何故ならば、今師匠の頭には兎耳が生えているからだ。そう、少年がまたまたやらせていただきましたァンってな具合に、部屋に侵入し師匠のローブに細工したのである。

 この姿を見て畏敬を感じろとか、そっちの方が難易度が高い。最早少年に、精神的動揺による言論ミスは決してない! と思っていただこう。

 

「だ、大体だな。アレだぞ、結婚とかほら……あ、相手がいないとできないだろう……?」

 

 ここにいるぞ!! とは言えなかった。ヘタレた訳では無い。今の台詞を師匠が、顔を赤らめてもじもじしながら言うもんだから死にそうになったのだ。しかも兎耳フード姿で。殺す気か!!

 精神的動揺は無いと言ったばかりだが、スマンありゃウソだった。でもまあ、師匠の可愛さなら仕方ないとするって事でさ。こらえてくれ。

 

「と、とにかく、結婚なんてしないから! 私は今はアナタの世話だけしていたいの! しないったらしないのっ! のっ!」

「畜生可愛い言い方しやがって! そんなんじゃ本当に行き遅れちまいますからね! 嫁の貰い手とか、居なくなって手遅れになっちまうんですからねっ! ねっ!」

 

 何言い合ってんだこの師弟。お互いがもう子供のダダの様に、ひたすら勢いに任せて言葉を紡ぐ。意地と意地の張り合いは、しかして弟子の放った行き遅れると言う言葉で師匠が言葉を失った事で途切れる。

 しまった、言い過ぎたか? 少年がびくっと体をすくませて、恐る恐ると沈黙する師匠を見ていると果たしてその師匠が必殺の一撃を放って来た。

 

「その時は……、アナタに貰ってもらうから良いもん……」

 

 ハイヨロコンデー!! 少年の精神はこの一言で再起不能。ぶん殴られたダイヤモンドの様に粉々に砕け散ってしまった。少年の顔が熟れたトマトの様に真っ赤になって、二の句が継げなくなりわたわたしてしまう。

 そして師匠は、そんな少年を見てフフンっと勝ち誇って見せた。はい、全て計算づくです。魔性の笑みを浮かべながら、勝ち誇った師匠は椅子の上でこれ見よがしに足を組み直して見せる。兎耳フードのままで。

 

「よし、これにてこの話はお終い! さあ、午後からの授業は素材の収集だ。指定された物を森で取って来るように。はい、駆け足! 急げー!」

 

 完全に打ち負かされた少年は、もはや命令に従うだけのマリオネットだ。ゆでだこの様赤くなった顔のまま、逃げるようにして一目散に部屋を飛び出して行った。クールダウンするまでは、暫く戻っては来ないだろう。

 少年が居なくなった部屋の中で、師匠はホゥっと深く息を吐き出す。まるで、胸の内の熱を外に逃がすかの様に。

 

「…………私の初恋は始まった瞬間に、とっくに終わっているんだ。結婚なんて今更だよ……。ま、本当に誰も居なくなったら、馬鹿弟子に貰われるのも一興かな……」

 

 その声には自嘲と諦観、更には何時か見た夢の残滓が混じり合い、混沌とした色合いを見せていた。そして、ほんの少しだけの淡い期待も。

 残念ながら少年は、今の言葉を聞けずに森に飛び出して行ってしまった。本当に、残念極まりない事に。




師匠ったら魔性の幼女。
次は犬耳かな。狐耳も良いな。鼠とかもアリかな、ハハッ。
次回も楽しんでいただければ幸いです。
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