ルパンレンジャー達が二課の基地に潜入してから、数日後。
二課はデュランダルの輸送の作戦を実行に移していた。
デュランダルの輸送が始まったが、輸送している車に向けて、次々とノイズが襲い掛かっていた。
「前方から不審なワゴンカーが来ているようだけど」
その走行中、建物の上から突然現れたモルナガカーに驚きを隠せなかった。
そのモルナガカーから一つの人影が現れると、その手に持った武器を使い、マンホールを破壊し、そのまま地下へと降りる。
「キャプテンキッド!」
その声と共に、マンホールから強烈な光が溢れ出す。
すぐにその場で停車すると共に、マンホールから飛び出したのは、既に灰になりかけているノイズの大群だった。
ノイズはそのまま灰になり地面へと落ちるが、建物に隠れていたノイズが次々と現れる。
「どうやら囲まれているようだわ」
「本当に美しくないわね」
「っ!」
聞こえてきた声と共に響が見つめた先には豪華な衣装を身に纏ったマリエが立っていた。
「有象無象に用はない。
早く、デュランダルを渡してもらおうか」
「まさか、他にも」
その声が聞こえ、見てみると、そこには歌舞伎を思わせる衣装を身に纏った男が刀を構えながら言う。
「人?」
「我らはギャングラー。
そして我が名はイシカワ、異界の力を使い、世を支配する者だ」
「そういう肩苦しいのは良いから、さっさとデュランダルをよこしなさい」
そう言いながら、マリエは指を弾くと辺り一面が炎で覆われ、イシカワは手に持った刀を振るうと、空を覆う氷の壁が作り出す。
「これで逃げ場は無くなった」
「それはこちらの台詞だぜ」
その一言と共に、モルナガはその場で構える。
「怪盗」
「こっちの狙いはてめぇらだからな」
そう言って、響を始めとしたメンバーを守るように雨宮達は構えていた。
「えっ、狙いって?
デュランダルじゃないんですか?」
「いや、俺達の狙いは、お前らだ」
「まさか二人同時とはな。
さっさと決めるぞ」
その言葉と共に、取り出したVSチェンジャーに各々のダイヤルファイターを装填する。
【RED!】【0・1・0!怪盗チェンジ!】
「怪盗チェンジ」
【ルパンレンジャー!】
同時にルパンレンジャーへと変身する。
「ルパンレッド!」
「ルパンブルー」
「ルパンイエロー!」
「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー!」」」
3人は名乗りを上げると共に周りを見渡す。
「ふっ良いだろう。
纏めて、相手にしてやろう」
「土産には丁度良いしねっ!」
その一言と共にマリエは炎を放ち、イシカワはその手に持った刀で襲い掛かる。
「レッドさん」
「あぁ」
響の言葉を聞き取るのと同時にルパンレッドの目の前に現れたカードを握り潰すと同時にイザナギを召喚する。
イザナギの召喚に合わせるように、もう片方の手にある黒い模刀を取り出す。
「イザナギ!」
その声と共に、その手に持った黒い模刀がすぐに形を変え、イザナギの持つ薙刀に変わりルパンレッドはイシカワの攻撃を受け止める。
同時にマリエによって放たれた炎は、ソーマと忍はVSチェンジャーで炎を撃ち落とす。
「おい、小娘。
あいつらは儂らが片付ける。
雑魚のノイズは骸骨共が片付ける」
「骸骨?」
「スカルだぁ!!」
その言葉共に、地下に入っていたスカルは飛び出し、キャプテンキッドに乗りながら、ノイズへと攻撃を仕掛ける。
「えっ、あれって確か」
「気にするな。
それに、お前の相手は向こうだ」
「っ!」
その言葉を聞き、見てみると、デュランダルを狙っていると思われる相手の銀色の鎧を身に纏った女性がいた。
「んっ?」
襲ってきた相手が気になり、ルパンレッドは一瞬だけ、そちらの方向を見ると、その女性はどこか見覚えがあった。
「余所見とは、余裕だな」
「ちっ」
その一瞬の隙を突かれる形でイシカワに攻撃を仕掛けられ、イシカワが振った刀から溢れる冷気と共に、周りは氷の柱が出来上がる。
「やはり、幹部だけあって、油断はできないな。
だけどなぁ!!」
その言葉と共に、襲い掛かる斬撃に対して、薙刀を回転させながら、そこから溢れ出る雷で反撃を行っていく。
そんなイシカワと戦いを行っているルパンレッドとは別にルパンブルーとルパンイエローはマリエに対して、苦戦を強いられていた。
「ふっ、どうやら、態度だけ大きかったようね」
「ちぃ、言わせておけば」
「だが、この炎は厄介だぞ」
そう言いながら、炎から二課の局員を守る為にその場を動けない二人はVSチェンジャーによる攻撃を止める事ができない。
「ちっ、ルパンソードではなぁ」
そう言いながら、苦戦を強いられている中で
「だったら」
イシカワとの戦いで苦戦をしている中で手に持ったVSチェンジャーでイシカワに牽制するように放つ。
「ちっ」
「響、お前の力、他の奴に貸しても良いか?」
「勿論だよ、レッドさんの仲間だからね」
「悪いな」
その言葉と共に手に持った薙刀を投げる。
「武器を捨てて、血迷ったか!!」
その隙を逃さないようにイシカワが攻撃を仕掛ける。
「血迷っていない、信じているだけだ!」
「なっ!」
イシカワの攻撃を防いだのは、モルガナのペルソナであるゾロだった。
「悪いが、ノイズはもう全部片づけているからな」
「ちっ」
イシカワの横からスカルは手に持った鉄パイプで攻撃を仕掛ける。
「あれだけのノイズの群生を瞬く間に倒したというのか!?」
「怪盗団、舐めるなよ」
その言葉と共にルパンレッド達は各々の銃を構え、引き金引く。
「ぐっ、これは予想外にっ!!」
銃弾を受け止めきれず、一瞬倒れてしまう。
「今だ!!」
「「おう!」」
その倒れた瞬間を狙い、3人は一斉に飛び出す。
「なにっ!」
3人の影が消え、次の瞬間、イシカワの身に起きたのは次々と襲い掛かる影だった。
影が攻撃を終えると共にルパンレッドは着地するのと同時に笑みを浮かべる。
「がぁ!!」
全ての攻撃を受けきるのと同時に、イシカワの仮面が割れる。
「ぐっ」
『俺はこんな美を追求したい』
『俺も咥えてくれ、怪盗団に』
「まだまだぁ!!」
イシカワの仮面が割れるのと同時にマリエの追撃は終わらなかった。
ルパンイエローは、ルパンレッドから投げられた薙刀へと向かっていくが、それまでには距離が遠すぎた。
「さぁ、燃え上がれ」
マリエは、その一言と共に巨大な炎をルパンイエロー達に向けて放った。
「悪いが、その炎は美しくない」
「っ!」
聞こえた声と共に炎から守るように氷の柱が現れた。
「えっ?」
「あいつは」
その場にいた者達は、一斉に氷を放った張本人を見た。
そこには先程まで歌舞伎の衣装と比べれば軽装の怪盗衣装を身に纏っており、狐の仮面を装着していた。
「何のつもりっ、イシカワ!」
「否、俺は既にその名は捨てた。
我が名はフォックス、そして、これが我がペルソナ、ゴエモンだ!」
その言葉と共にゴエモンが現れ、マリエの足場を全て凍り付ける。
「えっえぇ!?
どういう事なのっ!?」
「ふむ、色々と迷惑をかけた。
しかし、なかなかに面白いな」
「なっなんだ、こいつ!?
さっきまでも変だったけど、変態になった!」
「そう言えば、こいつは」
久しぶりのフォックスの反応にモルガナは言っていたが
「ちっ、だが「別に問題はない」っ!!」
「なかなかに良い剣だ」
ルパンイエローはその手に持った薙刀を構え、払う。
「えっ?」
その一瞬の構えで、マリエの仮面は割れる。
『もう我慢はしない!
好きにさせてもらうから!』
「えっ?
これ、どういう状況?」
「目的は果たした、ジョーカー、あとはっ!!」
そう言い、ルパンレッドに話しかけたスカルだが、ルパンレッドはその場で蹲っていた。
「おい、ジョーカー、何が」
「おい、何が起きている!」
フォックスの言葉に気付き、その場にいる全員が上を向けると、そこには飛び出たデュランダルを手に持った響が黒く染まっていた。
「こっちまでっ!」
忍が手に持っていた薙刀にも、すぐに変化は起き、元の黒い模刀へと戻ると共に、イザナギが現れる。
「ぐっがぁ!まがぁついざなぎぃ!」
その声と共に、イザナギの黒は徐々に変わっていき、そこに立っていたのは禍々しい黒によって染められたイザナギだった。
「何がどうなっているんだ?」
「ペルソナはもう一人の自分だ。
だけど、ジョーカーのあのイザナギはあの子と共鳴する事で召喚している」
「つまりは、あいつが暴走したせいで、それに巻き込まれた訳か」
同時に暴走した二人はさらに共鳴するように辺り一面を吹き飛ばす程の嵐を作り出しており、黒服を纏った職員達は既に吹き飛ばされていた。
「このままじゃ」
絶体絶命の危機的状況の中で、響はその手に持ったデュランダルを振り下ろした。
「皆、今は逃げる事を専念だ!」
その言葉と共にモルナガはすぐにモルナガカーへと変身し、全員をすぐに乗せた。
そして乗り込み、一瞬の爆風と共に、その場にいた全員が吹き飛ばされていった。
「わあぁ!?」
「ぐっ、揺れる!」
モルナガカーの中で縦横無尽に飛び交う中でも、その場にいた全員は無事に避難する事ができた。
「なっなんだよ、これは」
すぐに起き上がったスカルが目にしたのは、先程まで自分達がいた場所だとは思えないように、周りが荒野へと変えられた光景だった。
「とんでもない威力だ。
しかし、ある意味、幸運だったかもしれない」
「どこか幸運なんだ、これがぁ!」
ソーマの一言に切れ、スカルはすぐに詰め寄った。
「あれよりも低い威力ならば、近くの工場まで届き、爆発し、二次被害が考えられる。
それすら起きない程の圧倒的な威力はむしろ幸運だ」
「だとしても、誰かいたら」
「そんな事よりも、さっさとレッドを回収する。
奴が見つかったら、厄介だ」
その言葉と共にブルーとイエローはすぐに飛び出した。
「なんだよ、あいつら!
ジョーカーの事をまるで心配していないような態度!」
「スカル、落ち着け」
「これが落ち着いてられるかよ!
あそこにいた人達は必至になって、守ろうとしていたんだぞ!
しかも、それを「竜司」っ!」
そう叫んでいると、気絶していたマリエこと、本当の正体である高巻杏が目を覚ます。
「行ってあげなよ。
あの人達、あんたが思っている程、悪い奴らじゃないよ」
「なんで、そんな事を言えるんだよ」
「あの人達、爆発が終わってすぐに飛び出そうとしていたよ。
それって、本当は素直になれないだけで、仲間を思う気持ちは同じじゃない」
「それは」
「俺からも頼む。
先程ので、既に歩けない程に体力を奪われた。
この場で頼めるのは、お前だけだ」
再び出会う事ができた二人の仲間の言葉を聞きながら、収まらない怒りを頭で掻きながら
「あぁ、分かったよ!」
その言葉と共に、竜司はモルナガカーから飛び出し、走り出す。
走り出した先には追い付いた先に見えたのは、デュランダルを持ち去ろうとしていた謎の少女だった。
その先には既に変身が解かれている雨宮だった。
「ジョーカー!」
「っ!」
スカルのその一言を聞いた瞬間、少女は眼を見開いた。
スカルはすぐにキャプテンキッドを召喚し、雨宮を抱え、その場を去る。
「嘘だろ」
スカルがそのまま逃げ去った後を見つめながら、呆然と少女は立っていた。
その少女、クリスの手には、雨宮が変装の時に使っていたマスクが握られていた。