【完結】異世界転生したら合法ロリの師匠に拾われた俺の勝ち組ライフ   作:ネイムレス

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今回は剣士少女回。
微エロ注意。


第二十七話

 その日、少年は自身のアトリエで驚異の発明を完成させた。それはまだお昼にもなっていない、朝っぱらの事である。

 

「でけた! ついにでけたぞ、頑張って作ったぞ! 驚天動地の新薬品、モンスター変身薬を!」

 

 これはまた頭の悪そうな薬ですね。そんな物を作りだした理由などただ一つ。少年が夢中になる程の動機とは、当たり前の様に師匠へのセクハラだ!

 

「師匠からこの薬の存在を聞いて幾星霜。ついに、ついに作る事が出来たぞヒャッホーイ! これで師匠にいろいろとアブノーマルな事を……、フヒェヘヘヘヘッ!」

 

 少年はこの薬で師匠に巻き起こるハプニングの数々を想像するだけで、頭の中の八割は幸せいっぱいだった。だが、残りの二割の冷静な部分が少年に警告する。『お前、それでいいのか?』と。

 

「はっ!? 気分的には今直ぐ師匠の所に突撃したいが、性能テストもせずにぶっつけ本番はリスクが高い。でーも、一体どうやって試すべきか……」

 

 性能テスト。そう、言わば本番に備えての練習。実践を上手く行かせる為の特訓に他ならない。特訓? はっ、ひらめいた! 少年の中に、青天の霹靂が如く一つの考えが迸る。

 

「師匠に試せないなら他の人に試せばいいじゃん。俺ってあったまいーい!」

 

 およそ知性とはかけ離れた最低な言動だが、少年は上機嫌になって指をパチンと鳴らす。幸いにして今日の午後には、おあつらえ向きなイベントが予定されていた。イケル。これは行けるで工藤! 工藤って誰だ。

 そうと決まればまずは昼食の用意だ。師匠の家の家事担当は、ほくほく笑顔で仕事に取り掛かるのであった。

 

 

 

「モンスター変身薬を使っての戦闘特訓? ふぅん、それを僕と一緒にやりたいという訳だね」

 

 所変わって時も過ぎ、現在は気だるく高い青空の下。村外れの人気のない何時もの場所で、少年は約束相手の剣士少女に本日の趣旨を説明していた。

 話を聞いた少女は軽く思案した後に、フッと口元を笑みに変えて返事をする。

 

「構わないよ。僕としては、君が勝てるようにする為なら、なるべく積極的に付き合うつもりだからね。所でその薬はどっちが飲むんだい?」

「ほんとか!? ありがとう、サンキュー、ございます! どんな副作用があるかもまだわからないから、飲むのは当然俺だな。では失礼して……」

 

 剣士少女の快諾に、満面の笑みで薬を飲み干す少年。小瓶に入った緑色の液体が体内に流し込まれれば、その効果はあっと言う間に表れた。

 少年の体がポンっと軽い音を立てて煙に包まれ、一時少女からは姿が見えなくなる。そしてその煙が収まれば、そこには少年の姿は無い。代わりに、少年の体積と同じぐらいの何かが鎮座していた。

 

「おお、なんと、成功してしまったぞ! あの、所でどんな姿になってるか分かる? なんか体が、すんごい動かしづらいんだけど……」

「うわ、声は同じままなんだ……。ええっと……、これは多分、スライムじゃないかな?」

 

 それには目玉が二つある。それの体はゼリー状でプルプルしていた。それの体色は半透明の水色になっている。つまりは、少年はゲル状物質生命体になってしまっていたのだ。

 

「わぁお、エキゾチックな魅惑のボディになってるぅ。あ、手を動かそうとすると触手みたいのが生えるんだな。感覚的に何かしようとすれば、ある程度はその通りに動くのか。面白いなコレ」

「わー……、本当にスライムになってるんだね。凄いじゃないか、よく分からないけど高等な錬金術に成功したって事だろう?」

 

 少年が割と冷静に自分の体を把握しようとしている脇で、剣士少女はまるで自分の事の様に成功を喜んだ。なんて無邪気な顔で笑いやがるんだこのロリ。あざといな、流石ロリあざとい。

 さて、一通り体の状態を把握すれば、後は実際にどの程度まで動けるかを試したくなるのが人情である。というかむしろ、スライムプレイとか正直、堪りません。思わず少年の口から、欲望が迸るってもんですよ。

 

「プルプル、僕悪いスライムだよ。今から君の全身を、ネッチョリグチョグチョに粘液塗れにするよ」

「クスッ、何だいソレ。君は相変わらず変な事を言うね。それにしてもスライムか、僕の剣技だとちょっと相手にしたくない相手だな。相性が悪すぎるよ」

 

 スライムが弱いモンスターだと思っているのは、某ゲームをやった日本人だけと言うのはもう有名な話。海外のスライムは物理攻撃が効かず、武器や防具を腐食させるという厄介な生物である。その認識は、この世界でも同じ様だ。

 剣士少女もまた、スライムと戦うのはあまり気乗りがしないらしい。なので、少年は一計を案じる事にした。

 

「どうした姫騎士よ。貴様の村を守ると言う覚悟はその程度だったのか? 拍子抜けだなぁ、ぐわっはっはっはっ!」

「え、姫騎士って急にどうし――ハッ!?」

 

 少年が突然声を出来るだけ低くしながら演じた台詞を聞いて、少女は最初こそ驚いたものの瞬時にその意味を理解した。そして、両の腰からスラリと二本の剣を引き抜き、いつも以上に見栄えを意識した構えを取って見せる。彼女の顔は、それはもうキリッとしておいでです。

 

「フッ、僕を甘く見てもらっては困るな。掛かって来い、異形の化け物め! お前の思い通りになんて、この僕が絶対にさせないぞ!」

 

 ごっこ遊び。今の少年は悪の不定形生物であり、少女は村を守るために立ち上がった姫騎士なのだ。英雄譚が大好きな厨二入ってる彼女にとって、このシチュエーションはもう、滾るね! ってなもんである。

 

「ふはははは、良い度胸だ姫騎士よ。お前の力をこの俺に見せてみろー!」

「行くぞ悪い奴! 正義の剣で斬り裂いてくれる!」

 

 なんだかんだで少年もこういうのは嫌いではない。覚えたばかりの体の操作を最大限に利用して、全身から無数の触手を生やして踊りかからせた。そしてそれを少女は容易く切り落とし、何時もの様に足捌きとフェイントを駆使して距離を詰めて来る。

 だが、このスライムは、少年の特性も兼ね備えているのだ。

 

「かかったな、アホが!」

「くっ、斬り落とした触手が!? うわあああっ!」

 

 スパスパとトコロテンの様に斬り裂かれた触手たちは、少年がその身に宿す再生力そのままににょきにょきと瞬時にその姿を取り戻す。再生能力のついた物理の効き難い難敵として、この少年スライムは生まれてしまっていたのだ。

 瞬時に再生した触手は不用意に接近した剣士少女を包囲し、その全身にあっと言う間に絡み付く。一本や二本斬り落とそうとも、数の暴力の前には彼女の実力では追い付けなかった。ギリギリと、音だけはそれっぽく、少女の体が締め付けられる。

 

「あぐっ、うあっ! あっ……まっ、そこは……」

「どうしたぁ、もう終わりなのか姫騎士よぉ。ぬふははははは!」

 

 手に足に、そして身体にもシュルリと粘液で出来た触手が絡み少女の体は宙に釣り上げられる。少女の顔が苦悶にも似た表情に歪み、ほんのりと頬を染めて苦し気に喘ぐ。わー、痛そうだなー。理由はそれ以外に何も考えられないなー。

 少年はもうノリノリ。完全に役にはまり切って、勢いに任せてとんでもないことを口走り始める。

 

「ぬははは、どうだぁ降参するかぁ? 早く降参しないと、じっくりと衣服だけを溶かして晒し者にしちゃうぞぉ、良いのかぁ?」

「くっ……んっ! ……けない。絶対にお前になんて、負けない!」

「へっ、言うじゃねぇか。そこまで村を守りたいのか……。実に感動的だな。だが無意味だ」

 

 ぐぱぁっと本体の方がまるで大口を開ける様に広がり、拘束された少女はゆっくりと引き寄せられて行く。丸呑み。飲み込まれた先でどうなるのか、それは少年にすらわからない未知の世界。

 ここに来てチラリと少年は少女の顔色を窺った。本気で嫌がるなら今のうちだぞ、と視線で訴える。それに対して少女の方は、瞳に涙を浮かべつつも何も言わず。ただ、ゴクリと喉を鳴らした。

 

 喉を鳴らした? え、覚悟完了って事? オッケーって事なんですか? 少年スライムは混乱した。でも、動き自体は止めずに、少女の体を引き寄せ続ける。このままいけば、パックンチョからのネットヌトだ。

 そして、そしてついには――

 

「魔力の乱れを感知してきてみれば……、何をしているんだお前達は……」

 

 底冷えのするような声色で、フードを目深に被った師匠が二人の間に降り立った。師匠の事だ、文字通り飛んで来たのだろう。BGMは雑魚戦からラスボス戦へと変更だ。見なくても分かるが、全身からどす黒いオーラを放って師匠は大変ご立腹でございます。

 

「……………………。ええい、新手か! だが、しゃらくさい、纏めて一飲みにしてくれるわ!!」

 

 言い訳とか絶対に無理だろうと瞬時に悟った少年は、己の役割を全うするべく師匠に向けて全身で踊りかかる。剣士少女は拘束を解いて、巻き込まれない様にそっちの地面に下ろしておいた。後は、逝くのみ!

 

「そんなに飲みたければ、これでも飲んでいろ」

 

 ヤケクソになって飛び込んで来たスライムに対して、師匠の取った行動はただ一つだった。手の中にザラリと錠剤を取り出し、無造作にそれを己が馬鹿弟子に向かって放って寄越す。ゼリー状の少年の体は、その錠剤を簡単に受け入れてしまった。

 それを受けて、飛び掛かっていた不定形は、ボトンと重い音を立てて地面に落ちる。勢いをそがれたのではなく、少年自らが驚いて動きを止めたのだ。

 

「がぼっ!? え、師匠何これ? ラムネ? 塩素剤?」

「乾燥剤だ。特別製のな」

 

 次の瞬間、少年の全身から水分が消えた。ボキュっと音を立てて液状の体が手毬の様な大きさに縮み、ボテリと地面に落ちころころと転がる。そして少年は、そんな状態でも普通に生きていた。もはやカートゥンのギャグである。

 

「お前の体質とモンスターの体なら、その状態でも死にはしないだろう。後で池にでも放り込んでやるから、暫くそこで反省していろ」

「そりゃぁないっすよシッショー……」

 

 少年の嘆きの声は無視されました。少年を無視した師匠は剣士少女の方に歩み寄り、その体に怪我が無いかを簡単に観察する。しかる後に手を取って立ち上がらせて、弟子の不始末を謝罪しだした。

 

「うちの馬鹿弟子が調子に乗って済まなかったな。もし体に異常が出たら言いなさい。今回ばかりは流石に私が治療に当たらせてもらおう」

「え、あ、はい……。僕は全然大丈夫です。あの! せっかく助けてもらっておいていうのもアレなんですが、今のはごっこ遊びの延長と言うかその――」

「解っているよ。でも、ほどほどにしておきたまえよ?」

 

 少年の事を弁護しようとした少女だったが、それを遮って師匠は忠告めいた事を残してその場を後にした。ボールにされた弟子を引っ掴んで、近くの池にでも向かうのだろう。

 それを見送った剣士少女は、手首に付いた締め付け痕に視線を移してぼんやりと思った。ちょっとだけ惜しかったかな、と。




おかげさまで評価がとんでもない事になっております。
そ、そんなにロリが好きなんてみんな変態紳士だな!
凄く嬉しいです、応援ありがとうございます!
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